尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」
三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」
尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」
三蔵「しかし無駄に毛深いな」
尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」
三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」
尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」
三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」
尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」
三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」
尻「おい」
三蔵「下の毛とか意味わかんない」
尻「おいこら」
147: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/2(月) 15:08:26 ID:U6xJ35fnD6
三蔵「すみませんねご主人、泊めてもらう上に御馳走にまでなっちゃって」
村人「な、なあに。三蔵法師様の御一行と言えば、世を正す正義の方たちだべ。これくらいは」
沙悟浄「悟空姐さん、もー少し食べる量を抑えなよ。オッサン引いてるじゃないのさ」
悟空「はむほむはむ?」
八戒「飲み込んでから喋れい。ときに主人、そこに流れる河、かなり広いが、船渡しは出来るのかの?」
村人「…え、ああ。へえ、あの河は通天河だべ。船着き場なら直ぐ近くにあるけんども、広いでなあ。けっこう時間はかかってしまうよ」
小龍「…通天河……天に通ずる河、ですか」
悟空「むへは、ひふみほふほふはふはへ!」
三蔵「船が沈みそうな河だね!と言ってます」
沙悟浄「なにその以心伝心妬けるんだけど」
村人「あはは、楽しい御仁だべ…」
八戒「…で、主人。ワシらに何を頼みたいのじゃ」
村人「…えっ」
沙悟浄「そう浮かない顔してちゃ、嫌でもわかるってもんさね。それにこの酒に料理。かなり奮発してるだろ。話してみな」
三蔵「えー、なになになんかあんの?あとは寝るだけだと思ってたのに」
小龍「…今更ですが先生、ちゃんと考えて生きてますか?」
三蔵「生き方にダメ出し!?」
村人「…うう…!急にこげなことお願えするのは筋違いだとわかってますけんど…!頼んます!霊感大王のヤツを、倒してくだせえ…!」
八戒「…む、そこそこ通った名じゃの」
沙悟浄「うん、聞いたことある名前だね。ここらが住処だったのかい」
悟空「…っくん。ぷあ。えー、私知らないや」
三蔵「うん君にはそこ期待してないから食べてなさい」
小龍「…それで、その霊感大王がどうしたんですか?」
村人「ここらじゃ、毎年この時期に、霊感大王に供物を捧げる決まりがあんだけんど…とうとうそれがオラの家の番になって…!」
八戒「まさか」
沙悟浄「い、生け贄かい?」
148: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/2(月) 15:09:58 ID:U6xJ35fnD6
悟空「うっわ」
小龍「…なんて事でしょう…!」
三蔵「え、なにその反応。そりゃ悪い事だけどお前らがそんなに驚くなんて」
八戒「生け贄じゃぞ?いやいやこのご時世に」
沙悟浄「古臭いどころの話じゃあないね。もう古典だよ化石だよ」
悟空「私が封印される前ですら時代遅れな発想だったよ」
小龍「…恥ずかしく無いんですかね、霊感大王さん」
三蔵「相変わらずお前ら悪人の感覚はよくわからん」
八戒「よし、ではその生け贄、ワシらが化けよう。その時代錯誤のツラも拝みたいしのう」
