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三蔵「…岩から尻が生えている」
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1: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 01:13:20 ID:clfaSnFbdM
尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」

三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」

尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」

三蔵「しかし無駄に毛深いな」

尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」

三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」

尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」

三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」

尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」

三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」

尻「おい」

三蔵「下の毛とか意味わかんない」

尻「おいこら」


847: 名無しさん@読者の声:2014/11/3(月) 13:03:42 ID:U/Iz4I.ENo
まさかお返事いただけるとは!

個人的には鳳凰も師匠に惚れてついていこうとしてたのかなと思ったりもしていましたw
848: 名無しさん@読者の声:2014/11/3(月) 21:15:38 ID:m3ro3DygUs
お釈迦様とキンタ久しぶりーっ!!
そうだよ、この二人が介入するくらい一大事だったのにあの緊張感の無さwww
いろんな意味で流石ですね三蔵一行www

ヨシュアさんお疲れさまでしたー!
849: ヨシュア【OVAそのに・前編】 ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:49:22 ID:cD0UJg150s
悟空「……てあっ!」

八戒「ふっ!ほっ!」

悟浄「悟空姐さん、もうちょい右、右。アタイ入れない」ボソッ

悟空「えっあっ、ごめんごめん」ボソッ

八戒「ラストじゃ、ほれ決めるぞ」ボソッ

三弟子「「「覇ぁっっ!!!」」」

ドドーン……!!

「ほおお……!」

「流石は音に聞こえる豪傑、なんとも素晴らしい…!」

「この美しき武技、まさに天下の勇者ですな…!」

大臣「…以上、孫悟空殿、猪八戒殿、沙悟浄殿による演武に御座いました。お三方、大義でありました、お席へ……」



悟空「ふへぇ、緊張したぁ……」

三蔵「おうお疲れ。なんだスゲーじゃんお前ら、即興であんなん出来るとか」

小龍「…お疲れ様です。……何度か危なっかしい場面も、あるにはありましたが」

八戒「打ち合わせらしい打ち合わせもしとらんからの。ワシと悟浄は型がしっかりしとるからそれでも平気じゃが、問題は姉者じゃったな」

沙悟浄「我流だとは知ってたけど、傍目メチャクチャだからねぇ動きが。合わせるのに苦労したよ」

悟空「だって別に誰か棒術、習ったワケじゃないもん。あー、お腹すいたぁ…」

三蔵「残念ながらメシにありつくには、後……」

小龍「…予定表によると、次は講談師による朗読『三蔵一行冒険譚・羅刹女と芭蕉扇』、その次は宮廷詩人による詩歌『五聖』、その次は……」

悟空「うええええそれいつゴハン食べられるのーっ!?」



番外編〜余談・都にて〜
850: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:50:25 ID:cD0UJg150s

悟空「うー、よくみんな食べないで聞いてられるねこんなん……」

八戒「ワシらの凱旋を祝う宴席じゃと言うのに、まだ酒の一杯も出んとは。これじゃから儒教まみれの皇室は好かん」

沙悟浄「まあ、気に食わないのには同意だねぇ。なぁにが『天下の勇者』だい。どいつもこいつもデップリと脂ぎった金持ち共が、心にも無い世辞言ってんじゃないよ全く」

小龍「…よく燃えそうですよね、試してみましょうか」

三蔵「いや今回はマジで俺のせいでスマン。俺だってこんな席に出たくねーんだが」

沙悟浄「ああん旦那様のせいじゃないよう!仕方ないさね、義理は果たさないとだしねぇ」

八戒「…ま、元々『天竺へありがたい経を貰いに行く』という体じゃったものな、師匠殿は。もう経典は渡したのかの?」

三蔵「あ、うん。さっき大臣さんに」

悟空「観音さまにお願いしたヤツですよね」

三蔵「なんか急いで書いた感バリバリだったよな字ぃヘッタクソ過ぎるぞアレ」

沙悟浄「まあ読めないくらいが良いんじゃないかい?どうせ中身なんて……」

大臣「三蔵法師、そしてお弟子の方々。天子様が、別室にて目通りを御所望です。お食事もそちらに」

悟空「ごはん!」

三蔵「や、良いよ大臣さん、こっちで食うよそして終わったらさっさと帰」

八戒「何を言うとるか、行くぞ師匠殿。酒は出るであろうの?」

小龍「…あと甘いのも欲しいですね」

沙悟浄「はい旦那様っ♪義理のお兄さんなんだろう天子様って?ご挨拶に行かないと夫婦としてっ♪」

三蔵「いや夫婦って……あーくそ、会いたくねぇなぁ……」




天子「……面を上げて下さい……ああ、よくぞ帰って来ました玄奘。元気そうで何よりです」

悟空「……え?」

小龍「…皇、帝……ですよね?」

八戒「……いやはや、まさか」

沙悟浄「………女っ!?」

三蔵「……うん、ねーちゃん」
851: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:53:39 ID:cD0UJg150s
天子「…さて……積もる話もありますが、まずは大臣、皆様にお料理とお酒を。それと、近衛に見られながらなど箸が進まないでしょう、人払いを」

