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魔王「何この子超弱い!」
[8] -25 -50 

1: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/3(火) 00:25:15 ID:GoOVcwF126
勇者「あ、あああああなたが魔王ね!!」
魔王「・・・1人でのこのこと殺されに来るとは殊勝な事だ。
ふむ、まさか勇者がこんな歳若い娘とはな・・・ククク」
勇者「う、うるさい!ここで会ったが百年目!世界に平和を取り戻すために
あなたを倒してみせる!」
魔王「いいだろう。倒せるものならしてみるがいい。・・・さぁかかってくるがよい!」
勇者「言われなくとも!てやー!!!」

ズルッ
ドテッ

勇者「ふぎゃっ」
魔王「えっ」



504: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:10:27 ID:g.AV2R2.bU

−−−

勇者「…やっぱり、気になるな」

勇者「窓から…見れるかな…」

勇者「ん…」ヒョコッ

勇者「!!」

勇者「…ひっ、酷い…!」


505: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:10:42 ID:g.AV2R2.bU

勇者「魔法使いちゃん…戦士くん…」

勇者「あんな…怪我が…酷い…酷過ぎる…」

勇者「…っ!」

勇者「お、お兄ちゃん!!危ない!!」

ダッ
バタンッ


506: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:10:57 ID:g.AV2R2.bU

気が付いたら家を飛び出していた。
避難とか、私が弱いからとか関係無い。
大事な人達が今危険な目にあっている。
実際にこの目で悲惨なものを見ないと身体が動かないなんて私、馬鹿だ。
だから何時まで経っても強くならないんだ、身体も、心も。
もう大丈夫とは言い切れないけれど、それでも、今行かなくちゃ。
今しか無いんだ。
大事な人も守れないで勇者なんて名乗りたくなんか無い。
弱くても良い、死んでも良い、やらないで泣いてめそめそするだけはもう嫌。


507: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:11:14 ID:g.AV2R2.bU

−ザッ

バシインッ

魔物A「グウッ…!」

魔物B「ウアッ!!」

ドサッ

賢者「…魔法?」

?「これは…醜い大惨事ですね」

?「やり方も醜いな」

賢者「お前は…!」

側近「大丈夫ですか?お兄さん」

魔王「少し遅れてしまったな。ごめん」ファサッ

側近「ヒーローは遅れて来るものですからオーケーですよ」

魔王「そっか」


508: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:11:30 ID:g.AV2R2.bU

賢者「ま、魔王と…誰だ?」

側近「おっと、そういや人間に扮したままでしたね。忘れていましたよ」パッ

賢者「!」

側近「僕ですよ、僕」

側近「そんなに日にち経っていないんだから、忘れたなんて言わせませんよ。お兄さん?」

賢者「そ、側近…だったっけ…?」

側近「うわ、微妙に忘れてやがる」


509: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:11:47 ID:g.AV2R2.bU

賢者「!!そ、そうだ魔王!!お前、回復魔法は使えるのか!?」

魔王「あぁ。得意分野のお前よりかは劣るかもしれないがな」

賢者「俺はもう…魔力に限界が来た。俺はいいから、アイツらを、魔法使いと戦士を治してくれないか?」

側近「あんなに敵意剥き出していたのにこんな状況だと頼るんですね」

賢者「…」

魔王「側近。…賢者、それはできないな」

賢者「っ…そ、そうか」

魔王「俺はお前も治さないと気が済まない。お前ら全員治してやるよ」

賢者「!…あ、あぁ!感謝する!」



510: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:12:10 ID:g.AV2R2.bU

タッタッタッ…

勇者「おっ、おに、お兄ちゃん!!」

賢者「!?」

賢者「勇者!何で家から出てきた!危ないから帰れ!!」

勇者「嫌!!絶対に嫌!!みんなみたいに戦えないかもしれないけど、それでも見てるだけは嫌!」

勇者「私もみんなと戦う!戦わせて!もう泣くだけの何もしない自分は嫌!」

賢者「…勇者」

魔王「…」

側近「魔王様?」

勇者「えっ…?あっ!ま、魔王さん!?どうして!?」

魔王「今気が付いたのかよ…」


511: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:12:25 ID:g.AV2R2.bU

勇者「な、何だか…とても、久しぶりな気がします」

魔王「あ、あぁ…。そ、そうだな…」

側近「思春期か」パシッ

魔王「痛っ」

側近「…勇者さん。何だかさっき会った時と変わりましたね」

勇者「あっ…側近、さん…!…さ、さっき?」

側近「僕ですよ。僕」パッ

勇者「!?た、旅人さん!?さっきの!?」


512: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:12:40 ID:g.AV2R2.bU

側近「何のための変装だか分からなくなったけど…そんな事も言ってられない状況になりましたからね…」

勇者「…?」

賢者「…」

賢者「勇者、本当に戦うのか?」

勇者「…うん」

勇者「足手纏いなら…踏み台にしてくれて構わない。私は、戦うよ」

賢者「…。分かった。踏み台にされないようにしっかりな」

勇者「…うん!」


513: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/22(水) 22:12:58 ID:g.AV2R2.bU

