姉「中学時代はあんなに純真無垢だったのに…一体何故…?」
弟「姉よ、朝からブツブツ怪しいぞ」
姉「起きていたのか」
弟「当たり前だ。こうして朝の挨拶をしにきて何が悪い?」
姉「ここだけを聞けばまともなのだがな」
弟「改めておはよう。姉と姉の豊満な胸よ」
姉「いいやがったよこいつ」
589: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 10:00:54 ID:4NF1gd8sDA
弟「友」
友「弟…」
弟「お前のその心遣い、とても嬉しくおもう」
友「弟…!!」
弟「俺も今朝まで勘違いしてたからな」
男「ちょ!?大丈夫なのかよそれ!!」
女「本格的にヤバイじゃん!!休んだ方がいいよ!?」
お嬢様「効能が期待出来るアロマテラピーを予約いたしますわよ?」
弟「皆…」
友「なにこの扱いの差!!」
590: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 10:14:37 ID:4NF1gd8sDA
友「とにかく、今日は授業終わったら即行で病院だな」
弟「ああ」
友「よし、そう考えたら授業なんか楽な気がしてきたぜ!!」
弟「友…」
友「姉さんが大変な目にあってるってのに、俺達が勉強なんかで足止め食らってるわけにはいかないからな!!」
男「友、後ろ」
友「あ?」クル
先生「そうかそうか、そんなに授業が楽か」
友「・・・」
先生「友には特別の難関問題を出してやろう。なぁに、お前にとっては簡単な問題ばっかりだよ」
女「・・・バカ」
弟「難関問題…やってみたいな」
お嬢様「同じくですわ…」
先生「そこ、ウズウズすんな」
591: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 14:20:24 ID:XGKLoZU7pM
友「・・・」
男「友、生きてるか?」
友「・・・」
男「・・・」
弟「返事がない。よし、友は抜きでいこう」
友「まってぇぇ!!置いてかないでぇぇ!!」
女「うっさい!!」
友「げふ!!」
お嬢様「下らない茶番はそこまでにして、早くいきませんこと?」
友「お、おう…」
592: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 14:27:04 ID:auX18HPvvY
医師「おー、来たね…って、なにやら勢揃い」
姉「君達…」
男「えっと…なんか大勢で申し訳ない」
友「姉さん!!手術頑張って下さい!!」
女「お姉さんじゃなくて、頑張るのは医師さんでしょ!!」
医師「いやいや、強ち間違いではないよ」
医師「手術の時も患者さんには頑張ってもらわないといけないことがあってね」
お嬢様「精神力…生きたいと思う心」
医師「そうそう。死んでたまるかーって強く思ってもらうんだ」
医師「非科学的だけど、中々どうして想いってのは侮れない物なんだよね」
医師「それじゃお仕事するから弟君と姉さん以外は少し出ててね」
593: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 14:36:09 ID:auX18HPvvY
医師「では、これから行う手術の説明をさせていただきます」
医師「今回行うのは赤外線により右乳房にあるガン細胞を除去するというないようになります」
医師「術後経過により(中略)なるでしょう。早ければ一週間様子見をして退院ということになります」
弟「はい」
医師「・・・ねぇ、医者と患者の暗黙のルールって知ってる?」
弟「え?」
医師「医者はね、絶対に成功するような手術でも絶対に成功させるって言っちゃいけないの。何でかわかる?」
姉「患者との…契約?」
医師「正解。万が一手術が失敗したりしたらその時点で医師免許剥奪だからね。だからさ、ドラマとかでも全力を尽くしますって言うでしょ?」
医師「ああ言っとけば、全力を尽くしたけど駄目だったって言い訳出来るからだよ」
594: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 14:39:42 ID:auX18HPvvY
医師「人を助ける仕事だけど、蓋を開ければこんなもんさ」
医師「今回の手術も、赤外線装置をマニュアル通りに使えれば失敗はしない。それくらい難度の低い手術なんだ」
医師「でも、私たちはきっとこう言うだろうね」
医師「全力を尽くします」
弟「・・・」
医師「でも、勘違いしないでね」
医師「人を助けたいと思う気持ちは誰よりも強い仕事のはずだからさ」
姉「・・・はい」
医師「・・・患者を手術実に」
595: (実じゃなく室です) ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 14:52:01 ID:bUMFwMnkxE
ウィィーン
弟「・・・」
友「弟!!姉さんは?」
弟「たった今手術室に入った」
女「大丈夫かな…」
弟「問題ない」
お嬢様「簡単な手術と言ってましたしね」
男「万が一って可能性もなくないか?」
女「な、なによ…」
男「癌が転移してる…とか?」
弟「・・・」
男「っと、不謹慎だったな…ごめん」
弟「構わない」
596: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 18:10:33 ID:04i3aITIXg
友「・・・くそ、随分長いな」
女「まだ10分も経ってないわよ」
友「まじで!?」
男「時間が経つのがいやに長く感じるな…」
女「だって…心配してるんだもん」
友「弟の奴…大丈夫だよな?」
男「さあな…見た感じは普通っぽいけど」
女「あたしたち…なんも出来ないね…」
597: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 18:15:57 ID:x3KWHfBD2A
弟「・・・」
お嬢様「何を考えているんですの?」
弟「お嬢様か…」
お嬢様「あなたの事ですから、どうせ心配なんて微塵もしてないんでしょう?」
弟「・・・ばれたか」
お嬢様「あちらは心配で気が気でないらしいですけど」
弟「俺が何を考えてるか…わかるか?」
お嬢様「・・・これからの事、ですわ」
弟「ふっ、当たりだ」
弟「なぜだろうな…お前には何もかも見透かされている気がする…」