三蔵「料理と酒は貰いますが人払いは結構です大臣さん」

天子「人払いを」

三蔵「しなくて良いです」

大臣「………ごめんな玄奘、哀しいけどこれって皇帝の命令なのよね。……は、酒宴の用意と人払い、畏まりました」

三蔵「ぐっ」




大臣「……お待たせ致しました、お料理とお酒、出揃いまして御座います」

悟空「ふおおおお……!こーゆーご馳走久しぶり!食べても良いですかお師匠さまっ!」

天子「ふふ、どうぞ御賞味を。……膳が済んだら、女官達、戻りなさい。酌は大臣、貴方が」

大臣「……はっ」

三蔵「…………」

天子「………さて、と。もう平気ですね…………玄奘ぉぉぉぉぉぉぉおっっ♪」ガバッ

沙悟浄「っっっ!!!」

三蔵「あーもう抱き着くな!痛……くはないな鍛えられたなぁ俺」

天子「だって、だってお姉ちゃん寂しかったんですよう!?半月くらいかと思ってたのにもうどんだけ帰らないんですか玄奘ったら!」

悟空「モグモグ……うわあ……はっ!悟浄ちゃんダメだよ暴れちゃ……ん?あれ、なんか何とも言えない顔してる。どったの?」

八戒「んぐ……ぷはぁ。ひっぺがしたいけど、師匠殿の義姉に嫌われたくない……という揺れる乙女心じゃな。イケるのう、この白酒」
852: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:54:04 ID:cD0UJg150s
小龍「…此方の鶏も美味ですよ、悟能様。……しかし皇帝の威厳、全く無いですね……」

三蔵「うっざい離れろ!ねーちゃんの威厳とかどーでも良いが、俺まで師匠としての威厳を失っちまう!」

小龍「…あると思ってた事に驚愕です」

天子「むう、玄奘のいけずぅ……」

八戒「なるほど、の。これが会いたくなかった理由か」

三蔵「や、まあ別にブラコンなのは構わんのだが」

悟空「ロリコンがブラコンを否定する権利無いですもんね」

三蔵「うっせぇけどその通りだ。性癖や嗜好に罪は無い。それよりねーちゃんはだな……」

天子「あ、自己紹介がまだでしたね。ごめんなさい、義弟との再開に、舞い上がってしまって。……玄奘のお弟子様たち、初めまして。朕(ちん)は二代目皇帝、平世と申します。あ、でも朕の事名前で呼んじゃうと色々めんどくさいから、天子様〜とかそんなんで呼んだげて下さいね、偉そうでゴメンね?」

沙悟浄「わ、わ、悪い人じゃあ、無さそうだね…!」

悟空「悟浄ちゃんが頑張って平静を保ってる」

小龍「…確かに、高慢な感じは受けませんね。帝とは思えません」

八戒「うむ。それこそ師匠殿が好む『テキトーな性格の偉いさん』ではないか。中々に美人じゃし、そう邪険にせんでも」

天子「そもそも自分のこと朕とか、そっから偉そうですよね変えるべきですよね。だいたい朕ってなんなんですかね、私チン付いてないのにね!朕チン○ン付いてないのに!ぷっ!チン何回言うんだよってね!」

八戒「……もしかしなくてもこの御方、ワシと仲良く出来るタイプかの?」

三蔵「……ウン、ソウダネ」
853: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:54:29 ID:cD0UJg150s
天子「んふんふんふ、久しぶりに楽しい宴席ですよこれは。それにしても孫悟空さん、噂と違ってプリチーですね!いやあ可愛い妹にしたい!でもあんまり弟妹増やすと大臣に怒られる!」

