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3センチメンタル・ヤング・ピーポー
[8] -25 -50 

1: :2012/1/28(土) 22:24:39 ID:kbMCzVk3I2

高校生の馬鹿馬鹿しくて、

ちょっぴりセンチメンタルな

青春グラフィティ───開幕。



※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。




951: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:26:52 ID:i4fPg2J7q6

清瀬「わあ、可愛い!」


こんな素敵な家に住んでいるのは、一体どんな人だろう。

兎さん?アライグマさん?
もしかすると、妖精さんかしら?

小さな家を目の前にして、赤ずきんは心が踊る思いでした。


清瀬「はしゃいでる場合やなかった……道を訊かへんと!」


ふう、と一息、赤ずきんはドアをノックします。


清瀬「ご、ごめん下さーい」


返事はありません。


清瀬「あの、す、すみません、何方か居てはりますか?」


やはり返事はありません。


清瀬「道を訊ねたくて……、え?」


そっとドアノブに触れてみると、あっさりとドアは開いてしまいました。


952: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:27:53 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬「こ、今晩はー…誰か居てはりますか?」


恐る恐る中を覗いてみたけれど、其処には誰も居ませんでした。

テーブルの上には小さなティーカップが七つ。

その周りにも、小さな椅子が七つ。

奥にはベッドが七つ見えます。


清瀬「お邪魔しても、ええやろか」


此処には居ない住人に挨拶をして、赤ずきんは家に入る事にしました。

外は真っ暗な夜の森。

それに、今日は駆け回ってばかりでくたくたでした。

だからでしょうか。


清瀬(七人家族なんやろか……)


そんな事を考えている内に、赤ずきんは眠ってしまったのでした。



953: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:30:37 ID:i4fPg2J7q6

─────‐‥


誰かの声が聞こえます。

誰だこいつ。寝ているぞ。

少女を囲む七つの影、その中の一人が言いました。


鳴海「こいつ知ってる!白雪姫だ!」

清瀬「うひゃあ!?」


その声に驚いて飛び起きた少女。

彼女の名前は、白雪姫。

白い肌が若々しい、普通の女の子です。


清瀬「すすす、すみません!うち、寝てしもていつの間にか朝に……って、鳴海くん、が七人!?」

鳴海2「あ?鳴海?誰だそれ」

清瀬「しかも、なんかちっこい……」プププ

鳴海3「何だこいつ!失礼な奴だな!」

鳴海4「本当に白雪姫なのかよ」


954: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:31:47 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬「へ?し、白雪姫?うちは赤ずきん──…」

鳴海5「何言ってんだよ、お前白雪姫だろ。んで、俺達は七人の小人」

鳴海6「意地悪なババアから逃げて来たんだろ?」

鳴海7「心配すんなって、俺達が匿ってやるから」

清瀬「そうやったっけ……」


そうでした。

恐ろしい継母から逃れる為、白雪姫は森の中をを彷徨っていたのです。

嗚呼、可哀想な白雪姫。


鳴海1「んじゃ、オモテナシしなきゃな」

鳴海2「よっしゃー!狩りだー!」


955: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:36:15 ID:RKZRGBLt.Q

鳴海3「留守番頼んだぞ、白雪姫さーん?」

鳴海4「材料は揃えるから、後で料理宜しくな!」

清瀬「あ、はい。分かりました」


小人達は意気揚々と家を後にしました。


鳴海5「あ、そうだ」

鳴海6「誰か来ても絶対に開けちゃ駄目だぞ?」

鳴海7「約束だからな」


そう、言い残して。


清瀬「開けたアカンて……なんでやろ?」キョト


956: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:41:18 ID:i4fPg2J7q6

小人達が狩りに出掛けている間、白雪姫は掃除に取り掛かる事にしました。

お世話になっているお礼にと、ピカピカになるまで床を磨きます。


清瀬「ふう、大分綺麗になったかな」


白雪姫が一息吐いた頃、誰かがドアをノックしました。

\ トントン /


清瀬「は、はいっ、どちら様でしょうか!」


扉の向こうで声がします。

こんにちは、林檎は如何?

