むかしむかしのことです。
世界は深い緑が生い茂り、深い青が寄り添うように流れる清らかな一つの円でした。
穢れを知らず、怒りも悲しみもなく、渇くことのない喜びが波立てる大地は
争いを寡黙に、繋がりをおおらかにしました。
630:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:18:49 ID:d4mo8KMAQc
カロル「わぁ…!見て、お母さま。庭があるよ?」
母「すごい…。人口の物なんですか?」
神父「いや、自然の物だ。ここに拠点を建設した際に、あえて司祭様はこれらの豊かな彩りを残されたのだ」
神父「この庭園に備わる草木や花はシスター達が手入れし、美しく保ち続けている」
神父「これらの世話は女に宿るとされる真心を育み、慈愛と献身の意思を体に覚えさせる。一種の修行だな」
母「そうなの…。それにしても見事ですね!」
カロル「お花が光ってるよ?」
神父「それはライの花だ。暗闇に包まれると花弁が淡い光を放つ不思議な習性を持っている」
カロル「へぇ…森でも見たことないです」
神父「旅に出ていた宣教師や遠くの布教地から一旦戻った神父、司教様などが土産に持ってくるのが主だな」
カロル「そうなんだ!すごいね、お母さま!」
母「そうね…」
神父「凄くて当然だ。我が教団が誇る大庭園だからな!
貴様らのような下賤な種族にはもったいない光景だろう?」
カロル「うん!」
神父「」ズルッ
母「坊や…今のはバカにされたのよ?」
カロル「そうなの?」キョトン
神父「まったく調子が狂うな…」スクッ
631:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:32:50 ID:d4mo8KMAQc
神父「…さすがにもう遅い。今日は休んで司祭様には明日お目通し願おう」スタスタ
カロル「ボクたちはどうするの?」スタスタ
神父「あぁ、問題ない。別に部屋を用意してやるさ」
母「よかった。神父さんと一緒の部屋じゃないのね?」ニコッ
神父「当たり前だ!貴様らと同じ部屋で寝られるか!」
母「まぁ?」
神父「それに私は自分の部屋を持っておらん。他の神父達と共同なんだ」
神父「ともなればなおさらお前たちなど連れてこれん。騒ぎになっても面倒だしな」
母「なんでもいいですけど、お部屋に案内してくださいます?」
神父「案内してやってるだろうが!」
カロル「あれ?誰か座ってるよ?」
???「」グッタリ
神父「なんだ?通路の脇にしりもちなどついて…」
母「うなだれてらっしゃるみたい…何かあったのかしら?」
神父「なんだろうが知った事じゃないが、行儀の悪い奴だな…」
632:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:43:45 ID:d4mo8KMAQc
神父「おい、そこのお前!」
ジョー「…?」ムクッ
神父「そんな場所で座り込むなど、何を考えているんだ!」
ジョー「あぁ、すみません…」スクッ
神父「ん?お前は確か見張りの…」
ジョー「ジョーです…」
神父「こんな所で何をしている?お前は地下の番をしていたはずだろう?」
ジョー「すみません…。すぐに戻りますんで」
神父「…体調が悪いのか?」
ジョー「あ、いや、心配なさらず。なんでもないッスよ」
神父「そうか…」
ジョー「じゃあ俺はこれで…」
神父「いや、待て」
ジョー「はい?」
633:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:50:09 ID:d4mo8KMAQc
神父「ちょうど頼みたい事があったのだ」
ジョー「…なんです?」
神父「彼女らを案内してやってくれないか?」
母「?」
ジョー「案内って…どこへ?」
神父「お前の持ち場だ。そこに入れてやってくれ」
ジョー「はい?俺の持ち場って地下ろ……」
神父「しーっ!いいから!言う通りにしてくれ!」
ジョー「わ、分かりましたよ…」
神父「よし、頼んだぞ!私は医務室に用があるのでな!」スタスタ
ジョー「あ、はい」
ジョー「(神父が連れてきたって事は…ひょっとしてこいつら…)」
ジョー「(ったく…こっちはそれどころじゃねぇってのに…)」
634:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:53:21 ID:d4mo8KMAQc
ジョー「あーっと…聞いてたと思うけど、そういう事だから」ガリガリ
母「はい」ニコッ
カロル「お願いします」ペコリ
ジョー「おっ!ボウズ、しっかりしてるな?」ナデナデ
カロル「……!えへへ!」ニコニコ
ジョー「俺はジョーだ。よろしくな?」
カロル「ボクはカロル!よろしくね、おじさん!」
ジョー「おいおい、おじさんはよしてくれよ…」ツツー