お嬢様「そんなに不安がることはありませんわ。わたくしには見透かす能力はありませんし」
598: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 18:21:29 ID:x3KWHfBD2A
弟「運命やIfについて考えていた」
お嬢様「・・・」
弟「俺が姉と姉弟じゃなかった運命。俺が姉以外の女性と交際していた運命。女と交際していた運命」
弟「それらはほんのちょっとの選択で、いくらでも変わってしまうとな」
弟「お前との出会いもだ。俺かお前、どちらかが合コンに参加しないという選択をしてれば、今こうしてここにいることはなかった」
お嬢様「何がおっしゃりたいのですの?」
弟「運命は…残酷だなと」
お嬢様「そうでもありませんわ」
お嬢様「運命なんて、所詮人間が作ったレール。わたくしはその上をはいそうですかと歩くつもりは更々ありません」
お嬢様「わたくしは自分の意思で、選択をし、未来を作りますわ」
弟「・・・強いな」
お嬢様「強いのではありませんわ。ただ、迷ってる時間が惜しいだけですわ」
弟「・・・そうか」
599: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 18:24:50 ID:04i3aITIXg
お嬢様「それにわたくし、もしも話は一番嫌いですの」
弟「それはすまなかったな」
お嬢様「構いませんわよ」
お嬢様「心配してないなら、別の事を考えるのは当たり前ですし」
弟「お前なら、何故俺が心配しないかわかってるんじゃないか?」
お嬢様「さあ?発言は控えさせてもらいますわ」
600: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/5(土) 18:30:35 ID:04i3aITIXg
ウィィーン
友「きた!!」
弟「!!」
医師「・・・」
友「先生!!姉さんは!?」
女「ちょ、それ弟のセリフ!!」
医師「手術は成功です」
友「っっ!!よし!!」
女「だから!!なんで!!あんたが!!喜ぶの!!」
友「ぐはっ!!」
弟「・・・」
男「弟?どうした?」
医師「後遺症も、ありませんよ」
弟「・・・ありがとうございます」
601: 名無しさん@読者の声:2013/1/5(土) 23:21:13 ID:iM2L5FqJfI
もう600ですか。早いですね。
支援
602: (楽屋裏) ◆CmqzxPj4w6:2013/1/6(日) 00:48:20 ID:Q1oDtCSZsQ
>>600
ここまでくるとどう終わらせようか悩んでます
支援感謝
はい、今日はなんやかんやで少量更新申し訳ありませんでした
明日はもうちょいマシンにはなると思いますので
今日の投下を終了します
603: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/6(日) 12:17:02 ID:7Z2YiUeokA
医師「一応面会出来る状態ですが…面会します?」
友「もち…」
女「あ、ん、た、は!!」
男「友、ここは弟にいかせてやれよ」
お嬢様「そうですわ。わたくし達の出番はここまでですわ」
友「・・・それもそうだな」
友「弟!!バシッと決めてこいよ!!」
弟「・・・何を決めるかわからんが、行ってくる」
604: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/6(日) 12:24:04 ID:kTp6neQotk
姉「・・・」
弟「姉」
姉「弟か…」
姉「終わったよ…全部」
弟「・・・」
姉「お前がこうして私を入院させなかったら…私はきっと死を選んでいただろうな」
姉「今だから言えるよ。私は怖かったんだ。お前に嫌われるのが、お前が離れていくのが」
姉「お前を…ずっと…独占したかった…」ポロポロ
弟「・・・」
姉「でも、その度に私は姉だと。弟は弟だと…言い聞かせて…」
姉「でも…やっぱり無理…自分の気持ちに嘘つけない…」
姉「お前に辛い選択を迫って。未来を奪って…それでも私は…お前の事が…」
弟「姉…よく頑張ったな」
姉「!!」
姉「私は…頑張って…ない…頑張ったのは…お前の…」
弟「皆まで言うな…」
医師「(うーん…入りづらい)」
605: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/6(日) 12:44:02 ID:7Z2YiUeokA
弟「姉の退院はいつになる?」
医師「え?ああ…」
医師「様子見、精密検査等で…三日後くらいかな」
弟「三日後か…定期試験の直後だな」
弟「必ず迎えにくる」
姉「弟…」
医師「(うわ…いづらい)」
606: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/6(日) 12:47:26 ID:7Z2YiUeokA
ウィィーン
友「弟!!どうだ!?」
弟「三日後、定期試験の直後に退院らしい」
友「・・・Oh」
男「なんか、謀ったようなタイミングだな」
弟「全くだな」
お嬢様「わたくしたちは、定期試験を頑張らないといけませんね」
女「うん…お姉さんの為にも」
607: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/6(日) 12:52:02 ID:kTp6neQotk
弟「皆、今日はご苦労だった。これで解散だ」
友「はぁ…なんか心臓に悪い1日だったぜ…」
男「主にお前だけな」
友「酷い事を言いやがる」
女「なんていうか…疲れたわ」
男「お前はこれからどうするんだ?」
弟「別に、家に戻るだけだが?」
友「あり?今日はバイトないの?」
弟「店長が来るなと」
女「へぇ〜あんた頼りにされてたのに?」
弟「何か訳ありらしいな」
608: ◆CmqzxPj4w6:2013/1/6(日) 12:55:38 ID:kTp6neQotk
友「んじゃま、とにかく俺は帰らせてもらうわ」
男「俺もだ。じゃあな、皆」
女「ごめん。あたしも帰らないと。また明日ね」
弟「ああ…」
弟「さて…どうする?」
お嬢様「どうするとはなんですの?」
弟「立ち話もなんだ、喫茶店にでも入るか?」
お嬢様「エスコートはお任せしますわ」
弟「じゃあ…いくか」
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