高校生の馬鹿馬鹿しくて、
ちょっぴりセンチメンタルな
青春グラフィティ───開幕。
※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。
955: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:36:15 ID:RKZRGBLt.Q
鳴海3「留守番頼んだぞ、白雪姫さーん?」
鳴海4「材料は揃えるから、後で料理宜しくな!」
清瀬「あ、はい。分かりました」
小人達は意気揚々と家を後にしました。
鳴海5「あ、そうだ」
鳴海6「誰か来ても絶対に開けちゃ駄目だぞ?」
鳴海7「約束だからな」
そう、言い残して。
清瀬「開けたアカンて……なんでやろ?」キョト
956: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:41:18 ID:i4fPg2J7q6
小人達が狩りに出掛けている間、白雪姫は掃除に取り掛かる事にしました。
お世話になっているお礼にと、ピカピカになるまで床を磨きます。
清瀬「ふう、大分綺麗になったかな」
白雪姫が一息吐いた頃、誰かがドアをノックしました。
\ トントン /
清瀬「は、はいっ、どちら様でしょうか!」
扉の向こうで声がします。
こんにちは、林檎は如何?
少し太い、何処かで聞いた事のある男性のような声でした。
957: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:46:31 ID:i4fPg2J7q6
清瀬「えっと、でも、その……」
白雪姫は迷いました。
林檎は食べたいが、小人との約束がある。
このドアを開けていいものか、と。
桃山「あら、恐がらなくていいのよ?アタシはただの林檎売りなんだから」
清瀬「桃さん!?」バタン!
桃山「ぎゃっ!いきなり過ぎるわよ!」
林檎売りの声に反応した白雪姫は、約束も忘れてドアを開けてしまいました。
驚いた様子の林檎売りは、いつぞやの魔法使いによく似た黒いローブを身に纏ったオカマでした。
958: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:52:28 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「やっぱり桃さんや!」
桃山「桃さんって誰よ、ちょっと可愛いじゃないの」
清瀬「も、桃さんまでそんな事言わはるんですか」
桃山「何処のプリティーボーイと間違えてるか知らないけれど、アタシはただの林檎売りですぅー」
清瀬(どう考えても桃さんやねんけどなあ……)
桃山「そんな事より、これ!アンタ可愛いから特別にタダであげちゃう!」
ずい、とオカマの林檎売りが差し出したのは、赤く光った一つの林檎。
ピカピカと太陽の光を反射して、とても甘くて美味しそう。
959: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:55:28 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「これ、うちに…?」
桃山「ふふ、そうよ。可愛子ちゃんにプレゼント」
清瀬「えへへ、可愛子ちゃんやなんて」テレテレ
そう言って、白雪姫は林檎を受け取りました。
桃山「とっても甘くて美味しいのよ!食べてみて頂戴!」
清瀬「あの、ホンマに貰てもええんやろか……」
桃山「勿論よ。お友達のしるしに」ニコ
清瀬(友達…)
清瀬「ありがとうございます!」
白雪姫は涙を目に浮かべながら、貰った林檎を噛りました。
涙で歪んだ視界の先の、不適な笑みには気付かずに。
960: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:57:51 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬「うっ……!?」
林檎を飲み込んだその直後、白雪姫は喉を押さえて苦しみました。
苦しい、息が出来ない。
縋る思いでオカマの林檎売りに手を伸ばします。
清瀬「桃、さ……助けて……」
桃山「何度言ったら分かるのかしら。アタシは桃さんじゃないわよ、このちんちくりん!」
桃山「アタシは魔女。林檎売りでも何でもない、世界一美しい魔女様よ!」
何という事でしょう。
オカマの林檎売りは魔女だったのです。
真実を知らされ、ちんちくりんと罵られた白雪姫は、ぱたりと倒れてしまいました。
961: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:00:32 ID:RKZRGBLt.Q
桃山「……ふふ、うふふふ、やったー!これでアタシが世界一の──…」
鳴海1「何してやがるこのオカマー!」
魔女の後ろから飛び蹴りを食らわせたのは、狩りから戻った小人達でした。
鳴海2「あー、やっべー…間に合わなかった」
鳴海3「マジで!?白雪姫死んだのかよ!」
鳴海4「嘘だろ、おい……」
鳴海5「だから開けるなって言ったのに」
白雪姫を取り囲み、悲しみに暮れる小人達。
皆が何を言っても、白雪姫からの返事はありません。
その時、小人達の背後から魔女の叫び声が聞こえてきました。
962: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:01:28 ID:RKZRGBLt.Q
桃山「きゃー!イケメン!イケメンよー!」
魔女が指差す方に目をやると、其処にはイケメンと噂の王子様の姿がありました。
篠原「あはは、なんか楽しそうだねー」
鳴海6「王子じゃん!ナイスタイミング!」
鳴海7「あのさ、こいつ助けてやってくんね?」
篠原「ん?ちっこくて可愛い子だねー」ヘラッ
王子様が覗き込むと、白雪姫の指がぴくりと動きました。
だけど、誰もそれに気付いていません。
皆、白雪姫は死んでしまったと思い込んでいるのです。
963: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:02:13 ID:RKZRGBLt.Q
清瀬(この声は、しし、し、篠原くん!?)
