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王「ろくな勇者いねえな!」
[8] -25 -50 

1: :2013/5/8(水) 01:33:08 ID:YHEhymVdsU
王「魔王討伐のため、名高き勇者を募ったが、どのような者が集まっておる?」

大臣「現在、笑顔勇者・弱気勇者・知ったか勇者・川柳勇者の四名が集まっています」

王「ろくな勇者いねえな!」


2: :2013/5/8(水) 01:33:59 ID:YHEhymVdsU
王「えっ、俺の聞き間違いじゃないよね!?もっかい言ってみて!」

大臣「笑顔勇者・弱気勇者・知ったか勇者・川柳勇者の四名です」

王「間違いじゃなかったよ!これほど聴覚の正常を呪った日はないっすねえ!」

大臣「何かご不満でも?」

王「満足いただけるとでも!?名前からして戦う気ねえじゃん!どう魔王を討ち取る気だよ!?」

大臣「それは本人と対峙して感じとっていただきたく存じます」

王「何?こいつら今来てんの?」

大臣「そりゃあ募集したわけですから。さっそく来てもらいましょう」
3: :2013/5/8(水) 01:34:58 ID:YHEhymVdsU
笑顔勇者「お初にお目にかかります。笑顔勇者でございます」ピカー

王「眩しい笑顔ですねえ!カーテンから差し込む朝日を思わせたよ!」

大臣「どうです?この笑顔。とても清々しいですよね」

王「日常ならそうだけどねえ!残念ながら魔王討伐には向かないんだよねえ!」

笑顔勇者「王様、それは誤解です。私ほど魔王討伐に適した人材は他にいないと自負しております」ピカー

王「嘘つけよ!どうしたら笑顔で魔王が死ぬんだよ!?」

笑顔勇者「実は私の笑顔には悪しき者を死滅させる効果がございます」ピカー

王「……え?マジ?」

笑顔勇者「魔物など、悪が具現化したような存在に過ぎません。ならば、私の笑顔一つで全滅させてみせます」ピカー

王「おおう……そんな必殺機能があったなんて。じゃあちょっと任せてみようかな」

笑顔勇者「お任せください、王様!」ピカー

王「それじゃえっと……ごほん。笑顔勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
4: :2013/5/8(水) 01:35:55 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「笑顔勇者が一面で戦死しました」

王「はい嘘でしたー!ただのにやけ男だったんじゃねえか糞ったれ!」

大臣「勇ましく笑顔を振り撒いたそうですが、最期はスライムに倒され……」

王「勇ましく振り撒くもんじゃねえよ!スライムにやられるとか才能ないよねえ!」

王「大体何なの一面て!?何面とかそういう制度なの!?」

大臣「はい。魔王は十面にいるそうです」

王「遠いねえ!やっぱにやけるだけじゃ届かない遙かな頂っすわ!」

大臣「笑顔勇者の死は残念ですが前を向きましょう。我々にはまだ勇者がいます」

王「わりいな少しも残念に思わねえわ!嫌な予感しかしないけど、残りの勇者も見ていくしかねえな!」
5: :2013/5/8(水) 01:37:02 ID:YHEhymVdsU
弱気勇者「生まれてきてすみませんでした……」

王「前衛的な挨拶だねえ!初対面で存在を詫びられたの初めてだよ!」

大臣「かなり自虐的でしょう?これなら魔王も倒せるでしょう」

王「仕組みを教えろ!何がどうなったら魔王死ぬのか理解できねえわ!」

弱気勇者「すみません……指詰めてお詫びします」

王「怖いねえ!修羅場を潜ってきた奴の謝罪だよ、そいつぁ!」

弱気勇者「十本詰めれば許されますか……?」

王「そもそも詰めなくていいんだよ!俺それ見たらきっとトラウマになるだろうよ!」

大臣「ほら、弱気勇者には自分の空気に引きずり込む力があります」

王「いや、確かに必死になって止めたくはなるけど……」
6: :2013/5/8(水) 01:37:54 ID:YHEhymVdsU
大臣「魔物もある程度知能を持った生き物です。弱気勇者の態度を見たら、励ましてあげなくちゃ!ってなりますよ」

王「仕組み聞いても魔王が死ぬとは思えんわ……」

弱気勇者「すみません……どうせ僕なんかはしりとりでル攻めされてればいいんだ……死にます……」

王「死ぬな死ぬな!一緒にルから始まる言葉考えてやるから!」

大臣「ほら、王様も弱気勇者に引きずり込まれたじゃないですか」

王「わかったよ認めるよ!こいつのペースにはまれば魔王もイチコロさ!」

大臣「それでは今回は弱気勇者に頑張ってもらいましょう」

王「大丈夫かいな……弱気勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

弱気勇者「死んできます……」

王「だから死ぬなって!」
7: :2013/5/8(水) 01:38:44 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「弱気勇者が逃亡しました」

王「死ねよぉ!戦場で散ってこいよぉ!」

大臣「昨日は死ぬなって言ってたじゃないですか」

王「自殺するような真似はすんなってことだよ!それは無駄死にだからな!」

大臣「勇ましく一面に挑もうとしたそうですが、帰宅を決意し……」

王「勇ましくねえだろ!こいつ結局一度も戦場に立ってねえべ!?」

王「本当もうこいつしりとりでル攻めされてればいいよ!俺が今からル攻めしてきてやるよ!」

王「行ってくるから住所教えろや!居留守使ったらピンポンダッシュで攻めたるわあ!」

大臣「そのような暇はありません。応募してきた勇者はまだいるのですから」

王「そもそもあいつは何で応募したんだろうなあ!?」
8: :2013/5/8(水) 01:39:39 ID:YHEhymVdsU
知ったか勇者「どうも、知ったか勇者です」

王「こいつほど落胆する肩書きもねえよな!何だ知ったか勇者て!?」

大臣「そうですか?知りもしないことをさも知ってるように振る舞うには高度な技術を必要としますよ」

王「だからぁ!?どう工夫しても魔王討伐には役立たねえよ!」

大臣「まずは実際に聞いてもらいましょう。王様、何か適当な言葉を訊ねてみてください」

王「え?じゃあ……プッシュオーバートライって知ってる?」

知ったか勇者「あー知ってる知ってる。あれでしょ、こないだから始まった新番組」

知ったか勇者「運動得意な芸人やタレントが、限界を超えてスポーツ系のギネスに挑戦しようっていうテーマの」

知ったか勇者「凄いよねあれ。こないだ武井壮が200m走の男子30代世界記録越えたやつなんか泣きそうになったもん」

大臣「……ね?」

王「いや、何がぁ!?」
9: :2013/5/8(水) 01:40:58 ID:YHEhymVdsU
大臣「なんかそれっぽいこと言って、あれ、これマジかな?って感じになりません?」

王「いや、だからぁ!?魔王討伐との関連性が行方不明のままだよ!」

大臣「ちなみに王様、正解は?」

王「え?プッシュオーバートライっていうのはラグビーでスクラム等で押し込んでトライすることだよ」

大臣「ほら、もう正解の方が安っぽくて嘘っぽい感じしませんか?」

知ったか勇者「同じスポーツ関連の単語じゃないですか。実質もう俺ので正解でしょう」

王「厚かましいな!間違いを通そうとする恥知らず共がぁ!」

大臣「……あっ、この厚かましさがあれば手段を選ばず的確に魔王を倒すでしょう」

王「てめえ俺のに乗っかったろ!?聴覚が正常ですからね!あっ、て言ったの聞き逃さなかったよ!」

大臣「もういいですからこいつに託してみましょう」

王「もう面倒臭くなってるだろ!?どうすんだ、まだ一人勇者残ってんぞ!?」

知ったか勇者「じゃあ俺行ってきますね」

王「まきに入ってるねえ!唐突に終わって軽く困惑してるよ!」

王「しゃあねえな!……知ったか勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
10: :2013/5/8(水) 01:42:02 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「知ったか勇者が三面でばれました」

王「何の報告だぁ!?何なの、知ったかしてんのが三面でばれたの!?」

大臣「勇ましく知ったかしましたが、ゴブリンに指摘され……」

王「ゴブリン案外物を知ってんだね!どうしよう、無駄にゴブリンの印象良くなったよ!」

王「で、知ったかばれたあのアホはどうなったんだよ!?」

大臣「ショックのあまり帰宅したそうですけど」

王「帰るなよ!命の限り戦ってこいよ!魔王まだ七面も後にいるんだぞ!」

大臣「まあでも知ったかするだけで魔王を倒せるわけないですよ」

王「俺それ言ってたよ!けっこう早い段階で俺がそれ言ってましたよぉ!」

大臣「気を取り直して次の勇者行ってみましょう」

王「俺の気持ちは掻き乱されたままだよ!」
11: :2013/5/8(水) 01:43:06 ID:YHEhymVdsU
川柳勇者「こんにちは私が川柳勇者です」

大臣「うん。見事に川柳になってますね」

王「だからぁ!?俺、もう何回だからって言ってる!?」

川柳勇者「魔王様どうか心を静めてよ」

王「静められるかぁ!てめえ、五文字にするために俺を魔王呼ばわりしただろ!?」

大臣「それほど五七五に当てはめるのは難しいんですよ」

王「知るかぁ!川柳勇者名乗るくらいなんだからそれくらいどうにかせえよ!」

川柳勇者「川柳のプロの私も無理な物は無理。字余り」

王「余りすぎだろ!よくそこまで余らせる勇気があったな!?褒めてやるよ!」

大臣「このように言の葉を操り、相手の心をも操る強き勇者です」

王「全然操れてねえよ!あと何か言の葉とか無駄に風流な表現しないで!むかつくから!」
12: :2013/5/8(水) 01:44:22 ID:YHEhymVdsU
川柳勇者「風流な言葉遊びを楽しむ余裕もないとか……。字余り」

王「うるせえな!てめえはもう少し五七五にとらわれろよ!」

大臣「このように言の葉を操り、相手の心をも操る強き勇者です」

王「それ二回目だよ!俺も同じこと言うけど全然操れてねえよ!操る気がねえんだよ!」

川柳勇者「心外だ言葉遣いのプロなんですけどねえこれでも。字余り」

王「今すぐ役所行って改名してこい!お前今日から字余り勇者な!」

大臣「王様、名前には名付け親の気持ちがこもってます。それを簡単に改名しろ等と……」

王「しかたねえだろ!これで川柳勇者名乗ったら詐欺だぜ!?」

川柳勇者「詐欺じゃないこれが私の川柳の形なのだ。字余り」

王「今の最後、「川柳だ」の五文字でいいだろ!自ら好機を逃してんじゃねえよ!」

川柳勇者「本当だ気付かなかった仮にもプロだと言うのに。字余り」

王「ごめん!わかった!もう魔王討伐行ってくれ!もうお前と一緒にいたくないわ!」

王「いいか、すぐ行けよ!?……川柳勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
13: :2013/5/8(水) 01:45:14 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「川柳勇者が役所に行きました」

王「あいつマジで役所行ったんか!?それで!?」

大臣「勇ましく手続きを済まそうとしたそうですが、順序が違ったらしく……」

王「役所行って手続き済まして改名、じゃないんだ!?」

大臣「何かまず家庭裁判所に申請する必要があるみたいです。審判の結果、正当な理由とされれば証明書もらえて役所で変更できるみたいです」

王「へー……いや、魔王討伐はどうなったよ!?」

大臣「改名しろと命令したのは王様ですよ」

王「確かに言いましたけども!何て言うかマジでやるとは思わんかったよ!」

王「魔王討伐より優先してやることじゃなくない!?何なの、俺が悪いのかよ!?」

大臣「改名で魔王討伐どころではなくなりましたよ。どうするんですか?」

王「いいよもう!魔王討伐の任を解くよ!帰って字余り川柳作ってろバーカ!」
14: :2013/5/8(水) 01:46:18 ID:YHEhymVdsU
大臣「大変です。募集した勇者がいなくなりました」

王「ろくな勇者いなかったな!時間の無駄でしかなかったわ!」

王「どうすんだよこれ!?もう勇者いねえじゃん!魔王軍にやられるのを待つかぁ!?」

大臣「ご安心ください。この世界にはまだまだ名高き勇者が存在します。引き続き募ってまた集まってもらいましょう」

王「どうせまたわけわかんねえのが来るんだろ!パトラッシュ、俺も何だか眠くなってきたよ!」

大臣「王様、お気を確かに持ってください。魔王軍の脅威に錯乱するのはわかりますけども」

王「俺はね、お前と勇者共に錯乱してんだわ!頼むよ、その内マジでショック死するかもよ!?」

大臣「王様にご安心いただけるよう、今度こそ素晴らしい勇者を集めてみせます」

王「マジ頼むわ!いい加減俺も威厳ある普通の王やりたいんだもん!」
15: 名無しさん@読者の声:2013/5/8(水) 07:05:37 ID:mzHfNYOC9A
支援
16: :2013/5/9(木) 01:11:36 ID:YHEhymVdsU
>>15
支援謝謝。
今から投下していきますねー。
17: :2013/5/9(木) 01:12:33 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「王様。勇者を募ったところ、新たに数名の勇者が集まりました」

