勇者「あ、あああああなたが魔王ね!!」
魔王「・・・1人でのこのこと殺されに来るとは殊勝な事だ。
ふむ、まさか勇者がこんな歳若い娘とはな・・・ククク」
勇者「う、うるさい!ここで会ったが百年目!世界に平和を取り戻すために
あなたを倒してみせる!」
魔王「いいだろう。倒せるものならしてみるがいい。・・・さぁかかってくるがよい!」
勇者「言われなくとも!てやー!!!」
ズルッ
ドテッ
勇者「ふぎゃっ」
魔王「えっ」
509: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:11:47 ID:g.AV2R2.bU
賢者「!!そ、そうだ魔王!!お前、回復魔法は使えるのか!?」
魔王「あぁ。得意分野のお前よりかは劣るかもしれないがな」
賢者「俺はもう…魔力に限界が来た。俺はいいから、アイツらを、魔法使いと戦士を治してくれないか?」
側近「あんなに敵意剥き出していたのにこんな状況だと頼るんですね」
賢者「…」
魔王「側近。…賢者、それはできないな」
賢者「っ…そ、そうか」
魔王「俺はお前も治さないと気が済まない。お前ら全員治してやるよ」
賢者「!…あ、あぁ!感謝する!」
510: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:12:10 ID:g.AV2R2.bU
タッタッタッ…
勇者「おっ、おに、お兄ちゃん!!」
賢者「!?」
賢者「勇者!何で家から出てきた!危ないから帰れ!!」
勇者「嫌!!絶対に嫌!!みんなみたいに戦えないかもしれないけど、それでも見てるだけは嫌!」
勇者「私もみんなと戦う!戦わせて!もう泣くだけの何もしない自分は嫌!」
賢者「…勇者」
魔王「…」
側近「魔王様?」
勇者「えっ…?あっ!ま、魔王さん!?どうして!?」
魔王「今気が付いたのかよ…」
511: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:12:25 ID:g.AV2R2.bU
勇者「な、何だか…とても、久しぶりな気がします」
魔王「あ、あぁ…。そ、そうだな…」
側近「思春期か」パシッ
魔王「痛っ」
側近「…勇者さん。何だかさっき会った時と変わりましたね」
勇者「あっ…側近、さん…!…さ、さっき?」
側近「僕ですよ。僕」パッ
勇者「!?た、旅人さん!?さっきの!?」
512: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:12:40 ID:g.AV2R2.bU
側近「何のための変装だか分からなくなったけど…そんな事も言ってられない状況になりましたからね…」
勇者「…?」
賢者「…」
賢者「勇者、本当に戦うのか?」
勇者「…うん」
勇者「足手纏いなら…踏み台にしてくれて構わない。私は、戦うよ」
賢者「…。分かった。踏み台にされないようにしっかりな」
勇者「…うん!」
513: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:12:58 ID:g.AV2R2.bU
側近「さて…平和的に話している所すみませんが、魔物が起き上がりましたよ」
側近「魔王様の魔法を喰らって、よく這い上がれますね」
魔物A「平和呆けをした魔王に…脆弱な勇者…。我々も舐められたモノだ」
魔物B「先程、ヤツと対峙していた男も居るな。大した事では無いけど」
側近「何ですって?」ピクッ
側近「確かに僕は魔力も少ないし。ってか今ゼロですけども。肉弾戦もあまり得意ではありませんが…」ザッ
側近「魔物でも火事場の馬鹿力というものは存在するもので」バキッ
魔物B「グッ…!?」
勇者「ま、回し蹴り…」
側近「どうやらまだまだ足手纏いにならない程度になら戦えそうです」ニコッ
514: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 00:51:34 ID:tk7b8wFsUg
<キャーソッキンサーン
515: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 16:42:56 ID:wmewq2ymjk
ソッキンサンカッコイイワー>
516: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 20:59:02 ID:985iqq7eq.
側近さんの人気に嫉妬
517: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 21:35:09 ID:neWU3PF3OM
側近がテイルズオブジアビスのジェイドでなぜか再生される。なんかしっくり来る。
応援してまっす。つC
518: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 22:11:08 ID:h9764VcBMQ
>>517
禿同
519: 名無しさん@読者の声:2012/2/24(金) 09:33:51 ID:Yj.03b4SUs
追い抜いた
520: 名無しさん@読者の声:2012/2/24(金) 16:24:13 ID:9b5/3BfUwM
側近カッコエェ……
応援してます支援っ!
