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少年「ボクが世界を変えてみせる」
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1:🎄 名無しさん@読者の声:2012/12/23(日) 21:21:41 ID:apUuk9iOiY
むかしむかしのことです。
世界は深い緑が生い茂り、深い青が寄り添うように流れる清らかな一つの円でした。
穢れを知らず、怒りも悲しみもなく、渇くことのない喜びが波立てる大地は
争いを寡黙に、繋がりをおおらかにしました。


580:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/12(金) 20:27:38 ID:RneutkhE8s
――村(民家周辺)――

神父「…む?お前の母親がおらんな?」

カロル「……」

神父「ここで待ってるように言ったのだがな」

カロル「…ボクがホビットなの、おばさまに話したんですか?」

神父「」ギクゥッ

神父「……し、知らんよ」

カロル「話したんですね?」ジト

神父「うっ!いや、待て!私はだな…!」アタフタ

カロル「気にしなくていいです」

神父「おっ?」

カロル「…一つだけお願いしていいですか?」

神父「な、内容にもよるが…言ってみろ」

カロル「お母さまには内緒にしてください」

神父「先ほどの事を、か?」

カロル「はい。心配かけたくないから…」

神父「ま、まぁ構わんが…」タジタジ
581:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/12(金) 20:29:25 ID:RneutkhE8s
スタスタ

母「あ、二人ともいたのね?」

カロル「お母さま!」

神父「……」

母「遅かったから、少し向こうで畑を見てたの。どれも立派に実って、素敵だったわ?」ニコニコ

カロル「そうだったんだ。待たせちゃってごめんなさい?」

母「いいのよ?それじゃ行きましょうか」

神父「うむ」

カロル「はーい!」
582:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/12(金) 20:31:59 ID:J./Ghkr/nw
母「それにしてもずいぶん長かったんですのね?」スタスタ

神父「む?ま、まぁアレだな…」スタスタ

母「アレ?」

神父「いや、その…ま、まぁアレだ」

母「何かあったんですか?」ジロリ

神父「」ギクギクッ

カロル「ボクが帰りたくないって、わがまま言っちゃったんだ。
それでみんなを困らせちゃって…。えへへ」

母「そうなの?」

神父「あ、あぁ!そうだ、そうだ!まったく手を焼かせおって!」

カロル「あはは。ごめんなさい」ニコニコ

母「怪しいわね…」

神父「な、なにぃ!?」

母「だって様子が……」

「おーい!!」タタタッ

母「」ビクッ

神父「ひぃっ」ビクッ

カロル「……?」クルッ
583:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/12(金) 20:33:48 ID:J./Ghkr/nw
ルーボイ「おい!カロル!」

カロル「ルーボイくん…?」

ルーボイ「母ちゃんの言ったこと、気にすんなよ!」

カロル「うん…」

母「……?」

ルーボイ「あ、カロルの母ちゃん!」

母「久しぶりね?元気だった?」ニコニコ

ルーボイ「おう!元気だぞ!」

母「そう?よかったわ?」ニコニコ

カロル「ルーボイくん、家に帰った方がいいよ。怒られるよ?」

ルーボイ「大丈夫だよ。手ぇ洗うっつってきたから!」

カロル「そうなんだ…」

ルーボイ「つーかお前、ひどいじゃんか!」

カロル「へ?」

ルーボイ「いきなりそっけなくしやがって!」

カロル「…ごめん。ああいう時はどうにもならないって知ってたから」

ルーボイ「ふん!ひでーよな。母ちゃんには後で言っとくよ!」

カロル「いいよ。しかたないことだもの」

ルーボイ「そんな訳にはいかねぇよ!」

カロル「それよりパッチくんを気にしてあげて?」

ルーボイ「……!」

カロル「ボクは宣教師さまを助けるから、ルーボイくんはパッチくんを、ね?」

ルーボイ「……よっしゃ!任せとけ!」グッ

カロル「お互いがんばろう!」グッ

母「」ニコニコ

神父「……」
584:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/12(金) 20:38:08 ID:J./Ghkr/nw
カロル「じゃあ、そろそろ行くね?」