王「……で?どんな奴が来てんの?」

大臣「現在、ポテチ勇者・縄跳び勇者・肩こり勇者・ジャージ勇者の四名が集まっています」

王「期待を裏切らねえなあ!やっぱ予想通りの糞ったれ共だよ!」

大臣「これでも満足いただけないのですか?」

王「俺を何だと思ってるんだ!?俺は馬鹿か!?俺今のラインナップで喜べるのかぁ!?」

大臣「まあ実際に見ていただければ、偏見の色眼鏡も外れると思いますよ」

王「黙れよ!俺は正常だろ!俺が正常だろ!ついでに視力も平常だわ!」

大臣「とりあえず勇者呼んできますね」

王「スルーかよ!」
18: :2013/5/9(木) 01:13:45 ID:YHEhymVdsU
ポテチ勇者「ちわーっす。ポテチ勇者でーす」パリパリ

王「ただのポテチ食ってるデブだわ!アメリカ国籍だとなお完璧だよ!」

大臣「どうですか、この巨体。この巨体から繰り出される強打は魔王軍には脅威となりましょう」

王「いや、これ筋力じゃなくて脂肪なんだわ!言うなれば曙タイプなんだよ!」

大臣「失礼ですね。曙選手は相撲で横綱にまでなった名力士ですよ。脂肪の下には凄まじい筋力があります」

王「でもK−1には向かない体型なんだわ!もうちょい絞れば負けっぱなしじゃなかったかもしれないのにね!」

大臣「K−1では思うような結果が出ませんでしたが、プロレスではけっこう活躍してますよ」

王「お前曙ファンなんか!?わかったごめんごめん曙は立派なアスリートだよ!」

王「でもこいつは違うんだなぁ!こいつにあるのは脂肪だけだよ!」

ポテチ勇者「これでもけっこう筋力ありますよー」パリパリ

王「お前はとりあえずポテチ食うのやめろ!王様の前なんだぞ!?」
19: :2013/5/9(木) 01:14:43 ID:YHEhymVdsU
ポテチ勇者「食べたー。えっと、次は……」

王「普通に二袋目いこうとするなぁ!どんだけ食べる気だ貴様ぁ!?」

ポテチ勇者「あれ……袋が開かない……」

王「手が油でヌチョヌチョだからだよ!一回手ぇ洗え!滑ってうまく掴めないんだよ!」

大臣「この油でヌチョヌチョな手で触られたら嫌ですよね。魔物に触ることで戦意喪失させることが出来ます」

王「そんなデリケートな生き物とちゃうんだよ、魔物は!そんなんだったら笑顔勇者も生きて帰ってきとるわ!」

大臣「王様はこれに触られても平気なんですか?」

王「嫌だよ!でも命に別状はないよ!むかつくだけだよ!」

大臣「それは王様のメンタルが強すぎるだけですよ。ポテチ勇者を信じてください」

王「信じなきゃ話進まねえんだろ!わかったよ、もう!……ポテチ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

ポテチ勇者「必ず倒してみせます!」スッ

王「握手しねえよ!せめて手ぇ洗ってきてからだろ豚饅頭が!」
20: :2013/5/9(木) 01:15:35 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「ポテチ勇者が二面で逃亡しました」

王「逃げたじゃねえか、あの豚ぁ!おう、何で逃げてんねん、あの豚はぁ!?」

大臣「勇ましくポテチを買おうとしたそうですが、コンビニが見当たらず……」

王「買いに戻ったのかぁ!どんだけポテチ好きなんだよぉ!勇ましく買うって何だよぉ!?」

大臣「まさか魔界にコンビニがないとは……」

王「まさかじゃねえよ!やっぱりだろうよ!魔物がコンビニ経営するわけないだろ!漫画やゲームじゃないんだぞ!」

王「つーかそれだけポテチが大事なら買い溜めしとけよぉ!十面まで持つよう準備しとけや!」

大臣「ちなみに好きなポテチはピザポテトだそうです」

王「今それぶち込むのかぁ!?どうでもええわぁ!誰もが望まない無益な情報だよ!」

大臣「私はコンソメパンチが好きですね」

王「うすしおだろ!いや、もうポテチいいから次の勇者行こう!」
21: :2013/5/9(木) 01:16:14 ID:YHEhymVdsU
縄跳び勇者「どうも!私が!縄跳び勇者です!」タッタッタッタッ

王「縄跳び跳んでんじゃねえよ!やめろぉ!落ち着いて話を聞けぇ!」

大臣「でも彼は縄跳び勇者なんですよ?」

王「だからって常にやんなくていいだろ!野球選手もオフの時とかあるだろ!」

縄跳び勇者「もっと大技やったら跳んでてもいいですか!?」タッタッタッタッ

王「いや、難易度の問題じゃねえよ!縄跳びの擬音てタッタッタッでいいのか!?」

縄跳び勇者「いきますよー!はいっ!」シュパパパパッ!!

王「おおー……いや、感心しちゃったけども!頼むから止まって普通に話をしてくれよ!」

大臣「どうです?彼、本当に縄跳びを愛してるでしょ?」

王「愛は伝わったねぇ!ただ、魔王討伐に何の役に立つんだってね!」
22: :2013/5/9(木) 01:16:51 ID:YHEhymVdsU
大臣「冷静に考えてみてください。これほどの技をこなすんですから、相当運動神経はいいですよ」

王「……まあそうだね」

大臣「それに縄跳びを鞭のように使えば、武器にもなります」

王「……そうだねえ。ドラクエでも鞭系の武器とかあるしな」

王「おお、なんかいけそうじゃん!肩書き見た時と縄跳び跳びまくってるとこ見た時はどうなることかと思ったけどさ!」

大臣「初めての好感触ですね」

王「まあ肩書きはどうかと思うけど、大事なのは魔王を倒せるかどうかだもんな。よっしゃ!何だかいけそうな気がする!」

王「縄跳び勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
23: :2013/5/9(木) 01:17:38 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「縄跳び勇者が七面でやられました」

王「けっこう行ったねえ。でも結局駄目だったんだね」

大臣「勇ましく縄跳びを振るったそうですが、最後はサキュバスに……」

王「七面にもなると出てくる魔物も違うね。サキュバスに殺されたの?」

大臣「サキュバスに縄跳びを奪われ、鞭のように打たれて目覚めたそうです」

王「詳細聞くんじゃなかったよ!結局最低なパターンじゃねえかよ!」

大臣「今は完全に調教され、ご主人様となったサキュバスとのSMライフを堪能しているそうです」

王「改名が必要なのまた出てきたよ!今度からドM勇者名乗れって伝えとけボケ!」

大臣「いやあ……人生、何が転機になるかわかりませんねえ」

王「本当だね!あんなに縄跳び愛してたのにね!」

大臣「愛の形はいろんな形があるんですね」

王「あいつのは相当歪んだ愛だけどな!そもそも人と魔物だしさぁ!」

大臣「さて、気を取り直して次の勇者いってみましょう」

王「段取りよくなってきてんな、おい!」
24: :2013/5/9(木) 01:18:32 ID:YHEhymVdsU
肩こり勇者「肩こり勇者です。あー疲れたー……」

王「これは駄目だろ!これはもう明確に駄目だろ!」

大臣「初対面で何故言い切ることができるのですか?」

王「言い切れるよ!何だ肩こり勇者て!?旅立つ前から疲れててどないすんねん!」

大臣「それだけトレーニングとか頑張ったのかもしれませんよ」

王「だとしても本番までにはコンディション整えろよぉ!開口一番疲れたーって何じゃあ!?」

肩こり勇者「肩こり治らないんですよねー。どうすればいいと思います?」

王「湿布とか貼ってみたらぁ!?CMとかで見ますし効くんちゃいますぅ!?」

大臣「よかったですね。これで肩こりも治りますね」

王「肩こり治ったらお前ただの勇者だぞ!いや、その方がいいけども!」
25: :2013/5/9(木) 01:19:24 ID:YHEhymVdsU
大臣「王様、少し落ち着きましょう」

王「これが魔王討伐にどう役立つか屁理屈こねんだろ!?おう、言ってみせろよ!」

大臣「これだけ肩こりが酷いと肩も相当固いと思います。これで体当たりした日には魔物も仰天ですよ」

王「原始的だなぁ!武器も持たずに体一つで攻撃かぁ!倒せるかバーカ!」

大臣「エキセントリック少年ボウイも体当たりを必殺技としてましたよ」

王「それネタだからね!それで笑えってことだよ!こいつはそれを真面目にやろうとしてんの!」

大臣「どんな偉業を成す人物も、最初は理解されず笑われるものです」

王「肩をこるだけの簡単な偉業ですかぁ!?それなら俺だって歴史に載ったるわぁ!」

大臣「王様、そんなことで歴史には載りませんよ(笑)」

王「知ってるよぉ!お前らが支離滅裂だからツッコんでるだけだよ!てめえ笑ってんじゃねえ!」

大臣「とにかく、彼を送り出しましょう。そうすればわかりますよ」

王「そうだね!失敗作ってわかるよね!……肩こり勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
26: :2013/5/9(木) 01:20:18 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「肩こり勇者が三面でほぐされました」

王「肩こり治っちゃったね!一体誰にほぐされたのかなぁ!?」

大臣「勇ましく体当たりしたそうですが、ゴブリンにほぐされて……」

王「またゴブリンかぁ!物を知ってるだけあって、肩こりのほぐし方もバッチリっすね!」

王「でもさ、肩こり治っただけで生きてんだろ?今なら普通の勇者だからチャンスじゃね?」

大臣「いえ、肩こりをほぐされたことで一般市民になったそうで、既に帰宅しています」

王「何でだよ!?肩こり勇者の肩こり治ったらただの勇者でしょ!どうしてそこまで戻っちゃうの!?」

大臣「どうやら肩こり勇者は肩こり部分に勇者の素質が詰まってたようですね」

王「肩こりに素質詰まった勇者って何!?肩こり勇者ですね!じゃあそもそも肩こり勇者て何なんだよぉ!?」

大臣「勇者とは奥が深いんですね」

王「深くねえよ!等しく浅い屑集団だよ!」

大臣「次の勇者はどうなんでしょうね?来てもらいましょう」
27: :2013/5/9(木) 01:21:18 ID:YHEhymVdsU
ジャージ勇者「ジャージー勇者っす」

王「見事に上下ジャージだな!このまま大学とか行くんだろうなこいつ!」

大臣「別に行っていいじゃないですか。学ぶ場所であっておしゃれする場所ではないですよ」

ジャージ勇者「そもそもジャージーがださいって思ってんのどうっすかね。センスのない奴の私服よりはよっぽど活かしてるっすよ」

王「むかつくなお前ら!この調子だと上下スウェットもいいとか言い出しそうだよ!」

ジャージ勇者「王様の私服よりは千五百倍いいっすよwww」

王「本当むかつくなお前!ああもうわかったよ!どんな服着るのも個人の自由だ!これでいいだろ!?」

ジャージ勇者「王様、正確にはジャージーっすからね。ちゃんと最後伸ばしてくださいよ」

王「どうでもいいだろ!ジャージで伝わるから大丈夫だよ!お前の名前も正確性欠いてっからな!?」
28: :2013/5/9(木) 01:22:31 ID:YHEhymVdsU
王「大臣!こいつがどう魔王討伐に役立つか説明してみせろ!」

大臣「普段からジャージ姿ということは、よくスポーツをやってるんでしょう。運動能力は高いはずです」

王「いいや、こいつはそういうタイプじゃねえよ!ろくにスポーツ出来ねえだろうよ!」

大臣「何故そう言い切れるのですか?」

王「だってキティちゃんのサンダル履いてるもん!完全ヤンキーのノリですやん!」

ジャージ勇者「あ?キティちゃんディスってんすかあ?」

王「キレるポイントがよくわかんないよ!普通キレるとこ、ろくにスポーツ出来ないのとこじゃねえ!?」

ジャージ勇者「はあ……おっさんマジうぜえわぁ……」プハーッ

王「普通に煙草吸うなよ!煙たい……ゴホッ!ゴホッ!」

大臣「自信に満ちている様は非常に頼もしいですね」

王「根拠もなく自信持ちすぎなんだよ!こいつもヤンキー勇者に改名してほしいわぁ!」

大臣「何でそう勇者の名前に噛みつくんですか?」

王「わかりませんか!?お前もけっこう頭いかれてんだなぁ!薄々気づいてたけどなぁ!」

ジャージ勇者「で?俺は結局どうすりゃいいの?おっさん」

王「むかつくわあ!こいつ二面くらいで戦死しねえかなあ!……ジャージ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