悟空「ぷえっ?え、えへへ……あ、ありがとうございます」


三蔵「…ねーちゃんああ見えて武闘派でさ、けっこう力ずくで皇帝になったみたいで」

八戒「うむ、オナゴにしては大柄じゃしのう。それに動きが武人のソレじゃ。撃剣あたりの使い手かの、筋肉の感じじゃと」


天子「んふ、んふんふんふ♪」

沙悟浄「へっ?は、はいっ?あの、なにか」

天子「んふふ、沙悟浄さん、玄奘のコト好きでしょ?わかるんですよぉ、これでも朕も乙女ですから。ねえねえどこに惚れたの?ねえねえ?」

沙悟浄「えっ、えっ、えっと、えええ!?」


八戒「しかし女性の天子とは……いや、今の中華では天子なぞ誰でも良いか。乱世でもなし」

三蔵「まあ別に愚帝ってワケじゃあないんだよ。それなりに治めてるし。問題はそこじゃなくてだな……」


天子「どうです玉龍殿、特製プリンのお味は?」

小龍「…すごく美味しいです……」

天子「でしょう?朕も甘味に目が無くて、乳牛を西域から輸入してですね…」

大臣「……天子様、御歓談の最中、申し訳ありません。上奏を望む者が来ておりまして、追い返したくとも、そやつら特例の許可証を持っているので無下に出来ず……」

天子「あらあら。ん〜……じゃあここまで入って貰いなさい。例え賊が化けていたとしても、孫悟空さんを始めとした勇者が揃うこの室で、狼藉も何も無理でしょう?」
854: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/8(土) 07:55:16 ID:cD0UJg150s
大臣「…ですね。……天子様の許可が出ました!入りなさい!……あ、女性の方だけで後の二人は待ってて欲し」

虎力大仙「んったく早く通しなさいよ……えっと、我ら牛魔が主、その夫人玉面公主の使いにて……あれ?書類持ってんの誰?羊力?……って、ウゲッ!エロ豚!?なんで!?」

羊力大仙「こら虎力、人間とは言え中華の長であるぞ、あまり無礼に振る舞っては……む、三蔵一行」

鹿力大仙「あん?なんで居んのお前ら……うおっ!?」

天子「わぁぁぁおムキムキ!おにーさんムキムキじゃないですか!カッコいいい!でも顔は意外と童顔でかわいい!」

鹿力大仙「なにこのネーチャン」

天子「ふおおお!お隣のおにーさんはお髭がダンディー!よく見たらけっこう美形じゃないですか濡れる!」

羊力大仙「な、なんであるかこの女官は。大臣殿、これは一体、天子様は何処に」

大臣「……残念ながらそれが天子様です」

天子「どっちでもいいから、結婚を前提にセッ○スしてください!」

虎力大仙「なに言い出すのこの人!?」


三蔵「……問題は、どうしようもなくビッチなんだよ」

八戒「……そりゃ大問題じゃの」
855: 名無しさん@読者の声:2014/11/8(土) 16:14:50 ID:OmjjaxiSjs
本当に八戒ちゃんといろんな意味で仲良くできそうwwww
856: 名無しさん@読者の声:2014/11/8(土) 19:46:36 ID:QvnGSzKaG6
ロイヤルビッチ美味しいです(^q^)おや、誰か来たようだ
857: ヨシュア【OVAそのに・後編】 ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:24:41 ID:hbHbZCp96o
八戒「なるほど男好きか。大臣殿から衛兵まで女ばかりなのは、そのせいなんじゃな。ほ、どこぞの女人国を思い出すのう」

三蔵「腐ってるほーがマシかもだぜ。若い男と見りゃすぐ食おうとしやがるからなアイツは。女版のお前だよマジで」 

八戒「一応ツッコんどくがワシも女じゃい」


天子「なになに?お友達でしたか牛魔王さんとこの使者さん達。なら一緒に呑みましょー!おにーさん達は朕を挟むように座って座って!後で朕もチンを挟んであげちゃいますから!朕チン挟んであげちゃう!」

