王「魔王討伐のため、名高き勇者を募ったが、どのような者が集まっておる?」
大臣「現在、笑顔勇者・弱気勇者・知ったか勇者・川柳勇者の四名が集まっています」
王「ろくな勇者いねえな!」
48: 1:2013/5/11(土) 01:03:27 ID:YHEhymVdsU
翌日
大臣「王様。勇者を募ったところ、新たに数名の勇者が集まりました」
王「……集まるのは集まるんだよな」
大臣「嬉しいことですよね。国の危機に立ちあがろうという者がこれほどいるというのは」
王「問題は悪ふざけみたいな奴しか集まらないってことなんだよな。皆お遊び気分なんだわ」
大臣「今回こそは期待できる勇者が集まりましたからご安心を」
王「もうネタの前振りにしか思えねえよ。まあいいや、今回どんな奴集まった?」
大臣「現在、ゲーム勇者・アルソック勇者・ダルビッシュ勇者・カフェオレ勇者の四名が集まっています」
王「やっぱ振りじゃん!わかりやすい振りだったな!ダチョウ倶楽部かよ!?」
王「あと今回カタカナ目立ちますね!なんか統一したい気分だったんかなあ!?」
大臣「統一感って大事だと思いますよ」
王「知らないよ!こんなくだらねえとこで統一感出さなくてもいいだろ!」
大臣「まあ大事なのは魔王を倒せるかどうかです。統一感なんてどうでもいいです」
王「あんたが言い出したことだろぉ!もういいよ、とりあえず勇者見ていこう!」
49: 1:2013/5/11(土) 01:04:13 ID:YHEhymVdsU
ゲーム勇者「……」ピコピコ
大臣「彼がゲーム勇者です」
王「ゲームやってんじゃないよ!俺と話せぇ!」
大臣「しかし彼はゲーム勇者ですよ。ゲームしないでどうするんですか?」
王「家でやってぇ!今偉い人の前だから控えてぇ!」
ゲーム勇者「……」ピコピコ
大臣「やめませんね。さすが勇者だ、度胸は満点です」
王「聞き分けが悪いだけだよ!人間が出来てねえんだよ、こいつの!」
ゲーム勇者「お前だから舐めてるだけだよ……」ピコピコ
王「悲しい訂正がきたよ!俺舐められてましたぁ!泣いていい!?」
大臣「ところで、ゲームはいつまで続けるんですか?」
ゲーム勇者「セーブポイントが見つからねえんだよ……」ピコピコ
王「よくあるよ!夕飯時に限って見つからなくて、お母さんに怒られるパターンだよ!」
50: 1:2013/5/11(土) 01:05:04 ID:YHEhymVdsU
王「大臣、こいつはどう魔王討伐に役立つんだよ!?」
大臣「何と言っても経験豊富ですからね。もう何人も魔王倒してるんですから」
ゲーム勇者「百人から先は数えていない……」ピコピコ
王「それゲームの話でしょぉ!?そんなん言ったら俺だって何人もの女の子を落としたモテ男だよ!」
大臣「でも現実に魔王なんかいるわけないですよね」
王「世界観否定!?俺らの住むこの世界には魔王いるんですぅ!」
ゲーム勇者「とにかく魔王の倒し方は知ってる。何なら縛りプレイで倒してやるよ」ピコピコ
王「確実に殺ってぇ!何ならチートやっちゃってもいいですからぁ!」
大臣「うわあ、チート勧めるってどうなんですか?」
王「個人で楽しむ分には良いんじゃないかな!?」
ゲーム勇者「じゃあオンラインゲームでチート使うわ」ピコピコ
王「それは駄目ぇ!いろんな人に迷惑かかっちゃうからぁ!」
ゲーム勇者「じゃあどうすりゃいいんだよ?」ピコピコ
王「魔王を倒せよ!……ゲーム勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
51: 1:2013/5/11(土) 01:05:59 ID:YHEhymVdsU
翌日
大臣「ゲーム勇者が一面で戦死しました」
王「早いねぇ!倒し方知ってんじゃなかったの!?」
大臣「勇ましくゆうなまをプレイしたそうですが、その隙をスライムに突かれ……」
王「何でゆうなまやってんのぉ!?あれ魔王の立場じゃん!勇者なんだから勇者30やろうよ!」
大臣「クソゲー!って叫びながら死んでいったそうです」
王「いたね、そんな奴!そんな勇者、ゆうなまにいましたよね!」
大臣「クソゲーって評価になるようなゲームではないと思いますけどね」