村人「や、やってくれるだか!ありがてぇ…!」
沙悟浄「で、その生け贄…ぷふっ……ってのは、女かい?」
村人「汚れを知らぬ男児と女児、という決まりだあ。家は年子の息子と娘が居るで…」
三蔵「ふむ。まあ男の子役は小龍で良いとして…」
小龍「…仕方無いですね」
三蔵「…悟浄は無理だな。大人すぎる」
沙悟浄「やだよう旦那様ったら大人の色気が溢れてるだなんてもう、正直なんだからっ♪」
三蔵「……八戒か」
悟空「ねえ一回くらいこっち見ません?ダメでもコメントくらいしません?」
三蔵「でも『汚れを知らぬ』ってのがな」
沙悟浄「汚れと言う汚れを知り尽くしてるレベルだからねぇ姐さん」
小龍「………」
八戒「ええいフォローせんかい小龍」
悟空「なら私がロリ悟空ちゃんに化けて」
三蔵「黙れ毛」
悟空「お師匠さま悪口が雑!」
149: 名無しさん@読者の声:2013/9/2(月) 22:13:33 ID:01uMINxzms
毛wwwww
CCCCCC
150: 名無しさん@読者の声:2013/9/2(月) 23:51:15 ID:IeJPP4Bduc
いつもはまとめばっか読んでたけど、
このSS面白くてちょくちょく掲示板を
覗くようになったわw
CCCCC
151: 名無しさん@読者の声:2013/9/3(火) 00:08:52 ID:GvDxSQ9qhY
毛とかひでぇw
支援
152: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/3(火) 23:28:25 ID:L72rFc9g22
悟空「ほら、お師匠さま早く早く。八戒ちゃんたち祭壇に着いたよ!」
三蔵「距離を後をつけるってのも、意外と面倒臭いな。生け贄の子供だけで河辺の祭壇まで…って、どんなルールだ全く。あと悟浄歩きにくい歩きにくい」
沙悟浄「だって、聞けばその霊感大王、女の妖怪だって言うじゃないのさ。金輪際知らない女なんかに近付かせないんだからね旦那様っ!」
三蔵「俺の信用が地中にめり込んで出てこねえ」
悟空「そのうちマグマにぶち当たるね。……あ、なんか河から出てきたよ?」
三蔵「お、ホントだ。人魚…じゃないな、半魚人?こっからじゃよく見えんな……俺らも近付くか?」
沙悟浄「とりあえず様子を見ようよ。なあに、八戒姐さんとシャオなら問題無いさね」
悟空「お、八戒ちゃんが馬鍬を構えてポーズをとった!」
沙悟浄「八戒姐さんは結構律儀に名乗りとか上げるからねぇ」
三蔵「我こそは天蓬元帥〜、ってやつか。まあ名前でビビって貰えるからなぁお前らは」
悟空「敵との間合いを計りながらも、カッコつけてる八戒ちゃんの邪魔にならない位置取り…!プロだねシャオくん…!」
沙悟浄「……ん?なんか後ずさってないかい、半魚女」
三蔵「あ、河の中に消えた」
悟空「一瞬で潜ったね」
沙悟浄「………で?」
三蔵「うん、もう行こう。こっからじゃ何がなんだかわからん」
八戒「うおぉい!何をスーっと逃げとるんじゃ貴様!出てこぉい!」
小龍「…あまりにもナチュラルな動きに、反応出来ませんでしたね…」
三蔵「おーい。どしたの?」
悟空「逃げたの?」
小龍「…すみません、なんかそうみたいです」
八戒「ええい!武人が先に名乗ったのじゃぞ!応えぬとは何事じゃーっ!」
霊感大王『………そんなこと言われても…』
153: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/3(火) 23:30:26 ID:L72rFc9g22
沙悟浄「うわ、頭の中から声がする。念話かい」
三蔵「菩薩とかの声とおんなじアレだな。これちょっと気持ち悪いよな」
八戒「出てきて話さんかい!聞けば天候すら操れる大妖怪じゃろ貴様!恥を知らんのか!」
悟空「八戒ちゃん戦う気マンマンで見栄を切ったのにねぇ…」
八戒「そうじゃっ!この気持ち何処に持って行けと言うんじゃ戦えぇえ!」
霊感大王『………だって…ズルい……そんなん…ムリ……』
小龍「…数の利を卑怯と言いますか」
八戒「あぁもう怒鳴り疲れたわい……!戦るのはワシひとりじゃ!ワシを負かせば退いてやる!出てこい!」
