尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」
三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」
尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」
三蔵「しかし無駄に毛深いな」
尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」
三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」
尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」
三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」
尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」
三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」
尻「おい」
三蔵「下の毛とか意味わかんない」
尻「おいこら」
427: 名無しさん@読者の声:2013/12/21(土) 12:42:04 ID:3PtiMlAxMk
二真郎君!抱いてっ!
にすりゃいくね?
428: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/21(土) 13:21:55 ID:oKvGYFF4B2
牛魔王「オオオオラァァァアッッ!!!」
二郎真君「るァァぁぁアあアアっっ!!!」
ギィンッ!!!パキィィンッッ!!!
玉面公主「………パパ……嬉しそう…………」
鉄扇公主「……彼が強者と戦う姿は……この人の、牛魔王の妻である喜び、誉れ……それを最も感じる事が出来ますわ。しかし、私では、あんな幸せそうな顔はさせてあげられない……嫉妬に狂う瞬間でもありますわね……」
玉面公主「………嫉妬してるような……顔じゃないわよ……」
鉄扇公主「……あら?表情の裏も読めないだなんて、やはりお子様ですわね。おほほほほ…」
金吒「……げふっ……か、はぁ……あぁ……!木偶が……役立たずの木偶がチョーシこきおって…!せめて牛魔王を殺せ木偶!その死体さえあれば、もう貴様なんぞ……!」
チャキッ!!
鉄扇公主「黙りなさい、下郎が。もはやこの一戦、お前のような虫ケラが汚して良いものではありませんことよ」
ボウッ!!
玉面公主「………動かないで。アナタは息さえしてれば良いの。……わかった?」
金吒「………ぎ、ぎぎぎ…!!」
牛魔王「ククククク、おぉあ!愉しいなぁ、オイ!!!」
二郎真君「ふ、ふハハはは、死アいのさナカに、なにヲ…!!!」
牛魔王「へっ!ニヤケ面で言っても……オラァ!!説得力ねぇぞ!!」
二郎真君「ヌァぁあ!!……好キ、敵……!!!」
牛魔王「おう、久々の好敵手だ。堪らねぇな!!!」
429: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/21(土) 13:24:28 ID:oKvGYFF4B2
鉄扇公主「……あぁん…!牛魔王様ぁぁあ……♪」
玉面公主「………やっぱり嫉妬なんてしてないじゃない……」
鉄扇公主「……そ、そろそろ決まりますわね。あと三合……いえ二合……!」
玉面公主「………へえ、よく解るわね……年の功?」
鉄扇公主「……おほほほ、貴女とは妻としての年季が違いますもの。じきに牛魔王様が決めますわ、顔でわかりましてよ」
玉面公主「……古女房」
鉄扇公主「……妾同然の二号」
玉面公主「………やる……気……?」
ボオオオオッ!!
鉄扇公主「弱い者イジメはしたくないのだけれどね…!」
ビュンッ!!
金吒「痛ぁぁあ!?か、顔、切れっ…!!」
鉄扇公主「あら、ごめんあそばせ」
玉面公主「………失血死しても困るから……」
ピキピキピキ……!!
金吒「つっ!冷た痛ぁぁぁぁあっ!?」
二郎真君「覇ァァぁァァぁぁああアアあっっ!!!」
ギャリ……!!!
牛魔王「………ぁぁああっ!!!」
……ィィンッッ!!!
二郎真君「………っ!!!」
牛魔王「……あばよ、英雄」
二郎真君「…ふ……サらばダ、魔王」
ドッ……!!!
