尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」
三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」
尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」
三蔵「しかし無駄に毛深いな」
尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」
三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」
尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」
三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」
尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」
三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」
尻「おい」
三蔵「下の毛とか意味わかんない」
尻「おいこら」
810: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/6(月) 23:24:09 ID:VKwp2Y6QKI
〜猪八戒 対 青教王side〜
ガキィンッ!!ガキィンッ!!
青教王「……流石は猪八戒、簡単には倒せぬな。くくく、ならば其の真の姿を」ゴキゴキゴキ…!!
八戒「焼き払えい九歯馬鍬!」
ゴオオオオオッ!!
青教王「……天に名高き宝具、九歯馬鍬……其の獅子王咆で砕いて見せ」ゴキゴキ…!!
八戒「凪ぎ払えい九歯馬鍬!」
ズッパーン!!
青教王「………な、なかなか疾いな、しかし獅子の仙力をもってすれば、その程度の」
八戒「掻き斬れ九歯」
青教王「変身させてくれないかなぁ!?と言うか攻撃をするなよ!待つのが礼儀と言うか空気と言うか、わかるだろう!?」
八戒「ほっほ、そろそろ怒られるとは思うとった。ほれ、待っとってやるから、変身でも変態でも好きにせい」
青教王「……ぐぬ…!軽口を叩いて居られるも、今だけだ……グルル……覇ぁぁぁ」ゴキゴキゴ
八戒「掻き斬れい九歯馬鍬ーっ!」
バシューッ!!!
青教王「ぁぁぁぁあああっ!!?はぁぁぁあ!!?」
八戒「ぷほっ。ほほ、ほはははは、良いリアクションじゃ、ぷほほほ………む、マジで怒っとるなコレは。わかったわかったそう睨むな、もう邪魔せんから、な?」
青教王「…………」ゴキゴキゴキ
八戒「………」スッ
青教王「っ!」ビクッ
八戒「ぷっ!ぷく、ぷくくく……!ビクッて、ビクッてしおった…!」
青教王「せ、性格が悪いとかの次元では無いぞ貴様!?悪魔か!!」
811: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/6(月) 23:25:31 ID:VKwp2Y6QKI
〜仕切り直し・猪八戒 対 青教王side〜
ゴキゴキゴキ……!!
青教王「ぐるぁぁぁあっっ!!……ふぅぅう………余計な手間を取らせよって…」
八戒「いやの?悪気は……あったにはあったんじゃが、あっちで悟浄のヤツが恥ずかしげもなくシリアス入っとるからの?ワシはギャグっとくべき的な使命感がの?」
青教王「……よくわからんが、そのままふざけていろ。肉塊になった後に笑ってやる」ゴゴゴゴ……
八戒「……残念じゃが、そのふざけた妖気が、それを許してくれんのう。……獅子、じゃな。霊獣を取り込む術か、面妖な。マジにならざるを得んわい」
青教王「……ならば、此処からは死地。……光天既に死す!奮んんんっっ!!!」
八戒「叩き伏せいっ!九歯馬鍬っ!」
ドガァァァァァンッッ!!
八戒「……!膂力はワシでは到底敵わぬな…!」
青教王「…ほう、見事。最小限の力で往なすか……見惚れる程の武よ、恐れ入る。……妖天此処に立つべし!雄々ぉぉぉぉぉおっ!!」
ガキィィィィンッ!!
