高校生の馬鹿馬鹿しくて、
ちょっぴりセンチメンタルな
青春グラフィティ───開幕。
※登場人物が増える予定の為、名前を付けています。
149: ◆UTA.....5w:2012/2/6(月) 21:39:46 ID:jXkubC9c3g
桃姉「む、皆まで何を固まっている」
篠原「…ハッ!あ、篠原です」
鳴海「…っ…鳴海っす…」プクク
橘「どうも、橘です」
桃姉「ああ、宜しく。さぁ、こんな所に立っていないで中に入るといい」
桃山「……皆、上がって」ニコ
鳴海「…っ」←笑いを堪えてる
150: ◆UTA.....5w:2012/2/6(月) 21:44:34 ID:jXkubC9c3g
──リビング
桃山「ただいま、母さん」
桃母「お帰りー…あら、お友達?」
一同「お邪魔します」ペコリ
桃山「今日、皆でテスト勉強しようと思うんだ。泊まるつもりだけどいいかな?」
桃母「勿論よ。じゃあ、夕飯張り切って作らなくちゃね〜」ニコニコ
桃母「お母さん早速お買い物行ってくるから、皆さんごゆっくり♪」
151: ◆UTA.....5w:2012/2/6(月) 21:53:16 ID:jvh.yzQUbQ
──桃山の部屋
篠原「あれぇ?もっと女の子みたいな部屋かと思ってた」
桃山「家では普通の息子なのよ?そんな訳ないでしょ!アンタ達が居るお陰で変な汗掻いた……」
鳴海「…くくっ、うはは、あははははは!ひーっ!」バンバン
桃山「そんなに笑わないでよ…」
152: ◆UTA.....5w:2012/2/6(月) 22:00:10 ID:jvh.yzQUbQ
橘「中性的すぎて見当が付かなかったが、姉だったんだな」
篠原「桃ちゃんと何となく似てるね。喋り方は変だけど」
桃山「姉は昔から女の子っぽくないのよ。女子校でモテモテらしいわよ」
鳴海「あっはははは!」
桃山「アンタちょっと笑い過ぎよっ」ペシッ
153: ◆UTA.....5w:2012/2/6(月) 22:08:02 ID:jXkubC9c3g
桃山「そもそも、アタシがこうなったのは姉の所為でもあるの」
篠原「お姉さんの?なんで?」
桃山「そうね、話せば長くなるんだけれど…」
鳴海「じゃあいいわ」
橘「オカマの性癖に興味なんぞないしな」
桃山「あれは、アタシがまだ一人称が“僕”の頃だったわ──」
橘「始めるのかよ」
154: ◆UTA.....5w:2012/2/6(月) 22:11:35 ID:jvh.yzQUbQ
これにて投下終了です。
次は番外編のようなもので、桃山の過去話を投下する予定です。随時と文体を変えての投下になりますが宜しくお願いします。
此処まで読んで下さってありがとうございます!
155: ◆UTA.....5w:2012/2/6(月) 22:12:55 ID:jvh.yzQUbQ
「随分と」でした(´・ω・`)
156: 名無しさん@読者の声:2012/2/7(火) 03:29:01 ID:R4AFrbnJ1A
wktk
パンツは脱いだ方がいい?
っC
157: 名無しさん@読者の声:2012/2/7(火) 21:37:48 ID:aTgMsJ/gf2
CCCCC
158: ◆UTA.....5w:2012/2/8(水) 21:19:20 ID:wAgwHO0MNI
>>156
アッー!パンツは履いておいて頂きたいですw
今日は凄く寒いですし、風邪を引いてしまいますので。パンツのみならず、服もお願いします…!
