高校生の馬鹿馬鹿しくて、
ちょっぴりセンチメンタルな
青春グラフィティ───開幕。
※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。
821: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 18:33:59 ID:TIMFA35O.w
────────
──廊下
篠原「鳴子ちゃーん!待ってよー」
鳴子「煩い!付いて来ないでよチ○カス野郎!」
男子A「まーたあいつらだよ」
男子B「チ○カスって…昼間の校内で叫ぶ事じゃないよ……」
バタバタバタ…
男子A「……あれ、鳴海ってあんなに髪長かったっけ?」
男子B「え?まさか。ましてやツインテールなんてする筈──」
A&B「ツインテールだと!?」ガタッ!
822: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 18:41:20 ID:TIMFA35O.w
──階段
篠原「あはは、鳴子ちゃんって足速いんだねー」
鳴子「何なの、アンタ…なんでそんなに余裕なの……」ゼイゼイ
男子C(……また何かやってる)
バタバタバタ…
男子C「え?……え!?」
男子C(び、びっくりしすぎて大きい声出ちゃった……)
男子C(鳴海くん…じゃないよね……)
男子C「……ツインテール」ポッ
823: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 18:48:39 ID:6EIOpSMmmI
──食堂前
篠原「鳴子ちゃん、俺もう疲れて来ちゃったー」
鳴子「ゲホゲホ……オェッ!」ハァハァ
一年女子「食った食ったwんん?あれはイケメン先輩ww」
一年女子「何処何処!イケメン先輩何処!」
バタバタバタ…
清瀬「あれ?あの私服の子……」
鈴木「!」ダッ
一年女子「ちょっとー鈴木さん何処行くのー?」
清瀬「ご、ごめん二人共!先帰っといて!鈴木さん、ま、待ってー!」ダッ
824: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:08:13 ID:Q6wGLV.EGQ
─────‐‥
篠原「ふう……鳴子ちゃん体力あるなあ……」
鈴木「」ビュン!
篠原「わっ!鈴木さん!?」
鈴木「捕まえた」ガシッ
鳴子「…っ離し──タックルのお姉さん!」
篠原「え?タックルのお姉さんって鈴木さんだったの?」
鈴木「どうも。タックル鈴木です」
篠原「止めてw真顔で変な芸名名乗らないでw」
825: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:13:06 ID:A1edcwd.s6
鈴木「どうかしたの?鳴海くんにちゃんと会えた?」
鳴子「もういいの。ボク、帰るから……」
鈴木「……」
鳴子「」シュン
鈴木(女の子、だったの……)
鈴木(……ツインテール…僕っ娘……)
鈴木(なんて可愛らしい……)
篠原「鈴木さん?なんかプルプルしてるけど大丈夫?」
鈴木「ああ、問題ない」キリッ
826: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:13:55 ID:A1edcwd.s6
清瀬「はあ、はぁ……す、鈴木さん、そない急いでどないし──…」
篠原「あ、清瀬さんだー」
清瀬「しっしし、篠原くんこんにちはどうもどうも!どうもです!」ペコペコ
鈴木「清瀬、落ち着いて」
清瀬「は、はひっ、ひっ……そうや、鈴木さん!と、」
清瀬「………鳴海くん?え?」
篠原「あはは、違う違う。鳴海の従妹なんだって。鳴子ちゃんって言うんだよー」
清瀬「ほえー、従妹さん……よう似てはりますね!」
鈴木(従妹だったの…なるほど……)
827: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:15:08 ID:A1edcwd.s6
鳴子「今度は関西人、か。確かにこの学校は色んな人が居るんだね」
篠原「へへ。でしょー?」
鳴子「……あの、二人のどっちかが鳴兄の彼女か何かなの?」
清瀬「ええぇっ!?ち、違っ…うちらはそんな、鳴海くんとはそんな…!」カアァ
篠原「あはは、二人は鳴海の友達だよ。清瀬さんと、タックルのお姉さんの鈴木さん」
鳴子「何だ、違うの。見ず知らずのボクの事追い掛けて来たりするもんだから、てっきり彼女かと思った」
清瀬「う、うちは鈴木さんを追い掛けてっ」
鈴木「私は……」
828: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:16:14 ID:Q6wGLV.EGQ
鳴子「ああ、彼女じゃないならいいんだ。ごめんなさい」
篠原「そもそも鳴海に彼女が居るなんて聞いた事ないよ?」
鳴子「そっか……居ないんだ……」
鈴木「……」ナデナデ
鳴子「……何?」
鈴木「何だか君、泣きそうな顔をしているから」
鳴子「泣きそうになんて、なってない。鳴兄が全然家に来なくなったって、あんな態度とられって全然平気なんだから」
鳴子「全然……」ポロポロ
鳴子「うわあああん!」
篠原「わー!鈴木さんが鳴子ちゃん泣かしたー!」
鈴木(ああ、どうしよう。困った……)
829: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:24:59 ID:A1edcwd.s6
──────‐‥
清瀬「あの、鳴子ちゃん…?ジュース買って来たから、飲む?」
鳴子「ありがと……」グスン
篠原「落ち着いた?」
鳴子「へへ、格好悪いとこ見せちゃった。鳴兄には言わないでね」
篠原「勿論内緒にしますとも!ね、二人共!」
鈴木「大丈夫、言わないです(可愛い可愛い可愛らしい)」
清瀬(……鈴木さん、真顔すぎてなんか怖いんやけど)ビクビク