ジャージ勇者「だからジャージー言ってんだろうが糞ジジイ!」

王「もう嫌だよ!怖いよぉ!」
29: :2013/5/9(木) 01:23:25 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「ジャージ勇者が捕まりました」

王「マジすか!?けっこうやんちゃしてたんだねぇ!」

大臣「勇ましく持ってないと主張したそうですが、警察に麻薬を発見され……」

王「凄いもん持ち歩いてたなあ!もしかして売る気だったんかもね!」

大臣「まさかこのような形で魔王討伐の希望が閉ざされるとは」

王「人々の希望は繋がったよ!ぶっちゃけ警察GJだわ!」

王「ていうか何なんだよ!何でこんなのが勇者名乗ってんだ!何だこの世界!?」

大臣「どんな人にも意外な裏の姿っていうのがあるんですね」

王「こいつは表も酷かったけどな!裏表真っ黒で想像通りとしか言えねえわ!」

大臣「ジャージの色は白でしたけどね」

王「やかましいわ!」
30: :2013/5/9(木) 01:24:30 ID:YHEhymVdsU
大臣「……で、どうしましょう?」

王「今回の勇者も糞の精鋭揃いだったな!本当どうしたもんかね!?」

大臣「仕方ないからまた募集するとしましょう」

王「それ大丈夫なの!?また屑共が集まるんとちゃいます!?」

大臣「しかし、それしか勇者を発掘する方法はないんですよ」

王「世知辛い世の中だよ!どうしたらまともな人材が集まるかなぁ!?」

大臣「魔王は強敵です。そんな魔王を倒す人材はなかなか見つかりませんよ」

王「ぶっちゃけ今は普通の勇者が欲しいんだよ!魔王倒せなくてもいいから、マジ普通の勇者に来てほしいんだわ!」

大臣「とりあえず我々に出来るのは勇者を待つことだけですよ」

王「歯痒いわぁ!可能なら自ら勇者探して常識人だけ集めてぇよ!」
31: 名無しさん@読者の声:2013/5/9(木) 10:56:04 ID:fAkgJSLyk2
支援
32: 名無しさん@読者の声:2013/5/9(木) 23:53:40 ID:xtpuFQjo4E
つCCC
33: :2013/5/10(金) 01:08:48 ID:YHEhymVdsU
>>31-32
支援ダンケシェーン。
今日も今日とて無益な勇者達の話を投下していきます。
34: :2013/5/10(金) 01:10:00 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「王様。勇者を募ったところ、新たに数名の勇者が集まりました」

王「……俺さ、今日夢見たんだわ」

大臣「夢ですか。一体どのような夢ですか?」

王「勇者が来たんだ。勇者の名に相応しい勇気と強さと常識を備えた好青年でな。瞬く間に魔王を倒してくれて」

大臣「いい夢を見たんですね」

王「正夢になることを祈ってんだわ。……覚悟決めた。大臣、どんな勇者が集まったか言ってみて!」

大臣「現在、コロコロ勇者・唐揚げ勇者・偽勇者・眠たい勇者の四名が集まっています」

王「駄目だあああ!!所詮夢は夢だったあああ!!もう危険な香りしかしねえよ!」

大臣「いやあ今回も期待できる勇者達ですね」

王「今回も!?お前今までの連中に僅かでも期待してたのかよ!?」

大臣「さっそく最初の勇者を呼んでみましょう」

王「また時間を無駄にする数日間が始まるわ糞がぁ!」
35: :2013/5/10(金) 01:10:50 ID:YHEhymVdsU
コロコロ勇者「どうも、コロコロ勇者です」

王「コロコロ言うけどさあ、お前一体何やねん!?」

大臣「何って、コロコロ勇者ですよ」

王「コロコロっていろいろあるだろうが!お前は何なの!?コロコロコミック好きなの!?」

大臣「掃除に使う奴かもしれませんね。綺麗になるからとても役に立ちます」

王「どちらにせよ魔王討伐には役立たないねえ!それで、結局お前は何なんだよ!?」

コロコロ勇者「これですね」スッ

大臣「ああ。腹筋を鍛えるコロコロですね。これだったのかー」

王「それかよ!それってどっちかっていうと腹筋ローラーのが正しくね!?」

大臣「でも腹筋を鍛えるコロコロでも何となく伝わると思いますよ」

王「何となくわかるけどさぁ!それの勇者なら正式名称使えよって!あれの正式名称ってどんなんだよ!?」

コロコロ勇者「いやあ、正式名称はわかりませんねえ」

王「お前だけは把握しとけよ!だからコロコロ勇者になっちゃうんだろうが!」
36: :2013/5/10(金) 01:12:03 ID:YHEhymVdsU
大臣「王様、彼の腹筋を見てください。すごいムキムキですよ。これは魔王討伐にも役立ちます」

王「まあいろいろツッコミはしたけど、確かにコロコロコミックや掃除の奴よりは役立つかもなあ」

コロコロ勇者「この腹筋があれば魔王を倒せますよ」

王「腹筋だけじゃどうしようもないよね?まあでも全身バランス良く筋肉はついてるし、かろうじて期待してやらんこともないわ」

大臣「何で上から目線なんですか?」

王「上だからですよぉ!俺、王様ぁ!かなり偉い存在なんだわ!」

コロコロ勇者「地位に溺れた哀れな男だ……」

王「何なのお前らの急なディスりは!?珍しく褒めてやったらつけあがりやがって!」

大臣「王様の態度に問題があるんですよ」

コロコロ勇者「コロコロさえあれば俺は無敵だ……魔王を倒し貴様よりも上の地位を得てやるからな」

王「穏やかじゃないこと言ってるねえ!俺は勇者と魔王のどっちを応援すればいいんだろう!?」

王「複雑だけどまあいいや!コロコロ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
37: :2013/5/10(金) 01:13:07 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「コロコロ勇者が四面で戦死しました」

王「あいつ死んだんかあ!俺は喜ぶべきかな!?悲しむべきかな!?わかんねえよ!」

大臣「勇ましくコロコロで鍛えていたそうですが、腰痛に襲われて……」

王「敵陣でもやってたのかよ!?事前に鍛えて、本番中は戦いに集中しろよ!」

大臣「腰痛のところをゴーレムに襲われて亡くなったそうです」

王「そりゃ亡くなるわ!あれで腰とか痛めるとつらいもんねえ!応戦どころじゃないよ!」

王「反りかえるような姿勢でやって腰を痛めたり、腹筋の力が足りなくて他の筋力使うから違う場所が鍛えられたりするんだわ!」

王「背中はむしろ丸めるくらいの意識で、腹筋を用いて戻ってくる!そういう意識を持たないと効率的に鍛えられないんだよ!」

王「きちんと使えれば効果は絶大だからねえ!正しく使うのが大事なんだよぉ!」

大臣「王様の方がよっぽどコロコロ勇者じゃないですか」

王「本当にねえ!いっそコロコロ王名乗ってみようかなあ!」

大臣「気を取り直して次の勇者いってみましょうか」
38: :2013/5/10(金) 01:14:04 ID:YHEhymVdsU
唐揚げ勇者「どうもー唐揚げ勇者です」

王「食べてはないんだ!?常に唐揚げ食べてるわけではないんだね!」

唐揚げ勇者「やだなー王様の前でそんな失礼なことはしませんよ」

王「以前いたんだよ!俺の前でポテチをパリパリ食うアホがさぁ!お前もそうかと思ってさぁ!」

大臣「この人はポテチ勇者とは別人ですよ」

王「知ってるよ!ただ、同じ食べ物系だから、こいつも同類なんかなあって思ったんだよ!」

大臣「いますよねー、イメージ押し付けて差別する人。どうせこういう系は全員そうなんだーって」

王「何だよ!?何で俺が悪い空気になってんだよ!?」

唐揚げ勇者「そんな空気も唐揚げパーティで一掃しましょう。ほら、たくさん用意してきたんで」

王「結局食うのかよ!やっぱ正しいの俺の方だったじゃん!」

大臣「いますよねー、ちょっと予想が当たっただけで威張る人。一つ予想が当たっただけで「ほら見ろ俺の知識が絶対的に正しいんだ屑共」みたいな」

王「食べよう!とりあえず食べよう!この流れ一回切りたいっすわ!」
39: :2013/5/10(金) 01:14:47 ID:YHEhymVdsU
唐揚げ勇者「それじゃ準備しますねー」

王「待て待て!何でレモン汁かけたぁ!?俺かけてほしくない派なんだけどぉ!?」

唐揚げ勇者「は?唐揚げにはレモン汁でしょう。ふざけてるんですか?」

王「レモン汁かけたらごはんに合わなくなるだろうが!」

唐揚げ勇者「唐揚げでごはん食うとかwww味覚障害乙www」

王「大臣!こいつすっげームカつくんですけどぉ!?」

大臣「唐揚げ勇者を名乗るだけあって、食べ方等にこだわりがあるみたいですね」

王「んなもん個人の自由でええですやん!唐揚げはごはんに合うでしょ!」

唐揚げ勇者「いいや、認めません。唐揚げはレモン汁をかけて爽やかな酸味と共に食べるのがベストです」

王「唐揚げ勇者名乗るんならあらゆる可能性を追求しろぉ!」

大臣「まあまあ。本題は魔王討伐ですから。良い具合に満腹になりましたし、これなら良い感じで魔王倒せるでしょう」

王「お前の屁理屈もだいぶ苦しくなったな!ぶっちゃけ無理なの悟ってんだろ!?」

大臣「やってみなければわかりませんよ。では王様、そろそろ」

王「だいぶ流れ作業になってきたよな!……唐揚げ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
40: :2013/5/10(金) 01:15:54 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「唐揚げ勇者が三面で戦死しました」

王「今回戦死者多いねえ!まあでも唐揚げ食べてるだけだもん、仕方ないね!」

大臣「勇ましくレモン汁をかけようとしたそうですが、ゴブリンにレモンを奪われて……」

王「奪われたから何!?それでどう死ぬって言うんだよ!?」

大臣「レモン汁を目にかけられたみたいです」

王「あー痛いわー!それはしみるわー!さすがゴブリンさんやわー!」

王「で、目を押さえてるところをゴブリンさんがトドメって!?」

大臣「いえ、あまりにしみてゴロゴロしたら勢い余って崖から落ちたみたいで」

王「自分から死んだんじゃねえか!レモン汁にこだわってっからそうなるんだよ!」

大臣「レモン汁ってそんなに悪いことですか?」

王「そうじゃないけど!ただ、好みは人それぞれだから、かけたくない人の気持ちも汲み取ってよってことだよ!」

大臣「一人一人の想いを尊重するのですか。王様は良き王ですよ」

王「やめて!唐揚げの話でそう言われたら馬鹿にされてるとしか思えないから!」

大臣「じゃあこの話は置きまして、次の勇者いきましょう」
41: :2013/5/10(金) 01:17:08 ID:YHEhymVdsU
偽勇者「どうも、偽勇者です」

王「偽物じゃねえか!何で偽物が来るんだよぉ!?」

大臣「どのような肩書きだろうと勇者は勇者です」

王「よく考えてみろ!勇者の偽物ってことは、こいつは勇者じゃねえんだよ!」

偽勇者「その通りです……私は自らを勇者であると偽って生きてきました」

偽勇者「勇者のような慕われる存在になりたい……そう思って勇者であると嘘をついてしまったのです」

偽勇者「人を助け、魔物も倒して生きてきましたが、私が偽物である事実は覆りません……」

王「えっ!?待って待って、お前魔物相手に勝てたりするの!?」

偽勇者「偽物でも勇者と名乗るからには相応の実力が必要だと思い、必死に努力しました」

偽勇者「そうした実力で勇者のように振る舞い生活してますが、多くの民を欺いている罪悪感で押しつぶされそうです……」

王「別によくない!?少なくとも、現時点でどの勇者よりもちゃんと勇者やってるよ、あんた!」
42: :2013/5/10(金) 01:18:44 ID:YHEhymVdsU
大臣「偽物とは言え、実力と志は本物です。これは魔王討伐に役立つでしょう」