母「どうも。この子の母親で、マリーと言います」ペコリ
ジョー「マリーさんか。よろしく!」
635:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:56:05 ID:d4mo8KMAQc
母「神父さんはどこに行かれたんですか?」
ジョー「ん?あぁ、あの人は医務室に行ったよ」
カロル「」キョロキョロ
ジョー「どうした、ボウズ?」
カロル「あ、ごめんなさい。初めて見る物ばかりだから、つい…」
ジョー「壁に飾られた絵や脇に立てられてる花瓶か。確かに物珍しいかもな」
カロル「うん。全部キレイ!」ニコッ
ジョー「へー。俺にはああいう芸術?みたいのはよく分からないなぁ…」
カロル「ボクも描いてみたいなぁ…」
母「そうね…画材の一つも買い与えられたらよかったけれど…」
ジョー「はは…まぁいいや。案内するよ」
636:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:57:32 ID:d4mo8KMAQc
―――大聖堂(地下牢)―――
母「ここ…ですか?」ツツー
ジョー「う、うん。まぁ何も無いとこだけどくつろいでってくれよ?」
母「……」
カロル「地面の下にたくさん部屋があるなんてすごいね!」
ジョー「お、ボウズ!気に入ったか?」
カロル「うん!」ニコッ
ジョー「いやー!そりゃよかった!」
カロル「ねぇ、ボクたちの部屋はどれなの?」ワクワク
ジョー「ここだ、待ってろ。今開けてやるからな?」カチャカチャ
母「(まぁ…それもそうよね。初めから期待はしてなかったけど)」
母「(ここが牢屋なら宣教師様はこの部屋のどれかにいるのかしら…?)」チラッ
637:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 20:59:32 ID:Pt5pBqwsmA
カロル「お母さま、入ろうよ」ガチャッ
母「えぇ…」スッ
ジョー「(まさか素直に入るとはな…。宣教師さんの言ってた通り、悪い奴らじゃないらしい…)」ガチャガチャ
カロル「鍵、閉めるの?」
ジョー「ん?う、うん…まぁな。他の奴が入ってこないようにさ」
カロル「そうなんだ?」
ジョー「とりあえず寝具を持ってくるからおとなしくしててくれよ?」
カロル「はい!」
母「……」スッ
カロル「色眼鏡、外しちゃうの?」
母「だいじょうぶ。ここで隠す必要はないわ?」
カロル「……」
母「坊やも頭巾は外してしまいなさい。いっぱい歩いたから汗で蒸れるでしょう?」
カロル「…分かった」スルッ
母「…平気よ。さっきのお兄さんは気付いてるから」
カロル「ボクとお母さまのこと…?」
母「えぇ、そうよ…?」
カロル「そう…」
638:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 21:01:43 ID:d4mo8KMAQc
ジョー「備え付けのベッドで寝てくれ。もう遅いからなるべく静かにな?」バサッ
カロル「はい」
ジョー「柵越しで悪いが受け取ってくれないか?」つ【毛布】
カロル「ん…ありがとうございます」パシッ
母「何から何まですみません」ペコリ
ジョー「いやいや」
カロル「ジョーさんはどこで寝るの?」
ジョー「あぁ、俺のことは気にすんな。まだ寝ないから」
カロル「うん…」
ジョー「(こいつ、ホントに分かってないんだな…)」
ジョー「(そういや宣教師さんをほったらかしにしたままだったか)」
639:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/30(火) 21:02:56 ID:d4mo8KMAQc
ジョー「」ソーッ
宣教師「」スヤスヤ
ジョー「…そりゃそうか」
宣教師「」スヤスヤ
ジョー「あんなに会いたがってた相手が隣の牢屋に入ってるって知ったら、どんな顔すんだろな…」
ジョー「(更に二人も牢屋に抱えちまって、間違いなく休暇は増やせないな…)」
ジョー「……ん?」チラッ
母&カロル「くぅ…くぅ…」スヤスヤ
ジョー「もう寝てるよ…」
ジョー「……よっぽど疲れてるんだな」
ジョー「俺も少ししたら寝るか…」
640:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:27:56 ID:ZFsnQBBly6
――――――
宣教師「……」パチッ
???「どうしたの?」
宣教師「えっ」
???「お姉ちゃん、お話してたのに寝ちゃうんだもん。びっくりしちゃった」
宣教師「キミは…?」
???「へ?」
宣教師「キミは…誰ですか?」
???「ボク?ボクは???だよ!」
宣教師「え…?すみません、聞き取れな……」
???「さっき教えたじゃない。ボクもお姉ちゃんも」