八戒「…っ、まともに受けては此方が持たん…!てか何じゃ変身した途端、その文言は。まんま太平道のパクリではないか、このエセ教祖めが」
青教王「……似非結構、一応教祖らしく振る舞おうとしての戯れだ。教団の体を為しているも、天界の邪魔を防ぐが理由よ。しかし宗教とは便利だな、都合の良い絵空事を説くだけで、馬鹿が簡単に集まる」
八戒「……ふん。マジついでに訊いておくか。何故ワシ等を狙う?残念ながら最早、三蔵法師を食ろうても不老不死などには成らぬぞ?嘘では無い証拠に、牛魔も手を引いたじゃろ?」
青教王「見くびって貰っては困る。貴殿達と天界の一件、天部は秘しているつもりらしいが、筒抜けも筒抜け、とうに知っておるわ。玄奘三蔵に金蝉児が宿って居らぬことなど、な」
八戒「……ほ。これは驚いた。……まあ管理しとるのがあのバカップルじゃからな……筒抜けも已む無しじゃ。それを承知の上で目的は…………師匠殿、か」
青教王「…やはり知者よな、猪八戒。その通りだ。食らえば不死身、などと言う眉唾臭い噂より、今の玄奘三蔵にこそ価値がある」
八戒「……ワシら弟子を討ち倒し、三蔵法師を食らい殺した事天下に報せば、一勢力を築くに足る武名を得る、か。人質に取ってワシらを操る、と言う手もあるのう。成程、悪党の考えそうな事じゃ。…嫌いでは無いがの」
青教王「其の台詞だ。貴殿の知勇、好ましいぞ」
八戒「ほほ、告白のつもりか?悪いが汗臭い男は趣味では無いのう」
青教王「安心しろ、其も性格の壊れた女子は御免だ」
八戒「壊れとるとまで言われたのは初めてじゃ!」
812: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/6(月) 23:26:30 ID:VKwp2Y6QKI
ガキィンッ!!ガキィンッ!!ギャリャンッ!!
青教王「グルァァアッ!!獅子王咆っ!!」ゴオッ!!
八戒「むおっ!?」
ドガァァァァンッッ!!
青教王「……不憫よな。武技、気術、そして何よりその知謀。戦士として非常に優れて居るが、余りにも撃が軽い。貧相な体躯も、火力不足の原因と見る」
八戒「……ワシは搦め手で勝つタイプなんじゃい。ほっとけ」
青教王「だが噂では、あの武神・二郎真君すら下したと聞く。成程搦め手……扇動、挑発、貴殿の口舌の威力、先程の揶揄は氷山の一角なのであろう。こちらのペース、崩される前に畳み掛けるぞ……獅子王咆ぉお!!」
ドゥンッ!!ドゥンッ!!ドゥンッ!!
八戒「ぐぅっ!!ちょ、待っ……がふっ!!」
青教王「我が獅子王咆は、音速を超える気砲!悪いがこのまま葬らせてもらう!波ぁぁぁあっ!!波ぁあっ!!」
八戒「聞く耳持たぬか……くうううううっ!!」
青教王「それで避けているつもりか!」
ドドドドドドッッッ!!!
八戒「……っ!!」
ズル……ズル……
青教王「敵に背を向けるか!失望させるな、猪八戒!」
ドォンッッ!!
八戒「ぐぅあっ!!…………はぁ……はぁ………!!」ズル…ズル…
青教王「……醜態だな。これ以上見たくもない。最期くらいは、武人らしく首を撥ねてやろう」ギャリンッ
八戒「………はぁ……ぜぇ……」
青教王「…………と、近付かせるのが狙いだろう!その手に乗るか!残念だったな猪八戒!獅子王……」
小龍「…そこまでです」
青教王「っ!?」
813: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/6(月) 23:27:36 ID:VKwp2Y6QKI
雀「あう、あう……せ、せーにいしゃままま……!ま、また縛れちゃったっスぅぅう……!」
小龍「…動けば彼女の首は跳びます。……悟能様、どうぞ」
八戒「……ふぃ。あぁぁ痛かった……大義じゃ、小龍」
青教王「な、なな……!?ひ、人質……!?」
八戒「好き放題バカスカ撃ちおって……覚悟は出来ておろうの?」
青教王「す、雀……!くそ、縛られていては……!ひ、卑怯にも程があるだろう!?恥ずかしくないのか貴様!?」
八戒「ん?いや全く?勝負において恥ずべきは、負ける事じゃし」
青教王「な、何より貴様ピンピンしているではないか!余力があると言うのに何故このような、勝負を汚す真似を」
八戒「か〜っ、これじゃから自称『武人』は。戦に汚いも糞も無いわい。そも戦とは謀じゃ。武とは暴じゃ。そして綺麗事を宣うだけの阿呆を、木偶の坊、と呼ぶのじゃ。ほほほほ」
青教王「き、き、き、貴様それでも武人かぁぁぁあっっ!!!」
八戒「然り。ワシこそが武人じゃ。金剛と化せい、九歯馬鍬ぁぁっ!!!」
青教王「ぬああぁぁぁぁあぁああああぁぁぁあっっっ!!!」
八戒「九牙裂塊斬っっ!!!」
ズガガガガガガンッッ!!!