側近「さて…平和的に話している所すみませんが、魔物が起き上がりましたよ」

側近「魔王様の魔法を喰らって、よく這い上がれますね」

魔物A「平和呆けをした魔王に…脆弱な勇者…。我々も舐められたモノだ」

魔物B「先程、ヤツと対峙していた男も居るな。大した事では無いけど」

側近「何ですって?」ピクッ

側近「確かに僕は魔力も少ないし。ってか今ゼロですけども。肉弾戦もあまり得意ではありませんが…」ザッ

側近「魔物でも火事場の馬鹿力というものは存在するもので」バキッ

魔物B「グッ…!?」

勇者「ま、回し蹴り…」

側近「どうやらまだまだ足手纏いにならない程度になら戦えそうです」ニコッ



514: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 00:51:34 ID:tk7b8wFsUg
<キャーソッキンサーン
515: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 16:42:56 ID:wmewq2ymjk
ソッキンサンカッコイイワー>
516: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 20:59:02 ID:985iqq7eq.
側近さんの人気に嫉妬
517: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 21:35:09 ID:neWU3PF3OM
側近がテイルズオブジアビスのジェイドでなぜか再生される。なんかしっくり来る。

応援してまっす。つC
518: 名無しさん@読者の声:2012/2/23(木) 22:11:08 ID:h9764VcBMQ
>>517
禿同
519: 名無しさん@読者の声:2012/2/24(金) 09:33:51 ID:Yj.03b4SUs
追い抜いた
520: 名無しさん@読者の声:2012/2/24(金) 16:24:13 ID:9b5/3BfUwM
側近カッコエェ……

応援してます支援っ!
521: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:22:58 ID:g.AV2R2.bU

魔王さんは戦士くんや魔法使いちゃんだけじゃなくて、怪我した村人さん達を避難させつつ、回復も施していた。魔王なのに人間を助けるなんて、普通の人なら違和感を抱く。
実際、村人さん達も訝しげな目で魔王さんを見遣ってた。中には回復を拒否する人も居た。
その度に魔王さんは相手に「お前が死んだら家族が悲しむだろうが」と魔王らしからぬ説教をして無理矢理傷を治していた。多少強引だけど、そこが彼の優しさだ。
魔王さんが村人さん達を避難させている間に、お兄ちゃんは持てる限りの全ての魔法を。側近さんは火事場の馬鹿力とかいうもので応戦をした。
私も微力ながら立ち向かっていった。
やはりというか、分かっていた事だけど、私が幾ら本気を出して剣を振るってもこの魔物はビクともしないわけで。

勇者「くっ…!」

魔物B「そこの男2人はまだやれるようだけれど…やはり、貴女は脆弱。脆すぎる」


522: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:23:15 ID:g.AV2R2.bU

魔物B「無駄な正義感を奮わせて、蛮勇を働かせて、それで自分が強くなったでも?」

勇者「う、るさい…!」

魔物B「所詮貴女はどんな選択をしても弱いまま」

魔物B「この剣の弱さが全てを物語っている」

勇者「う、うぅ…!!くぅ…っ」ギリギリ…

魔物B「ふんっ」ドンッ

勇者「うああっ!!」バタッ



523: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/24(金) 22:23:30 ID:g.AV2R2.bU


魔王「全員避難させてきたぞ!」

側近「お疲れ様です。僕ももう体力に限界が近付いてきたので後はよろしくお願いします。一発でイケるでしょ?」

魔王「いける…いけるけど、何で俺が避難させなきゃいけねえんだよ。どう考えても要領悪すぎだろ!」

側近「だって、僕達が避難させている間に攻撃されても庇いきれませんもん」

魔王「もん、じゃねえよ…」

賢者「無駄口は良い!さっさとコイツらを倒せ!」

魔王「…はぁ。…なんというか、まぁ」スッ

魔物A「ぐああああああっ!?」ドカンッ!!

魔王「人使い…魔物扱いが酷いな」バシンッバシュッ!!

側近「エグい…」


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