宣教師「そう、でしたか?」キョトン
???「お姉ちゃん、どうしたの?」
宣教師「あ、いえ…なんでもありません」
宣教師「(なにがなんだか分かりませんが…夢、という解釈でいいのでしょうか?)」
宣教師「(夢は記憶を整理する為の作業。逆らったところで意味もない…)」
宣教師「(それなら懐かしい思い出に身を委ねるのも、いい気分転換になるかもしれません)」
宣教師「(さて、これは一体どの場面なのでしょうか…?)」
641:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:31:10 ID:YsB2Ns3Klg
???「」サクッサクッ
宣教師「それは…?」
???「お姉ちゃんがくれたんでしょ?」
宣教師「あ、あぁ…そうでしたね」
???「ねぇ、コレってなんて言うの?」
宣教師「それはビスケットですよ」
???「へー。初めて食べた!」
宣教師「おいしいですか?」
???「うん!」ニコッ
宣教師「そうですか」ニコニコ
宣教師「(これは…あの日の記憶?)」
宣教師「…となると、いい思い出ではなさそうですね」ボソッ
642:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:49:54 ID:OplxH4gICE
???「お姉ちゃんはどうしてボクに話しかけてくれたの?」
宣教師「…そういえば思い出せませんね」
???「えー!分からないの?」ビックリ
宣教師「…ところでキミは顔を見せてくれないのですか?」
???「ずっと見てるじゃない?」
宣教師「…霧掛かっていて見えませんね」
???「そう…じゃあまだ思い出せないんだね」
宣教師「……?」
「おい!」
宣教師「」ビクッ
「何してんだよ。裏通りには行っちゃダメだって、母さんに言われたろ?」
宣教師「お兄…ちゃん?」
643:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:54:18 ID:OplxH4gICE
兄「なんだ、兄ちゃんの顔も忘れたのか?」
宣教師「なぜ…だって…お兄ちゃんは…」
兄「どうした?様子が変だぞ?」
宣教師「あ、ううん…なんでも、ないよ」
兄「一人で何してたんだ?」
宣教師「一人?」
兄「一人でぶつぶつ喋ってたじゃないか?」
宣教師「いない…!」
兄「はぁ?」
宣教師「そこにいた男の子は?」
兄「そこには最初からお前しかいなかったぞ?」
宣教師「そんな…そんな筈は…」
兄「大丈夫か、何かあったのか?」
宣教師「お兄ちゃんも見たでしょう!私と話してた子を!」
兄「見てないよ」
宣教師「どうして…」
兄「…いいんだよ。そんな奴はいなくて…」
宣教師「…お兄ちゃん…?」
兄「あいつはいなくていいんだ」
宣教師「なに…?」
カァァァ!
宣教師「きゃっ」
宣教師「視界が…まぶしい…!」
………………
644:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 18:58:23 ID:QE/RDjeSTw
―――大聖堂(地下牢)―――
宣教師「」パチッ
宣教師「ふむ。やはり夢でしたか」ムクリ
宣教師「(ずいぶんと不思議な夢でしたね…。一体なんだったのでしょう?)」
ジョー「おっ!起きたか?」
宣教師「あ、ジョーさん。おはようございます」ペコリ
ジョー「おはよう。朝飯ならそこに置いてあるぜ」
宣教師「あの…お母様の件はどうなったのですか?」
ジョー「ん?あぁ、いいんだよ。行かないって決めたからさ」
宣教師「え?行かないのですか?」
ジョー「まぁ頼んではみたけど休暇が貰えなくてさ」
宣教師「そんな…!ちゃんと事情を話せば分かってもらえる筈です!」
ジョー「いいって、いいって!別に今すぐじゃなくても人間、そうそう死にはしないよ」
宣教師「それでいいのですか?」
ジョー「…そんな事よりさ、あんたに朗報だぜ」
宣教師「朗報?」キョトン
645:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:00:31 ID:QE/RDjeSTw
ジョー「隣の牢にホビットの親子が入ってる。あんたの知り合いじゃないか?」
宣教師「」ゾワッ
宣教師「ま、まさか」
ジョー「昨日の夜、神父が連れてきて俺に押し付けたんだよ」
宣教師「……!」
ジョー「二人ともぐっすり寝てるよ。よっぽど疲れてたんだろうな」
宣教師「…捕まってしまったのですか」
ジョー「そう落ち込むなよ。さんざん会いたがってたじゃないか」
宣教師「こんな形での再会は望んでません…」
ジョー「……」
宣教師「司祭様はどういうつもりでいるのでしょう…」
ジョー「さぁな。俺には司祭様の深い胸の内を知る事はできないよ」