少し太い、何処かで聞いた事のある男性のような声でした。


957: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:46:31 ID:i4fPg2J7q6

清瀬「えっと、でも、その……」


白雪姫は迷いました。

林檎は食べたいが、小人との約束がある。

このドアを開けていいものか、と。


桃山「あら、恐がらなくていいのよ?アタシはただの林檎売りなんだから」

清瀬「桃さん!?」バタン!

桃山「ぎゃっ!いきなり過ぎるわよ!」


林檎売りの声に反応した白雪姫は、約束も忘れてドアを開けてしまいました。

驚いた様子の林檎売りは、いつぞやの魔法使いによく似た黒いローブを身に纏ったオカマでした。


958: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:52:28 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬「やっぱり桃さんや!」

桃山「桃さんって誰よ、ちょっと可愛いじゃないの」

清瀬「も、桃さんまでそんな事言わはるんですか」

桃山「何処のプリティーボーイと間違えてるか知らないけれど、アタシはただの林檎売りですぅー」

清瀬(どう考えても桃さんやねんけどなあ……)

桃山「そんな事より、これ!アンタ可愛いから特別にタダであげちゃう!」


ずい、とオカマの林檎売りが差し出したのは、赤く光った一つの林檎。

ピカピカと太陽の光を反射して、とても甘くて美味しそう。



959: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:55:28 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬「これ、うちに…?」

桃山「ふふ、そうよ。可愛子ちゃんにプレゼント」

清瀬「えへへ、可愛子ちゃんやなんて」テレテレ


そう言って、白雪姫は林檎を受け取りました。


桃山「とっても甘くて美味しいのよ!食べてみて頂戴!」

清瀬「あの、ホンマに貰てもええんやろか……」

桃山「勿論よ。お友達のしるしに」ニコ

清瀬(友達…)

清瀬「ありがとうございます!」


白雪姫は涙を目に浮かべながら、貰った林檎を噛りました。

涙で歪んだ視界の先の、不適な笑みには気付かずに。



960: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 18:57:51 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬「うっ……!?」


林檎を飲み込んだその直後、白雪姫は喉を押さえて苦しみました。

苦しい、息が出来ない。

縋る思いでオカマの林檎売りに手を伸ばします。


清瀬「桃、さ……助けて……」

桃山「何度言ったら分かるのかしら。アタシは桃さんじゃないわよ、このちんちくりん!」

桃山「アタシは魔女。林檎売りでも何でもない、世界一美しい魔女様よ!」


何という事でしょう。

オカマの林檎売りは魔女だったのです。

真実を知らされ、ちんちくりんと罵られた白雪姫は、ぱたりと倒れてしまいました。



961: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:00:32 ID:RKZRGBLt.Q

桃山「……ふふ、うふふふ、やったー!これでアタシが世界一の──…」

鳴海1「何してやがるこのオカマー!」


魔女の後ろから飛び蹴りを食らわせたのは、狩りから戻った小人達でした。


鳴海2「あー、やっべー…間に合わなかった」

鳴海3「マジで!?白雪姫死んだのかよ!」

鳴海4「嘘だろ、おい……」

鳴海5「だから開けるなって言ったのに」


白雪姫を取り囲み、悲しみに暮れる小人達。

皆が何を言っても、白雪姫からの返事はありません。

その時、小人達の背後から魔女の叫び声が聞こえてきました。



962: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:01:28 ID:RKZRGBLt.Q

桃山「きゃー!イケメン!イケメンよー!」


魔女が指差す方に目をやると、其処にはイケメンと噂の王子様の姿がありました。


篠原「あはは、なんか楽しそうだねー」

鳴海6「王子じゃん!ナイスタイミング!」

鳴海7「あのさ、こいつ助けてやってくんね?」

篠原「ん?ちっこくて可愛い子だねー」ヘラッ


王子様が覗き込むと、白雪姫の指がぴくりと動きました。

だけど、誰もそれに気付いていません。

皆、白雪姫は死んでしまったと思い込んでいるのです。



963: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:02:13 ID:RKZRGBLt.Q

清瀬(この声は、しし、し、篠原くん!?)