王「真面目か!まあそこは人によりけりだよ!ゆうなま難易度高いゲームだしね!」
大臣「ゲームの良し悪しは人それぞれ……嫌いなゲームを貶めるのではなく、好きなゲームを楽しむのが大切なんですね」
王「勝手にまとめてんじゃねえよ!とりあえずあいつの人生はクソだよ!」
大臣「とりあえず次の勇者いってみましょう」
王「流すなよ!」
52: 1:2013/5/11(土) 01:06:34 ID:YHEhymVdsU
アルソック勇者「どうも、アルソック勇者です」
王「あれぇ!?吉田沙保里さんですよね!?」
アルソック勇者「いえ、アルソック勇者です」
王「いや、吉田沙保里さんですって!」
大臣「本人が否定してるのに何で信じてあげないんですか」
王「だって吉田沙保里さんなんだもん!ちょっとタックルしてもらえますか!?」
アルソック勇者「わかりました。えい」
王「ぐふう!ゲホッゲホッ……ほら!このタックルやで!?肩こり勇者の体当たりとはわけがちげぇ!」
大臣「切れ味鋭いタックルは吉田沙保里さんだけが出来る技ってわけでもないですよ」
王「でも出来る人は限られるよ!このタックルが出来る人はそうそういないよ!」
53: 1:2013/5/11(土) 01:07:35 ID:YHEhymVdsU
大臣「大体吉田沙保里さんがこんなとこにいるわけないじゃないですか」
王「じゃあこれでどうや!?吉田沙保里さん、ちょっとあれお願いします!」
アルソック勇者「わかりました。えい」ビガー
王「ほら!天井の隅に張り付いて目からビーム出しましたぜ!これは本人確定っすわ!」
大臣「目からビームは吉田沙保里さんだけが出来る技ってわけでもないですよ」
王「それはまかり通らないねぇ!これ出来る人は他にいないんとちゃいますかねぇ!?」
大臣「まあとにかく。実力は確かだと思いますから魔王討伐を任せてみましょうよ」
王「そうだね!かつてここまで期待して送り出す日があったかな!?いいやないね!」
王「マジ朗報を待ってます!……アルソック勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
54: 1:2013/5/11(土) 01:08:20 ID:YHEhymVdsU
翌日
大臣「アルソック勇者が帰りました」
王「あれぇ!?帰っちゃったぁ!?何かあったかなぁ!?」
大臣「勇ましく魔王討伐に向かおうとしたそうですが、オリンピックに向けて活動したかったらしく……」
王「やっぱ吉田沙保里さんだったんじゃん!俺間違えてなかったよ!」
大臣「なんかレスリングが危機的状況で、それに向けて活動したかったそうです」
王「こう言うと失礼かもだけど、そもそもこちらに応募する必要なかったのではないですかねえ!?」
大臣「オリンピックからレスリングが除外されるってのは何だか寂しいですからね。事態が好転してほしいですよね」
王「魔王討伐はいよいよ危機的状況だけどな!」
大臣「魔王討伐に関してもうまくいくよう、次の勇者を見てみましょう」
55: 1:2013/5/11(土) 01:08:58 ID:YHEhymVdsU
ダルビッシュ勇者「どうも、ダルビッシュ勇者です」
王「アルソックの流れから本物を期待したけど偽物だよ!レンジャーズのピッチャーじゃなかったよ!」
大臣「彼はダルビッシュ勇者ですからね」
王「あれか!?ダルビッシュ有と勇者をかけたんか!?」
大臣「え?何て?」
王「いや、だから、ダルビッシュ有のゆうと、勇者のゆうをかけたんかって!?」
大臣「もう一度お願いします」
王「ダルビッシュ有の……なんか俺が滑ったみたいになってるから!何で拾ってやった俺が火傷すんだよ!?」
大臣「拾い方がまずかったんじゃないですか?」
王「俺のせいかよ!?このくだらねえダジャレ、俺のせいで滑った言うんか!?」
大臣「まあそれは置いといて」
王「アフターケアしっかりしてぇ!俺今著しく傷ついてるぅ!」
56: 1:2013/5/11(土) 01:10:02 ID:YHEhymVdsU
大臣「ダルビッシュ投手本人ではないですけど、能力は完コピしてるみたいですよ」
