2chまとめサイトモバイル

2chまとめサイトモバイル 掲示板
3センチメンタル・ヤング・ピーポー
[8] -25 -50 

1: :2012/1/28(土) 22:24:39 ID:kbMCzVk3I2

高校生の馬鹿馬鹿しくて、

ちょっぴりセンチメンタルな

青春グラフィティ───開幕。



※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。




623: 名無しさん@読者の声:2012/4/23(月) 00:42:55 ID:XEEA7YfXao
四円玉あげるよ(=゚ω゚)ノC
624: 名無しさん@読者の声:2012/4/24(火) 14:11:07 ID:LhEuo8s/Xw
まだかなまだかな
っCCCCC
625: ◆UTA.....5w:2012/4/25(水) 19:16:09 ID:N6q1VNB4fA

>>619
何という可愛さ…!
嬉しいですわっしょい!

>>620
何だかもう、その通りです。上手い伝え方が出来ず、回りくどい表現ばかりで申し訳ございません。
分かり易い解説をして下さってありがとうございます…!

>>621
621さんのように応援して下さる方が居るにも関わらず、滞り気味で申し訳ございません。
加えて読みにくい文体でつらつらと…早く通常営業に戻せるように頑張りますね!

>>622
おおう、いつか描いて頂ければ嬉しいですね(*´・ω・`*)
絵師さーんw

>>623
⊃C⊂ ギュッ
ありがとうございます!

>>624
停滞気味で申し訳ございません。
こんなSSの更新を待っていて下さる方がいらっしゃる事、凄く励みになっています。本当に…!


沢山の支援に感謝です!
また後で投下しに来ます。


626: ◆UTA.....5w:2012/4/25(水) 20:44:21 ID:pqZGoxczPA

声を震わせながら母さんは言った。

「貴方を愛しているのと同じように、私はこの子を愛しているの」

そっとリビングを覗き込むと、母さんは妹にするのと同じように、優しく自分のお腹を撫でていた。
その時、何となく思った。自分もあの優しい手に撫でられていたのではないか。
同じように、腹の中で眠っている俺に、愛していると言ってくれていたのではないか。

こんな状況下で何を考えているのか自分でも些か疑問ではあるが、じわりと広がる胸の温もりは、恐らく母さんの愛情を自覚した証なのだろう。

「お願いよ、貴方もこの子を愛しているでしょう?」

母さんの問い掛けに、父さんはテーブルに量肘を突いたまま頭を抱えてしまった。


627: ◆UTA.....5w:2012/4/25(水) 21:01:56 ID:pqZGoxczPA

「……愛しているに決まってるじゃないか」

そう答えた父さんの声は、疲れ切っているようだった。

「愛しているからこそ、選ぶなんて出来ないよ」

だけど、と付け加えて、父さんが顔を上げる。涙がキラキラとした光の粒に変わり、テーブルの上で細かく弾けた。

「君を失ってしまったら、俺はどうやって生きていけばいい?」

教えてくれと、縋るような目で父さんが母さんを見上げる。見てはいけないものを見てしまっている気がするが、その場を離れる事が出来なかった。

失うとは、どういう意味なのだろう……?


628: ◆UTA.....5w:2012/4/25(水) 21:20:11 ID:N6q1VNB4fA

「お兄ちゃんは本当に何でも出来る子なの。何も言う事がないくらいだけれど、甘え下手なのは貴方に似たのかもしれないわね」

母さんが突拍子もない事を口走るものだから、父さんは訝しげに眉を潜めていた。
少女のようにコロコロと笑いながら、母さんは続ける。

「妹ちゃんね、最近お絵描きが大好きなのよ。とっても綺麗な色を使うの。私の背中に虹色の羽根を生やしてくれたのよ」

そうして再びお腹を撫でる。優しい目をして、いとおしそうに。
まるで、今まさにその腕に抱いているかのように、其処に視線を落としながら。


629: ◆UTA.....5w:2012/4/25(水) 22:09:01 ID:N6q1VNB4fA

「この子もきっと、元気で可愛い子に育つわ。だって、貴方と私の子なんだもの」

母さんの手が父さんのそれと重なって、まだ見ぬ我が子にそっと触れた。父さんはその手を払う事もせず、テーブルに顔を伏せて肩を震わせる。
それに釣られるように、母さんは表情をくしゃりと歪ませた。それでも笑顔を浮かべながら、首を傾ける。

「お願いよ、私にこの子を守らせて頂戴」

ぽとりと一粒、雫が落ちる。
重なった手の上で弾けた涙は、父さんを言い負かせるのに十分なものだったのかもしれない。

「あ、ああぁ…俺には、俺には何もしてやれないのかっ……俺にはっ!」


630: ◆UTA.....5w:2012/4/25(水) 22:25:30 ID:N6q1VNB4fA

俺が見ている事にも気付かず、しゃくり上げて泣く父さんの姿は、叱られた後の妹に何処か似ていた。
上手く呼吸を整えられず、肩を上下に揺らせて。子供のように、涙を流す父さん。

「母さん、…っ母さん……お願いだ、俺を一人にしないでくれ…」

そんな父さんの頭を、母さんはゆったりと抱き締めた。お腹に耳を当てるような体勢で、父さんの腕が母さんの腰に回される。

「私の事を名前で呼ばなくなったのは、いつの頃だったかしら。私達、お父さんとお母さんになれたのよ。あの子達にとっても、この子にとっても」

貴方は一人じゃないでしょう、母さんが笑った顔が、俺にはとても悲しく思えた。

二人の話の内容を、母さんの決意を、子供の俺には理解する事は出来なかったけれど。
何処かに行ってしまった尿意と、その代わりに溢れる涙は、事の重大さを感じ取っていた証だったのかもしれない。


631: ◆UTA.....5w:2012/4/25(水) 22:26:27 ID:pqZGoxczPA

短いですが、これにて投下終了します。
今日も読んで下さった皆さんに感謝です!