虎力大仙「うっわぁ」

鹿力大仙「ぶはっ!ちんちんだってよちんちん!おもれーネーチャンだなおい!」

羊力大仙「お前の笑いの沸点は小学生レベルであるな……」


大臣「……ああ、もう…」

三蔵「お疲れ大臣さん。ま、呑んで呑んで」

大臣「あ、悪いな玄奘……と、とと……はぁ。まったく私の苦労も知らないであのクソビッチ皇帝」

三蔵「はは、今ん所どこの誰が相手だかわからん子とか孕んで無いみたいね、良かった良かった」

大臣「やめろそんな怖い冗談。いや冗談じゃないくらいリアルな問題なんだよそれやめろ」

悟空「でもいい人だよ!なんかフワッとしてて、ニコニコしてて!頭撫でられちった、えへへ……♪」

沙悟浄「『結婚式は都で挙げて下さいね!めっちゃ豪華にしてあげますからお義姉さん!』なんて言われちまったよぅ…♪お義姉さま公認……むふふぅ…♪」

小龍「……さすが……あむ……先生の姉君ですね。かなりの人誑しです」

三蔵「人たらしって。だから悪いねーちゃんでは無いんだけどなー。や、手クセは悪いけど。あと何杯プリン食うんだよお前、悟空か」

小龍「………本当に美味しくて」

大臣「これで人当たりすらダメならもうとっくに謀反ってますよソープに落としてますよあんなん。あれ、猪八戒殿は?」

三蔵「獲物を見つけたから狩りに行った」


虎力大仙「うわぁぁあ来るな寄るな触るなーっっ!!」

八戒「酌をせいと言うとるだけじゃ、ほほほっ♪」
858: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:25:38 ID:hbHbZCp96o


三蔵「……で、結局大宴会の大騒ぎかよ。三バカさんも適応力高ぇなあ」

天子「んふんふ。玄奘は混ざって来ないの?じゃあ朕が混ざってきますそれはもうくんずほぐれつ上から下から」

三蔵「ねーちゃんは黙って玉座で大人しくしてろ。…実家でツレが騒いでて、混ざり難いあの感じなんだよこちとら」



鹿力大仙「マ、マジかよ……!?腕相撲で、この俺が負けた…!?牛魔王様にしか負けたコトねぇのに…!」

悟空「へっへ〜♪でも鹿くん強いよ?だいたいムダにマッチョな人って弱いイメージなのに。あ、お兄ちゃんは別格ね。そうだなぁ……悟浄ちゃんくらいは強いかな」

鹿力大仙「んだとオイ赤頭、勝負しやがれ!」

虎力大仙「るっさいわねバカ鹿、今アタシが喋ってんの!ねぇ沙悟浄沙悟浄、アンタこのフレアスカートなんか似合うんじゃない?髪もツインテにしてさ、小物とかもあえてキッチュなのを選んで」

沙悟浄「なんだいファッション雑誌かい?……いやアタイはそんな子供っぽいの……子供っぽい…?……だ、旦那様にウケる……!?」

虎力大仙「そぉよアンタ、好きなオトコがロリ趣味なんだから、そっから考えないと……んでそこの変態ロリはこっち向くな視線を向けるな!」

八戒「つれないのぅ……ワシは単に親睦を深めたいだけじゃと言うに……のう大臣殿?」

大臣「ちょ、猪八戒殿!?あのその、胸元に手を入れないで欲しっ、ひうっ!?わ、私には夫とまだ幼い息子がっ!」

八戒「良いではないか、もう少なくとも二人に吸わせた乳房じゃ、三人になっても変わらんじゃろ?ほほほ…!」

羊力大仙「……止めなくて良いのであるか、龍神殿。己が主君が不貞を犯そうとしているであるぞ」

小龍「…はむ……では貴方は、倫理だの常識だのを理由に……んむ……牛魔王の行いを止めるのですか?」

羊力大仙「……止めぬであるな。成る程、主そのものを我が常とするが忠義か。いやこれは我輩教えられたである、うむ!」

大臣「いや止めて下さひゃあぁぁあっ!?なっ、舐めっ!?」



三蔵「あーあー、ありゃもうだいぶ酔ってんなアイツら……ねーちゃん良い酒出し過ぎだろ。そんで小龍はいつまでプリン食ってんだ」

天子「……んふふ♪」

三蔵「…なんだよニタニタと」

天子「んふ♪なんでもありませんよ?……んふ、んふんふ…
♪」
859: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:27:26 ID:hbHbZCp96o
悟空「おっ師匠さまー!なに話してるんですかー?私も混ぜてっ!」

三蔵「とか言ってコッチの料理をパクってんじゃねーよ毛玉」

天子「んふんふ、仲良しですねぇ。ダメですよ玄奘、二股は」

三蔵「他のツッコミを放棄して言うぞ、どの口で宣ってんだこのアバズレめ」

悟空「そんなお師匠さま、いくらなんでもアバズレって…」

バターン!!

