男「だって普通逆じゃない?主人が前でメイドとか使用人は後ろにいるもんだろ」
メイド「それ、いつの時代の常識ですか?」
男「いや、最近だけど」
メイド「ご主人様、もう使用人が後ろで控えているという時代は終わったのです」
男「どんな時代だよ」
373: 1:2012/3/22(木) 19:59:38 ID:upUyOZQyEI
〜〜〜15分前〜〜〜
メイド「おかしいですね…」
メイド「先程の襲撃以来何も来ない…」
メイド「罠も無いみたいですし…これは、誘い込まれてる?」
メイド「なんにせよ…私には進むしかありませんし、構いませんが…」
メイド「ご主人様は…心配して下さるでしょうか…」
メイド「・・・自意識過剰ですね」
374: 1:2012/3/22(木) 20:02:58 ID:upUyOZQyEI
メイド「何やら広い部屋に出ましたが…」
メイド「・・・あの扉、いかにもって感じがいたしますが、きっと罠ですね」
メイド「やはりどこかに鍵が…!?」
ドゴン!!
メイド「っ!?床が割れた!?」
「フシュルルル…」
メイド「デタラメですわね、その筋肉…さぞかしボディービルの成果が出ている事で」
メイド「・・・鬼瓦?」
鬼瓦「ガァァァァ!!」ブン
375: 1:2012/3/22(木) 20:07:06 ID:upUyOZQyEI
メイド「・・・」ヒラリ
メイド「異様なまでに発達した筋肉…数日でどうにかなるとは思えない…」
メイド「薬品投与、人体実験…」
メイド「叩けば埃が出まくりですわね…全く」
鬼瓦「ガァァ!!」ブン
バゴン!!
メイド「鉄で出来た壁がめり込む…まともに当たったら大変な事になりますわね…はっ!!」
鬼瓦「グルル…」
メイド「意に介さないですか…結構力入れたつもりなんですけど…」
メイド「手加減…する必要は無さそうですね」ニコ
376: 1:2012/3/22(木) 20:11:44 ID:upUyOZQyEI
鬼瓦「ガァ!!」ブン
ゴガン!!ドゴン!!
メイド「くっ!!早くなっている!?」
鬼瓦「グァアア!!」
ドゴーン!!
メイド「動きは単調でも、緩急をつけられると咄嗟に反応しきれませんわねっ!!」バキッ!!
鬼瓦「グルル」ガシッ
メイド「しまった!!掴まれた!!」
鬼瓦「ガァァァァ!!」ビタン!!
メイド「あぐ…!!」
鬼瓦「ガァァァ!!」ブン
バキッ!!
メイド「かはっ!!」
377: 1:2012/3/22(木) 20:15:19 ID:a/MzvaxcXo
メイド「油断…しましたか…」
鬼瓦「・・・」ズンズン
メイド「体が…上手く動かない…」
鬼瓦「・・・」ズンズン
ゴゴゴゴゴ
鬼瓦「?」クルッ
メイド「う…く…」ヨロヨロ
男「メイド!?」
メイド「ご主…人様」
378: 1:2012/3/22(木) 20:17:30 ID:upUyOZQyEI
男「メイド!!しっかりしろ!!」
メイド「なん…で…」
男「血が!?大丈夫か!?」
メイド「なんで…来たんですか…」
男「決まってるだろ!!お前を一人でいかせるかよ!!」
メイド「・・・」
男「・・・鬼瓦?」
鬼瓦「フシュー」
379: 1:2012/3/22(木) 20:19:59 ID:a/MzvaxcXo
メイド「お下がり下さい…ご主人様」
メイド「あれは…勝てる相手ではありません…」
男「お前こそ、ボロボロじゃないか、休んでろ」
メイド「そうは、まいりません」
男「いいから休んでろっての!!」グイ
メイド「きゃっ」
男「・・・なんでそんな声出すかな」
メイド「ご主人様が出させたんです」
男「あのなぁ…」
鬼瓦「ガゥ!!」
380: 1:2012/3/22(木) 20:24:36 ID:a/MzvaxcXo
男「おっと…待たせたな」
男「ゲームじゃよくやるけど、人を狙うのは初めてかな?」カチャ
メイド「ご主人様!!」
鬼瓦「!?」
男「安心しろ、一瞬だ」
パシュ!!