宣教師「私の力が足らないばかりに…二人をこんな目に合わせてしまうなんて」
ジョー「……」
646:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:03:15 ID:OplxH4gICE
カロル「ん…」モゾモゾ
母「」スヤスヤ
宣教師「なんとかならないのですか?」
カロル「……(宣教師さまの声…?)」
ジョー「なんとかって言われてもな」ポリポリ
カロル「(昨日のお兄さんもいる)」
宣教師「彼らに罪などありません。出してあげてください」
ジョー「おいおい、無茶言うなよ」
宣教師「では司祭様に会わせてください。私が話をつけます!」
ジョー「なに言ってんだ。そんな事出来る訳ないだろ?」
宣教師「決めつけていては何もなりません!」
ジョー「あんまり声を出すと二人が起きちまうぞ?」
宣教師「……!」
ジョー「あんたには酷だが、この二人はどのみちロクな事にならないよ」
宣教師「…カロルくんとお母様が不幸になっていくのを、ただ黙って見ていろと?」
ジョー「あぁ、そうさ。それにこいつはあんたにとってもチャンスなんだぜ?」
宣教師「……?」
ジョー「司祭様は一度だけ、こいつらを見に来る。ホビットを捕らえた時はいつもそうだからな」
宣教師「つまり…」
ジョー「そうだよ。そこであんたがこいつらに騙されてたと言えば、司祭様は信じるかもしれない」
宣教師「……」
ジョー「もちろん、そうなればこいつらの罪は確定して罰が下されるだろうが…」
ジョー「しょせんこいつらはホビットだ。どうあったって裁かれる存在なんだ」
ジョー「だったら下手に庇って一緒に罪を被るより、あんただけでも助かった方がいい」
宣教師「……」
カロル「……」
647:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:05:59 ID:QE/RDjeSTw
宣教師「冗談はよしてください」
ジョー「なに言ってるんだ。俺は本気だぜ」
宣教師「なぜ私の為に二人が罰せられなければならないのです?」
ジョー「別にあんたの為にじゃない。どっちみち裁かれる運命なんだよ」
宣教師「絶対に嫌です。私は…そのような醜い手段を使ってまで生き延びたいとは思いません」
カロル「……!」
ジョー「じゃあどうするんだ。このまま共倒れすんのか?」
宣教師「カロルくん達だけでも助けられるよう、司祭様に懇願します」
ジョー「バカ!それが無理だって言ってるんだ!」
宣教師「なんと言われても結構です。神に仕える者として、私の前で罪無き者を裁かせはしません!」
ジョー「…あきれた奴だな」
カロル「(宣教師さま…)」ウルッ
648:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:09:59 ID:OplxH4gICE
カロル「(そっか。ここ、牢屋だったんだ…)」
カロル「(この中でもずっと、ボクらを心配してくれてたんだ…)」グスッ
ジョー「はぁ…勝手にしろよ!」
宣教師「言われなくてもそうします」
ジョー「ちっ…!最後まで分からず屋だったな!」
宣教師「どこへ行くのですか?」
ジョー「広間で一服してくんだよ!」
宣教師「待ってください。二人の分の朝食は用意してあるのですか?」
ジョー「ホビットの為に飯を作る人間が、ここにいると思うか?」
宣教師「……」
ジョー「そんなに心配なら自分の飯を分けてやれよ。柵の隙間から渡せるもんならな!」
宣教師「なっ…」
ジョー「くれぐれもスープはこぼさないでくれよ?
パンなら食えなくなるだけだが、汁物は後片付けが面倒だからな」
宣教師「…!」キッ
ジョー「ふん!」スタスタ
カツンカツン カツンカツン
649:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/5/3(金) 19:13:26 ID:QE/RDjeSTw
宣教師「ジョーさんがあんな人だとは思いませんでした!」プンスカ
カロル「宣教師さま?」
宣教師「」ビクッ
カロル「おはようございます」
宣教師「か、カロルくん…。起きていたのですか?」
カロル「はい」
宣教師「…聞いてました?」
カロル「……」
宣教師「あ、あの…先ほどの話は言うなれば…その…う、嘘のようなものでして」アセアセ
カロル「平気、何も聞いてないよ?」ニコッ
宣教師「ホッ…それは良かったです」
カロル「…宣教師さまの声、久しぶりな気がするね」
宣教師「そ、そうですか?」
カロル「うん…。懐かしくて、なんだかすごく嬉しいや」
宣教師「カロルくん…」
カロル「でも顔が見れなくて、ちょっぴり残念かも」
宣教師「…そうですね」
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