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3センチメンタル・ヤング・ピーポー
[8] -25 -50 

1: :2012/1/28(土) 22:24:39 ID:kbMCzVk3I2

高校生の馬鹿馬鹿しくて、

ちょっぴりセンチメンタルな

青春グラフィティ───開幕。



※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。




821: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 18:33:59 ID:TIMFA35O.w

────────

──廊下


篠原「鳴子ちゃーん!待ってよー」

鳴子「煩い!付いて来ないでよチ○カス野郎!」

男子A「まーたあいつらだよ」

男子B「チ○カスって…昼間の校内で叫ぶ事じゃないよ……」

バタバタバタ…

男子A「……あれ、鳴海ってあんなに髪長かったっけ?」

男子B「え?まさか。ましてやツインテールなんてする筈──」

A&B「ツインテールだと!?」ガタッ!


822: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 18:41:20 ID:TIMFA35O.w

──階段


篠原「あはは、鳴子ちゃんって足速いんだねー」

鳴子「何なの、アンタ…なんでそんなに余裕なの……」ゼイゼイ

男子C(……また何かやってる)

バタバタバタ…

男子C「え?……え!?」

男子C(び、びっくりしすぎて大きい声出ちゃった……)

男子C(鳴海くん…じゃないよね……)

男子C「……ツインテール」ポッ


823: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 18:48:39 ID:6EIOpSMmmI

──食堂前


篠原「鳴子ちゃん、俺もう疲れて来ちゃったー」

鳴子「ゲホゲホ……オェッ!」ハァハァ

一年女子「食った食ったwんん?あれはイケメン先輩ww」

一年女子「何処何処!イケメン先輩何処!」

バタバタバタ…

清瀬「あれ?あの私服の子……」

鈴木「!」ダッ

一年女子「ちょっとー鈴木さん何処行くのー?」

清瀬「ご、ごめん二人共!先帰っといて!鈴木さん、ま、待ってー!」ダッ


824: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:08:13 ID:Q6wGLV.EGQ

─────‐‥


篠原「ふう……鳴子ちゃん体力あるなあ……」

鈴木「」ビュン!

篠原「わっ!鈴木さん!?」

鈴木「捕まえた」ガシッ

鳴子「…っ離し──タックルのお姉さん!」

篠原「え?タックルのお姉さんって鈴木さんだったの?」

鈴木「どうも。タックル鈴木です」

篠原「止めてw真顔で変な芸名名乗らないでw」


825: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:13:06 ID:A1edcwd.s6

鈴木「どうかしたの?鳴海くんにちゃんと会えた?」

鳴子「もういいの。ボク、帰るから……」

鈴木「……」

鳴子「」シュン

鈴木(女の子、だったの……)

鈴木(……ツインテール…僕っ娘……)

鈴木(なんて可愛らしい……)

篠原「鈴木さん?なんかプルプルしてるけど大丈夫?」

鈴木「ああ、問題ない」キリッ


826: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:13:55 ID:A1edcwd.s6

清瀬「はあ、はぁ……す、鈴木さん、そない急いでどないし──…」

篠原「あ、清瀬さんだー」

清瀬「しっしし、篠原くんこんにちはどうもどうも!どうもです!」ペコペコ

鈴木「清瀬、落ち着いて」

清瀬「は、はひっ、ひっ……そうや、鈴木さん!と、」

清瀬「………鳴海くん?え?」

篠原「あはは、違う違う。鳴海の従妹なんだって。鳴子ちゃんって言うんだよー」

清瀬「ほえー、従妹さん……よう似てはりますね!」

鈴木(従妹だったの…なるほど……)