ルーボイ「おう!またな!」

カロル「うん!また!」スタスタ

母「」スタスタ

神父「」スタスタ

ルーボイ「……」

ルーボイ「カロル!」

カロル「?」クルッ

ルーボイ「前に約束したよな?また遊ぶって!」

カロル「うん!」

ルーボイ「今日のは無しだぞ!パッチも宣教師様もいなかったから!」

カロル「……?」キョトン

ルーボイ「もし、このまま会えなくなったら約束破りだからな!」

カロル「……」

ルーボイ「宣教師様と一緒に帰ってこいよ!
その時にはパッチも見つけとくから、遊ぼうぜ!」

カロル「…うん!!」

ルーボイ「約束破ったら許さないからな!」

カロル「守るよ!絶対!」

ルーボイ「へへっ!」ニカッ

カロル「えへへ!」ニコッ
585:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/12(金) 20:39:37 ID:RneutkhE8s
タタタッ

母「行っちゃったわね」ニコニコ

神父「声のでかい子だ。さっきまで大ケガを負っていたとは思えん…」

カロル「ふふ!お母さま!神父さま!行こう?」タタタッ

母「あらあら、そんなに走って。転んでも知らないわよ?」ニコニコ

神父「急にはしゃぎおって…ケガ人を走らせる気か!」

カロル「ほら、はやくー!」

母「ふふふ!もう!しょうがない子ねぇ!」タタタッ

神父「だから!私はケガをしてると言っとろうが!」スタスタ
586:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:17:10 ID:xrFLp2O0Vk
―――森―――

スタスタ


???「あー!お前、どこ行ってたんだよ!?」

ラム「…バンパ」

バンパ「全然戻ってこないから心配したぞ!」

ラム「ごめんごめん。ちょっとね」

バンパ「朝にはここに戻ってくるはずだったろ。
もう夕方だぞ!何してたんだ?」

ラム「たまたま同族を見かけてね」

バンパ「同族?俺たち以外のホビットがいたのか?」

ラム「うん。この森に住んでるんだってさ」

バンパ「なんでこんな所に?
自然豊かな田舎じゃあるけど、教団のお膝元だぞ?」

ラム「さぁね。そんなのボクの知ったことじゃないよ」

バンパ「なんだそりゃ?会ったんじゃないのか?」

ラム「…そんな事よりさ。シープは?」

バンパ「バカ!お前を探しに行ったに決まってるだろ!」

ラム「一人で?シープはまだ子供だよ?
バンパが探しに行けばよかったじゃないか」

バンパ「交代で探してたんだよ!
それに黙っていなくなったお前が言う事じゃないだろ?」

ラム「…それもそうだね」
587:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:22:15 ID:6Oet8Id.lc
ラム「でも黙っていなくなった訳じゃないよ?
人間の臭いがする所にいたくなかっただけ」

バンパ「お前はいっつもそう言って、屋内で寝たがらないよな?」

ラム「逆に聞きたいね。なんであんなとこで寝れるんだい?」

バンパ「どこで寝ようが同じだろ。ちょうど人間もいなかったしな」

ラム「ふーん…」

バンパ「そういえばお前がいない間にシープがやってくれたぞ?」

ラム「何を?」

バンパ「ずっと追ってたクズ野郎を殺したんだよ!」

ラム「…ヘマトの人間?」

バンパ「おう。奴の方からのこのこ教会に来たらしい。
罠を張っておいて正解だったな!」

ラム「罠って言っても入り口に紐を張っただけだろ?」

バンパ「あぁ。だがそれが活きた!俺の作戦勝ちだな!」

ラム「なに言ってんのさ。どうせ何もしてないんだろ?」

バンパ「うっ…し、しょうがないだろ!俺は寝てたんだから!」

ラム「…いい大人が子供に見張り任せて寝てるんだもん。情けないよ」ヤレヤレ

バンパ「う、うるさいな!ちゃんと交代してんだからいいだろ!
それにお前がわがまま言わなきゃ3人で交代出来たから、1人が寝る時間も増えるんだぞ!」

ラム「それは悪かったね」

バンパ「シープの奴も始末した後、俺を置いてきぼりにしかけたし、お前らって俺に冷たいよな」ブツブツ
588:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:25:20 ID:/c7iUBA6B6
ラム「それで死体はどうしたの?」