霊感大王『……そんなに……大勢…ゾロゾロと………やめて……大人も居るし……嫌だ…怖い…』
三蔵「…ん?」
霊感大王『……小さい子供だから喋れるのに……でも大声だし、なんか難しい事言うし、貴方達は嫌………退治とか勘弁して……無理無理お父さんお母さん以外の大人とか無理無理無理……』
悟空「ひきこもりだ!」
八戒「…あ、こりゃダメなヤツじゃ」
沙悟浄「うあぁアタイこーゆー奴イライラするっ!」
小龍「…なるほど。だから生け贄だけで祭壇に来させてたんですね…」
三蔵「うーん……じゃあ霊感大王さーん、せめてもう生け贄とか止めてくれるって約束してよー。そしたらなんもしないからさー。なんなら菩薩とかに俺から頼んで、天界で暮らすとかも出来るかもだし。ね?」
八戒「…女に甘い」
悟空「…お師匠さまウロコ系もいけるんですね…」
沙悟浄「くっ!目を離した隙にっ!」
小龍「…時と場合を選んで口説いて下さいよ」
三蔵「徳を示しただけだよお前ら俺が僧侶だって忘れてない!?」
霊感大王『…あはは何言ってんだろこの人、そしたら私のゴハンどーしろってのよデリバリー以外でどーやってゴハン食べろってゆーのよ、あと引っ越し?無理無理無理コミュ障になにムチャ振りしてんのよ、あーもー早く帰ってくんないかな私ヒザの匂い嗅ぐのに集中したい』
悟空「ブツブツとなんか怖いよお師匠さま!」
三蔵「軽くキレてるあたりがムカつく…!」
154: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/3(火) 23:32:40 ID:L72rFc9g22
>>152三蔵のセリフ
三蔵「距離をおいて後をつけるってのも、意外と面倒臭いな。生け贄の子供だけで河辺の祭壇まで…って、どんなルールだ全く。あと悟浄歩きにくい歩きにくい」
です。『おいて』が何故か抜けてましためんご。
155: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/4(水) 23:52:43 ID:oL9GrTiuj.
三蔵「……ご、悟浄……もっとひっついて…!」
沙悟浄「えっ…!や、やだ旦那様、そんな人の目が、ここ外だし、ア、アタイ心のじゅじゅ準備が…!」
悟空「来られると来られるで引いちゃうあたりが悟浄ちゃんだねぇ」
三蔵「…ちがう。寒、寒い…!」
八戒「確かに冷えるの。まるで北国じゃ」
悟空「だからってスク水の上にメイド服って八戒ちゃん……マニアック過ぎるよ…」
八戒「ワシはデリケートなんじゃ。小龍、焚き火が消えそうじゃぞ」
小龍「…はい、お待ちを」
沙悟浄「じゃ、じゃあ旦那様、まずは、まずは手から……ってかアタイもけっこー寒いのに、シャオと悟空姐さんは平気そうだね」
小龍「…私は実家が海底ですから。寒冷には慣れてます」
悟空「竜宮城って中は暖かいけど外は寒いもんねー」
三蔵「…お前ちょっと体毛分けろよズリィよ」
悟空「暖をとれるレベルで濃く見えます?ほら腕とか肌色!ほら肌色だよ?」
八戒「しかし、難儀じゃの」
沙悟浄「こっちが河の中に入ろうとしたら、まさかここまでしてくるなんてねぇ…」
小龍「…河全体を凍らせるとは、規格外にも程があります」
霊感大王『……あーもー早く帰ってくんないかなホント……次は雪でも降らせたら帰るかな……あれ疲れるのになんなのコイツらマジ迷惑なんですけど暇なのかよ帰れよ』
三蔵「くっ…!テレパシーで腹の立つ独り言を…!」
悟空「この子ちゃんとやれば強そうなのにね…」
156: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/4(水) 23:56:12 ID:oL9GrTiuj.
八戒「九歯馬鍬の炎でも溶けんかったからの、この氷。相当な妖力じゃ」
三蔵「まさに心の氷か。他者を寄せ付けない絶対零度の壁か」
小龍「…私と先生の間にあるヤツですね」
三蔵「いつか溶けると三蔵法師は信じてます」
沙悟浄「悟空姐さん、ぶっ壊せないかい?」
悟空「…どうだろ……普通の氷ならどんな厚くてもいけると思うけど…」
三蔵「試しにやっ」
ドォォォォォォォォォォォォン!!!!