430: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/21(土) 13:26:36 ID:oKvGYFF4B2
牛魔王「今度逢ったら、またヤろうぜ」
二郎真君「……有リ……難ウ………!!」
サァァァァァァァァ………
牛魔王「………なぁにを、礼なんざ言ってやがる…」
玉面公主「……おっと…手元が………」
鉄扇公主「冷たっ!?な、なにしますの!!」
玉面公主「………手元が……つい素直に動いたの…」
牛魔王「………鉄扇……玉……」
鉄扇公主「このチンチクリンが……一度痛い目を見ないと解らないようですわね…!」
玉面公主「……痛い目って……どんな目かしら………マスカラ塗り過ぎな、こんな目かしら……?確かにアザみたいで痛そうね……?」
牛魔王「鉄扇っ!!!玉っ!!!」
鉄扇公主「は、はいっ!?お、お呼びかしらあなたっ!」
玉面公主「……なに…?パパ…?」
牛魔王「馬車ん中で、服ぅ脱いで待ってろ」
鉄扇公主「あ、あなた?こ、こんな所で…?」
玉面公主「……はぁい。……って、えっ。馬車……ひとつ……えええぇ……まさか一緒…?」
牛魔王「うるせぇ。イイ加減仲良くしろってんだテメェらも。………童貞を弔ってやるにゃ、ナニが一番だろうよ。クククク……!」
鉄扇公主「……不満なら貴女は外に居なさいな。まあ貧相なその身体では、比べられるのは嫌ですものねぇ?」
玉面公主「………比べられるて困るのは……ユルユルでガバガバなそっちじゃあ……」
鉄扇公主「な、なんて下品な…!」
玉面公主「……ちょっと……あの連中に、毒された………かも」
431: 名無しさん@読者の声:2013/12/21(土) 13:40:52 ID:5Uu0Qg6VUs
牛魔王が前田慶次で再生されるヤバいかっこいいC
432: 名無しさん@読者の声:2013/12/21(土) 13:59:38 ID:a80M3Ya6iM
童貞に見せつけて弔うとか鬼畜w
決着の二人のセリフに痺れました
支援!
433: 名無しさん@読者の声:2013/12/21(土) 18:17:42 ID:3PtiMlAxMk
かっこよく終わっても
童 貞 なんだよなw
434: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/22(日) 19:29:25 ID:PUcDNQImec
鹿力大仙「……いってて……!ダメだ、傷ひとつ付かねぇぜ、コレ」
羊力大仙「ふぅむ、結界の類いであろうか。しかしそれらしい感じは……」
紅孩児「……よっと。うん、かもね」
虎力大仙「おかえり。やっぱ無理っぽい?」
紅孩児「だね。上もなんだか変だ。雲に覆われてて、そこから先は、どうにも登れない」
虎力大仙「……ホントにこの中に居るんでしょーね、アイツら」
木叉「さっきからそぉやって言うとるやん。しつこい女の子は嫌われるで?虎ねーちゃん」
虎力大仙「ふん!信用出来ないから何度も訊いてんのよ!」
羊力大仙「そうである!よもや貴殿、我輩らにどんな仕打ちをしたか覚えて居るのであろうな!」
鹿力大仙「そうだそうだ!……って、なんでお前ら紅孩児の後ろに隠れてんだ?」
虎力大仙「う、うっさいわよ!てゆーかコイツに殺されかけたのはアンタもじゃない!怖くないアンタがおかしいのアタシらがフツーなの!」
羊力大仙「こ、虎力の言うとーりである!と言うかお前も一緒に隠れるのがベターであろう!様式美であろう!空気を読め!」
鹿力大仙「え、空気ってなんか書いてあんのか?あ、でもどっちにしろ俺字ぃ読めねぇわ」
木叉「……おもろい部下やの、紅孩児ちゃん」
紅孩児「……その件に関しては、僕も怒ってるんだけどね。あと彼女らは部下じゃないよ、同僚さ」
羊力大仙「……しかし何故我輩らまで連れて来たのであるか、紅孩児殿……自分で言うのもなんであるが、正直今回はレベル的に、その、追い付かないのであるが……」
紅孩児「そんなこと無いさ、僕はお三方を買ってるんだよ?いずれ軍を引き継いだら、僕に次ぐ地位に就いて貰うつもりだし」
虎力大仙「え、マジで?だって各地の支部にはまだ、アタシ達なんかより古株の大王さんとかが……」
紅孩児「だって虎力さん、僕の側室に入るワケだし。兄弟同然の二人にも、それなりの地位を与えないことには、ね?」
虎力大仙「待てコラ」
紅孩児「あ、そこはゴメンね?正妻は悟空だから500年以上前に決まってるからそこは!そこだけは譲れない我慢して!」
虎力大仙「いやそこじゃない。そこじゃないとかですらない。なんの話よソレ」
紅孩児「だって僕、虎力さん好きだし」
虎力大仙「オッケー紅孩児、意味がわからない答えになってない」
435: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/22(日) 19:31:14 ID:PUcDNQImec