王「お前と考えが一致する日が来るとは思わんかったわ!偽勇者、ちょっと魔王討伐頼んます!」

偽勇者「いえ、やはり自分は勇者に相応しくないです」

王「じゃあ何で応募したぁ!?大丈夫だって、お前こそ勇者だって!」

偽勇者「私は平民として生まれました。今まで、そしてこれから先も勇者にはなり得ません」

王「そんなことねえよ!人は誰しも生まれた時から勇者じゃねえよ!お前はこれから勇者になるとこなんだよ!」

王「お前みたいな正義の心を持った人間の地道な努力が、多くの人間の希望に満ちた明日へと繋がるんだよ!」

大臣「勇者にいつなるか?今でしょ」

王「お前ちょっと黙っててぇ!とにかく、今こそ本物になる時なんだよ!」

偽勇者「多くの民を欺いた私が、人の上に立ち導く……そんなことが許されるのでしょうか?」

大臣「大丈夫です。こんなのが一国の王なんですから」

王「どんな説得だよ!?そんなん言われたら俺けっこう傷つくのわかってる!?」

偽勇者「そうですよね……わかりました!本当の勇者になれるよう頑張ります!」

王「納得するのね!?今ので納得するかー俺かなりショックだわー!」

王「まあでも悲しんでもいられねえよな!……偽勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
43: :2013/5/10(金) 01:19:21 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「偽勇者が自首しました」

王「吹っ切れろよぉ!民騙してただけでそんな悪いことしてなかったじゃん!」

大臣「勇ましく葛藤を繰り返したそうですが、良心が勝ち残り……」

王「もう!罪を償うのは立派かもだけど、今じゃなくていいじゃん!」

大臣「自首をいつやるか?今でしょ」

王「お前急に林先生好きになったな!?調子に乗るなよ!」

王「つーか何でジャージ勇者みたいな屑がマジの勇者なのに、こんな良い奴が偽物なんだよ!」

大臣「罪を償って出所したら、その時こそ本物の勇者になれるといいですね」

王「何か良い話風に終わらそうとしてるけど、魔王討伐は振り出しだよ!どうすんべ!?」

大臣「じゃあ次の勇者に来てもらいましょう」
44: :2013/5/10(金) 01:20:08 ID:YHEhymVdsU
大臣「こちらが眠たい勇者です」

眠たい勇者「ふわぁ〜……眠たい……」

王「いよいよわけわかんねえのが来たな!もう肩書きでも何でもねえよ!ただの状態だよ!」

大臣「もう、また不服なんですか?」

王「不服だよ!何だ眠たい勇者って!?そんなん言い出したら俺だってムカついてる王様だよ!」

大臣「私はかっこいい大臣ですね」

王「自分で言うかよ!?お前そんなにかっこいい顔立ちじゃねえよ!」

王「ていうか勇者静かだけどどうしたぁ!?」

眠たい勇者「ZZZ」

王「寝てるよ!どんだけ眠たかったんだろう、立ったまま寝てるよ!」

眠たい勇者「……っ!寝てないですよ」

王「寝てたよ!しっかりと大文字でゼットを三つも並べてたよ!」

大臣「何で寝てる表現ってゼット並べるんですかね?」

王「知らないよ!自分で調べてきてぇ!」
45: :2013/5/10(金) 01:21:08 ID:YHEhymVdsU
王「ていうかお前は寝ていいよ!今のうちに寝て、普通の状態で魔王討伐行ってよ!」

眠たい勇者「そうは言いましても、眠たいっていうのは俺のアイデンティティですし」

王「黙れよ!眠たいことが僕の個性ですってどういうことだよ!?」

大臣「こんなご時世だからこそ、個性を持って生きたいんですよ」

王「いや、だから!もっと他にキャラ付けあるだろ!?ミサワじゃないんだからさ!」

眠たい勇者「そんな……一生懸命頑張って、一日一時間しか寝ないようにしてるのに……」

王「無駄な努力だねぇ!その成果が立ち寝だからね!何の役にも立たない絶望の努力だよ!」

大臣「まあでもこの勇者はキャラ付けのためだけにここまで頑張れるんですから。きっと魔王討伐も頑張りますよ」

王「頑張るのが当たり前ぇ!世界の命運を分かつんだもん、必死になるのが普通なんですよ!」

王「とにかく、お前は寝て普通の状態になったら、普通の勇者になるんだな!?」

眠たい勇者「そうですね。眠気が取れたらただの勇者ですよ」

王「よーしわかった!じゃあ命令するわ!お前は今から寝ろ!もうぐっすり寝てしまえ!」

王「そうしてコンディションを整えてから……眠たい勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
46: :2013/5/10(金) 01:22:21 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「眠たい勇者が三面で戦死しました」

王「結局駄目じゃねーか!三面て!けっこう最初の方で死にましたな!」

大臣「勇ましく剣を振るったそうですが、突然の眠気に襲われて……」

王「寝たんか!?あいつ戦場で立ち寝したんか!?」

大臣「寝てるところをゴブリンが襲って、そのまま永眠したみたいですね」

王「またゴブリンか!ていうか、俺昨日寝てから行けって言ったよな!?」

大臣「どうやらその命令は無視したみたいですね」

王「何でだよ!?」

大臣「寝たら自分に嘘をつくことになる……自分が自分であり続けるためには仕方なかったんでしょう」

王「仕方なくないよ!寝ようが起きようがあいつはあいつだろ!何でそれがわかんねえかなあ!?」

大臣「自分であり続けるために自らを苦しめた旅路の果てに、彼は永遠の夢へと旅立ちました。ある意味、彼はこれで救われたのかもしれませんね……」

王「かっこよさげに言ってるけどさぁ!なっさけねえ理由で無駄死にしただけだかんな!?」

大臣「そうそう、英語的にはいびきが「ズィーズィー」って聞こえるそうです。そこから寝る表現としてゼットを並べるようになったみたいですよ」

王「だからぶち込むタイミングをもうちょい考えてよ!ポテチの時もそうだったけど、今それ必要かね!?」
47: :2013/5/10(金) 01:23:13 ID:YHEhymVdsU
大臣「さて、今回応募した勇者は以上です。どうしましょう?」

王「俺が訊ねたいねえ!この国の勇者事情どうなってんだよ!?もうどうしようもないでしょ!」

大臣「有望な勇者がこれほど集まっても魔王討伐はならないんですね……」

王「有望な勇者いましたかね!?ほとんど屑ですよ!唯一有望な偽勇者も自首しちゃったし!」

王「もうこれどうすりゃいいんだよ!この国にまともな勇者いねえよ!」

大臣「自棄になってはなりません。きっと魔王を打ち倒す勇者が現れますよ」

王「今までの見てきてよく言えるな!?その前向きさだけは見習いたいよ!」

大臣「ですので、今後も諦めず勇者を募集しましょう」

王「結局こうするしかないんだよな!あーあ良い勇者来てくんねえかなあ!」
48: :2013/5/11(土) 01:03:27 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「王様。勇者を募ったところ、新たに数名の勇者が集まりました」

王「……集まるのは集まるんだよな」

大臣「嬉しいことですよね。国の危機に立ちあがろうという者がこれほどいるというのは」

王「問題は悪ふざけみたいな奴しか集まらないってことなんだよな。皆お遊び気分なんだわ」

大臣「今回こそは期待できる勇者が集まりましたからご安心を」

王「もうネタの前振りにしか思えねえよ。まあいいや、今回どんな奴集まった?」

大臣「現在、ゲーム勇者・アルソック勇者・ダルビッシュ勇者・カフェオレ勇者の四名が集まっています」

王「やっぱ振りじゃん!わかりやすい振りだったな!ダチョウ倶楽部かよ!?」

王「あと今回カタカナ目立ちますね!なんか統一したい気分だったんかなあ!?」

大臣「統一感って大事だと思いますよ」

王「知らないよ!こんなくだらねえとこで統一感出さなくてもいいだろ!」

大臣「まあ大事なのは魔王を倒せるかどうかです。統一感なんてどうでもいいです」

王「あんたが言い出したことだろぉ!もういいよ、とりあえず勇者見ていこう!」
49: :2013/5/11(土) 01:04:13 ID:YHEhymVdsU
ゲーム勇者「……」ピコピコ

大臣「彼がゲーム勇者です」

王「ゲームやってんじゃないよ!俺と話せぇ!」

大臣「しかし彼はゲーム勇者ですよ。ゲームしないでどうするんですか?」

王「家でやってぇ!今偉い人の前だから控えてぇ!」

ゲーム勇者「……」ピコピコ

大臣「やめませんね。さすが勇者だ、度胸は満点です」

王「聞き分けが悪いだけだよ!人間が出来てねえんだよ、こいつの!」

ゲーム勇者「お前だから舐めてるだけだよ……」ピコピコ

王「悲しい訂正がきたよ!俺舐められてましたぁ!泣いていい!?」

大臣「ところで、ゲームはいつまで続けるんですか?」

ゲーム勇者「セーブポイントが見つからねえんだよ……」ピコピコ

王「よくあるよ!夕飯時に限って見つからなくて、お母さんに怒られるパターンだよ!」
50: :2013/5/11(土) 01:05:04 ID:YHEhymVdsU
王「大臣、こいつはどう魔王討伐に役立つんだよ!?」

大臣「何と言っても経験豊富ですからね。もう何人も魔王倒してるんですから」

ゲーム勇者「百人から先は数えていない……」ピコピコ

王「それゲームの話でしょぉ!?そんなん言ったら俺だって何人もの女の子を落としたモテ男だよ!」

大臣「でも現実に魔王なんかいるわけないですよね」

王「世界観否定!?俺らの住むこの世界には魔王いるんですぅ!」

ゲーム勇者「とにかく魔王の倒し方は知ってる。何なら縛りプレイで倒してやるよ」ピコピコ

王「確実に殺ってぇ!何ならチートやっちゃってもいいですからぁ!」

大臣「うわあ、チート勧めるってどうなんですか?」

王「個人で楽しむ分には良いんじゃないかな!?」

ゲーム勇者「じゃあオンラインゲームでチート使うわ」ピコピコ

王「それは駄目ぇ!いろんな人に迷惑かかっちゃうからぁ!」

ゲーム勇者「じゃあどうすりゃいいんだよ?」ピコピコ

王「魔王を倒せよ!……ゲーム勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
51: :2013/5/11(土) 01:05:59 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「ゲーム勇者が一面で戦死しました」

王「早いねぇ!倒し方知ってんじゃなかったの!?」

大臣「勇ましくゆうなまをプレイしたそうですが、その隙をスライムに突かれ……」

王「何でゆうなまやってんのぉ!?あれ魔王の立場じゃん!勇者なんだから勇者30やろうよ!」

大臣「クソゲー!って叫びながら死んでいったそうです」

王「いたね、そんな奴!そんな勇者、ゆうなまにいましたよね!」

大臣「クソゲーって評価になるようなゲームではないと思いますけどね」

王「真面目か!まあそこは人によりけりだよ!ゆうなま難易度高いゲームだしね!」

大臣「ゲームの良し悪しは人それぞれ……嫌いなゲームを貶めるのではなく、好きなゲームを楽しむのが大切なんですね」

王「勝手にまとめてんじゃねえよ!とりあえずあいつの人生はクソだよ!」

大臣「とりあえず次の勇者いってみましょう」

王「流すなよ!」
52: :2013/5/11(土) 01:06:34 ID:YHEhymVdsU
アルソック勇者「どうも、アルソック勇者です」

王「あれぇ!?吉田沙保里さんですよね!?」

アルソック勇者「いえ、アルソック勇者です」

王「いや、吉田沙保里さんですって!」

大臣「本人が否定してるのに何で信じてあげないんですか」

王「だって吉田沙保里さんなんだもん!ちょっとタックルしてもらえますか!?」

アルソック勇者「わかりました。えい」

王「ぐふう!ゲホッゲホッ……ほら!このタックルやで!?肩こり勇者の体当たりとはわけがちげぇ!」

大臣「切れ味鋭いタックルは吉田沙保里さんだけが出来る技ってわけでもないですよ」

王「でも出来る人は限られるよ!このタックルが出来る人はそうそういないよ!」
53: :2013/5/11(土) 01:07:35 ID:YHEhymVdsU
大臣「大体吉田沙保里さんがこんなとこにいるわけないじゃないですか」