三蔵「…て?」
悟空「なに、地震!?……うわ」
沙悟浄「河が…割れてる…!」
小龍「…上空に気配が、悟能様」
八戒「皆、隠れよ。嫌な気じゃ」
悟空「…この感じ……」
霊感大王「……やだ、やだ……なに…?またアイツら…?もうやだなんなの放っといて…!」
牛魔王「よう、霊感の」
霊感大王「ひっ」
牛魔王「なにやってんだお前?なんの遊びだよコリャ。ワカサギでも釣るのか?」
霊感大王「ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ…!!!!」
牛魔王「まあ良いや。この辺に坊さんが来なかったか?無駄に毛深い娘を連れてる坊さんなんだが」
霊感大王「う、う、う、う、ま、ま…!!!!」
牛魔王「お前人の名前言うだけでそれとか、いい加減なんとかしろよ」
157: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/5(木) 00:02:57 ID:dt9vImOcMU
沙悟浄「…シャオ、見えたかい?」
小龍「…姿形は確認出来ませんでしたが、氷の亀裂に入っていったようですね。此方には気付いていないかと」
八戒「なんじゃあの桁外れの圧は。久方ぶりに戦慄を覚えたぞワシは…」
三蔵「なんなの気配とか圧とか。パンピーにも解るように説明してくれ……あれ?悟空は?」
沙悟浄「あっちの方にビューンと」
三蔵「うんもう説明良いやわかった」
悟空「おおおおおお兄ちゃんだだだだだ…!!!逃げちゃダメなのはわかってる、わかってるんだけど一旦、一旦逃げよう山に帰ろ…痛たたたたたたたっ!!?わーんこうなるって知ってた!私知ってた!」
三蔵「今回粘るなあアイツ」
小龍「…よっぽど嫌なんですね…」
沙悟浄「とすると、やっぱ牛魔王かい」
八戒「じゃな。あの氷を一撃とは、姉者が恐れるのも納得かも知れん」
悟空「うわぁぁぁん頭痛いお兄ちゃん恐い頭痛いお兄ちゃん恐い頭恐いお兄ちゃん痛いぃぃぃぃいっ!!!」
158: 名無しさん@読者の声:2013/9/5(木) 01:43:16 ID:Y96HeWp78A
三蔵とシャオの漫談がいい。言葉のチョイスも面白いw
これは是非最後まで書いてほしいのでC
159: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/6(金) 18:09:11 ID:dt9vImOcMU
沙悟浄「残像呪!てあぁっ!」
牛魔王「おう、なかなか」
小龍「…悟能様、いけます」
八戒「うむ!焔重ねて、吹き飛ばせぃ九歯馬鍬!」
牛魔王「お、龍神のブレスか。天界で暴れてた頃を思い出すぜ」
三蔵「八戒熱い!こっちまで火の粉が!」
八戒「もっと離れとれい!こっちも余裕が無いっ!」
沙悟浄「敵さんは余裕綽々なのが腹立つね、まったく…!」
小龍「…これが、悟空さんの義兄……平天大聖牛魔王…!」
牛魔王「くくく、悪くねぇぞお前ら!どうだ?3人とも俺の妾にならねぇか?平等に愛してやるぜ?」
八戒「御免被るの。ワシは汗臭い男に興味は無い」
沙悟浄「アタイの頭の先から足の裏まで、すべて旦那様のモノだよっ!誰がアンタなんかにっ!」
小龍「…私は男です。目がお悪いようで」
牛魔王「くっくく、フラれたか、残念だ。それと少年、俺はお前ならオッケーだぜ?」
小龍「…何をふざけた事を」
三蔵「まあわかる」
八戒「小龍なら仕方ないのう」
沙悟浄「下手な女の子より可愛いからねぇ」
小龍「………」
三蔵「何故俺だけ睨む!?」
悟空「…………うわぁぁあ……バトってるよぅ…!急に輪っかが締め付けて来なくなったから、どーしたのかなーって思って戻って来たけど……どうしようお兄ちゃんだよやっぱり…!」
160: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/6(金) 18:11:35 ID:dt9vImOcMU
牛魔王「坊さんよ、良い弟子持ってんじゃねーか。大した顔してねぇクセに、これだけ上物を侍らすたぁ、見上げたぜ!」
三蔵「ことあるごとに顔を云々言われるが、そんなに悪かねーよちくしょう」
沙悟浄「そうだよ!旦那様は世界一のイケメンだよ!」
三蔵「そうだそうだ!」
八戒「あーもう師匠殿、黙っとれ。お主が喋ると何かこう、戦う気が失せる」
小龍「…離れててください。しっしっ」
三蔵「ホントに良い弟子だよ!」
牛魔王「そうか。戦の邪魔は良くねぇな。魂さえ無事なら構わねぇし、声帯でもかっ斬っとくか」
三蔵「え」
八戒「しまっ…!!」
小龍「待てっ!!」
沙悟浄「旦那様ぁぁぁぁあっ!!!」
ガキィィィィィィン!!!