鬼瓦「グ、ゥウウウウ」フラフラ
ズシーン!!
メイド「一体…何を…」
男「麻酔を撃ち込んだ、鯨を眠らすくらい強力なやつだ、多分二日は起きないだろ」
男「ほら、傷見せてみろ」
メイド「・・・」
男「メイド?」
メイド「触らないでくれる?」
男「!?」
381: 1:2012/3/23(金) 00:08:09 ID:0HxDtJds0Y
メイド「私がどんな思いで一人で来たか分かってるの?」
男「そんな言い方無いだろ!!心配したのに」
メイド「心配?本気?」
男「な、なにがだよ…」
メイド「私より弱くて、考え無しで、そのくせ虚栄心だけは高くて、意地っ張りで、自分の事を考えない」
メイド「そんな…貴方が心配?馬鹿も休み休み言って」
男「いや…最後は関係無いだろ…」
382: 1:2012/3/23(金) 00:10:39 ID:0HxDtJds0Y
メイド「ここからは貴方の出番はありません、早く帰りなさい」
男「何言ってんだよ!?俺も行く…」
メイド「男」
男「!!」
メイド「帰って…お願いだから…」
男「お前…それ…」
メイド「・・・」クルッ
スタスタスタスタ
383: 1:2012/3/23(金) 00:14:21 ID:0HxDtJds0Y
男「・・・」
男「メイドが名前を呼び捨てにしたって事は…契約破棄の証…」
男「なんで…だよ」
男「俺は…あいつを一人で行かせるのが嫌で…あいつは俺に来てほしくなくて…」
男「俺が…ここに来たから…契約破棄をした…」
男「なんだよ…俺、結局何も出来てないじゃねーか…」
男「それどころか…メイドを…契約破棄…」
男「・・・」
384: 1(投下終了):2012/3/23(金) 00:17:53 ID:.zQQ4y5jKw
メイド「・・・」
メイド「契約破棄、ご主人様は気づきましたよね…」
メイド「もう、あの人を、ご主人様とお呼びできない…」
メイド「・・・泣かないって決めたのに、後悔しないって決めたのに」
メイド「どうして?何故涙が止まらない?」
メイド「・・・好きです、ご主人様」
メイド「世界中の誰よりも、貴方を愛しています」
メイド「・・・今となっては、無意味ですけどね」
メイド「もう後戻りは出来ません」
メイド「菅野…覚悟をしてもらいます」
385: 1:2012/3/23(金) 15:48:29 ID:YGdwWja6oE
〜〜〜菅野の部屋〜〜〜
菅野「おや、可愛らしいメイドさんですね、なんの用ですか?」
メイド「貴方の罪を暴きに」
菅野「これはこれは…あまり怖いことを言わないように」
メイド「冗談だと思いますか?」
菅野「ここまで来たなら本気なんでしょうね」
菅野「それで?私をどうするおつもりですか?」
メイド「警察に引き渡します」
菅野「証拠も無いのにつき出されるのは御免ですよ、名誉毀損で訴え…」
メイド「人体実験、麻薬精製、誘拐拉致」
菅野「・・・」
メイド「捜査の手が入ったら…ふふ、どうなりますかね…?」
386: 1:2012/3/23(金) 15:56:52 ID:YGdwWja6oE
菅野「人体実験、麻薬精製は確かに認めよう、だが誘拐拉致に関しては否定せざるを得ないな」
メイド「確かに貴方はしてませんね、ですが指示はした」
菅野「・・・」
メイド「共犯どころか黒幕ですからね」
菅野「なるほど…これは八方塞がりかな?」
菅野「しかしながら、僕が君を捕まえれば僕は捕まらないどころか、君のご主人様達に名誉毀損で訴えられて、大金をふんだくり更に一生これをネタに脅す事も出来るね」
メイド「残念ながら…私にはもうご主人様はいません」
菅野「何?」
メイド「先程、契約破棄をいたしました、仮にこの場にご主人様がいらっしゃっても、声高々に仰るでしょう」
メイド「こんなメイド…知らない、と」
387: 1:2012/3/23(金) 16:42:48 ID:aGBdsxic0Q
菅野「くくく…ならば好都合…」ジャコ
メイド「!!」
菅野「君がここで死ねば秘密は永遠に守られるというわけだ!!」
メイド「くっ!!」
菅野「動くな、動いたら…撃つ」
メイド「・・・」
菅野「さようなら、勇敢な主人無しのメイドよ…」
パシュ!!