王「じゃあこれでどうや!?吉田沙保里さん、ちょっとあれお願いします!」

アルソック勇者「わかりました。えい」ビガー

王「ほら!天井の隅に張り付いて目からビーム出しましたぜ!これは本人確定っすわ!」

大臣「目からビームは吉田沙保里さんだけが出来る技ってわけでもないですよ」

王「それはまかり通らないねぇ!これ出来る人は他にいないんとちゃいますかねぇ!?」

大臣「まあとにかく。実力は確かだと思いますから魔王討伐を任せてみましょうよ」

王「そうだね!かつてここまで期待して送り出す日があったかな!?いいやないね!」

王「マジ朗報を待ってます!……アルソック勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
54: :2013/5/11(土) 01:08:20 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「アルソック勇者が帰りました」

王「あれぇ!?帰っちゃったぁ!?何かあったかなぁ!?」

大臣「勇ましく魔王討伐に向かおうとしたそうですが、オリンピックに向けて活動したかったらしく……」

王「やっぱ吉田沙保里さんだったんじゃん!俺間違えてなかったよ!」

大臣「なんかレスリングが危機的状況で、それに向けて活動したかったそうです」

王「こう言うと失礼かもだけど、そもそもこちらに応募する必要なかったのではないですかねえ!?」

大臣「オリンピックからレスリングが除外されるってのは何だか寂しいですからね。事態が好転してほしいですよね」

王「魔王討伐はいよいよ危機的状況だけどな!」

大臣「魔王討伐に関してもうまくいくよう、次の勇者を見てみましょう」
55: :2013/5/11(土) 01:08:58 ID:YHEhymVdsU
ダルビッシュ勇者「どうも、ダルビッシュ勇者です」

王「アルソックの流れから本物を期待したけど偽物だよ!レンジャーズのピッチャーじゃなかったよ!」

大臣「彼はダルビッシュ勇者ですからね」

王「あれか!?ダルビッシュ有と勇者をかけたんか!?」

大臣「え?何て?」

王「いや、だから、ダルビッシュ有のゆうと、勇者のゆうをかけたんかって!?」

大臣「もう一度お願いします」

王「ダルビッシュ有の……なんか俺が滑ったみたいになってるから!何で拾ってやった俺が火傷すんだよ!?」

大臣「拾い方がまずかったんじゃないですか?」

王「俺のせいかよ!?このくだらねえダジャレ、俺のせいで滑った言うんか!?」

大臣「まあそれは置いといて」

王「アフターケアしっかりしてぇ!俺今著しく傷ついてるぅ!」
56: :2013/5/11(土) 01:10:02 ID:YHEhymVdsU
大臣「ダルビッシュ投手本人ではないですけど、能力は完コピしてるみたいですよ」

王「そいつぁすげえや!でも、それが何!?」

大臣「冷静に考えてください。あの能力があるのであれば、魔王も三振に仕留められますよ」

王「お前が冷静になれぇ!野球やるんじゃないんだよ!魔王と勇者は殺し合いすんのぉ!」

大臣「あ、じゃあ意図的に死球ぶつけましょうよ」

王「だから野球じゃないって!魔王、大人しくバッターボックス立ってるわけないよ!」

大臣「あの球威でぶつけられたらただじゃ済みませんよ」

王「何回言わすかなあ!?野球やるんじゃないんですよぉ!俺今日同じこと繰り返す日なんかな!?」

大臣「もしかしたら今度こそ完全試合やってのけるかもしれませんよ」

王「俺の言葉は届かないのかぁ!?腹の底から声出してんだけどぉ!」

大臣「いやー次の登板が楽しみですねー」

王「駄目だ届かねえ!もうこっちで勝手に話進めるしかねえ!」

王「ダルビッシュ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

王「……どうでもいいけど今回の勇者喋んねえな!」

大臣「今ツイッターで呟いてますからね。喋るどころじゃないんですよ」
57: :2013/5/11(土) 01:10:59 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「ダルビッシュ勇者が六面で降板しました」

王「降板って何だよ!?本気で野球やってきたんか!?」

大臣「勇ましく対戦打者を三振に仕留めましたが、投球数が百球を越え……」

王「交代させられたってか!なんかメジャーは百球が先発投手の交代の目安みたいらしいね!」

大臣「8奪三振3四球2安打1失点の内容で、勝ち投手の権利を得てからの降板みたいですよ」

王「魔王討伐ならずして降板した時点で負けたようなもんだよ!降板した六面から後はどうなったんだよ!?」

大臣「他の勇者が登板しました。そして戦死しました」

王「野球やってたんちゃうんか!?急に生き死にが話に出てきましたね!」

大臣「代わりの勇者は別に野球する勇者ってわけでもないので」

王「ダルビッシュ勇者も普通に魔王討伐してほしかったよ!」

大臣「それは次の勇者に期待しましょう。というわけで次いってみましょう」
58: :2013/5/11(土) 01:11:56 ID:YHEhymVdsU
カフェオレ勇者「カフェオレ勇者です」ゴクゴク

王「雪印コーヒー飲んでんじゃないよぉ!雨宮桂馬か、お前は!?」

大臣「何ですか、その雨宮桂馬って」

王「説明させんなよ!ボケとかツッコミの説明するとか地獄やぞ!?」

大臣「でもわかんないんですもん」

王「じゃあ流してくれ!そしてお前はコーヒー飲むな!」

カフェオレ勇者「俺が飲んでんのはカフェオレです。訂正してください」ゴクゴク

王「めんどくせえな!わかったわかったコーヒー牛乳ね!」

カフェオレ勇者「カフェオレだって言ってんだろぉ!」ゴクゴク

王「一緒だろぉ!いや、知らねえけどたぶん一緒だろ!」

大臣「カフェオレ勇者なだけあって、呼び名にもこだわりがあるみたいですね」

王「うっせえ!あくまで俺のイメージだけど、雪印コーヒーはコーヒー牛乳のが合ってない!?」
59: :2013/5/11(土) 01:12:45 ID:YHEhymVdsU
王「とりあえずカフェオレごくごく飲んでるこいつが魔王討伐の何に役立つってんだよ?」

大臣「コーヒー勇者ではなくカフェオレ勇者をわざわざ名乗ってるわけですからね」

大臣「ブラックとかそれっぽい雰囲気のカフェの奴じゃなく、安っぽい甘さの庶民的な味が好きだっていうメッセージ性を感じます」

大臣「だからまあ、こだわりとかあるんでしょ。プライド持ってどうにか倒しますよ」

王「史上最高に適当だなあ!?恐ろしいまでに投げやりだったぜ!?」

大臣「正直今回の勇者カタカナで統一したかっただけですからね。どうでもいいんですよ、こいつ」

王「そんなん聞きたくなかったよ!悲しい裏事情を表に持ってこないでぇ!」

王「あいつ凄い涙目になってんじゃん!それでも頑なに雪印コーヒー飲んでっけどぉ!」

カフェオレ勇者「もう俺はカフェオレしか信じられない……」ゴクゴク

王「人間不信になってんよぉ!そりゃ衝撃的な自分の出生の秘密知っちゃったしねえ!」

大臣「カタカナなら何でもよかったらしいですし、そんなだからネタも何も考えてなかったんです」

王「こりゃあもう魔王討伐を果たして一発逆転するしかねえよなあ!……カフェオレ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
60: :2013/5/11(土) 01:13:29 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「カフェオレ勇者が一面で戦死しました」

王「知ってたぁ!悪いけどそんな予感はしてたぁ!」

大臣「勇ましくカフェオレを飲んだそうですが、その隙をスライムに突かれ……」

王「何かもう扱いが雑だったもん!ぶっちゃけどうでもよかったんだろうなって!」

大臣「ぶっちゃけアルソック勇者やダルビッシュ勇者がやりたかっただけですからね」

大臣「悲しい勇者でしたよ……人の都合で勝手に生み出され、生きる意味も見出せなかった、かわいそうな勇者でした」

大臣「でも、死に際に彼が霧状に噴出したカフェオレは綺麗な虹を生み出しました」

大臣「あの綺麗な虹を見て、誰かが笑顔になれたのであれば、彼の命は勇者として意味があったと言えるんじゃないでしょうか……」

王「全っ然良い話じゃないから!何の意味もない無駄な命だったかんな!」

大臣「せっかくフォローしようとしてるのに、邪魔しないでくださいよ」

王「お前のフォローが下手すぎんだよ!そりゃあ俺も邪魔するねぇ!」
61: :2013/5/11(土) 01:14:35 ID:YHEhymVdsU
大臣「さて、今回の勇者は以上です」

王「安定の駄作揃いだよ!いや、アルソック勇者は別だけどね!?」

大臣「ダルビッシュ勇者も別にしなくていいんですか?」

王「あいつは偽物だったじゃん!」

大臣「アルソック勇者だって本物ではなかったでしょう」

王「いや、吉田さんはあれ本物だって!違う違う、今その話はいいんですよねぇ!」

王「どうするんだよ!結局今回も勇者全滅だよ!魔王討伐ならなかったんですけど!?」

大臣「しかしそれでも我々は勇者を応募するしかないのです」

大臣「失敗が重なろうと、人に笑われようと、我々は愚直に勇者を探し続けるのです。そうすれば希望の未来へと……」

王「希望の未来が想像できないねぇ!こんなん繰り返してたら永久に笑われるだけとちゃいますぅ!?」

大臣「少しは勇者を信じてあげてくださいよ」

王「信じられるかぁ!今までの惨状を思い返せよ!これで信じる奴が詐欺にひっかかって振り込むんだよ!」

大臣「まあ王様が信じようが信じまいが結局我々は勇者を募るだけなんですけどね」

王「もう嫌だぁ!また無駄な数日間が始まるよぅ!」
62: 名無しさん@読者の声:2013/5/11(土) 02:49:15 ID:eO.xj/yaBA
やだ…面白い……
63: :2013/5/12(日) 01:07:35 ID:YHEhymVdsU
>>62
やだ…嬉しい……
書き溜めもネタも尽きそうで怖いけど、とりあえず出来ることを頑張るとします。
64: :2013/5/12(日) 01:08:53 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「王様。勇者を募ったところ、新たに数名の勇者が集まりました」

王「なあ大臣。俺これいつまで続けりゃ許されるんかなあ?」

大臣「勇者が魔王を倒せば苦悩の日々も終わりますよ」

王「イコール終わらないってことだよな!?もうやだ、俺の一生は糞勇者共に潰されるんだ!」

大臣「大丈夫ですって。今回は良い感じのが揃いましたから」

王「お前がそう言ったところで説得力ねえよ!十年に一人の逸材が毎年見つかる感じだよ!」

大臣「今回はマジで大丈夫ですから」

王「じゃあどんなん来たか言ってみろ!どうせ駄目だから!」

大臣「現在、自転車勇者・貧乏勇者・山本翔太・ぎりぎり勇者の四名が集まっています」

王「全然大丈夫じゃないじゃん!どの口が言ったんだよ、大丈夫って!?」

大臣「これでも駄目なんですか?」

王「これだから駄目なんだよ!つーか一人勇者でも何でもねえ奴いねえ!?」

大臣「それに触れるのは本人と対峙してかれでいいでしょう。では一人目を呼びますね」
65: :2013/5/12(日) 01:10:17 ID:YHEhymVdsU
大臣「あ、勇者を呼ぶ前に、ちょっと仰向けになってください」

王「何でだよ!?何で人と出会うのに横になる必要があんだよ!?」

大臣「いいからお願いします。きっとドラマティックな出会いを果たせますから」

王「ドラマティックとかいいから普通に会いてえんだけどな。こっちは……」アオムケー

大臣「よし。ではお願いします」

自転車勇者「よっしゃああああ!」キコキコキコ

王「えええええ!?何!?轢かれる!轢かれる!!」

自転車勇者「せやあああああ!」ピョーン

王「ああああああ!」ポロポロ

大臣「……たった今、王様に向かって全速力で自転車を走らせ、轢く寸前でジャンプし飛び越えてみせたのが自転車勇者です」

王「何なんだよ!?もう少しで轢かれるとこだったじゃん!」ポロポロ

大臣「自転車勇者は技術ありますから大丈夫ですって。はは、泣いてるじゃないですかwww」

王「泣くだろぉ!こっちは事前に何も聞いてねえんだよ!普通に轢かれる思ったわ!」ポロポロ
66: :2013/5/12(日) 01:11:45 ID:YHEhymVdsU
大臣「さて、今回は王様自ら勇者の凄さを体験しましたよね」