バンパ「ん?そのままだよ。
人間なんか埋めてやる気も起きないしな」

ラム「ふーん。いいの?足がつくかもしれないけど?」

バンパ「別にいいだろ。どうせすぐに別のとこに行くんだから」

ラム「能天気だよね、ホント。あんまり目立ちたくないのにさ」

バンパ「お前に言われたくないよ。いつも真っ先に人間を襲うくせに」

ラム「僕は見境なくやってる訳じゃないし、場所と状況は弁えてるつもりだよ」

バンパ「よく言うぜ…」ハァ
589:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:29:35 ID:/c7iUBA6B6
バンパ「そういやさっき言ってた奴はどうしたんだ?
せっかく同族を見つけたのに連れて来なかったのか?」

ラム「ん…気が合わなかったから」プイッ

バンパ「おいおい、気が合わないって…。
俺たちの目的は同じように苦しんできた仲間を助ける事だろ?」

ラム「……」

バンパ「…大事な仲間を、そんな理由で見捨てるのか?」

ラム「…その子は同族より、人間の方が好きみたい」

バンパ「へ?な…な…あんだって?」キョトン

ラム「人間と友達だって。嬉しそうに話してたよ?」クスクス

バンパ「な、なんだそいつ…!そんな奴がホントにいるのか?」

ラム「バカな奴だよね。"傷付け合うのは間違ってる"だって?
綺麗事で自分をごまかしてる。たまたま少しうまくいってるだけなのに」

バンパ「…確かにな。バカだ」

ラム「それとなく連れてこようと思ったんだけど…やめといたよ」

バンパ「あぁ。それがいいよ。そんな奴は仲間じゃねぇ」

ラム「……」

バンパ「同族とは思えないな…。今もどこかで仲間が人間に苦しめられてるのによ…」

ラム「…ふふ。きっといつか気付くだろうけどね。
痛い目にあってから後悔したって遅いんだ…」
590:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:33:20 ID:/c7iUBA6B6
バンパ「それにしてもシープの奴、遅いな?どこまで行ったんだ?」

ラム「シープなら人間に見つかるような事は無さそうだけど心配だね」

バンパ「お前が勝手に歩き回るからだろ?迷ったんじゃないだろうな…」

ラム「……」

ガサッ

シープ「あー!ラムったらどこに行ってたの!?」

ラム「シープ!」

シープ「ずっと探してたんだから!心配したんだよ?」

ラム「ごめん。色々あってね」

バンパ「同族に会ったんだってよ?」

シープ「えー!ホント!?」

ラム「余計なこと言わないでよ?」

バンパ「まぁまぁ?俺たちの間で隠し事はなしだろ?」

ラム「そうだけどさ…」

シープ「どこにいるの!もちろん連れてきたんでしょ?」

バンパ「いや、訳あって仲間にはしなかった」

シープ「どうして?ボクも会いたいよ!」

ラム「その子は人間が好きなんだってさ。僕たちとは合わないだろ?」

バンパ「そういうことだ」

シープ「なにそれ?人間が好きって…本気なの?」

ラム「どうだろう?僕には嘘を言ってるようには見えなかったけど?」

シープ「…じゃあ仲間じゃないね」
591:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:36:45 ID:6Oet8Id.lc
バンパ「変わってるよな?俺もラムから聞いた時は驚いたぜ」