清瀬(どないしよう、林檎が喉に詰まって気絶してしもただけやなんて、今更……)
そんな白雪姫の事など露知らず、小人達は一斉に言いました。
鳴海1「王子が白雪姫にする事って言ったら、何か分かるよな?」
鳴海2「キース!キース!」
篠原「えぇー…でも、それはちょっと、白雪さんにも悪いし」
鳴海3「何言ってんだよ」
鳴海4「白雪姫といえば王子のキスだろ」
篠原「そっか、それもそうだね!」
小人達に囃し立てられながら、王子様は白雪姫に覆い被さってゆきました。
ゆっくり、ゆっくりと、吐息を感じる程、近く。
篠原「白雪姫……」
964: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:05:25 ID:i4fPg2J7q6
──────‐‥
鈴木「そして白雪姫は──…」
清瀬「わーわーわー!ごめんなさいごめんなさいもう止めてー!」カァァ
鈴木「何をそんなに慌ててるの、清瀬」
清瀬「だだ、だってだってだって、そ、そんな事、うち……」
鈴木「単なる私の夢の話なのに」
一年女子「ていうか、なんであたし意地悪な姉役なのー?」
一年女子「しかもちょい役wwクッソちょい役ww」
鈴木「ごめんね、二人共モブだから」
一年女子「クッソwwクッソww」
めでたし、めでたし。
おとぎの国の清瀬さん‐fin.
965: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:09:09 ID:i4fPg2J7q6
遂に残すところ40レスを切りました…!
後一話、何かを書かいてこのスレは終わりにさせて頂こうかと思います。
恐らくレス数も余ってしまうので、ぼそぼそ何かを語らせて頂く事になるかもしれません。
それでは、これにて投下終了します。読んで下さった皆さんに最大級のありがとうを!
966: 名無しさん@読者の声:2012/7/18(水) 22:01:00 ID:xUXB9EWsRg
皆可愛すぎるw狼の橘が欲しいw
次も期待してますね(`・ω・´)
>>1000まで後少しえん!!
967: 名無しさん@読者の声:2012/7/19(木) 17:40:53 ID:EoFuB4olmQ
ピヨたん可愛いhshs
赤ずきんが一番似合うと思うw
>黒いローブを身に纏ったオカマでした。
これで飲んでたお茶吹いたw
何はともあれ支援でございまーす
968: 名無しさん@読者の声:2012/7/20(金) 18:31:39 ID:MKaRFRAGmM
まさかの夢落ちw
しかもピヨちゃんじゃなく鈴木嬢のwww
いい意味で裏切られたー!
期待以上のwktkをさんきゅーです☆
次のお話しも期待CCC
969: 名無しさん@読者の声:2012/7/22(日) 02:43:45 ID:/PfUkg98SY
1位!1位!三冠おめでとー!