830: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:26:22 ID:Q6wGLV.EGQ
篠原「鳴海と鳴子ちゃん、本当に仲良しなんだね」
鳴子「……そんな事ないよ。さっきも見たでしょ、鳴兄のあからさまな嫌がり方。いつも、ボクが一方的に懐いてばっかりだった」
篠原「うーん、そうかなぁ。そんな風には見えなかったけどなぁ」
鳴子「そりゃ昔はね、それなりに仲も良かったけどさ。中学生になってから、鳴兄はちょっと変わっちゃった」
鈴木「変わった…?」
鳴子「刺々しくなったっていうのかな。昔はもっと優しくて可愛かった」
鈴木「そう」
鈴木(今も結構、可愛らしいと思うんだけれど……)
831: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:27:40 ID:Q6wGLV.EGQ
鳴子「そのくらいからあんまり家に来なくなって、高校生になってからは一度も家に来てなくてね」
鳴子「……彼女でも、出来たのかなーって。家に来るよりもずっと、此処に居る方が楽しいのかなーって」
篠原「それで、こっそり此処に来てみたんだ?」
鳴子「うん……」
鈴木「寂しかったんだね、君は」
鳴子「……鳴兄が離れてっちゃったのは、ボクにだって原因があったのに。なのに、八つ当たりで皆の事酷い言い方しちゃった」
832: 投下終了です! ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:28:58 ID:Q6wGLV.EGQ
篠原「気にしなくていいよ?鳴子ちゃんの言ってる事、あってるしね。特に俺とか、橘とか」クスクス
鳴子「ごめんなさい」シュン
篠原「わー、あの、だからもう泣かないでね?ね?」
鈴木(何の事だか話が見えないけど……)
鈴木「喧嘩でも、したの?鳴海くんと」
鳴子「鳴兄はね、ずっと悩んでたんだと思う。ボクはそれを知らなかったから、あの時──」
清瀬(誰も気付いてはらへんのかもやけど、昼休み終了のチャイム鳴ってますよ……)
キーン コーン カーン コーン…
833: 名無しさん@読者の声:2012/6/7(木) 23:08:49 ID:4dzm7WtJz6
wktkwktkwktk…
最近鈴木さんが可愛くて好きです
っCCCCC
834: 名無しさん@読者の声:2012/6/8(金) 13:00:03 ID:kg/8h/oV7Y
どのキャラも魅力的だわ
好きです
しえーん
835: 名無しさん@読者の声:2012/6/10(日) 23:16:04 ID:Wdv4tK5kXU
軽めの秘密でもワクワクすっぞなおれがいるww
し・え・ん☆
次回もたのしみに待ってるからねーノシ
836: 名無しさん@読者の声:2012/6/11(月) 00:58:03 ID:/1qOccaHaM
オラもワクワクすっぞ!
この4馬鹿達アニメ化してほしいものwww
837: ◆UTA.....5w:2012/6/12(火) 02:16:48 ID:IT.GT0QV0s
>>833
鈴木にも段々愛着が湧いてきたところだったので、そう言って頂けてとても嬉しいです!
引き続き833にwktkして頂けるますように…!
>>834
4馬鹿以外のキャラも見て下さっているなんて(´;ω;`)
私はそんな嬉しい事を言って下さる834さんが大好きです!
>>835
支援か・ん・しゃ☆
がっかりされないように、しっかり練りつつ仕上げますね!
これからも835さんにワクワクして頂けますように。ありがとうございます!
>>836
あれ、こんな所に人参さんがいらっしゃる…?
いつも脳内では動き回っているのですが、実際に映像化された4馬鹿も見てみたい気はしますw
支援感謝です。投下します。
838: ◆UTA.....5w:2012/6/12(火) 02:17:36 ID:IT.GT0QV0s
「待ってよっ……!」
少女の声を背に、少年は走りました。
唇を噛みしめて、今にも泣き出しそうな顔をして。
どれ程走った頃だったでしょう。
ふと、足を止めて後ろを振り返りました。
先程来た道には誰も居ません。自分を呼び止めた、少女の姿さえ。
がむしゃらに駆けた足はじんじんと痺れ、息をするのもやっとのこと。
何故、後ろを振り返る?
一体、何を期待している?
ぽたり、と汗の雫が頬を伝い、少年の顎からアスファルトへと落ちていきました。
「──何やってんだ、俺」
【鳴海少年の憂鬱】
839: ◆UTA.....5w:2012/6/12(火) 02:27:42 ID:IT.GT0QV0s
小学生の頃、先生がこんな事を言った。
「“将来の夢”について作文を書きましょう」
皆、各々の未来予想図に胸を膨らませて、花屋さんだのサッカー選手だの、ぼんやりとした夢を再生紙に描いた。
「鳴海くんは何て書いたのかな?」
髪を耳に掛けながら、先生が笑顔で覗き込む。迷いなく滑らされた鉛筆の、不恰好な字に視線を落とした。
『お父さんと、お母さんの、しごとを手つだう』
うーん、と小さく唸ると、俺の目線の高さまで屈んで首を傾ける。
困ったように眉を寄せた先生の顔は、とても優しい笑顔だった。
840: ◆UTA.....5w:2012/6/12(火) 02:36:45 ID:IT.GT0QV0s
「お父さんとお母さんのお手伝いをして、どんな風になりたいのかな?」
そんなの、お手伝いをするって言ってるじゃんか。
「じゃあ、どうしてお手伝いをしたいと思ったのかな?作文だから、鳴海くんが思ってる事を沢山書いて欲しいの」
お父さんとお母さんが、大きくなったら手伝ってねって、そう言ったから。
「あのね、鳴海くん。先生は鳴海くんが“自分がやりたい事”を書いて欲しいの。分かるかな」
分からないよ、先生。
だって俺は、大きくなったらお手伝いをするんだ。立派な大人になるんだよ。
「鳴海くん、それは──」
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