シープ「殺そうよ、そいつ」

バンパ「は?」

シープ「だって人間の仲間でしょ?」

バンパ「おいおい、簡単に言うなよ?」

シープ「いいじゃん。殺そうよ!」

ラム「……?」

シープ「今までだってそうだったじゃない?」

バンパ「そりゃ人間相手の話だろ?
しかもホビットを虐げる人間に限って、だ」

バンパ「生きる為に行商人や旅人を襲った事もあるけど、意味のないことはしてこなかったじゃないか」

シープ「…二人とも優しすぎるよ?人間はみんな敵でしょ?
そいつはボクらをいじめる人間の仲間なんだよ?」

バンパ「そうとは限らんだろ?
村の子供とか、俺たちにまだ偏見を持ってない人間と仲良くして勘違いしてるだけかもしれないしな」

シープ「同じだよ。ボクは生まれた村で同い年の人間の子供にたくさん、いじめられてきたもん」

ラム「……」
592:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:39:00 ID:/c7iUBA6B6
バンパ「だからって見境なく殺すのは人間と同じだぞ?
俺たちはあいつらとは違うだろ?」

シープ「どうして?昨日の夜にあいつを殺した時は褒めてくれたよね?」

バンパ「だから、それは状況がだな…」

シープ「ねぇ、聞いてよ。ラム!ボク昨日、初めて1人で人間を殺したんだよ?」

ラム「うん。さっきバンパから聞いた」

シープ「すっごく楽しかったんだ!
今までずっとあいつが怖かったのに、全然怖くなかった!」

ラム「……」

バンパ「待てよ。楽しいってのは間違ってるぞ?
俺たちは快楽の為に人殺しをしてる訳じゃないんだぞ?」

シープ「違うよ!そういうんじゃない!
悪い奴をやっつけるのって正義の味方みたいでかっこいいじゃん!」キラキラ

バンパ「おいおい…」

シープ「人間の数だけ悪い奴がいるんだ!みんなやっつけようよ!?」

バンパ「おとぎ話じゃないんだぞ?
悪い奴をやっつけたって解決しないし、世の中そんなに簡単じゃない」

シープ「なんでさ!」プンスカ

バンパ「お前はまだ小さいから分からないだろうな?」

シープ「むぅ…子供扱いしないでよ?」

バンパ「へっ!俺から見りゃガキだよーだ!」ケラケラ

シープ「なんだよ、もう!」
593:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:41:27 ID:6Oet8Id.lc
バンパ「ラムからもなんとか言ってやってくれよ?」

シープ「ラムなら分かってくれるよね!?」

ラム「…僕としては反対かな。そこまでする事ないよ」

シープ「えー?なんで?」

ラム「別にあの子が人間と仲良くしても僕らには関係ないしね」

シープ「ぅー…」ムスッ

バンパ「そういうこと!分かったら、さっさと出発するぞ?
だいぶ時間もくっちまったしな」

シープ「どこに行くの?」

バンパ「はぁ…前に言っただろ?」

シープ「覚えてない!」キッパリ

バンパ「……」
594:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:44:06 ID:6Oet8Id.lc
ラム「東に向かうんだ。エルマーっていうホビットの集落があるはずだからね」

シープ「あ、そうだった!」

バンパ「しっかりしてくれよ…。
エルマーに行けば仲間を集められるかもしれないんだぞ?」

シープ「ふーん!けど、今から行くの?」

バンパ「そうだよ。死体はあのままだし、人間達が追ってくるかもしれないからな」

シープ「ボク、くたくたなんだけど」ジト

バンパ「わがまま言うな!」

シープ「だってさっきまでラムを探しに行ってたんだよー?」

バンパ「くっ…別に歩けるだろうが!ちょっとの辛抱だ!」

シープ「やだー!歩きたくなーい!おんぶしてよー!」ジタバタ

バンパ「くっそー…!」イライラ

ラム「おぶってあげれば?」

バンパ「はぁ!?元はといえばお前のせいなんだから、お前がやれよ!」

ラム「やだね。僕も疲れるのは嫌いだもん」ツーン

バンパ「こ、こいつ…!」イライラ

シープ「バンパー!はやくー!」ジタバタ

バンパ「……!」イライラ
595:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/15(月) 18:46:39 ID:6Oet8Id.lc
バンパ「分かったよ!おぶりゃいいんだろ!おぶりゃ!」シャガム