632: 名無しさん@読者の声:2012/4/26(木) 00:03:14 ID:807QqOCvBI
ちょちょちょっと?!
あなたはもしかしてまとめ入りしてる方ですか?!

違ったらごめんなさい!!

つCCCCCCC
633: 名無しさん@読者の声:2012/4/26(木) 13:33:09 ID:I7Ry/eoewM
シリアスな場面なのに尿意でちょっと笑ってしまったwww

っCCCCC
634: CCCCC:2012/4/26(木) 16:48:53 ID:N1ZTg0WOrs
続きはよ



はよ
635: 名無しさん@読者の声:2012/4/27(金) 17:17:29 ID:m3zW5siTzA
何度でもCあげる!

っCC
っCCC
っCCCC
っCCCCC
636: 名無しさん@読者の声:2012/4/29(日) 22:18:01 ID:EQqcqvdMMc
待ってます(`・ω・´)

>>1さんのペースでよいよ!
支援!
637: 名無しさん@読者の声:2012/5/1(火) 12:30:58 ID:Es8OnaRa8Q
CCCCCCCC
638: ◆UTA.....5w:2012/5/2(水) 00:56:53 ID:ryZhY5jGUY

>>632
ご想像にお任せします、という逃げ方はありでしょうか…?
632さんが思った方と同一である事を願いますw

>>633
私も少し、この表現はどうだろうと思いましたw
文字で表す事の難しさをひしひしと感じています。

>>634
毎度の事ながらお待たせしてしまって申し訳ございません…!
もう少しで私生活も落ち着くかと思いますので、更新率を上げられるように努力したいと思います。

>>635
沢山沢山ありがとうございます!
凄く嬉しいです。本当にありがとうございます。

>>636
どうして皆さん、そんなに優しいのでしょうか。皆さんに優しい言葉を掛けて頂く度に、有難さと申し訳ない気持ちで胸が一杯になります…orz

>>637
⊃C⊂ ギュッ×8
ありがとうございます!


更新率が右肩下がりで本当に申し訳ございません。それでもこうして支援して下さる方が居る事に、感謝の意を述べずにいられません。
停滞気味ですが、放置はしませんので気長にお待ち頂けると幸いです。


639: 名無しさん@読者の声:2012/5/2(水) 04:54:01 ID:bFdYpcHwkY
何かこう…1がいい人だから応援したくなるんだよね
リアルが一番大事なんだから気にしないでゆっくりしていいんだよ

つCCCCC
つ愛
640: ◆UTA.....5w:2012/5/2(水) 15:19:27 ID:8asKCdS6D2

 ***


両親の意味深な話し合いを目撃してから数ヶ月、母さんはあっけなくこの世を去った。

子宮に癌腫瘍が発見された母さんは、堕胎を拒否。通院で治療を進めるも、若さ故に進行は速く、次第に容態も悪化していったそうだ。
尤も、俺と妹には死に至るその時まで、そんな姿を決して見せはしなかったのだが。

意識を失った母さんの体から帝王切開で取り出された赤ん坊は、二千グラムにも満たない未熟児だった。

母さんが命を掛けて守った俺の弟は、透明な箱の中に閉じ込められていた。鼻に管を通されて、自力で呼吸すら上手く出来ないようだ。

なんて無力な、小さな命だろう。
硝子越しに弟を見て、ただ素直にそう思った。

それはお前も同じだと今なら言ってやれるのだけど、生憎そういう訳にもいかない。
当時の俺もまた、無力なただの小学生だった。


641: ◆UTA.....5w:2012/5/2(水) 15:20:05 ID:8asKCdS6D2

無力な小学生には、やはり何もする事は出来ず、現実味も湧かないままに喪に服した。

「どうしてあの子が死ななければいけなかったの…!」

「可哀想に…子供には母親が必要なのは君も分かっているだろう」

「可能性を分かっていながら知らんぷりだなんて、人の血が流れていないのかしら」

父さんを取り囲んで、まくし立てる母さんの親族。立ち込める線香の香り、啜り泣く声。

そして、ピクリともしない母さん。

そのどれもが俺の知らないものばかりで、何処か別の次元に飛ばされたような気分だった。


642: ◆UTA.....5w:2012/5/2(水) 15:20:53 ID:xwHNq4GmIw

「にーたん、いちゃいちゃいの?」

一人呆けていた俺の横で、妹は心配そうに下から覗き込んだ。
死というものを理解していない妹に、俺の気持ちなんて分からないのだろう。

「いちゃいちゃいとんでけする?」

いつもの調子で俺に声を掛ける妹が、今ばかりは唯一の救いだった。
何処かへ飛ばされそうな意識を、舌足らずな妹の声だけが引き戻してくれる。

「いちゃいちゃいの、とんでけ!いちゃいちゃい、とんでけ!」

精一杯の力を込めて、俺の中にある“痛いの”とやらを飛ばしてくれているのだろう。
妹は呪文のように何度も繰り返し、顔を真っ赤にさせていた。


396.66 KBytes

名前:
sage:


[1] 1- [2] [3]最10

[4]最25 [5]最50 [6]最75

[*]前20 [0]戻る [#]次20

うpろだ
スレ機能】【顔文字