牛魔王「…よう、孫」
悟空「…ひ、ひさしぶりだね、お兄ちゃん…」
三蔵「何が起こったのかすら……あ、悟空」
八戒「…姉者!ナイスタイミングじゃ!」
沙悟浄「良かった…!良かったぁぁ…!」
小龍「……ふぅ」
牛魔王「本当に久しいな、孫。俺に武器を向けるたぁ、成長したじゃねぇか」
悟空「え、えへへ。つい、その、えへへ」
牛魔王「お前が身体を張って人を守るなんてなぁ。まさかその坊さんに惚れたか?くく、あの孫が色恋たぁ、こりゃあ傑作だ!」
悟空「うん、お兄ちゃんちょっとタイム。お師匠さま露骨に『え〜…マジかよコイツ…』って顔しないで!あと悟浄ちゃん『キイィ…!こんな身近に敵が居たなんて…!』みたいな空気出さないで!違うから!」
八戒「姉者、大変じゃの色々と」
悟空「もういっぱいいっぱいなんだから!うわぁぁん!」
161: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/7(土) 18:39:21 ID:Ie5.npZXAs
牛魔王「しかし安心したぜ孫。封印されてた割にゃあ、腕は衰えてねぇみたいだな」
悟空「え、うん、えへへへへ……」
三蔵「お前カッコよく出てきたのに敵と一切目を合わせないのな。カッコ悪いぞ悟空」
悟空「うるさいですよもう!お師匠様もいつまでも尻もちついてないで、離れてて下さいよ!」
三蔵「いや腰が抜けて立てねえんだよ」
悟空「そんな人にカッコ悪いとか言われたくない!」
牛魔王「おうおう、イチャイチャしやがって、くくく」
沙悟浄「そのイチャイチャちょっと待ったぁ!」
八戒「お主まで止めぃ悟浄、ワケがわからんことになる」
小龍「…本当に先生が絡むと、真面目が続きませんね…」
牛魔王「くく、こんな孫も面白ぇな。さて」
狐耳の幼女「……もう行こうよ、パパ」
牛魔王「うお、何だよ来たのかよ」
悟空「……誰?」
三蔵「紹介して欲しい」
沙悟浄「浮気だよ旦那様っ!キィィッ!」
八戒「娘を連れてくるとは、遊覧か何かのつもりかの、牛魔王」
小龍「…我々など遊びついで、とでも言うんですかね」
牛魔王「あ?コイツは俺の女だぜ?」
狐耳の幼女「……牛魔王が第二夫人、玉面公主」
八戒「なんと」
162: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/7(土) 18:40:56 ID:Ie5.npZXAs
悟空「…お兄ちゃん……相変わらずの守備範囲の広さだね……」
小龍「…先生、何も泣かなくても」
三蔵「だって!だって夫人って!妻って!」
沙悟浄「なんで…!なんでアタイは幼女じゃ無いんだいっ…!」
牛魔王「玉、霊感の奴と遊んでろって言ったじゃねぇかよ。も少し俺にも遊ばせてくれよ」
玉面公主「……やだ。今日は玉と一緒の約束。それにあの魚つまんないから、壊しちゃったし」
四弟子「…!」
牛魔王「くくくくっ!夫の友人を殺すたぁ、流石は玉だぜ!仕方ねぇ孫、今日は仕舞いだ。そうだ玉、お前、コイツらどう見る?」
玉面公主「……三蔵法師は、まだ食べ頃じゃない。魂に不純物が多い」
悟空「つまり心が汚ないと」
三蔵「そーゆー意味だとしたら僧侶として少し反省」
玉面公主「……一番できるのは沙悟浄。動きがまあまあ。次が孫悟空。力は大きいけど使いこなせてない」
沙悟浄「なんか褒められたよ?」
悟空「えー納得いかない」