シープ「わーい!」ガバッ

ラム「さ、行こうか?」

バンパ「お、おう…!」ググッ

シープ「うん!」ギュッ

ラム「辛そうだね?」

バンパ「(そう思うなら変われっつの!)」

シープ「楽チン、楽チン!」ニコニコ

ラム「……」

ラム「(これで本当にお別れだね、カロル君…)」

バンパ「どうした?」

ラム「なんでもないよ。行こう」スタスタ

バンパ「おう!」スタスタ

シープ「レッツゴー!」ニコニコ
596:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/16(火) 20:26:07 ID:88ff4WVCKM
―――大聖堂(書斎)―――

ドカッ!

ダガ「あんのガキぃ〜…!」イライラ

付き人2「……」ペラ

ダガ「があぁぁ!!」ドカッ

付き人2「静かにしてもらえない?
本に集中出来ないんですけど?」

ダガ「あぁ?」ギロッ

付き人2「ここは神聖なる書物が並ぶ書斎よ?
壁を蹴ってストレスを発散する場所じゃないの」

ダガ「うるせぇよ…」

付き人2「あなたって本当に単細胞よね?
分も場所も弁えられない。そんなだから出世も出来ないのよ」

ダガ「今なんつった!?」ガタンッ

付き人2「あら、何か聞こえまして?」ペラ

ダガ「お前まで俺を怒らせる気か…?」イライラ

付き人2「……」ペラ

ダガ「なんとか言ったらどうだ?おう?」
597:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/16(火) 20:27:22 ID:88ff4WVCKM
付き人2「あなたって野蛮よね。
長い付き合いだけど、同じ教団員として理解しかねるわ?」

ダガ「なんだとぉ…?」ピキッ

付き人2「……」パタン

ダガ「なんだ。読書は終わりか…?」

付き人2「これ以上、当たられても困るから聞いてあげる」ジーッ

ダガ「当たられてもだぁ?俺がいつ当たった?」

付き人2「いいから話してごらんなさい?」

ダガ「ちっ!」
598:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/16(火) 20:28:42 ID:lGG2TOSiaY
(>>478-482)

ダガ「って事があってよ…」

付き人2「どうせそんな事だろうと思ってたけど…」ハァ

ダガ「あのガキだけは許せねぇ…!」ググッ

付き人2「あなたも司祭様も、何が楽しくてあんな小娘に執着するの?」

ダガ「執着なんざしてねぇよ。気に入らねぇだけだ」

付き人2「ますます分からない。ほっとけばいいじゃないの?」

ダガ「ほっとけるか!あからさまに司祭様から贔屓されてやがるんだぞ!」

付き人2「要は嫉妬してるのね?」

ダガ「嫉妬じゃねぇ!あのガキみてぇな事を言ってんじゃねぇよ!」
599:🎄 ◆WEmWDvOgzo:2013/4/16(火) 20:30:13 ID:88ff4WVCKM
付き人2「それで、あなたはどうしたいわけ?」

ダガ「あのガキをぎゃふんと言わせて目の前に跪かせてやりてぇ…!」

付き人2「はぁ…まるで子供ね…」

ダガ「なに…!?」イラッ

付き人2「あの娘は牢に押し込められた立派な罪人よ?
今となっては躍進も望めない。その内いなくなるでしょう?」

ダガ「だが、司祭様に裁く意思は見られねぇ…」

付き人2「そうね…。少しお灸を据える程度に考えてらっしゃるでしょうね」

ダガ「気に入らねぇな…。奴はホビットの味方をした上に司祭様に歯向かいやがった…。
重い罰を与えてしかるべき罪だ…」

付き人2「それを決めるのは私達じゃない」

ダガ「くっ…」ギリッ
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sage:


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