青教王「…………!!!」
シュウウウウウ……
八戒「…………済まんな。ワシとて強ければ、こうはせぬ。弱いんじゃ、ワシは」
バタン……
八戒「……さて、小龍」
小龍「…はっ」
八戒「……流石に白い目で見とる師匠殿と姉者……む、悟浄も終わっとるの。皆に言い訳しに行くか」
小龍「…言い訳、ですか……?人質は正当な戦術だと思いますが?」
八戒「……ほ、ほっほっほ!ワシ、マジで悪魔を育ててしもうたのう!ほっほっほっほっほ…!」
小龍「……?」
814: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/9(木) 23:26:32 ID:.SRgTcAUvM
三蔵「おうお疲れ、デンジャラス悪魔コンビ」
八戒「なんじゃその噛ませ犬臭いタッグ名は。これでも奮闘した結果じゃ。……肋骨を数本、いかれたな」
沙悟浄「雑魚い雰囲気してるクセに、強かったよアイツら。特に八戒姐さんの相手、天部でも木叉辺りじゃないと抑えらんないんじゃないかい?」
小龍「…牛魔の三馬鹿とかでは、逆立ちしても勝てないレベルですね。…しかし、霊獣同化の術ですか……あまり気持ちの良いものではありません。括りとしては私も霊獣と似たり寄ったりですし」
八戒「ほほ、獅子や巨象程の高位霊獣でも、お主ら龍族と比べるは烏滸がましいがの……む?どうした姉者、そんなに眉間を寄せて」
三蔵「左右の眉毛が絡まって戻らなくなったんだよ」
悟空「とっさにそんなんよく出ますねお師匠さま!?うん一応否定しますね違う!……だって私のバトルが残ってないんだもん」
沙悟浄「あ、そっか」
八戒「……今更言われてものう。向こうもご指名気味じゃったし。のんびり構えとった姉者が悪いんじゃぞ?」
小龍「…私も戦ってませんので、我慢しましょうよ悟空さん」
悟空「流れ的に割り込めなかったんだもん!んでシャオくんは虫みたいなのいっぱい倒したじゃん!私もバトりたい!ずるい!」
三蔵「お前らのこの『戦いたい症候群』は一体なんなんだよ」
八戒「そうじゃの……アレじゃ。性欲に似とるの。ムラムラする感覚に近い」
三蔵「おー、わかりやすい」
沙悟浄「じゃあつまり今悟空姐さんは」
小龍「…ヤりたくてヤりたくて仕方ない発情状態、ですか」
三蔵「こら悟空、色欲は最も抑えるべき煩悩だぞはしたない」
悟空「人を八戒ちゃんみたいに言わないで」
八戒「人を悪口扱いするでないわい。……ほ、そうじゃ」
雀「青兄さまぁ!白兄さまぁ!死んじゃ嫌っス!しっかりするっスぅぅ!」
青教王「……す、雀、ゆ、揺らさないで……キズ、傷口が」
白教王「……っべぇ……マジ沙悟浄リスペクト………てか雀マジ揺らすなキツイキツイ」
八戒「姉者の相手、まだ居るではないか。あそこに」
雀「ち、血止めを……へ?」
815: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/9(木) 23:27:47 ID:.SRgTcAUvM
沙悟浄「はい、双方構えとくれっ」
小龍「…では、始」
雀「めないっス!降参っス降伏っス勝てるワケ無いっス!!」
八戒「初めから諦めるとは何事じゃ馬鹿者。勝敗は実力だけでは決まらんわい」
悟空「さっすが八戒ちゃんいーこと言う!さぁて、かかってこい雀ちゃんっ!」