次スレも楽しみにしてます(´ω`)
つCCCCCCCC
970: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:30:30 ID:2D4H6t5a5Y
>>966
あんな変態狼で宜しいのでしょうかw危険すぎて女の子を近付けられませんw
ゴールまで後少し、頑張ります!
>>967
赤ずきんは確かに似合いそうです!白雪姫は似合わないな、と想像しながら書きましたがw
楽しんで頂けて嬉しいです!
>>968
968さんの期待を裏切らなくてよかったです…!
あの語り口調の正体は鈴木でした、という安易なオチにしてしまったので少し心配だったりしたので。次も968さんに楽しんで頂けますように!
>>969
ありがとうございますうわー!
もう、何度お礼を言っても足りないくらいです。感無量です。
なかなか終わりが見えなくて飽きられないか不安でしたが、一人でも楽しみにして下さっている方が居るだけで幸せです(´;ω;`)
更新が遅くて申し訳ございません。支援感謝です。
971: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:32:21 ID:2D4H6t5a5Y
──7月某日、校内
ワイワイ ガヤガヤ…
桃山「お祭りよー!」
橘「校内でやるちょっとした催し物でよく其処まではしゃげるな」
篠原「浴衣姿でそれは説得力がないと思うよ、橘」
橘「は?俺はお前らと違ってご近所さんだし?妹と弟が浴衣がいいって言うから仕方なくだし?其処の馬鹿共と一緒にしないで貰いたいんだが?」
鳴海「もういいからかき氷食おうぜ、かき氷!」
桃山「いいわねー!アタシいちごミルク!」
篠原「じゃあ、俺はレモンにしようかなー」
橘「……まったく、これだから脳みそがガキの奴らは」ヘッ
鳴海「おい、メガネは何がいいんだよ」
橘「みぞれ一択だ」←食い気味
972: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:35:08 ID:IXBBWrnuUQ
篠原「かき氷くださーい」
一年女子「はーい、何味……イケメン先輩じゃんヤバーイ!///」
一年女子「皆さんお揃いでwwちーっすww」
橘「誰だこいつら」
鳴海「あー、鈴木達の同級生」
一年女子「今日の当番あたし達なんですよ、明日は自由なんだけどー」チラッチラッ
桃山「ふふ、残念でした!アタシ達は明日当番なのよ!篠くんに自由なんてないんだから!」
一年女子「クッソwwクッソwww」
篠原「そういえば清瀬さんと鈴木さんが居ないね」
一年女子「あの二人なら今日は当番じゃないですよ?居るのはあたし達だけー」チラッチラッ
一年女子「そこら辺に居ると思われw探してみては如何かねw」
橘「……何故か物凄く苛つく女共だな」
973: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:35:57 ID:IXBBWrnuUQ
桃山「さて、かき氷も食べたし次は林檎飴ね!」
鳴海「綿飴だろ、綿飴!」
篠原「お腹空いたから先に焼きそば買いに行こうよー」
橘「俺は喉が渇いたから何か飲み物を買ってくる」
桃山「林檎飴!」
鳴海「綿飴!」
篠原「焼きそばー!」
橘「ええい喧しい!各々目当ての物を買いに散らばればいいだけの話だろうが!解散!」
篠原「えー、鳴海小さいからはぐれたら見付けるの大変じゃん」
鳴海「マジ殴るぞお前」
桃山「じゃあ、後で此処に集合しましょうか。解散!」
974: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:36:52 ID:IXBBWrnuUQ
──焼きそば売場
篠原「うー…やっぱり焼きそばは凄い行列だなあ。最初に買いに来るべきだったかな……」ブツブツ
橘父「おや、君は確かお兄ちゃんの!」
篠原「へ?あー!橘のお父さん!妹ちゃんと弟くんも来たんだね、今晩はー」
橘妹「今晩は、ふほーしんにゅーのお兄ちゃんその1」
橘弟「おにちゃんのお祭り来たの!」
篠原「二人共、浴衣着せて貰ったんだね。可愛い可愛い」
橘父「お兄ちゃんはなかなか器用な子でね、この子達も喜んでるよ」
篠原「あはは、本当にお母さんみたいだ」
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