清瀬(どないしよう、林檎が喉に詰まって気絶してしもただけやなんて、今更……)


そんな白雪姫の事など露知らず、小人達は一斉に言いました。


鳴海1「王子が白雪姫にする事って言ったら、何か分かるよな?」

鳴海2「キース!キース!」

篠原「えぇー…でも、それはちょっと、白雪さんにも悪いし」

鳴海3「何言ってんだよ」

鳴海4「白雪姫といえば王子のキスだろ」

篠原「そっか、それもそうだね!」


小人達に囃し立てられながら、王子様は白雪姫に覆い被さってゆきました。

ゆっくり、ゆっくりと、吐息を感じる程、近く。


篠原「白雪姫……」




964: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:05:25 ID:i4fPg2J7q6

──────‐‥


鈴木「そして白雪姫は──…」

清瀬「わーわーわー!ごめんなさいごめんなさいもう止めてー!」カァァ

鈴木「何をそんなに慌ててるの、清瀬」

清瀬「だだ、だってだってだって、そ、そんな事、うち……」

鈴木「単なる私の夢の話なのに」

一年女子「ていうか、なんであたし意地悪な姉役なのー?」

一年女子「しかもちょい役wwクッソちょい役ww」

鈴木「ごめんね、二人共モブだから」

一年女子「クッソwwクッソww」


めでたし、めでたし。


 おとぎの国の清瀬さん‐fin.



965: ◆UTA.....5w:2012/7/18(水) 19:09:09 ID:i4fPg2J7q6

遂に残すところ40レスを切りました…!

後一話、何かを書かいてこのスレは終わりにさせて頂こうかと思います。
恐らくレス数も余ってしまうので、ぼそぼそ何かを語らせて頂く事になるかもしれません。

それでは、これにて投下終了します。読んで下さった皆さんに最大級のありがとうを!


966: 名無しさん@読者の声:2012/7/18(水) 22:01:00 ID:xUXB9EWsRg
皆可愛すぎるw狼の橘が欲しいw
次も期待してますね(`・ω・´)
>>1000まで後少しえん!!
967: 名無しさん@読者の声:2012/7/19(木) 17:40:53 ID:EoFuB4olmQ
ピヨたん可愛いhshs
赤ずきんが一番似合うと思うw

>黒いローブを身に纏ったオカマでした。
これで飲んでたお茶吹いたw

何はともあれ支援でございまーす
968: 名無しさん@読者の声:2012/7/20(金) 18:31:39 ID:MKaRFRAGmM
まさかの夢落ちw
しかもピヨちゃんじゃなく鈴木嬢のwww


いい意味で裏切られたー!
期待以上のwktkをさんきゅーです☆

次のお話しも期待CCC
969: 名無しさん@読者の声:2012/7/22(日) 02:43:45 ID:/PfUkg98SY
1位!1位!三冠おめでとー!
次スレも楽しみにしてます(´ω`)

つCCCCCCCC
970: ◆UTA.....5w:2012/7/25(水) 21:30:30 ID:2D4H6t5a5Y
>>966
あんな変態狼で宜しいのでしょうかw危険すぎて女の子を近付けられませんw
ゴールまで後少し、頑張ります!

>>967
赤ずきんは確かに似合いそうです!白雪姫は似合わないな、と想像しながら書きましたがw
楽しんで頂けて嬉しいです!

>>968
968さんの期待を裏切らなくてよかったです…!
あの語り口調の正体は鈴木でした、という安易なオチにしてしまったので少し心配だったりしたので。次も968さんに楽しんで頂けますように!

>>969
ありがとうございますうわー!
もう、何度お礼を言っても足りないくらいです。感無量です。
なかなか終わりが見えなくて飽きられないか不安でしたが、一人でも楽しみにして下さっている方が居るだけで幸せです(´;ω;`)


更新が遅くて申し訳ございません。支援感謝です。


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