玉面公主「……玉龍はまだまだ若い。そして」
小龍「…まあ悟能様の例が有りますから、私より年上なのでしょうね、この方も」
玉面公主「……猪悟能。貴女は弱い」
八戒「………」
玉面公主「……まあ自分でも解ってるだろうけど。ねえパパ、もういいでしょう?」
牛魔王「おう、成る程な。坊さんよ、もっと修行しとけ、今じゃ食っても仕方ねえってよ。…よし、行くか玉。朝まで寝かせねえからな、くくく」
玉面公主「……いやん」
163: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/7(土) 18:47:23 ID:lg2kHXsfJw
悟空「…か、帰ってくれたぁぁぁぁぁぁあ………!」
三蔵「悟空、地べたに寝るなよ汚ないぞ」
沙悟浄「よほど恐かったんだね、姐さん」
悟空「実は少し漏らしてます」
三蔵「うわぁ近寄るな」
小龍「…悟能様」
八戒「…うむ。お主にも、皆にも説明せねば、の」
悟空「お師匠さまひどくないですか!?助けたのにそんなちょっと漏らしたくらいで!」
三蔵「いやお前よく見たらだいぶいってるじゃねぇか下半身グッショリじゃねぇか!」
沙悟浄「替えのズボンあったかねぇ…」
八戒「……皆、話がある。聞いて欲しい」
悟空「なんですか!幼女のおしっこと私のおしっこの何が違うっていうんですか!」
三蔵「高級シャンパンと出涸らしの番茶くれぇ違ぇよ」
沙悟浄「これが魂の不純物…!いつかアタイが取り除いてあげるからね旦那様…!」
悟空「でも取り除いちゃったら食べられちゃうよねお師匠さま」
三蔵「つまり未来永劫ロリコンでいろ、と」
八戒「おーい。これからワシけっこーシリアスな話するんじゃから纏まれい」
164: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/8(日) 18:36:39 ID:Ie5.npZXAs
八戒「結論から言うとじゃな。ワシの妖力は、もうゼロに近い」
悟空「…お腹空いてるの?」
沙悟浄「トシかい?」
小龍「……妖力、ですか」
八戒「…まあ、わからんじゃろな」
三蔵「頼むから俺みたいなフツーの人間にも解るように説明してくれ」
八戒「うむ。師匠殿もワシ等の戦闘を見ておるじゃろ?ほれ、姉者が毛で分身を作り出したり、悟浄が幻術を使ったり、じゃ。あれ全て、妖力という力を使うとる。仙力とも言うの。人間が使うところじゃと、法力や気力の様なものじゃ」
三蔵「習った習った。でもその試験、ヤマ張って外したなー」
悟空「よく僧侶になれましたねお師匠さま」
八戒「無論この力は、腕力や脚力…基本的な戦闘能力にも反映される。体力と同じで無限では無いが、まあ栄養を採って一晩ぐっすりと寝れば、回復するモノじゃな」
沙悟浄「……姐さん、つまりどーゆーことだい?」
八戒「じゃから、もうワシにその妖力が無いんじゃよ。ワシは妖力が回復せんのじゃ。先の牛魔王との小競り合いで、ほぼ使いきったからの」
小龍「…何か隠されているとは感じていましたが、妖力が回復しない…?呪いかなにか、受けられたのですか?」
沙悟浄「そんな呪い、聞いたことないねぇ」
八戒「…呪い、か。似たようなモノかもの。小龍、主は天帝に裁かれて、どうなった?姉者、悟浄にも訊こう」
小龍「…どう、と言われましても。ご存知の通り、極刑は免れましたが、下界へと堕とされました」
沙悟浄「アタイもおんなじだね」