羊力大仙「ふむ、鹿力よ。虎力は何気にモテるであるな。猪八戒殿に続き紅孩児殿まで」
鹿力大仙「どっちも女ってのが爆笑もんだけどな!」
虎力大仙「うっさいわよアンタらはっ!!」
木叉「あはは、やっぱおもろい奴等や。まあ理不尽な理由で痛い目合わせたんは事実やしの。恨まれてもしゃーないわ。せやからこーして、全部しょーじきに話しとるやん、ボク」
紅孩児「……本来ならそれでも、牛魔の流儀としては殺してやるところなんだけど………」チラッ
観音「?」
紅孩児「……そんな可愛いのがくっついてちゃ、どうにも出来ないね。なんでそんな引っ付いてるのさ、それホントに菩薩様?コスプレさせた彼女とかじゃなくて?」
木叉「いやなんかもう、一度オープンにしたら吹っ切れてもぅて。たぶん世界はボクとのんしか居らんよーな気さえしてきとる!今なら人前でBまでイケる!」
観音「……や、やだもっくん……わ、私は、もっくんが良いなら、その……最後まで……だって……」
木叉「……それはアカン。そん肌ぁ見てエエんは、この世でボクだけや。せやろ?のん……」
観音「……もっくぅん……♪」
紅孩児「……これで何度目だっけ、二人の世界に入っちゃうの」
鹿力大仙「まずイチャついてるところに出くわしたかんなー。えっと、三回目くれーじゃねぇか?」
羊力大仙「しかし長い接吻であるな。よくこの状況でここまで盛れるモノよ…」
虎力大仙「アタシもう吐く砂糖が切れたんだけど。何を見せられてるんだろうアタシ」
紅孩児「……じゃあ、甘いの、補充する?」
虎力大仙「しないわよ近寄るな肩を抱くな口を尖らせるな!アンタらも見てないでこのバカ女なんとかしてよ!」
羊力大仙「いや、我輩は虎力が選んだ相手ならば、喜んで送り出すつもりであるが」
鹿力大仙「俺の卵焼きが恋しくなったら、いつでも帰ってこいよ?」
虎力大仙「親か!」
436: 名無しさん@読者の声:2013/12/22(日) 20:42:44 ID:OsZxbnbwdc
虎ちゃんにはきちんとしたいい人(男)のところに嫁に行ってもらいたい
切実に
報われないよ(´;ω;`)
437: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/23(月) 19:07:32 ID:QRrM/4VRG6
紅孩児「…それで、御覧の通り実力行使は無理だったワケだけど。中に入る方法は、本当に無いのかい?」
虎力大仙「アンタよくそうスッとシリアスに戻れるわね……」
木叉「せやから、無いねんって。ボクらも思うトコあって、後を追おうとしたんやけど……なあ?」
観音「……孫行者達を、塔の中へと転送したあとすぐ……その、ゲートと言うか、道が閉ざされてしまって……すみません、私の力では、これ以上干渉が出来ないのです……」
羊力大仙「此奴等もよくスッと会話に戻れるであるな」
鹿力大仙「抱き合ったまんまだけどなー、暑くねぇのかホントに」
紅孩児「……つまり、見方を変えれば……悟空達は、ここに……」
木叉「せや。閉じ込められた、ってコトやな」
紅孩児「悟空……!」
悟空「……………」
八戒「……なんのつもりじゃ。これは」
沙悟浄「……シャオ、少しでもアイツらが妙な素振りをしたら」
小龍「…はい。先ずは私がひと吹き…」
三蔵「………それにしても」
ジュウウウウウウウ…!!
老婆「ほれ、冷めん内に食いなしゃれ。肉も魚も、新鮮なエエとこ揃えとるでよぉ」
三蔵「美味そうだなぁ…」
沙悟浄「食べちゃダメだよ旦那様!何を盛られてるかわかったもんじゃないよっ!」
三蔵「でも俺、ここに来てからなんも食ってないんだよ辛いよコレは」
八戒「……そりゃワシらだってじゃな………では無く。老人、座に付け、というまでは従うが……流石に敵地のド真ん中で、出された馳走に箸はつけぬぞ?」
悟空「ひょ、ひょーらよばかにひないれっ!!」
小龍「…悟空さん、ヨダレ、ヨダレが」
悟空「じゅるる……ごくん。だって!だってシャオくん!お肉がイイ感じにミディアムレアで!お魚の皮があれすごいパリパリしてそう美味しそう!うわぁん!」
438: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/23(月) 19:17:36 ID:DltRDRQ026
老爺「…ひゃ、ひゃひゃ。毒なぞ盛っておらんよぅ。食うとけ食うとけ、どぉせ最期の晩餐じゃ……ひゃひゃひゃ…!!」
八戒「……なんじゃと?」
『やめろって鎮元爺、適当なセリフで怖がらせよーとすんな。黎山(れいざん)婆も止めろよ全く』
沙悟浄「誰だいっ!」
小龍「……念話…!」
鎮元爺「ひゃひゃ……老い先短い年寄りの戯れじゃ、戯れじゃ」
『お前、何千年も前からおんなじこと言ってるじゃん。……あ、本当に毒とか入ってないから、食べなよ君ら』
悟空「られらっへごひょーひゃんがきいへるれひょ!」
小龍「…悟空さん、ヨダレ、ヨダレが」