雀「や、やる気満々の孫悟空さんとか、無理ゲーにも程があるっス!こんなん実力だけで決まるっスよ、どんな頑張っても猫が虎……ゴリラには勝てないっス!」
悟空「待とうかなんで今言い直しちゃった?虎で良いじゃんなんでゴリラに変えちゃった?」
沙悟浄「るっさい小娘だねぇ。とっとと戦ってサクッとやられちゃいなよもう」
雀「ほらサクッとやられる前提になってるっス!イヤっス痛いのイヤっス!」
八戒「降参するなら、ワシにヤられるだけじゃが」
小龍「…勝負に敗ければ、見逃されるのですか?」
八戒「……我ながら、んなワケ無いのう」
雀「酷すぎて言葉に出来ないっスよ!?アンタら本当に正義の三蔵一行っスか!?」
三蔵「まあほら、ヤバそうなら止めるから」
悟空「地味にゴリラは傷付くんだよねぇ……。もー、来ないならこっちから行くよ?」
雀「ちょおおおおおおっ!!?」
青教王「………雀っっ!!!」
悟空「んう?」
雀「ふふぇっ!?せ、青兄さま?」
青教王「…ゲホッ……雀………羽飾りを、取れ……!」
白教王「…っ!!ちょ、兄貴!?雀はまだ……!!」
雀「……へ?え、なんでそんなコト………てゆーかコレ青兄さまが……はい?」
青教王「……封印具だ。………コケにされたまま、引き下がれる訳が無い………思い知れ三蔵一行!我等が切り札に、絶望するが良いっ!!羽飾りを取れ、雀ぇぇぇえ!!!」
雀「は、はひっっっ!!!」
816: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/9(木) 23:28:40 ID:.SRgTcAUvM
……スッ…
雀「と、取ったっ、スけど……」
沙悟浄「封印具……?なんだい、こいつも変身すんのかい?」
小龍「…やはり鳥系でしょうか。鶏とかペンギンとか」
三蔵「せめて翔べるのにしてやれよ」
八戒「変身中、エロいと良いのう」
悟空「どこの美少女戦士なのさそれ」
雀「……え、と。な、なにも……」
白教王「お、おい兄貴!オ、オレ知らねぇぞ!?おいっ!!」
青教王「く、くくくくくくくく…………我等が妖魔真義教、即席の適当な教団だが……持っている!!!そう、我等は『神』を持っている!!!く、くはははははははははははっっっ!!!出でよっっ!!!」
雀「え?………ぁ…………ぁぁぁぁああああああああっっっ!!?」
………コォォォォォォォォォ…………
三蔵「…おお、なんか光ってねーかあの鳥っ娘さん………あん?どしたのお前ら」
小龍「…あ、あ………あ……!!」
沙悟浄「ね、姐さん……姐さん……?あれ、まさか」
悟空「……お師匠さまを」
三蔵「へ?」
悟空「逃がさなきゃ」
三蔵「は?おいマジどうし」
八戒「貴様等ぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!」
青教王「く、くひ、くひひひ……!!」
八戒「こんな娘に……己が妹に!!!貴様一体、『ナニ』を混ぜたぁぁぁぁあっっ!!?」
青教王「くひゃはははははははははははははははははははははっっ!!!」
817: 名無しさん@読者の声:2014/10/10(金) 05:59:26 ID:QfZo2cW/ao
うわぁぁ!これどーなるんだ!?