王「そいつぁすげえや!でも、それが何!?」
大臣「冷静に考えてください。あの能力があるのであれば、魔王も三振に仕留められますよ」
王「お前が冷静になれぇ!野球やるんじゃないんだよ!魔王と勇者は殺し合いすんのぉ!」
大臣「あ、じゃあ意図的に死球ぶつけましょうよ」
王「だから野球じゃないって!魔王、大人しくバッターボックス立ってるわけないよ!」
大臣「あの球威でぶつけられたらただじゃ済みませんよ」
王「何回言わすかなあ!?野球やるんじゃないんですよぉ!俺今日同じこと繰り返す日なんかな!?」
大臣「もしかしたら今度こそ完全試合やってのけるかもしれませんよ」
王「俺の言葉は届かないのかぁ!?腹の底から声出してんだけどぉ!」
大臣「いやー次の登板が楽しみですねー」
王「駄目だ届かねえ!もうこっちで勝手に話進めるしかねえ!」
王「ダルビッシュ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
王「……どうでもいいけど今回の勇者喋んねえな!」
大臣「今ツイッターで呟いてますからね。喋るどころじゃないんですよ」
57: 1:2013/5/11(土) 01:10:59 ID:YHEhymVdsU
翌日
大臣「ダルビッシュ勇者が六面で降板しました」
王「降板って何だよ!?本気で野球やってきたんか!?」
大臣「勇ましく対戦打者を三振に仕留めましたが、投球数が百球を越え……」
王「交代させられたってか!なんかメジャーは百球が先発投手の交代の目安みたいらしいね!」
大臣「8奪三振3四球2安打1失点の内容で、勝ち投手の権利を得てからの降板みたいですよ」
王「魔王討伐ならずして降板した時点で負けたようなもんだよ!降板した六面から後はどうなったんだよ!?」
大臣「他の勇者が登板しました。そして戦死しました」
王「野球やってたんちゃうんか!?急に生き死にが話に出てきましたね!」
大臣「代わりの勇者は別に野球する勇者ってわけでもないので」
王「ダルビッシュ勇者も普通に魔王討伐してほしかったよ!」
大臣「それは次の勇者に期待しましょう。というわけで次いってみましょう」
58: 1:2013/5/11(土) 01:11:56 ID:YHEhymVdsU
カフェオレ勇者「カフェオレ勇者です」ゴクゴク
王「雪印コーヒー飲んでんじゃないよぉ!雨宮桂馬か、お前は!?」
大臣「何ですか、その雨宮桂馬って」
王「説明させんなよ!ボケとかツッコミの説明するとか地獄やぞ!?」
大臣「でもわかんないんですもん」
王「じゃあ流してくれ!そしてお前はコーヒー飲むな!」
カフェオレ勇者「俺が飲んでんのはカフェオレです。訂正してください」ゴクゴク
王「めんどくせえな!わかったわかったコーヒー牛乳ね!」
カフェオレ勇者「カフェオレだって言ってんだろぉ!」ゴクゴク
王「一緒だろぉ!いや、知らねえけどたぶん一緒だろ!」
大臣「カフェオレ勇者なだけあって、呼び名にもこだわりがあるみたいですね」
王「うっせえ!あくまで俺のイメージだけど、雪印コーヒーはコーヒー牛乳のが合ってない!?」
59: 1:2013/5/11(土) 01:12:45 ID:YHEhymVdsU
王「とりあえずカフェオレごくごく飲んでるこいつが魔王討伐の何に役立つってんだよ?」
大臣「コーヒー勇者ではなくカフェオレ勇者をわざわざ名乗ってるわけですからね」
大臣「ブラックとかそれっぽい雰囲気のカフェの奴じゃなく、安っぽい甘さの庶民的な味が好きだっていうメッセージ性を感じます」
大臣「だからまあ、こだわりとかあるんでしょ。プライド持ってどうにか倒しますよ」
王「史上最高に適当だなあ!?恐ろしいまでに投げやりだったぜ!?」
大臣「正直今回の勇者カタカナで統一したかっただけですからね。どうでもいいんですよ、こいつ」
王「そんなん聞きたくなかったよ!悲しい裏事情を表に持ってこないでぇ!」
王「あいつ凄い涙目になってんじゃん!それでも頑なに雪印コーヒー飲んでっけどぉ!」
カフェオレ勇者「もう俺はカフェオレしか信じられない……」ゴクゴク