三蔵「誰だって悟浄ちゃんが訊いてるでしょ!だとよ、天の声さん」
『誰だ……って、酷いな。知ってる仲じゃんよ、弼馬温(ひつばおん)。五百年間のお務め、ごくろーさん』
三蔵「ひつばおん?」
小龍「……天の馬屋番ですね。五百年……と言うことは」
八戒「…姉者じゃの、おそらく」
悟空「私をその名前で呼ぶのって……!」
黎山婆「しゃしゃ…おぉい、年寄りには念話は頭に響いて気色悪いでよ、止めてくださらぬか」
『雰囲気だよ。ふ、ん、い、き。……ま、ちゃんと顔見て話しますか……』
キラキラキラ……
八戒「……ぬ?」
439: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/23(月) 19:20:36 ID:Jmwu8f4QkU
長髪の男「……ふう。久し振りだな、人前に顔出すのも」
鎮元爺「ひゃ、ひゃ。引き籠るのも程々になされよ、釈迦」
黎山婆「髪も伸び放題で、しゃしゃ……男前が台無しじゃて、如来」
沙悟浄「如来…!?コイツが……!?」
小龍「……イメージと違いますね………悟空さん、この人が…?」
悟空「ち、違うよ知らないよこんなおにーさん!だって私が捕まったお釈迦様って、もっとこう、ボリューム満点激安ジャングルに売ってる覆面みたいな顔でっ!」
三蔵「あー、仏像のヤツな。そうだよな、俺もそーゆーのイメージして……」
釈迦 「これ?」スッ
悟空「それそれ!……って、ええええ!?」
釈迦 「イメージ大切だからさ、人前に出るときは基本コレ被ってた。何でも揃って楽しいお店で買ったヤツ」
三蔵「パーティーグッズ着けてたのかよ仏様」
沙悟浄「菩薩と言いこの如来と言い……」
小龍「……何でしょうねこの緊張感の無さは……」
八戒「………あ、美味いのう、この肉」
悟空「八戒ちゃん一人だけ場から逃げないでズルい」
八戒「知らん!もう知らん!なんじゃコイツは!?なんかもっとあるじゃろ、それこそ雰囲気って物が!ワシそれなりに緊張しとったのに!真面目かギャグかどっちかにせい!ワシもう疲れた面倒臭い!」
沙悟浄「姐さん、どうどう」
三蔵「至極最もな怒りだ」
440: 名無しさん@読者の声:2013/12/23(月) 22:39:55 ID:OsZxbnbwdc
八戒ちゃんお肉食べても良かったっけ?
441: 392:2013/12/23(月) 23:36:40 ID:3PtiMlAxMk
>>400
よかったよ、そのかわりメイド服。
442: 名無しさん@読者の声:2013/12/23(月) 23:37:20 ID:3PtiMlAxMk
間違えてコテ付けたぁぁぁぁぁ!
ごめんなさい!
443: 名無しさん@読者の声:2013/12/24(火) 01:07:14 ID:g4lCkLBiEw
セルフハンカチの人www
444: 【今回は番外編です】ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/24(火) 20:58:25 ID:dVplcHIlsM
〜時は少し遡り、河近くの小さな村〜
妖怪「オラァ!モタモタしてねぇで蔵ん中の蓄え、とっとと出しやがれ!」
妖怪「ショボい村のクセしやがって、そぉとぉ溜め込んでるって噂じゃねぇか!」
村人「……よ、妖怪の盗賊団……!」
村人「クソ…!こんな田舎の村にまで…!」
妖怪「……ケッ!食糧はたんまりあっても、金目のモンは他に何も無ぇ……つまらねぇ村だグヘッ!?」
青年「……この村から出ていけ!!薄汚い盗賊め!!」
妖怪「痛てて……んだこのガキャあ……あだぁっ!?」
青年「聞こえなかったか!ここから出ていけと言ったんだ!」
妖怪「テメェ……調子コキやがって………ぶっ殺す!」
青年「や、やってみろ!お前らなんか…!」
「……なんだい、騒がしいねぇ」
妖怪「ア、アネゴ…!」
青年「……っ!」
沙悟浄「こんなちっさいシノギすら、スムーズに出来ないのかいお前らは……ハァ……」
妖怪「い、いやアネゴ、このガキが邪魔しやがって………いてぇっ!?な、なんで殴るんスかぁ、アネゴぉ!」
沙悟浄「人間のガキに二発も貰ってんじゃないよ、このトンマ!それでも流沙の団員かい!なっさけない!」
妖怪「……み、見てたんじゃねぇスか、意地が悪ぃなあ……」
沙悟浄「それに比べて、度胸があるじゃないのさ、ボーヤ。でもその棒切れ一本でアタイらを追っ払おう、ってのは………無理があると思うよ?」
青年「だ、黙れ!お、お前が頭目か!?お前らに渡す物なんて、何も無い!」
沙悟浄「いや、あるじゃないのさ、たーっぷりと。今年は北の方が凶作らしくてね、作物がまぁ高値で売れるんだよ。なぁに全部とは言わないよ、この冬を越せるくらいは残してやるさ。ふふふっ」
青年「お前らみたいなコソ泥に渡す分なんて、米粒ひとつ無いって言ってるんだ!」
沙悟浄「良〜い威勢だねぇ。でもねぇ、ボーヤ……」
ドガッ!!