王「マジで怖かったわ!文字だけじゃ伝わってないと思うけど……こいつ横じゃなくて縦で飛び越えやがったからな!」

大臣「この勇者の自転車スキルは半端ないです。かなりのスピードも出せますし、ウィリーやジャンプも自由自在です」

大臣「そんな自転車で撥ねさえすれば、魔物だって大ダメージを負いますよ」

王「……それじゃあもう自動車でいいじゃん。そっちのが確実だよ」

大臣「自動車だと普通に死にますよ?」

王「だからだよ!俺達は魔物を殺そうとしてんの!何を変なところで良心働かせてんだよ!」

大臣「王様の鬼畜っぷりにドン引きですね」

自転車勇者「人としてどうなんですか?」

王「人のために非情になってんだよ!魔物は人の脅威になるんやぞ!?」

王「魔物は確実に殺せよ!ていうかお前も自転車で撥ねるって発想の時点で糞外道だかんな!?自転車も普通に死ぬぞ!」

大臣「こっちは魔王討伐のために仕方なくやってんですよ」

王「俺もぉ!俺も魔王討伐できるように自動車使え言ってんのぉ!」

自転車勇者「まあまあ。どっちを使おうと、俺が魔王討伐を果たせば同じことですよ!」

王「……頼りになる発言だな。自転車勇者とかいうふざけた存在のくせして」

王「まあいいや。やる気があるのはいいことだしね……自転車勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
67: :2013/5/12(日) 01:13:21 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「自転車勇者の自転車が三面でパンクしました」

王「パンクしちゃったのぉ!?駄目じゃん、それじゃあ!」

大臣「勇ましく自転車を乗りこなしたそうですが、ゴブリンにまきびしをばら撒かれ……」

王「ゴブリン無双だな!さすがゴブリンさんは聡明でいらっしゃる!」

大臣「自転車は自転車勇者の武器です。それを封じられてはもうどうしようもないですね」

王「もうちょい頑張れるでしょ!パンクしても自転車漕げるじゃん!」

大臣「いやあ、何か変な音するでしょうし、無理やり漕いだら状態悪化で修理も難しくなりますよ」

王「でも魔王討伐なんだから頑張ろうよ!何なら修理費くらい出すしさぁ!」

大臣「自転車から降りて押し帰る彼の背中は哀愁漂ってたみたいですよ」

王「あーあ修理出さなきゃなーってね!軽く憂鬱になるよね!」

大臣「勇者をここまで追い込むとは……魔王は恐ろしいですね」

王「これ魔王を悪く言ったらちょっとかわいそうじゃね!?勝手に自転車で来て勝手にパンクしただけだし!」

王「むしろもうゴブリンさんが恐ろしいわ!こいつだけで勇者どんだけやられてんだよ!」

大臣「次の勇者はゴブリンを倒せるんでしょうか?というわけで次いきましょう」
68: :2013/5/12(日) 01:14:28 ID:YHEhymVdsU
貧乏勇者「こんにちは。貧乏勇者です」グゥ

王「子どもじゃん!お腹鳴ってるよ!何も食ってないんとちゃうかぁ!?どんだけ貧乏なんだよ!」

貧乏勇者「食べてないってことはないです。ここ最近、ずーっと水スープですけど……」グゥ

王「とんでもねえの食ってんな!?いや、それ食う物なの!?ただの水じゃないの!?」

大臣「水スープは、パンを小さく切って油で揚げて水で煮た料理です。正式にはパンの水スープって言います」

王「何で詳しいんだよ!?そんな料理なんだ、聞いてて悲しくなるよ!」

貧乏勇者「あの、僕、頑張りますから!頑張って魔王を倒しますから!」グゥ

王「何かもうこの子見てると切ないよぉ!頑張らなくてもいいんだよ!?つらい時は助けを求めてもいいんだよ!?」

貧乏勇者「いえ、僕は頑張らないといけないんです!僕が頑張らないとお母さんもお父さんも妹も食べられなくて苦しみますから!」グゥ

王「もう駄目、俺が耐えられない!俺がお父さんに何か良い仕事見つけてあげるから、君はもう休んでいいよ!?」

大臣「よーしじゃあ魔王討伐に行ってもらおうか」

王「悪魔か貴様ぁ!?今の聞いてた!?聞いた上で過酷な魔王討伐の旅に出させんの!?」

大臣「事情とか知りませんし。勇者なんだから魔王を倒す、当たり前のことでしょう?」

王「魔王より先にお前が討伐されろぉ!お前に人の心はないのかぁ!?」
69: :2013/5/12(日) 01:15:30 ID:YHEhymVdsU
貧乏勇者「大臣さんの言う通りです!僕、頑張って魔王を倒しますから!」

貧乏勇者「魔王を倒せたら……きっとお金も貰えて、お母さんを幸せに出来るから……」ポロッ

貧乏勇者「妹にお腹いっぱい食べさせてあげられるから!だから、僕は魔王を倒さなきゃいけないんです!」ポロポロ

王「あかんて!あーもう駄目、我慢できない!」ポロポロ

大臣「何で王様まで泣いてるんですかwww」

王「草を生やすなぁ!今までも普通に軽蔑してきたけど、今日ほどお前を屑だと思った日はねえよ!」ポロポロ

貧乏勇者「僕が、僕が駄目だから……家族が苦しむんです。魔王討伐を以て、僕に償いのチャンスをください!」ポロポロ

王「何でそんな強いんだよ!心が苦しいよ!弱くていいんだよ!もっと誰かに頼ろうよ!自分だけを責めないでよ!」ポロポロ

大臣「貧乏勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

王「それ俺の台詞ぅ!何でお前が仕切ってんだよ!?」ポロポロ

大臣「いや、王様を今回ほっといたら「もう魔王討伐行かなくていいよ!」とか言いそうでしたから」

王「よくわかってんね!俺には無理だよ、この子を過酷な旅に出すの!」ポロポロ

大臣「だから私が送り出すんです。ほら、さっさと行け」

王「もう嫌だよこの世界!普通に悪が蔓延ってるよぉ!」ポロポロ
70: :2013/5/12(日) 01:17:20 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「貧乏勇者が七面で帰りました」

王「帰ったんだ!?いや、今回俺は勇者を責めない!それで貧乏勇者は生きてんの!?」

大臣「生きて家まで帰ったそうですよ」

王「それを聞けて安心したよ!ていうか七面までよく頑張ったね!」

大臣「勇ましく魔物を倒して進んでいたそうですが、サキュバスに出くわして……」

王「サキュバスに出くわして!?」

大臣「まだ幼い貧乏勇者を見て、何か母性本能をくすぐられたみたいで」

大臣「聞けば家族を養う大金がいるから魔王討伐を目指してるって話じゃないですか」

大臣「だからサキュバスは、奴隷と化した縄跳び勇者の貢物を貧乏勇者に仕送ることにしたそうで」

大臣「けっこうな高級品揃いらしいので、それを売れば暮らしが安定するっていう、そういう感じみたいです」

大臣「こうして貧乏勇者的には魔王を倒す理由がなくなったので帰ったみたいですね」

王「俺は今回は全然責めないよ!ていうか縄跳び勇者とかいたね!まだドM勇者やってんだ!?」

王「とにかく暮らしが安定してよかったよ!子どもが命をかけて金を求めるのは何か違うと思うんだ!」

王「これからは子どもらしく遊びや勉強を頑張って楽しめばいいんだよ!お金はドM勇者のアホがどうにかするから!」

大臣「目先の利益につられて魔王討伐の任を放棄するとは、腐った勇者だ」

王「腐ってんのはお前ぇ!もう物理的に腐らせたいよ、お前を!」

大臣「それは勘弁です。次の勇者を呼んで、いざという時は守ってもらいます」
71: :2013/5/12(日) 01:18:29 ID:YHEhymVdsU
山本翔太「どうも、山本翔太です」

王「勇者じゃない!こいつ勇者じゃないんだって!!」

大臣「そうなんですか?偽勇者の時みたいな感じですか?」

王「それとはまた違うんだなぁ!何て言うかもう一切勇者と関わりがないんです、この人!」

王「ていうか山本翔太て誰だよ!?けっこういそうな名前だよ!下手したら画面の前に今いるんじゃないか!?」

王「検索してみたら、いろんな山本翔太さんが出てきたよ!いろんな方面で活躍してるよ!」

大臣「そうなんです。山本翔太という名前の方はけっこういまして、多方面で活躍されてます」

大臣「……その山本翔太達の全ての能力を司るのが、この男だとしたら?」

王「……何だと?」

山本翔太「そう、俺はこの世に存在する全ての山本翔太の長所を取得する男」

山本翔太「言うなれば俺は超山本翔太!全ての山本翔太の頂点に立つ俺に、倒せない者など存在しない……」

大臣「これは頼りになりますね。いよいよ魔王が死ぬ時が来たんじゃないですか?」

王「……」
72: :2013/5/12(日) 01:20:06 ID:YHEhymVdsU
王「……お前さ、ちょっと俺と腕相撲してみ?」

山本翔太「え?」

王「検索したらさ、何か野球やってる山本翔太くんいるみたいだしさ。ちゃんと能力受け継いでたら腕力あると思うし」

大臣「信じてないんですか?」

王「そりゃあね。悪を滅する力があるとか言って、実はただ笑ってるだけの勇者とかもいたわけだし」

山本翔太「……勝負したいが、実は体調を崩していてな。また今度でいいか?」

王「よくないよ!体調悪いって、それ今からの魔王討伐にも影響すんだろ!」

王「何で逃げんだよ!?さてはお前普通の人だろ!?笑顔勇者と一緒で嘘ついてんべ!?」

大臣「山本翔太よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

王「だからそれ俺の台詞だってぇ!今回お前盗み癖すごいな!?」

大臣「だってこのままだと王様が山本翔太を追い詰めそうなので……」

王「そりゃ追い詰めるよ!てか、ぶっちゃけ嘘だろ!ただの一人の山本翔太だろ!」

王「お前ちょっと全国の山本翔太さんに謝れ!お前がこんなだと全国の山本翔太さんの風評被害半端ねえぞ!」

大臣「大丈夫です。過疎掲示板の過疎スレに全国規模でどうこうする影響力なんかないですよ」

王「お前の発言が大丈夫かよ!?怒られても知らねえかんな!」
73: :2013/5/12(日) 01:21:15 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「山本翔太が三面で諦めました」

王「諦めちゃったよ!どうしてそこでやめるんだ、そこで!」

大臣「勇ましく進んでいたそうですが、ゴブリンの実力を見て心が折れ……」

王「ゴブリンさん毎度お疲れ様です!いや、それはいいんだよ!」

王「何か今回死因適当じゃね!?いや、死んではいないけどさ!」

大臣「ぶっちゃけ「もういっそ勇者じゃない一般人来たら面白くない?」って思って書きましたからね」

大臣「この辺のくだりを考えてなかったし、メタで乗り切ろうという結論になったんです」

王「そういうの堂々言うのやめない!?俺もちょっとリアクションに困るしさ!」

王「全国の山本翔太さんのためにも頑張ろうよ!ネタとしてポーンと出して、後処理は適当って最悪だろ!」

大臣「思い付きだけで行動すると後悔するっていう教訓ですね。さて、次の勇者いってみましょう」

王「山本翔太さん、大変なとばっちりだよ!全国の山本翔太さん、本当にすみませんでした!」
74: :2013/5/12(日) 01:22:27 ID:YHEhymVdsU
ぎりぎり勇者「ぎりぎり勇者です」

王「何で辛うじてのラインに甘んじてんだよ!完全に勇者になれよ!」

大臣「勇者になるのも大変なんですよ。ぎりぎりでも一応勇者なんですからいいじゃないですか」

王「そんなのがよくもまあ魔王討伐の大任に立ちあがったな!」

ぎりぎり勇者「400点で合格のところ、402点でどうにか勇者になれました」

王「ぎりぎりだね!一問か二問間違えてたら勇者になれなかったよ!てか勇者ってそういう制度なの!?」

ぎりぎり勇者「手にテーピングして胴着を着て、腰を落として正拳突きを一発二発。ぎりぎり勇者です」

王「勇者じゃねえよ!ぎりぎりどころか圧倒的に武闘家じゃねえか!」

ぎりぎり勇者「道行く人のすれ違いざまに金属バットで頭部をバコン!ぎりぎり許してもらえます」

王「許されないよ!殺傷事件で裁判待った無しだよ!」

大臣「さすがぎりぎり勇者はぎりぎりのラインを突くのがうまいですね」

王「正気かぁ!?全然ぎりぎりじゃねえよ!いかれた方向に振り切っちゃってるだろぉ!」
75: :2013/5/12(日) 01:24:05 ID:YHEhymVdsU
大臣「なんだかんだぎりぎりで上手くいく勇者なので、魔王討伐もぎりぎり果たすことでしょう」