衛兵「お食事中、無礼を致しますっ!!」

大臣「そそそそんな先っぽばっかり……うわぁ離して凝れば違っ!な、なにごとですか!?今ここは立ち入り禁…」

衛兵「申し訳ごさいません!しかし、変事でございます!北の方百里、賊軍が迫っております!諸県の政庁を襲いつつ規模を膨らませ、兵力は二万にも届くかと!」

天子「あらあら。宴の緩みを突いたつもりですかね。大臣、先行に騎馬隊五千を…」

悟空「要りませんよ、天子さん。ね、皆?」

沙悟浄「ん、ちょっと外の空気も吸いたいしねぇ」

八戒「なんじゃこれからじゃと言うに……ま、良いじゃろ。おい三バカ、久方ぶりに武を見てやるわい、行くぞ」

虎力大仙「ちょ、なんでアタシらまで」

鹿力大仙「おっしゃらー!猿女ぁ!次はブッ飛ばした数で勝負な!」

羊力大仙「一飯の恩義である、返すは紳士の礼。あまり混戦は好かぬであるが」

小龍「…では三バ…お三方はどうぞ私の背中に。飛べないんでしょう?」

天子「あら、あらあら」

大臣「に、二万の軍勢ですよ!?如何に寄せ集めの烏合の衆と言えど、そんな数人でなんになると!?玄奘っ、彼女らを止め」

三蔵「おーい悟空ーっ」

悟空「そうだシャオくん、私も如意棒おっきくしないから、炎禁止ね。すぐ終わっちゃうから……はーい?なんですかお師匠さまー?」

三蔵「帰りに今週号の週間少年跳躍買ってきてー。買うの忘れてたー」

悟空「うーい!」

大臣「玄奘っ!?」

天子「…平気ですよ大臣。玄奘の顔が全てを物語ってます。……お姉ちゃん、少しだけ妬けますね。んふ♪」
860: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:28:00 ID:hbHbZCp96o





天子「……賊の討伐、実に大義でありました。この中華の帝として、深く感謝します。んふ、ありがとうね♪」

悟空「えへへ……また撫でられた…♪」

大臣「た、たった七人で、二万の敵を……いやはや、度外の武ですね…!」

八戒「じゃが結局この人数では、誰がどんだけ倒したか、ようわからんかったがの。あ、三バカトップは虎娘じゃが」

沙悟浄「なっさけないねぇ、男のクセに紅一点に遅れをとっちゃって」

羊力大仙「こ、虎力は遠距離に優れてるであるからして、我輩ら二人は一騎討ちの方がであるな!」

鹿力大仙「おいやっぱ俺にも教えろ虎力!あのビームみたいなの!」

虎力大仙「アンタには無理よ、気功術って、気の流れを理解するっていう学門だもん」

小龍「…ところであのプリン、まだありますか?」

三蔵「この面子でボケるのがお前とかやめて小龍」

天子「んふ、お気に召したようで何より。まだまだ沢山ありますよ?さ、お疲れでしょう皆様、後の膳を用意させましたので、ごゆるりと。………玄奘」

三蔵「ん?」

天子「夜を待たずに、発つ気でいるんでしょう?」ボソッ

三蔵「……長居すっと寺にまで呼ばれそうだからな。それはめんどい」

天子「…取経は済んだのに、まだ旅に出るのか…とか、最高僧としての務めを云々とか。そんな野暮ったいこと、お姉ちゃん言いません。でもね、玄奘」

三蔵「…だから抱き締めんなフワッて感じで抱き締めんな」

天子「……朕は貴方の姉であり、家族であるつもりです。貴方の居場所が、此処では無いとしても。…いつでも、帰ってくるんですよ?」

三蔵「………気が向いたらな」

悟空「うわっ、お師匠さまが照れてるキモッ」

八戒「なんじゃその取って付けたよーなツンデレ弟キャラは。気っ色悪い」

沙悟浄「…そ、そうか、フワッと抱き締めれば良いのか、フワッと……こう、肩から、こう」

三蔵「せめて茶化すくらいの可愛げはねーのかお前らは!あと悟浄なにそれ、肩を粉砕する系の技の構えかなんか?そして一番の毒舌が聞こえねぇと思ったらまたプリン食ってんのか小龍!」
861: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/10(月) 18:30:54 ID:hbHbZCp96o