青年「ぐ…は……!?」
445: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/24(火) 21:01:12 ID:SGh4tmqVCM
沙悟浄「吠えるには、弱すぎるんだよ、ボーヤ。勇気と無謀を履き違えちゃあ、いけないよ?」
青年「…く、クソぉ……!!」
沙悟浄「ほら野郎どもっ!買い手とはもう話がついてんだ、納期に間に合わなくなっちまうよ!働いた働いた!」
妖怪「へ、へいっ!」
青年「う、うあぁぁぁぁあっ!!!」
沙悟浄「おっと。元気だねぇ。……ねぇボーヤ。アタイらは別に殺し屋じゃあないから、命までは取らないし、この村を潰そうって気も無いんだ。災害みたいなモンだと思って、おとなしく……」
青年「黙れ黙れ!この作物は、村の皆で頑張って貯めた、村の宝なんだ!……こ、殺すなら殺せ!こんなことをして、天が、天がお前らを許すと思うな!!」
沙悟浄「……天…」
妖怪「あっ、バカっ…!」
沙悟浄「………そぉさ。……天に許されないから、盗んで、盗んで、盗んで………!此処に居るのさ!!!」
青年「…あ……う……!!」
沙悟浄「殺すなら殺せ……吐いた唾ぁ、飲むんじゃないよっ!!髑髏になっちまいな餓鬼ぃっ!!!」
青年「……っ!!!」
バッ!!
沙悟浄「……!」
青年「………………?」
沙悟浄「……退きな、小娘」
村娘「……させない…!さ、させない…!」
青年「お、お前っ!バカ、隠れてろって!」
村娘「だって…!だって…!」
沙悟浄「……もう一度言うよ。退きな。……アンタも死ぬかい?」
村娘「………こ、この人がっ!!……あう、えぐ……!!」
沙悟浄「?」
村娘「この人が死ぬんならっ!!!私も死ぬのっ!!!」
沙悟浄「………!!」
446: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/12/24(火) 21:03:45 ID:SGh4tmqVCM
青年「お、お前……!」
村娘「……う、うう、うううう……!!!」ガタガタ
妖怪「へっ!だらしねぇなぁ、女に助けられてやがる!」
沙悟浄「……帰るよ」
妖怪「へい、こんなガキども放っといて……へ?」
沙悟浄「帰る、って言ったんだ。……二度も言わすんじゃないよ!!!さっさと支度しなっ!!!」
妖怪「へ、へいぃぃっ!」
青年「…………ごめん、ごめん…!」
村娘「……あう、あうう……!!」
沙悟浄「…………ふん」
妖怪「………アネゴ、優しいトコあるんスねぇ?」
沙悟浄「……バカ言ってんじゃないよ。興を殺がれただけさね。………男なんかの為に命張るなんざ、これだから女は……!」
妖怪「…アネゴも女でがしょ」
沙悟浄「……はん。アタイは『盗賊』だよ。女もクソもあるかい」
沙悟浄「愛だの恋だの、くっだらない……!!」
〜時は流れて、比丘(びく)国城下町、祭りの夜〜
沙悟浄「はい旦那様ぁ♪た、こ、や、き♪ちゃんとフーフーしたげたからねぇ♪」
三蔵「いやさすがに人前でそれは……あふ、あふい!ごひょーこれまらあふ……熱いっ!」
沙悟浄「あぁんゴメンよぅ♪きっとアタイの熱い想いがたこ焼きに……んふふぅ♪」
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