王「人間不信になってんよぉ!そりゃ衝撃的な自分の出生の秘密知っちゃったしねえ!」
大臣「カタカナなら何でもよかったらしいですし、そんなだからネタも何も考えてなかったんです」
王「こりゃあもう魔王討伐を果たして一発逆転するしかねえよなあ!……カフェオレ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
60: 1:2013/5/11(土) 01:13:29 ID:YHEhymVdsU
翌日
大臣「カフェオレ勇者が一面で戦死しました」
王「知ってたぁ!悪いけどそんな予感はしてたぁ!」
大臣「勇ましくカフェオレを飲んだそうですが、その隙をスライムに突かれ……」
王「何かもう扱いが雑だったもん!ぶっちゃけどうでもよかったんだろうなって!」
大臣「ぶっちゃけアルソック勇者やダルビッシュ勇者がやりたかっただけですからね」
大臣「悲しい勇者でしたよ……人の都合で勝手に生み出され、生きる意味も見出せなかった、かわいそうな勇者でした」
大臣「でも、死に際に彼が霧状に噴出したカフェオレは綺麗な虹を生み出しました」
大臣「あの綺麗な虹を見て、誰かが笑顔になれたのであれば、彼の命は勇者として意味があったと言えるんじゃないでしょうか……」
王「全っ然良い話じゃないから!何の意味もない無駄な命だったかんな!」
大臣「せっかくフォローしようとしてるのに、邪魔しないでくださいよ」
王「お前のフォローが下手すぎんだよ!そりゃあ俺も邪魔するねぇ!」
61: 1:2013/5/11(土) 01:14:35 ID:YHEhymVdsU
大臣「さて、今回の勇者は以上です」
王「安定の駄作揃いだよ!いや、アルソック勇者は別だけどね!?」
大臣「ダルビッシュ勇者も別にしなくていいんですか?」
王「あいつは偽物だったじゃん!」
大臣「アルソック勇者だって本物ではなかったでしょう」
王「いや、吉田さんはあれ本物だって!違う違う、今その話はいいんですよねぇ!」
王「どうするんだよ!結局今回も勇者全滅だよ!魔王討伐ならなかったんですけど!?」
大臣「しかしそれでも我々は勇者を応募するしかないのです」
大臣「失敗が重なろうと、人に笑われようと、我々は愚直に勇者を探し続けるのです。そうすれば希望の未来へと……」
王「希望の未来が想像できないねぇ!こんなん繰り返してたら永久に笑われるだけとちゃいますぅ!?」
大臣「少しは勇者を信じてあげてくださいよ」
王「信じられるかぁ!今までの惨状を思い返せよ!これで信じる奴が詐欺にひっかかって振り込むんだよ!」
大臣「まあ王様が信じようが信じまいが結局我々は勇者を募るだけなんですけどね」
王「もう嫌だぁ!また無駄な数日間が始まるよぅ!」
62: 名無しさん@読者の声:2013/5/11(土) 02:49:15 ID:eO.xj/yaBA
やだ…面白い……
63: 1:2013/5/12(日) 01:07:35 ID:YHEhymVdsU
>>62
やだ…嬉しい……
書き溜めもネタも尽きそうで怖いけど、とりあえず出来ることを頑張るとします。
64: 1:2013/5/12(日) 01:08:53 ID:YHEhymVdsU
翌日
大臣「王様。勇者を募ったところ、新たに数名の勇者が集まりました」
王「なあ大臣。俺これいつまで続けりゃ許されるんかなあ?」
大臣「勇者が魔王を倒せば苦悩の日々も終わりますよ」
王「イコール終わらないってことだよな!?もうやだ、俺の一生は糞勇者共に潰されるんだ!」
大臣「大丈夫ですって。今回は良い感じのが揃いましたから」
王「お前がそう言ったところで説得力ねえよ!十年に一人の逸材が毎年見つかる感じだよ!」
大臣「今回はマジで大丈夫ですから」
王「じゃあどんなん来たか言ってみろ!どうせ駄目だから!」
大臣「現在、自転車勇者・貧乏勇者・山本翔太・ぎりぎり勇者の四名が集まっています」
王「全然大丈夫じゃないじゃん!どの口が言ったんだよ、大丈夫って!?」
大臣「これでも駄目なんですか?」
王「これだから駄目なんだよ!つーか一人勇者でも何でもねえ奴いねえ!?」
大臣「それに触れるのは本人と対峙してかれでいいでしょう。では一人目を呼びますね」