818: 名無しさん@読者の声:2014/10/10(金) 07:26:59 ID:La4UTdOf7g
気になって二度寝できない!
支援
819: 名無しさん@読者の声:2014/10/10(金) 07:44:12 ID:BctG7PBMUY
うおおお!!シリアス来たか!!?
支援!!
820: 名無しさん@読者の声:2014/10/14(火) 18:37:05 ID:87xfBmk9gw
果たして本気で強敵なのか、超ロリっ子でお師匠様が(?)危ないのか…
C
821: 名無しさん@読者の声:2014/10/14(火) 22:48:22 ID:vLdMUv3W2M
「ナニ」という表現からして卑猥な方面しか想像出来ない私はきっと八戒ちゃんに毒されちゃったんだな。後方支援
822: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/15(水) 00:15:56 ID:RFw2hXjYg.
雀「………ぁぁ……ぁ…………」
オオ…オオオオ……
沙悟浄「虹色の……炎………」
悟空「避けてえっっ!!」
沙悟浄「ーっ!!」バッ
オオオオオオオッ!!
沙悟浄「ご、ごめん姐さん……頭、ボーッと……でも、あれ、あれ」
小龍「……ぅ……ぁぁあぁあアアアアアアアァァア!!!」
三蔵「ちょっ、なんでシャオ龍になって」
八戒「姉者ーっ!!小龍を頼むっ!!ええい悟浄、シャキッとせい!!師匠殿はこっちじゃ、離れるぞ!!」
三蔵「おわっ!?」
悟空「ごめんねシャオくんっ!伸びて如意棒ーっ!!」
ドスッッッ!!
小龍「グルァァァァァァアッッ!!」
悟空「よしっ!悟浄ちゃんお願いっ!」
沙悟浄「……ハッ!お、応さっ!降魔杖よ!沙僧が名において力を見せよっ!閃光呪っ!」
小龍「ルァァァァァァァアッッ!!?」
八戒「師匠殿っ!この異空間、破れるか!?」
三蔵「うえ?え?あ、えっと、端まで行けば……あっちかな……てゆーか地面スレスレで引っ張るな怖い怖い!」
八戒「向こうじゃな!」
三蔵「なんなんだよ?シャオはどーしたんだよ?鳥っ娘さんは一体……っ!」
八戒「小龍は…奴の『神気』にあてられた!ワシ等より存在が近いからのう……!」
三蔵「……震えてんのか、八戒…?」
823: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/15(水) 00:18:30 ID:RFw2hXjYg.
八戒「震え…?そうか、ワシは怯えておるか………ほ、ほほ……当然じゃ………『アレ』は、戦ってどうなる手合いでは無い……!」
三蔵「…っ、ここだ!……ちょっと待て、意外と複雑な術式で……よしゃっ!」
パリィィン!!
八戒「飛ばすぞ!!少し喋るな、舌を噛むっ!雲よ!我が脚と為し天駆けぃ!!」
三蔵「うおおおっ!?」
ギュウウウウウウンッッッ!!
……ゥゥゥゥゥゥ……
八戒「…くっ、姉者達はまだかっ!とっとと小龍を連れて来いと言うに……ワシの妖気なら追えるじゃろ…!!」
三蔵「や、やっとスピード下がった……なんなんだよもう!なに?今回の敵そんなスゲェの?師匠は説明を求めます!」
八戒「……東国では……ヒノトリ。西国では不死鳥……ガルダ、と言う呼び名も聞く。………ワシらが相手どった、武神じゃの仏じゃの……それらとすら、存在そのものが違う……!!あの様な小娘に……どうして……!!」
三蔵「……おいおい。それ、俺でもわかるぞ」
八戒「紛れもない、神……!!生物総ての王………鳳凰じゃ……!!」
三蔵「ほうおう……」
……ゥゥウウウウウンッ!!