827: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:15:08 ID:A1edcwd.s6

鳴子「今度は関西人、か。確かにこの学校は色んな人が居るんだね」

篠原「へへ。でしょー?」

鳴子「……あの、二人のどっちかが鳴兄の彼女か何かなの?」

清瀬「ええぇっ!?ち、違っ…うちらはそんな、鳴海くんとはそんな…!」カアァ

篠原「あはは、二人は鳴海の友達だよ。清瀬さんと、タックルのお姉さんの鈴木さん」

鳴子「何だ、違うの。見ず知らずのボクの事追い掛けて来たりするもんだから、てっきり彼女かと思った」

清瀬「う、うちは鈴木さんを追い掛けてっ」

鈴木「私は……」


828: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:16:14 ID:Q6wGLV.EGQ

鳴子「ああ、彼女じゃないならいいんだ。ごめんなさい」

篠原「そもそも鳴海に彼女が居るなんて聞いた事ないよ?」

鳴子「そっか……居ないんだ……」

鈴木「……」ナデナデ

鳴子「……何?」

鈴木「何だか君、泣きそうな顔をしているから」

鳴子「泣きそうになんて、なってない。鳴兄が全然家に来なくなったって、あんな態度とられって全然平気なんだから」

鳴子「全然……」ポロポロ

鳴子「うわあああん!」

篠原「わー!鈴木さんが鳴子ちゃん泣かしたー!」

鈴木(ああ、どうしよう。困った……)


829: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:24:59 ID:A1edcwd.s6

──────‐‥


清瀬「あの、鳴子ちゃん…?ジュース買って来たから、飲む?」

鳴子「ありがと……」グスン

篠原「落ち着いた?」

鳴子「へへ、格好悪いとこ見せちゃった。鳴兄には言わないでね」

篠原「勿論内緒にしますとも!ね、二人共!」

鈴木「大丈夫、言わないです(可愛い可愛い可愛らしい)」

清瀬(……鈴木さん、真顔すぎてなんか怖いんやけど)ビクビク


830: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:26:22 ID:Q6wGLV.EGQ

篠原「鳴海と鳴子ちゃん、本当に仲良しなんだね」

鳴子「……そんな事ないよ。さっきも見たでしょ、鳴兄のあからさまな嫌がり方。いつも、ボクが一方的に懐いてばっかりだった」

篠原「うーん、そうかなぁ。そんな風には見えなかったけどなぁ」

鳴子「そりゃ昔はね、それなりに仲も良かったけどさ。中学生になってから、鳴兄はちょっと変わっちゃった」

鈴木「変わった…?」

鳴子「刺々しくなったっていうのかな。昔はもっと優しくて可愛かった」

鈴木「そう」

鈴木(今も結構、可愛らしいと思うんだけれど……)


831: ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:27:40 ID:Q6wGLV.EGQ

鳴子「そのくらいからあんまり家に来なくなって、高校生になってからは一度も家に来てなくてね」

鳴子「……彼女でも、出来たのかなーって。家に来るよりもずっと、此処に居る方が楽しいのかなーって」

篠原「それで、こっそり此処に来てみたんだ?」

鳴子「うん……」

鈴木「寂しかったんだね、君は」

鳴子「……鳴兄が離れてっちゃったのは、ボクにだって原因があったのに。なのに、八つ当たりで皆の事酷い言い方しちゃった」


832: 投下終了です! ◆UTA.....5w:2012/6/7(木) 20:28:58 ID:Q6wGLV.EGQ

篠原「気にしなくていいよ?鳴子ちゃんの言ってる事、あってるしね。特に俺とか、橘とか」クスクス

鳴子「ごめんなさい」シュン

篠原「わー、あの、だからもう泣かないでね?ね?」

鈴木(何の事だか話が見えないけど……)

鈴木「喧嘩でも、したの?鳴海くんと」

鳴子「鳴兄はね、ずっと悩んでたんだと思う。ボクはそれを知らなかったから、あの時──」


清瀬(誰も気付いてはらへんのかもやけど、昼休み終了のチャイム鳴ってますよ……)