王「俺にはそう思えないねぇ!こいつのぎりぎりのライン、おかしいんだもん!」

ぎりぎり勇者「コーヒーを1、牛乳を99の割合で入れます。ぎりぎりコーヒー牛乳です」

王「ほぼ牛乳だろ!百人に聞いても全員がただの牛乳って言うわ!」

大臣「しかし、千人に聞いてみたら、あるいは……」

王「変わらねえよ!一緒だよ!例外なくオール牛乳判定だよ!」

王「ほら、こいつのぎりぎりのラインっておかしいんだよ!本当に402点とったのかも怪しいよ!」

大臣「まあまあ。感性が少しずれてても要は魔王を倒せればいいんですから。期待しましょう」

王「どこにどう期待すればいいんだ!?こんな明らかな負け戦に希望なんか抱けねえよ!」

ぎりぎり勇者「ゲーセンの腕相撲のやつで一番強い奴にぎりぎり負けます。ぎりぎり期待できますね」

王「できねえよ!勇者なら余裕で勝ってよ!あれでしょ、一番強い奴がロボコップみたいなやつでしょ!?」

大臣「あれってアームチャンプス2っていうみたいですよ」

王「そうなんだ!?知らんかったわ!いや、それは今はどうでもいい!」

王「正直期待はできんが仕方ない……ぎりぎり勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
76: :2013/5/12(日) 01:25:39 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「ぎりぎり勇者が三面でやられました」

王「何でだよ!?ぎりぎり勇者なんだから九面でやられろよ!」

大臣「勇ましく進んでいたそうですが、ゴブリンにやられて……」

王「困った時のゴブリン頼りだな!なんかもう死因とかうまく浮かばなかったらゴブリン出せばいいって思ってない!?」

大臣「それだけゴブリンが鬼門なんでしょうね」

王「ていうかさっきも言ったけど、ぎりぎり勇者が三面でやられちゃ駄目だろ!」

王「九面まで行って「名前の通りぎりぎり駄目だったな!」とか言って、ようやく完成するネタだろ!何でそんなとこでやられてんだよ!」

大臣「あ、でもぎりぎり生き残ったみたいですよ」

王「知らないよ!もうちょっとわかりやすいぎりぎり要素を出してよ!」

大臣「ぎりぎり勇者でも駄目だなんて……魔王討伐はやはり厳しいですね」

王「何でお前の中でそんな好評価なんだ!?腕相撲のやつでぎりぎり負ける程度の奴だぞ!?妥当な結果だよ!」

大臣「でもあれかなり強いですよ」

王「店によって強さ違うから何とも言えないよ!仮に凄く強くても、勇者なんだから倒せよ!」
77: :2013/5/12(日) 01:26:40 ID:YHEhymVdsU
大臣「ぎりぎり勇者も失敗ということで、今回も駄目でしたね」

王「ああもう!勇者全滅に慣れてきてる自分が憎いわ!」

大臣「じゃあいつも通り勇者募集しておきますので、また明日ということで」

王「もう完全にパターン化してるよぉ!どうせ明日も屑共が集まるんだろ!?」

大臣「そんなの明日にならないとわかりませんよ。何を弱気になってるんです?」

王「明日にならんでもわかるわ!ここで急にシリアスパート突入したらびびるわ!」

大臣「見てる方も飽きてるだろうし、変化があるのはいいことでは?」

王「悲しいこと言うなよ!今までの流れで急にマジな勇者来て、急にシリアス突入すんのは無理あるだろ!」

大臣「じゃあ今まで通りで納得するしかないですね」

王「ちくしょう!俺はどうすれば救われるんだよぉ!?」
78: 名無しさん@読者の声:2013/5/12(日) 01:33:42 ID:eXyTaz3oj2
ランキング入りおめでとう!
そして私怨
79: :2013/5/13(月) 00:58:28 ID:YHEhymVdsU
>>78
マジでランキング入ってるwww
投票してくれた人ありがとう!
ちょっとランキング関係のネタ書いてから投下します。
際どい&人によっては不快なネタになりそうだけど大丈夫かなあwww
80: 名無しさん@読者の声:2013/5/13(月) 00:59:47 ID:IwYnZSawbI
>>79
おk
81: :2013/5/13(月) 01:25:17 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「王様。勇者を募ったところ、新たに数名の勇者が集まりました」

王「……」

大臣「王様?聞こえてます?勇者集まりましたよ」

王「もう会いたくない……」

大臣「我儘言っちゃいけません。世界の運命がかかっているのですよ?」

王「かかってねえもん!会おうが会うまいが、どうせ魔王討伐無理な屑しかいねえもん!」

大臣「どうしてそう悲観的なんでしょうかねえ」

王「お前はどうしてそう楽観的なんだよ!?今日まで何を見て来たんだ!?」

大臣「とりあえずどういう奴が来たか聞いてください。それから判断すればいいでしょう」

王「聞くだけ聞いてやるよ……もう叫ぶ準備はしとくけど」

大臣「現在、スペランカー勇者・だれキュラ勇者・魔王・気持ちは勇者の四名が集まっています」

王「駄目だあああぁぁぁ!!こんなんで魔王倒せるわけねえだろおおおぉぉぉ!!」

大臣「叫ぶ準備しといてよかったですね」

王「ていうか、今倒すべき魔物が混ざってなかった!?敵がいよいよ乗り込んで来ちゃったよ!」

大臣「まあまあ、慌てないでいいですから順に見ていきましょう」

王「それでいいの!?ねえ、魔王来てるよ!?やばいんじゃないの!?」
82: :2013/5/13(月) 01:26:08 ID:YHEhymVdsU
大臣「えっと、スペランカー勇者が死んだみたいです」

王「まだ対面すらしてねえだろぉ!?ちょっと死ぬの早くない!?」

大臣「城内の階段の段差が高すぎたみたいで……」

王「スペランカーの名に相応しい虚弱っぷりだな!魔王討伐の前に死ぬとは思わなかったよ!」

大臣「でもまだ残機あるみたいですから、今からこっち来ると思います。……あっ」

スペランカー勇者「どうも、スペランカー勇者です」

大臣「来ましたね。どうにか残機を減らさずに来れたみたいです」

王「会うだけでこんなドキドキするとは思わなかったよ!」

大臣「おお、期待してるんですね」

王「逆だよ!余すことなく絶望してんだよ!既に一回死んでんねんで、こいつ!」
83: :2013/5/13(月) 01:26:58 ID:YHEhymVdsU
大臣「こんだけ虚弱なんですから、命の大切さは熟知してると思われます。慎重に確実に生きて魔王を倒しますよ」

王「残機で生き返る奴に命の重みがわかるかぁ!仮に慎重に生き延びても魔王倒せねえよ!」

大臣「あ、幽霊出てきましたよ。倒さないと」

スペランカー勇者「じゃあ銃を撃ちまーす」シュババババ

大臣「よーし、倒せましたねー」

王「いや、普通に対応してるけど、何で幽霊出て来てんの!?」

大臣「何でって、スペランカーには幽霊出てくるじゃないですか」

王「スペランカーの主人公がいると洞窟じゃなくても幽霊出てくんの!?」

大臣「王様、ここにいるのはスペランカーの主人公じゃなくてスペランカー勇者ですよ」

王「同一人物で片づけたら駄目なの!?面倒臭いな!」

大臣「あ、また幽霊」

スペランカー勇者「じゃあ銃を撃ちまーす」シュババババ

王「同一人物でも別人でもいいから、俺の城を心霊スポットにしないでくれ!」

大臣「スペランカーあるところに幽霊ありです。諦めましょう」

王「じゃあさっさと魔王討伐に行け!……スペランカー勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

スペランカー勇者「じゃあ鍵を探してきまーす」

王「別に鍵なくても城は出られるよ!」
84: :2013/5/13(月) 01:27:50 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「スペランカー勇者が九面で戦死しました」

王「大健闘じゃねえか!?正直一面で死ぬと思ってたよ!」

大臣「勇ましく魔界を攻略していたそうですが、残機が尽きて……」

王「あんなに簡単に死ぬのに、よくもまあ九面まで行ったな!何があったんだよ!?」

大臣「プレイヤーが変わったんじゃないですかね」

王「やりなれた奴がやったんだろうな!あんな虚弱野郎を操ってよく頑張ったよ!」

大臣「でも本当にすぐ死ぬからちょっと油断するとやられちゃうんですよね」

王「その油断が終盤でやってきたんだろうよ!もうちょっとだったのに惜しかったな!」

大臣「次にプレイする時は、今度こそクリアできるといいですね」

王「こいつにもう次はないけどな!」

大臣「そういうことなら次の勇者に託しましょう」
85: :2013/5/13(月) 01:28:53 ID:YHEhymVdsU
だれキュラ勇者「俺がカルマだ!」

王「だれキュラ勇者じゃねえのかよ!?ていうか、これあれだろ!?弟の作ったRPG実況する奴!」

大臣「このサイトでも笑い系でまとめられてるので、知らない人は見てみたらどうでしょう」

王「ていうか凄いの来たな!どうしてこんなとこに来たんだよ!?」

だれキュラ勇者「お前には関係ないだれ」

王「関係あるよ!俺達が募集して、お前が応募して、今この関係性だよ!」

だれキュラ勇者「俺は勇者になりたいんだ。そして、なるためにここに来たんだ」

王「じゃあ勇者として魔王殺してきてくれる?」

だれキュラ勇者「魔王を殺す…!?」

王「何で驚いてんだよ!勇者になるんだからそれくらい覚悟してろよ!」

だれキュラ勇者「俺は誰かを殺してそして平和になる世界にはごめんだぜ!」

だれキュラ勇者「俺は犠牲は払うくらいなら共働きで明日を担うぜ!」

だれキュラ勇者「だから俺は勇者はやめるぜ!だが俺は勇者はやめない!」

王「こいつ何が言いたいんだよぉ!?もう俺には理解不能だよ!」

大臣「あはは、個性的な勇者ですね」
86: :2013/5/13(月) 01:30:06 ID:YHEhymVdsU
大臣「言動はエキセントリックですが、内に秘めた闘志は確かな物があります。彼なら魔王を倒すでしょう」

王「大丈夫かなあ!?なんか凄い心配なんだけど!」

だれキュラ勇者「そんな気苦労は心配無用だ!俺は勇者でしかもアサシンでしかもだからな!」

王「しかも理解不能だもんな!心配すんなって方が無理だろうぜ!」

大臣「魔王を倒したら報酬として9999ゴールド出すので頑張ってください」

だれキュラ勇者「お前、俺を金で釣るつもりか!のったぜ!」

王「乗るのかよ!?ていうかお前も勝手に報酬出すなよ!」

大臣「まあまあ、勇者のやる気をあげるのも大切ですよ」

だれキュラ勇者「こうして俺は世界は救う冒険に出るんだれ!」

王「確かにやる気上がってる……心配だけど託してみるか」

王「だれキュラ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

だれキュラ勇者「魔王討伐…!?」

王「だから何で予想外なんだよ!お前、勇者でしかもアサシンでしかもじゃねえのかよ!?」

大臣「まあ、はやく行けよ」
87: :2013/5/13(月) 01:30:59 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「だれキュラ勇者が八面でやられました」

王「意外にけっこういけたんだれ!正直序盤で死ぬと思ってたよ!」

大臣「勇ましくがんものある生活ん選んだそうですが、たかまさにやられて……」

王「待って待って!お前の今の台詞のほぼ全てが理解できない!」

王「がんものある生活って!?八面にてたかまさが出てきてるけど!?」

大臣「言葉の通りですよ。だれキュラ勇者はたかまさにやられたんです」

王「たかまさとか出しちゃっていいんかよ!?」

大臣「いいんじゃないですか?面白いでしょ、あのスレ」

王「徹底的にやっちゃってんな!ていうかネタにした時点で覚悟は決めるべきか!」

大臣「まあだれキュラのスレもそうなんですが、このサイトには他にもたくさん面白いスレがまとめられてます」

大臣「素敵な管理人が厳選してまとめたスレは素晴らしいの一言です。この素敵なサイトで皆さんも存分に楽しみましょう」

王「宣伝じゃねえか!急に媚び始めたな!こないだ過疎掲示板とか言っちゃったのが今頃怖くなってきたんだろ!」

大臣「ま、とにかくだれキュラ勇者はやられました。セーブポイントもないから大幅なやり直しです。なので次行きましょう」
88: :2013/5/13(月) 01:31:50 ID:YHEhymVdsU
魔王「我こそはこの世界を漆黒に包みし悪魔!魔王その人である!」