388: 1:2012/3/23(金) 16:45:51 ID:aGBdsxic0Q
菅野「う…ぐ…」
メイド「!?」
菅野「これ…は…麻酔…」
バタッ
メイド「ご主人様!?」
男「なんだよ、もうメイドじゃないならご主人様なんて呼ばないんじゃないのかよ」
メイド「あ…」
男「まあ、んなこといいか」
男「・・・菅野さん、やっぱり菅野さんが裏で糸を引いてたのか」
男「いい人だと、思ってたよ」
メイド「ねえ」
男「うるせえ」
389: 1:2012/3/23(金) 16:48:16 ID:aGBdsxic0Q
男「お前はもう俺のメイドじゃないなら、言うことを聞く筋合いは無いよな」
メイド「だったら…尚更こんな他人なんかに…」
男「好きだからに決まってんだろうが」
メイド「え?」
男「好きな奴を助けちゃいけないのかよ?」
メイド「え?でも…私…」
男「お前は契約破棄したからな、地位とか関係無いからな?」ニヤ
メイド「・・・あ」
390: 1:2012/3/23(金) 16:50:26 ID:aGBdsxic0Q
男「そして、俺はお前に婚約を申し込む」
メイド「は!?」
男「18で結婚出来たよな?親の許可あれば」
メイド「ちょ…」
男「おっと…そういや菅野さんを警察につき出さないとな…」
メイド「ま、待ってください!!」
男「待たない、ほら、いくぞ〜」
メイド「ちょ、ちょっと!!」
391: 1:2012/3/23(金) 16:55:16 ID:aGBdsxic0Q
父「男君」
男「父さん!!なんでここに?」
父「メイド長さんから聞いてね…外に警察を待たせてるよ…さあ、いこうか」
男「了解」
メイド「ま、待ってくださいよ!!」
男「さっきも言ったろ?待たない」
父「車があるから、それに乗ってお屋敷に先に戻ってて、メイドさんと一緒に」
男「父さんは?」
父「僕はまだやることがあるからね」
男「わかった、屋敷で待ってる」
父「うん」
バタン
父「・・・」
392: 1:2012/3/23(金) 16:59:44 ID:tKolNl3U7M
菅野「・・・油断したな」
父「凄いでしょ?僕の自慢の息子」
菅野「あの行動力を…社員に見習わせたい物だ…ぐ!!」
父「動かない方がいいよ、それかなり強力な麻酔だからね」
菅野「・・・ここまでか」
父「・・・君はいい友達だったよ」
菅野「・・・あんたはいいカモだった」
父「はは、そうかもね…でも、嘘つきよりは馬鹿でいいよ」
菅野「・・・何もかも、調べれるな」
父「やってしまった事はしょうがないでしょ」
菅野「他人事みたいに思いやがって…」
父「他人事だよ」
菅野「・・・」
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