沙悟浄「居たっ!八戒姐さぁん!!旦那様ぁぁぁあっ!!」
八戒「おお悟浄!……うむ、小龍も無事じゃな!……良かった…!」
小龍「…………」
沙悟浄「ちょっと……ハァ……当て身、強く入れちゃったけど……ハァ……!」
三蔵「……悟空は?」
沙悟浄「…………」
八戒「……悟浄?おい悟浄!?」
沙悟浄「………残って、攻撃、防いで……アタイ……シャオを八戒姐さんに渡したら……戻るって……戻らなきゃ……!」
八戒「な……!!……あんの、馬鹿姉…!!!」
三蔵「……悟空」
824: 名無しさん@読者の声:2014/10/16(木) 22:02:07 ID:vLdMUv3W2M
神話詳しくないんだけど、火の鳥、フェニックス、ガルーダ、鳳凰ってイコールなの?
教えてエロい人
825: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/16(木) 22:15:11 ID:DRbQJXusHU
ここではイコールにしました(小声)
類似点が多いんです(エロい人)
826: 824:2014/10/20(月) 19:25:36 ID:vLdMUv3W2M
ヨシュアさん!!!ありがとうございます!!!!!
まさか御本人に回答いただけるなんて光栄でございます!!!!!
最前線で支援( ☆∀☆)ノΞC~* ΞC~* ΞC~* ΞC~*
827: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/21(火) 12:32:27 ID:8YN.LO6g4E
……オオオォォォォォォォォォオオオ……
白教王「す、すげぇ…ヤベェパネェちょっと引く…!」
青教王「ふ、ふは、ふははははははははは!!素晴らしいぞ雀!!お前の魂が、神と適合出来たのは、奇跡などでは無かった!!この世界を獲る運命にあったのだ、我等はガフッ!!?」
青教王「あ、兄貴っ!?て、テメェこら乳オバケ、なにしてくれて」
悟空「黙って。……これ以上、刺激しないで……アレを」
雀「……ぁ……ぁぁ………ぁぁぁぁああああっっ!!!」
ゴオオオオオッッッ!!!
白教王「ひいいいっ!?」
虹色の大鳥『………ぁぁああ…………………………………常世は、久方ぶりよ………』
悟空「……っ!」
虹色の大鳥『……眠りにあった余を起こしたは……其処な獣か?依り代となっておる、此の女か?』
白教王「す、雀……?」
虹色の大鳥『それとも……猿王。貴様か?』
悟空「……確かに猿山の王様だったけど、貴方なんて知りませんよ。……どちら様ですか」
虹色の大鳥『金色の猿王かと見たのだが。…まあ其れも、数多に在る其れ以外。……余か?……見えるは中つ大陸、か……ならば鳳凰。しかし余に名なぞ、元より不要。余は、此処にひとつしか在らぬ故に』
白教王「お、おい雀ぇ!雀だろ、返事しろよワケわかんねぇ事言ってんじゃ」
悟空「刺激しないでってば!そっちで見つけたんでしょ、なんでわかんないのさ!神様だよ!あれ神様っ!!」
虹色の大鳥『…神……滑稽、滑稽。神など、居らぬ。常世を含め、此処に在るのは……余と、其れ以外。余は在り続け、其れ以外は、余の戯れで消える。そしてまた、涌いてくる。とるに足らない、其れ以外』
ゴオオオオッ!!
悟空「……っ……怒ってます……よね」
828: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/21(火) 12:33:54 ID:8YN.LO6g4E
虹色の大鳥『怒り?余の怒りを解するか。其れ以外にしては、質が良い。……此より全てを焼くが、猿よ、残してやろうか?』
悟空「……やっぱ怒ってるんだ。なんかわかっちゃった、私。逃げても、無理だって……途中で……普通じゃ無いんだろうなぁ。……許しては、もらえませんか」
虹色の大鳥『此は可笑しな事を。北風の寒きに憤るように。熱砂の炎天に逆上せるように。赦す赦さぬの話では、無し。気に触れた、そこで消す。尊き余の平安を、護るのだ。……其処の倒れた獣は、余を邪に扱った。そこで、消すのだ。余は、一度、世を消すのだ』
悟空「………消させない」
虹色の大鳥『心鎮めよ、猿、願えばひとり、消さぬ。新たな世にも、猿王ひとつ在るも一興であろう』
悟空「………」グッ!!