王「最初にも言ったけど、やっぱ魔王本人が来ちゃってるよ!どうするんだよ、これ!?」

大臣「いやあ、迫力満点の勇者ですね」

王「勇者じゃないよ!人でもないよ!俺達が倒さんとする最終目的だよ!」

魔王「我がその気になれば世界を炎に包んでくれよう!」

王「ほら!ものっそい物騒なこと言ってるよ!これが勇者であるはずないよ!」

大臣「ジャージ勇者とかこんな感じじゃなかったですか?」

王「そうだね!この世界の勇者おかしいんだったね!今のは俺の言い分が間違ってるわ!」

魔王「弱き勇者など我が絶望に包んでくれるわ!」

王「どうでもいいけど魔王さん包みたがる御方っすね!」
89: :2013/5/13(月) 01:33:07 ID:YHEhymVdsU
大臣「この勇者は見た目からして最強なオーラに包まれてます。これは期待できますね」

王「問題は勇者じゃなくて魔王ってとこなんだよね!あと、お前まで包みだすのかよ!?」

魔王「我が未来は勝利に包まれておる!完全勝利を約束してみせよう!」

王「それ困るわー!人間の方の代表としてそれ聞き逃せないわー!」

大臣「頼もしい勇者です。前祝としてパーティでも開いて喜びに包まれましょう」

魔王「ならば、我が挽肉とニラを餃子の皮で包んでくれるわ!」

王「何だこの空前の包みブームはぁ!?魔王さん意外と家庭的じゃねえか!」

大臣「こうなったらベストツツミストとかいう賞をつくって受賞させるしかないですね」

王「何でだよ!?いいよ、そんなどうでもいい賞作んなくても!」

大臣「記念すべき初代受賞者は堤下敦で決定です」

王「魔王じゃねえのかよ!?完全に名前だけで選んだろ!賞の名前、ベストツツミシタに改名しろ!」

魔王「彼奴が相手なら納得するしかない。我は悔しさに包まれよう」

王「魔王もおかしいんだな!勇者も魔王もおかしいって、この世界もう終わってんよ!」

大臣「受賞を逃した悔しさを胸に、魔王を討伐を成し遂げていただきましょう。王様、命令を」

王「おかしいよ……もうおかしくない物の方が少ないよ……魔王よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

王「……大臣、今の俺の台詞聞いておかしいと思わない?」

大臣「いいえ。ご立派でしたよ」

王「やっぱり頭おかしいよ……」
90: :2013/5/13(月) 01:34:17 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「王様、魔王が見事十面に到達しました」

大臣「しかし、魔王の正体はなんと魔王だったのです。魔王はそのまま魔王となり、魔王として支配しました」

王「日本語でおk!!もうお前の発言がおかしいよ!何かおかしいなーって思わなかった!?」

大臣「言われてみれば……一人称が我だったり、少し怪しい点はありましたね」

王「そうじゃなくてね!このレスでのお前の二度目の台詞がおかしくない!?って言ってんの!」

大臣「しかし、まさか魔王が魔王とは……すっかり騙されましたね」

王「お前だけぇ!この広い世界であれに騙されたの、お前ただ一人だよぉ!」

大臣「言い切っていいのですか?この世界には様々な人がいるのですよ」

王「言い切るよ!日本語読める奴なら瞬く間に真実を見抜くよ!」

大臣「はは、江戸川コナンじゃあるまいし」

王「コナンじゃなくても軽々見抜くわバーロー!」

大臣「じゃあそろそろ切り替えて次行きましょう。ネクストコナンズヒント!」

大臣「精神論!次の勇者はどんな奴かな!?お楽しみに!」

王「もう知ってるよ!既に名前出てるからあ!」
91: :2013/5/13(月) 01:35:04 ID:YHEhymVdsU
気持ちは勇者「どうも、気持ちは勇者です」

王「気持ちだけかよ!?実際のとこはどうなんだよ!?」

大臣「実際は町の道具屋みたいですね」

王「勇者じゃねえじゃん!いや、今まで勇者じゃねえ奴けっこう来たけども!」

気持ちは勇者「しかし、気持ちは勇者なんです!気持ちだけは勇者なんです!」

王「想いだけじゃ駄目なんだよぉ!」

大臣「想いだけでも……力だけでも……」

王「キラさんちょっと今介入するのやめてもらえます!?とにかく、気持ちだけでどう魔王倒すんだよ!?」

気持ちは勇者「脳内シミュレーションでは何度も魔王を倒しました!」

王「だからそれは現実に影響しないんだよ!そんなんでいいなら俺だってマンU移籍して12ゴール記録したわ!」

大臣「私の場合はルイージの足の裏を二時間くすぐりました」

王「お前普段どんな妄想してんのぉ!?そんなん妄想して楽しい!?」

大臣「そりゃもう爆笑ですよ。次に妄想する時は三時間いきたいですね」

王「今更だけど、お前を理解できないよ!」
92: :2013/5/13(月) 01:35:54 ID:YHEhymVdsU
大臣「で、話を勇者に戻しますが、気持ちだけじゃ駄目って言いますけども、やる気がないよりはいいですよ」

王「でもやる気だけ満々でも無駄死にコースだろうしなあ……」

気持ちは勇者「どうして私の気持ちを買ってくださらないのですか!?」

王「俺はお前を気遣って言ってやってんだけどな!気持ちだけじゃ死んじゃうからってね!」

大臣「人は時に命を賭してでも成し遂げなければならないことがあるのです」

王「魔王討伐な!それが成し遂げられないから命賭さなくてもいいんじゃね!?って言ってんの!」

気持ちは勇者「やってみなきゃわかりません!」

王「わかるよ!何だその体!?道具屋らしくぶよぶよじゃねえか!」

気持ちは勇者「脳内ではベンチプレス150kg上げました!」

王「現実的には50kgも上がらねえんじゃねえのか!?とにかく無謀だって!」

気持ちは勇者「私のこの想いがあればきっと大丈夫です!」

大臣「本人の言い分を通してあげましょう。これでマジで魔王討伐してきたら儲けもんですよ」

王「命をこんなに軽視していいのかなあ……気持ちは勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
93: :2013/5/13(月) 01:36:57 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「気持ちは勇者が一面で逃亡しました」

王「予想通りだよ!わかりきってた出来事だよ!」

大臣「勇ましくシミュレーション通りに動こうとしたそうですが、体がついてこなくて……」

王「何度も言ってたじゃん!妄想だけじゃどうしようもないよって!」

王「思うだけとか言うだけなら誰にでも出来るんだよ!それを実行し、それに伴う苦しみを乗り越えるからこそ成功があるんだよ!」

王「そういう苦しみや悲しみを想像せず、いいとこだけ妄想してうまくいくように勘違いする奴に、成功がついてくるかよ!」

大臣「何もしないで王になったあなたにだけは言われたくないでしょうね」

王「辛辣だなあ!?このSSで表現されてないだけで、俺だって努力はしてんだよ!」

大臣「頑張るだけっていうのも誰でもできますよ。考えて、実りのある努力を以て結果を出さないと、客観的には無意味ですよ」

王「そう言う考え方もあるとは思うけど、何で今俺に言うの!?結果出てねえって言いたいのかよ!?」

大臣「結果を出してるつもりだったんですか?」

王「泣きそうだよ!立派に王やってるつもりだったけど、違うんかなあ!?」
94: :2013/5/13(月) 01:38:42 ID:YHEhymVdsU
大臣「王様、大変です」

王「勇者が全滅しましたってことだろ!知ってるよ!いつものことだし!」

大臣「いいえ、違います」

王「え?違うの?」

大臣「書き溜めとネタが尽きました」

王「そういう話かよ!え、マジで尽きたの!?」

大臣「はい。ネタ切れなので、もうこの国に勇者はいません」

王「マジかよ!最後の勇者が妄想道具屋おじさんでいいのかよ!?」

大臣「仕方ないでしょう。ネタ切れ気味ですし、元々書き溜め尽きたら終わらすつもりでしたから」

王「確かに最近、死因とか適当だったね!ネタ切れだったからなのかー!でも、こんな急に終わらすって言われても!」

大臣「正直、さっきランキング載ったの知って、気持ち揺れましたけど、書き溜め尽きてるのはマジですし、尽きた時に終わらすって決めてましたから」

王「気持ち揺れたか。確かに支持してもらってランクインさせていただいた立場でありながら、その直後に終わらすのは心が痛いよね」

大臣「いや、ランキング載ったこのSSを続けたら、そのうち信者出てきて放置でも載るようになるかなーって」

王「考え方が下衆いな!?そう思う時点で屑だし、仮に思っても口に出しちゃ駄目でしょ!?」
95: :2013/5/13(月) 01:39:43 ID:YHEhymVdsU
大臣「王様、結局このスレは如何なさいますか?」

王「……終わらせよう。書き溜めが尽きるってことは、毎日更新が出来なくなるってことだし」

王「書き溜めもないまま続けて、ネタが浮かばなかったら放置になる可能性だってあるしな。それではこのスレの存在が迷惑になってしまう」

王「スレを立てた以上、終わりまでしっかり管理する義務がある。放置することなく、終えられる時に終わらせるのも大事なことだろう」

大臣「信者作れば放置でも問題ないですって」

王「お前は黙れよ!何でそんな下衆い考え方ができるんだよ!?」

大臣「王様も正直そう思ってるんでしょう?何で素直にならないんですか?」

王「思ってないよ!何で最後にこんな際どいネタすんの!?こっちはドキドキだよ!」

大臣「いやあ、せっかくランキング載りましたから、何かやりたいなーって」

王「だからってこんなことすんなよ!お前は一体どの路線を目指したいんだよ!?」

大臣「まあまあ、じゃあそろそろ話を戻しましょう」
96: :2013/5/13(月) 01:40:58 ID:YHEhymVdsU
大臣「とにかくネタ切れなので、この国の勇者は全滅しました」

王「結局ろくなのいなかったよな!この国どうなるの!?もう魔王にやられるしかないの!?」

大臣「いや……実は正確にはまだ勇者が一人残っています」

王「え?でも全滅したって……」

大臣「王様。実はあなたは伝説の勇者なのです」

王「俺が伝説の勇者……!?」

大臣「あなたには伝説の勇者の血が流れているのです」

大臣「そして代々王家に伝わる伝説の剣を手にすることで、眠っている力が目覚めるのです」

大臣「……部下よ、ただちに伝説の剣を持ってこい!」

部下「はっ」

大臣「もうすぐ部下が伝説の剣を持ってきます。それを装備することで……あなたが伝説の勇者なのだとハッキリするでしょう」

王「俺にそんな秘密があったなんて……何で先代の王は教えてくれなかったんだ」

大臣「その力を使わなくていいのなら、それが一番ですから。それを願って、あえて伝えてなかったのでしょう」
97: :2013/5/13(月) 01:41:44 ID:YHEhymVdsU
部下「持ってきました」

大臣「さあ、王様。今から装備して、伝説の勇者として目覚めるのです」

王「おお……確かに力がみなぎる!」

大臣「王様……いえ、伝説の勇者様。今こそ魔王を倒して世界に平和をもたらすのです」

王「全ては民のため……その志は王でも勇者でも変わらぬ!」

王「この伝説の勇者が今こそ世界に希望を灯そう!」

王「伝説の勇者、魔王討伐に参る!」
98: :2013/5/13(月) 01:43:04 ID:YHEhymVdsU
翌日

部下「王様が三面にてゴブリンに殺されました」

大臣「ぶっちゃけ全部嘘だったからね。何かその気になって力みなぎるとか言ってたけど」

部下「あれは聞いてるこっちが恥ずかしくなっちゃいましたよ」

大臣「王様が生きてたら「結局駄目なのかよ!?長い前振りだったな!2レスも使いやがって!」とか言いそうだよね」

部下「あー言いそうですねー」

大臣「さて、勇者全滅したから王様騙してけしかけてみたけど、結局駄目だったかー」

部下「今後どうします?」

大臣「さっさと魔王軍に降伏して、命だけは保証してもらおう」

こうして大臣は魔王軍に降伏した。世界は魔王軍の下、統一された。
意外と魔王が良い奴だったので、魔物も人も安全な生活に包まれ、幸せに過ごしたそうな。
ぶっちゃけ、数多の犠牲を出した勇者や王様は無駄死にであったとさ。

おわり
99: 名無しさん@読者の声:2013/5/13(月) 03:33:43 ID:9Vronds2to


100: 名無しさん@読者の声:2013/5/13(月) 10:42:38 ID:afcAUVa.UI
サンドイッチマンで脳内再生されてたwww
面白かったです
乙でした
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sage:


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うpろだ
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