65: 1:2013/5/12(日) 01:10:17 ID:YHEhymVdsU
大臣「あ、勇者を呼ぶ前に、ちょっと仰向けになってください」
王「何でだよ!?何で人と出会うのに横になる必要があんだよ!?」
大臣「いいからお願いします。きっとドラマティックな出会いを果たせますから」
王「ドラマティックとかいいから普通に会いてえんだけどな。こっちは……」アオムケー
大臣「よし。ではお願いします」
自転車勇者「よっしゃああああ!」キコキコキコ
王「えええええ!?何!?轢かれる!轢かれる!!」
自転車勇者「せやあああああ!」ピョーン
王「ああああああ!」ポロポロ
大臣「……たった今、王様に向かって全速力で自転車を走らせ、轢く寸前でジャンプし飛び越えてみせたのが自転車勇者です」
王「何なんだよ!?もう少しで轢かれるとこだったじゃん!」ポロポロ
大臣「自転車勇者は技術ありますから大丈夫ですって。はは、泣いてるじゃないですかwww」
王「泣くだろぉ!こっちは事前に何も聞いてねえんだよ!普通に轢かれる思ったわ!」ポロポロ
66: 1:2013/5/12(日) 01:11:45 ID:YHEhymVdsU
大臣「さて、今回は王様自ら勇者の凄さを体験しましたよね」
王「マジで怖かったわ!文字だけじゃ伝わってないと思うけど……こいつ横じゃなくて縦で飛び越えやがったからな!」
大臣「この勇者の自転車スキルは半端ないです。かなりのスピードも出せますし、ウィリーやジャンプも自由自在です」
大臣「そんな自転車で撥ねさえすれば、魔物だって大ダメージを負いますよ」
王「……それじゃあもう自動車でいいじゃん。そっちのが確実だよ」
大臣「自動車だと普通に死にますよ?」
王「だからだよ!俺達は魔物を殺そうとしてんの!何を変なところで良心働かせてんだよ!」
大臣「王様の鬼畜っぷりにドン引きですね」
自転車勇者「人としてどうなんですか?」
王「人のために非情になってんだよ!魔物は人の脅威になるんやぞ!?」
王「魔物は確実に殺せよ!ていうかお前も自転車で撥ねるって発想の時点で糞外道だかんな!?自転車も普通に死ぬぞ!」
大臣「こっちは魔王討伐のために仕方なくやってんですよ」
王「俺もぉ!俺も魔王討伐できるように自動車使え言ってんのぉ!」
自転車勇者「まあまあ。どっちを使おうと、俺が魔王討伐を果たせば同じことですよ!」
王「……頼りになる発言だな。自転車勇者とかいうふざけた存在のくせして」
王「まあいいや。やる気があるのはいいことだしね……自転車勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
67: 1:2013/5/12(日) 01:13:21 ID:YHEhymVdsU
翌日
大臣「自転車勇者の自転車が三面でパンクしました」
王「パンクしちゃったのぉ!?駄目じゃん、それじゃあ!」
大臣「勇ましく自転車を乗りこなしたそうですが、ゴブリンにまきびしをばら撒かれ……」
王「ゴブリン無双だな!さすがゴブリンさんは聡明でいらっしゃる!」
大臣「自転車は自転車勇者の武器です。それを封じられてはもうどうしようもないですね」
王「もうちょい頑張れるでしょ!パンクしても自転車漕げるじゃん!」
大臣「いやあ、何か変な音するでしょうし、無理やり漕いだら状態悪化で修理も難しくなりますよ」
王「でも魔王討伐なんだから頑張ろうよ!何なら修理費くらい出すしさぁ!」
大臣「自転車から降りて押し帰る彼の背中は哀愁漂ってたみたいですよ」
王「あーあ修理出さなきゃなーってね!軽く憂鬱になるよね!」
大臣「勇者をここまで追い込むとは……魔王は恐ろしいですね」
王「これ魔王を悪く言ったらちょっとかわいそうじゃね!?勝手に自転車で来て勝手にパンクしただけだし!」
王「むしろもうゴブリンさんが恐ろしいわ!こいつだけで勇者どんだけやられてんだよ!」
大臣「次の勇者はゴブリンを倒せるんでしょうか?というわけで次いきましょう」
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