>>157
Cがいっぱい嬉しいです(*´∀`*)
冷えた体が暖まるようです。
支援感謝です!投下開始します。
159: ◆UTA.....5w:2012/2/8(水) 21:22:32 ID:Cj04wZXecw
【桃山少年の憂鬱】
文化祭──学生達が自らの案を出し、日常の活動による成果の発表などの目的で行われる学校行事である。(一部Wikipediaより引用)
二学期に入った今、僕達の中学でも、文化祭に向けての準備が始まろうとしていた。中学三年生、最後の文化祭。これが終われば一気に受験モードへと切り替わる所為か、皆真剣に取り組んでいるようだ。
「桃山くん、これ着てみてよ」
クラスメイトの女子が、僕に向かってコスプレ衣装(所謂メイド服というやつだ)をピラピラと広げながら差し出してきた。
「無茶言わないでよ。大体、メイド服は女子が着るんだろ?」
前言撤回。真剣であって、そうでない。“最後のお遊び”に一生懸命になっているだけなのだろう。
160: ◆UTA.....5w:2012/2/8(水) 21:32:08 ID:bpXWVrAic2
「えー…絶対似合うのにぃ。桃山くんのお姉ちゃんも一昨年男装してたじゃない」
「中学生活最後の文化祭で、姉弟揃って異性の格好しろって言うの?」
「お姉ちゃんは格好良かったし、桃山くんもきっと可愛くなるよ。そしたら伝説の姉弟として語り継がれるかも……なんて」
ごめんなさい、と紺色のプリーツスカートを翻し、女子生徒はメイド服を持って僕の元を去って行く。
嗚呼、違うんだ。待ってくれ。心の中でそう懇願しても、黒いエプロンドレスは僕の元へ戻ってくる事はなかった。
161: ◆UTA.....5w:2012/2/8(水) 21:42:28 ID:qL3BUknhLU
僕達のクラスの催し物は、仮装喫茶店という何とも心惹かれるものだった。各々で衣装を用意し、それを身に纏って接客をする。
僕がメイド服を着る、唯一のチャンスだった。
釈明しておくが、僕は決してコスプレが好きな訳じゃなければ、メイドさんに萌えるオタクという訳でもない。
ただ、あの衣装を着たかっただけなのだ。あの滑らかな曲線を描くパフスリーブの黒いワンピースに、フリルが施されたエプロン、髪飾りに勝るとも劣らないホワイトブリム──恐らくこれから先、僕には縁がないであろう代物。
ただ、それをこの身に纏ってみたいだけなのだ。
162: ◆UTA.....5w:2012/2/8(水) 21:54:48 ID:As22E0pO8E
***
「桃山くんのメイドさん、私は少し見てみたかったな」
オレンジ色に照らされて愛らしく微笑むこの子は、同じクラスの梅川さん。僕の彼女である。
がさつな他の女子とは違って、彼女はとてもたおやかだ。清楚で淑やかな彼女こそ、大和撫子と呼ぶに相応しいと僕は思う。
「梅川さんこそ、裏方なんて。きっと、凄く似合うと思うのに」
ふと、脳裏に彼女の姿を浮かべて口元を緩める。僕の脳の奥で、エプロンドレスを纏った梅川さんは恥ずかしそうにはにかんでいた。
可愛い。間違いなく可愛い。僕が彼女なら、迷う事なく袖を通すというのに。
163: ◆UTA.....5w:2012/2/8(水) 22:11:25 ID:XZM9R81ObI
それなのに梅川さんときたら困ったように眉を寄せて、僕にこう言った。
「私には似合わないわ」
ふわり、風に揺れる黒い髪はレースカーテンのように柔らかく流れる。憎たらしい言葉を発する唇は桜色。伏せられた睫毛は、マッチ棒を乗せられる程に長い。
これ程までに、美少女という言葉が当て嵌まる少女が居るのだろうか。
そんな彼女が、一体何を謙遜する事があるのだろう。僕なんて、男という性別を乗り越えてでも袖を通したいと思っているのに。
人の気も知らないで、まったく失礼な女子である。
164: ◆UTA.....5w:2012/2/8(水) 22:21:42 ID:ki46t9YtMY
「どうして着たがらないのかしら……あんなに可愛いのに」
長い影を伸ばして去って行く梅川さんの後ろ姿を見つめながら、溜め息混じりに呟いた。
思わず口をついて出た言葉に、慌てて口元を押さえる。キョロキョロと辺りを見渡して周りに人が居ないのを確認すると、自然と安堵の吐息が洩れた。
──僕には、誰にも言えない秘密があるのだ。
「アタシの気持ちなんて、誰にも分からないのよね…」
僕の秘密。それは、まごうことなく、この隠された裏の顔である。
165: ◆UTA.....5w:2012/2/8(水) 22:25:25 ID:JlaWwk8fx.
これにて投下終了します。
突然の小説体で読みづらいかとは思いますが、お付き合い頂けると幸いです。
此処まで読んで下さってありがとうございます!
166: 名無しさん@読者の声:2012/2/9(木) 09:04:59 ID:t/3Pct9RoE
文体変わりすぎてビビったww
支援!支援!
167: ◆UTA.....5w:2012/2/11(土) 11:11:16 ID:jNoOxKjX8o
>>166
驚かせてしまってすみません、衝動が抑えられずにやってしまいましたw
この話が終わったらいつもの文体に戻りますので、どうかそれまでお付き合い下さい。
間が空いてしまってすみません。投下します。
168: ◆UTA.....5w:2012/2/11(土) 11:17:03 ID:Q7te1ItLPI
僕がこうなってしまったのにも、それなりの理由がある。
クラスの女子も言っていたように、僕には姉が一人居る。
一昨年の文化祭、当時中学三年生だった姉は、体育館のステージの上で王子様を演じていた。男子生徒を差し置いての、クラスの女子達の熱烈なラブコールによるものだったらしい。
結果、姉には多くのファンがつき、卒業式ではスターばりに囲まれる事となった。
すらりと高い身長に、中性的な顔立ち。男も羨む学園の王子様──それが僕の姉であり、僕がこうなってしまった最大の原因である。
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