521: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:22:58 ID:g.AV2R2.bU
魔王さんは戦士くんや魔法使いちゃんだけじゃなくて、怪我した村人さん達を避難させつつ、回復も施していた。魔王なのに人間を助けるなんて、普通の人なら違和感を抱く。
実際、村人さん達も訝しげな目で魔王さんを見遣ってた。中には回復を拒否する人も居た。
その度に魔王さんは相手に「お前が死んだら家族が悲しむだろうが」と魔王らしからぬ説教をして無理矢理傷を治していた。多少強引だけど、そこが彼の優しさだ。
魔王さんが村人さん達を避難させている間に、お兄ちゃんは持てる限りの全ての魔法を。側近さんは火事場の馬鹿力とかいうもので応戦をした。
私も微力ながら立ち向かっていった。
やはりというか、分かっていた事だけど、私が幾ら本気を出して剣を振るってもこの魔物はビクともしないわけで。
勇者「くっ…!」
魔物B「そこの男2人はまだやれるようだけれど…やはり、貴女は脆弱。脆すぎる」
522: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:23:15 ID:g.AV2R2.bU
魔物B「無駄な正義感を奮わせて、蛮勇を働かせて、それで自分が強くなったでも?」
勇者「う、るさい…!」
魔物B「所詮貴女はどんな選択をしても弱いまま」
魔物B「この剣の弱さが全てを物語っている」
勇者「う、うぅ…!!くぅ…っ」ギリギリ…
魔物B「ふんっ」ドンッ
勇者「うああっ!!」バタッ
523: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:23:30 ID:g.AV2R2.bU
魔王「全員避難させてきたぞ!」
側近「お疲れ様です。僕ももう体力に限界が近付いてきたので後はよろしくお願いします。一発でイケるでしょ?」
魔王「いける…いけるけど、何で俺が避難させなきゃいけねえんだよ。どう考えても要領悪すぎだろ!」
側近「だって、僕達が避難させている間に攻撃されても庇いきれませんもん」
魔王「もん、じゃねえよ…」
賢者「無駄口は良い!さっさとコイツらを倒せ!」
魔王「…はぁ。…なんというか、まぁ」スッ
魔物A「ぐああああああっ!?」ドカンッ!!
魔王「人使い…魔物扱いが酷いな」バシンッバシュッ!!
側近「エグい…」
524: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:23:44 ID:g.AV2R2.bU
ドサッ…
シュゥー…
魔物A「ぐ…あ…・・・」
魔王「…おい、そっちの片割れ。コイツは死んだぞ。命乞いをするなら今の内だ」
魔王「と、言っても。出血多量で死ぬくらいの傷は負わすが」
側近「それ、ほぼ死んでます」
魔物B「そいつを殺るとは腐っていてもお前は魔王だったという事ね。見誤っていたようだ」
魔王「当然だろ。どうあれ俺は王だ」
魔物B「情に流されない王なら私も従ったのだが」グイッ
勇者「きゃっ…!?」
525: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:23:59 ID:g.AV2R2.bU
魔物B「今此処でこの勇者を殺す事は私にとって1秒の猶予も要らない」
勇者「くっ…卑怯者…!」
賢者「ゆ、勇者!」
側近「人質ですか?みっともなくて格好悪いですね」
魔王「…同感だ。命乞いよりダサい」
魔物B「余裕ね。それくらいの力が備わっている事ね。…或いは」チラッ
魔物B「この小娘の命が惜しくないという事か…」
魔物B「死んでも良いと思えるくらいどうでもいい存在なのかもね」
勇者「!」
526: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:24:14 ID:g.AV2R2.bU
勇者「…え?」
魔王「はぁ…馬鹿も休み休み言え。惜しくないわけ無いだろが」
勇者「…ほ、本当ですか?」
魔王「…何そいつの言う事本気にしてるんだよ。お前はどっちの言葉を信じるんだ」
勇者「ま、魔王さん…。魔王さんの言葉を信じたいです。私、魔王さんを信じます」
魔王「…あぁ。それで良いんだ」
賢者「…」ギリッ
側近「お兄さん、空気読んで下さいよ?」
527: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:24:31 ID:g.AV2R2.bU
魔物B「この小娘を盾にしても無駄のようね。まぁ分かっていた事だけれど…」
魔物B「なら…もうこの勇者に用は無い」スッ
勇者「!!」
側近「あ…!」
魔物がその大きくて鋭い牙を剥き出すように口を大きく開きながら、勇者さんを睨む。
コイツは勇者さんを喰うつもりだ。一瞬にして分かった。
さっき僕が対峙した魔物の末路を思い出した。
アイツの最期はこの魔物達に喰われて終わった。
あの胸くそ悪い最期を勇者さんにするつもりか。
危ない、と自分でも驚くくらいの大声を張り上げて駆け出そうとした。
だが、僕が駆けるよりも早く、魔王様がその身を呈して勇者さんを庇った。
528: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:25:01 ID:g.AV2R2.bU
勇者「…ま、魔王さん…!!腕…腕が…!」
魔王「…こんな低級クラスの魔物に咬みちぎられる程、俺の腕は脆くない。どうだ?丈夫だろう?ちょっとやそっとじゃ、千切れねえよ?」
魔物B「グゥッ…!!グルッ…!」モゴモゴ
勇者「な、何余裕ぶっこいてるんですか!!腕そんな咬まれて…!!」
魔王「…余裕も何も、全然痛くないし。魔王になって良かったって思ってるのは、この身体の丈夫さかね」
勇者「…!!」
魔王「…さて、悪いけれど、もうお遊びに付き合ってられないわ」スッ…
魔王「どう足掻いても、お前は俺にとっちゃただの三下だ。スライム共よりもな」
魔王「残念だな」
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