虹色の大鳥『……よもや、まさか。まさかもまさか、余に叛するつもりか?信じられぬ』
悟空「……お師匠さまも、八戒ちゃんも、悟浄ちゃんもシャオくんも居ない世の中なんて、ちょっとも考えたくないから」
虹色の大鳥『その手に持つは、天海の支柱か。成る程成る程、中つ大陸においては敵も居るまい。思い上がるも仕方無し』
悟空「……こーちゃんやお兄ちゃん、鉄扇さんに玉面ちゃん。虎ちゃんたち。木叉くんや観音さま。……お師匠さまに教わったんです。全部、好きになれたんです。全部、好きになれるんです」
虹色の大鳥『残念ながら、戦いにもならぬ。共に無くなるが望みと見た。構わぬぞ。……苦しみは無い、楽にせよ』
悟空「だから」
カランッ…
悟空「…お願いします。消すのは、私だけにしてください」
虹色の大鳥『…平伏しながら、嘆願か。確かに、王では無いな』
悟空「どうか、私ひとりで、怒りを鎮めて下さい。お願いします。お願いします。お願い、します」
829: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/10/21(火) 12:39:47 ID:8YN.LO6g4E
虹色の大鳥『……涙。以前、在った猿王とは似ても似つかぬ』
悟空「お願いします!いっぱい、いっぱい殺した私が言っちゃいけないのはわかってます!!でも、お願いします!!」
虹色の大鳥『泣いても、日照りは止まぬ。泣いても、飛蝗(イナゴの群れ)は止まらぬ。……さらばだ、猿王』
悟空「おね、がい、します……!!!」
虹色の大鳥『……次は、正しき世に目覚めたきものよ……』
オオオオオオオオオ……!!!
悟空「やめてください!!どうか、私だけ、私だけでしっぽっ!!?」
三蔵「あにしてんだテメーは」
悟空「お、師匠さま…?お師匠さまっ!?」
八戒「うおおお何じゃ本気で鳳凰全開ではないか!!逃げるぞはようせいボケ姉者!」
悟空「ダ、ダメなんだよ八戒ちゃん、逃げるってっても、どこにも」
沙悟浄「うわぁんゴメンよ姐さんすぐ戻れなくてっ!!そこのアホ姐がビビっちゃってなかなか許してくんなくてっ!」
八戒「慎重と言え阿呆がっ!」
悟空「あの、悟浄ちゃ、苦し」
三蔵「だいたいなぁ、一人残って『私はどーなっても良いから〜』とかお前はなんだ主人公か。いつも勝ち気な悟空ちゃんが健気に頭を下げてギャップ萌え狙いか。その前にムダ毛の処理でも頑張れよ萌えられたいなら」
悟空「だ、だって、だって」
三蔵「……良いか悟空。自己犠牲なんざ、なんの幸せも生まん。俺はともかく、お前はコイツらを信じて…ちょ、動くなシャオ、あーもーちょっとカッコつかねーからおんぶすんの代われ誰か!」
小龍「…いや意図的に邪魔しました。なんか偉そうな説教しそうでしたので」
三蔵「起きてんのかよそんでなんで邪魔するの!?俺ここ見せ場だった気がするのに!」
小龍「…なんでって……だから邪魔したんですけど」
三蔵「『なに当たり前な事聞いてんだろうこの人』って顔はおかしいだろ!もう敬わなくていーからせめて師匠の邪魔はやめようか!」
悟空「私のシリアスもだいぶ邪魔されましたが」
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