悟空「ふわぁ〜、お腹いっぱいで歩くのダルい眠い…」

三蔵「うっせ歩け。本気でモタモタしてっと寺に連れてかれるんだよ三時間は読経させられるぞ」

八戒「そりゃその場に居るだけでキッツいの。ふぁ……じゃあワシ少し寝るから、あまり揺らすでないぞ小龍」

小龍「…はい。お休みなさいませ」

沙悟浄「また甘やかす……でも良いお義姉様だったよぅ旦那様ぁっ♪アタイこれなら家庭に入っても頑張れるよぅ♪……ちょっと何読んでんだい妻を無視してっ」

三蔵「いや、袈裟のポッケに手紙が……うわ、『勅』って書いてある」

悟空「ちょく?」

小龍「…皇帝の名においての命令、ですね」

三蔵「……何だよ回りくどい、直接言えよ直接……なになに?」

『“勅” 玄奘三蔵法師に、二代皇帝平世が勅を下す。天竺より更に西、西果ての国へ赴くと聞き及び、彼の地での人材を求めるものである。若く壮健な男子を所望す。努々、大臣には悟られぬよう』

悟空「…つまり?」

沙悟浄「西国から男を見繕ってこい、ってコトかねぇ…」

小龍「…曲がりなりにも天子が、勅命で男漁りですか……しかも大臣さんにバラすな、とまで」

八戒「…ふわ……西国の男は、色白で背丈があり……むにゃ……ナニが異様にデカイと聞くからのう……」

三蔵「……二度と帰るかあのクソビッチ!」





虎力大仙「……で、まあ賊の相手は面倒だったけど、美味しい物食べれたし、良い仕事だったわ。あ、これ経費の領収書」

紅孩児「…なんでそんな楽しそうなトコに、僕が居ないの…?よ、呼んでくれても」

虎力大仙「沙悟浄はなかなか話がわかるし、孫悟空は鹿力の相手してくれるし……エロ豚さえ居なきゃ、アイツらと呑むのも悪くないわね」

鹿力大仙「こんど俺様特製の麻婆茄子を食わせてやるって言っちまったからな!どっかで誘わねーと」

羊力大仙「八戒殿に龍神殿、双方とも兵法に明るく知者である。見識の交換は、我輩らの為にもなるであるな」

紅孩児「いずれ上司になる人を無視とか良くないと思うな!良くないと思うな僕!えっ、待って帰っちゃうの?えっ、ちょっ、えーっ!?」


劇終。
862: 名無しさん@読者の声:2014/11/18(火) 06:49:07 ID:QG/0oG8K2g
安定のこーちゃんwwwwwwwwwwwwwww
863: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/11/18(火) 07:15:38 ID:KuCSaKXNf6
>>1000まで埋まらせるから鼻クソほじりながら応援してね!
864: 名無しさん@読者の声:2014/11/18(火) 20:36:01 ID:6KdyPMHBok
ほら、ほじったのあげるよ!
支援
865: 名無しさん@読者の声:2014/11/19(水) 18:58:27 ID:Xl5E.mQ8IU
よっしゃー!まだまだ支援!!
866: ヨシュア【ファンブックおまけラノベみたいな・前編】 ◆.frSdr10QQ:2014/11/20(木) 19:14:45 ID:kNC9uH3bo.
……長い廊下が続く。古城特有のカビ臭さが鼻につく。

目に映る、紫の絨毯。蛇やら蠍やらを象った燭台。この彫像は毒竜かな。ウチの実家も大概だけど、輪を掛けて趣味が悪いね。魔王の城かっての。

「この先にて、魔王様がお待ちで御座います」

って、そうでした魔王の城でした。

城門からずうっと、僕を案内してくれた筋骨隆々の大男が、そう言って立ち止まる。

「……ここからは、一人で行けって事かな?」

僕の当然の問いに、男は腰の剣を抜いた。

瞬間。

針を刺す様な気が、僕を襲う。

「……へえ、驚いた。魁夷な風体に似合わない、綺麗な殺気だ」

「失礼ながら、力を試させて頂きます。魔王様の御前に立てるだけの力を、お持ちかどうか」

いやいや。呼ばれたから来たんだよ?それでなんで試されないと、と文句を言おうかと思ったけど、相手の目を見て諦める。ダメだこりゃ。

そして男は殺気を途切れさせず、大きな身体には似合わない、短めの剣を重心低く構えた。さっきから敬語も似合わないし、似合わないだらけだなこの人。

「…しょうがないなあ。お手柔らかに頼むよ?これでも僕、か弱いオンナノコなんだから」

「……牛魔の跡目、紅孩児………何れ程の兵(つわもの)か。いざ!」




『紅孩児伝〜The Devil's Blood〜』
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sage:


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