キーン コーン カーン コーン…


833: 名無しさん@読者の声:2012/6/7(木) 23:08:49 ID:4dzm7WtJz6
wktkwktkwktk…
最近鈴木さんが可愛くて好きです

っCCCCC
834: 名無しさん@読者の声:2012/6/8(金) 13:00:03 ID:kg/8h/oV7Y
どのキャラも魅力的だわ
好きです

しえーん
835: 名無しさん@読者の声:2012/6/10(日) 23:16:04 ID:Wdv4tK5kXU
軽めの秘密でもワクワクすっぞなおれがいるww


し・え・ん☆
次回もたのしみに待ってるからねーノシ

836: 名無しさん@読者の声:2012/6/11(月) 00:58:03 ID:/1qOccaHaM
オラもワクワクすっぞ!
この4馬鹿達アニメ化してほしいものwww
837: ◆UTA.....5w:2012/6/12(火) 02:16:48 ID:IT.GT0QV0s

>>833
鈴木にも段々愛着が湧いてきたところだったので、そう言って頂けてとても嬉しいです!
引き続き833にwktkして頂けるますように…!

>>834
4馬鹿以外のキャラも見て下さっているなんて(´;ω;`)
私はそんな嬉しい事を言って下さる834さんが大好きです!

>>835
支援か・ん・しゃ☆
がっかりされないように、しっかり練りつつ仕上げますね!
これからも835さんにワクワクして頂けますように。ありがとうございます!

>>836
あれ、こんな所に人参さんがいらっしゃる…?
いつも脳内では動き回っているのですが、実際に映像化された4馬鹿も見てみたい気はしますw


支援感謝です。投下します。


838: ◆UTA.....5w:2012/6/12(火) 02:17:36 ID:IT.GT0QV0s

「待ってよっ……!」

少女の声を背に、少年は走りました。
唇を噛みしめて、今にも泣き出しそうな顔をして。

どれ程走った頃だったでしょう。
ふと、足を止めて後ろを振り返りました。

先程来た道には誰も居ません。自分を呼び止めた、少女の姿さえ。
がむしゃらに駆けた足はじんじんと痺れ、息をするのもやっとのこと。

何故、後ろを振り返る?
一体、何を期待している?

ぽたり、と汗の雫が頬を伝い、少年の顎からアスファルトへと落ちていきました。

「──何やってんだ、俺」



【鳴海少年の憂鬱】


839: ◆UTA.....5w:2012/6/12(火) 02:27:42 ID:IT.GT0QV0s

小学生の頃、先生がこんな事を言った。

「“将来の夢”について作文を書きましょう」

皆、各々の未来予想図に胸を膨らませて、花屋さんだのサッカー選手だの、ぼんやりとした夢を再生紙に描いた。

「鳴海くんは何て書いたのかな?」

髪を耳に掛けながら、先生が笑顔で覗き込む。迷いなく滑らされた鉛筆の、不恰好な字に視線を落とした。

『お父さんと、お母さんの、しごとを手つだう』

うーん、と小さく唸ると、俺の目線の高さまで屈んで首を傾ける。
困ったように眉を寄せた先生の顔は、とても優しい笑顔だった。


840: ◆UTA.....5w:2012/6/12(火) 02:36:45 ID:IT.GT0QV0s

「お父さんとお母さんのお手伝いをして、どんな風になりたいのかな?」

そんなの、お手伝いをするって言ってるじゃんか。

「じゃあ、どうしてお手伝いをしたいと思ったのかな?作文だから、鳴海くんが思ってる事を沢山書いて欲しいの」

お父さんとお母さんが、大きくなったら手伝ってねって、そう言ったから。

「あのね、鳴海くん。先生は鳴海くんが“自分がやりたい事”を書いて欲しいの。分かるかな」

分からないよ、先生。
だって俺は、大きくなったらお手伝いをするんだ。立派な大人になるんだよ。

「鳴海くん、それは──」


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