悟空「…私は岩の中に封印のオマケ付きだけどね…」
八戒「ほほ、姉者は罪が図抜けておるからの。ワシも姉者程では無いが、天帝も相当お怒りでな。下界に堕とすだけでなく、人間へと転生させられかけたのじゃ」
沙悟浄「え、でも姐さん」
八戒「お前らアレじゃろ、ワシが豚ベースの妖仙じゃと思っとるじゃろ。これはの、転生させられる間、滅茶苦茶に抵抗したらどーゆーワケか、豚の胎内に入り込んでしもうたのじゃ」
悟空「うわあ」
沙悟浄「魂だけで暴れるとか、姐さんらしいねぇ…」
八戒「まあ人じゃろうと豚じゃろうと、そのままではワシはワシで無くなってしまう。必死で肉体情報を持ち越そうとした。で、先の話に戻るがの。なんとか妖仙として転生出来たは良いが、妖力だけは持ち越し『のみ』じゃった。この身体は、新たな力を一切生まぬ」
沙悟浄「…そういうワケかい…」
小龍「…悟能様」
165: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/8(日) 18:39:30 ID:Ie5.npZXAs
八戒「旅に出るまでは、力を使うほどの敵になど会わんかったからの。………そんな顔をするでない。九歯馬鍬もある、その辺の雑魚ならば……ん?師匠殿と姉者は?」
小龍「………あ、河の方に」
悟空「ねえ飼っていい?飼っていい?」
三蔵「水槽を持ち運ぶワケにもなあ」
八戒「これお主ら。人が真面目に話しとるのに、ちぃとは大人しく聞いてられんのか」
三蔵「いや、なんか水辺でバチャバチャと音がして」
沙悟浄「そういや氷が無くなってるね」
悟空「可愛いの見つけたんだよ!ねえお師匠さま飼いたい飼いたい!」
小龍「……これは……珍しい金魚ですね」
金魚『……金魚とか。そりゃ金魚だけど。好きでこんなんなってるワケじゃないっつの…あーもー嫌だ…ぞろぞろなによ煩い煩い…』
三蔵「この声」
八戒「…霊感大王」
沙悟浄「殺されたんじゃなかったのかい?」
金魚『……あんな狐なんかに殺されるとかあるわけないじゃん頭沸いてんのかなこの人……不意を突かれただけだし油断しただけだし私もともと喧嘩とかバカみたいなコトしないし……』
三蔵「…お前コイツほんとに飼いたい?」
悟空「やっぱ良いや口悪いしジメジメしてるし」
八戒「ほほ、何とか逃げたのか。しかし見たところ、力のほぼ全てを投げ出したようじゃの。音に聞こえた霊感大王も、これまでか」
金魚『……黙れば良いのにチビのくせに上から目線やめてよウザいウザい……あーあ、これじゃ何にも出来ないじゃんプランクトンでも食べながら生きてくしかないじゃん……』
小龍「…少し不憫ですね。まあ人を食らってきた報いですが」
金魚『……同情するならなんとかしてよ口だけで何言ってんのよ帰れよ……ほんと哀れむなら人参果の一つでも持ってきてよそしたら元の妖力だって戻るのに……』
八戒「…!おい霊感大王、その話詳しく」
金魚『……人にモノ訊く態度じゃないよね頭が高いよねまず呼び捨てって』
八戒「姉者、塩焼きと刺身、どちらが良い?」
悟空「あえての天ぷらかな」
金魚『はい話しますカラッと揚げないで』
166: 名無しさん@読者の声:2013/9/8(日) 20:28:54 ID:uCKO46U9Zc
一位おめでたうございます!!
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