入院手続きですか?
そうですか。わかりました。
それでは此方に氏名だけの記入をお願いします。
え?他に書くことはないのかって?
いいえ。何もありませんよ。
アナタは何故この病棟にいるかご存じですか?
そうですか。存じ上げないんですね。それならいいんです。
では、病室にご案内させて頂きますね。
…おっと忘れるところでした。
此方に目を通しておいて下さい。この病棟の規則です。
――では、ご案内致します。
45: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 00:54:52 ID:2twRS1Q.AA
なんか脱出ゲームのLieシリーズっぽくて好き
しえん
46: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 01:00:35 ID:KQAgxdxGac
>>44
最後まで見ればわかる!ってやつにするつもりです
>>45
脱出ゲーム好きですよ(*´∀`)
支援ありがとうございます!
47: 44:2011/11/20(日) 01:39:59 ID:GJ/4yeN67E
楽しみ
48: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 09:44:05 ID:O9oYtu06ZI
>>47
出来なかったらすいません( ̄▽ ̄;)
49: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 19:49:10 ID:q2dqERqijw
〜109号室患者〜
「あーあ。また死んじゃった」
水槽を覗き込み、ぷかぷかと浮かぶ魚を眺めながら、少年は無表情で呟いた。
「脆いなぁ」
手を入れ魚を掬うと、ぐちゃりと握り潰す。
そして、気味悪く笑う。
「うへ……汚い」
手を開き残骸を見ては、ケタケタと笑い声を上げる。
「鳥の餌にでもしようかな。きっとまた死んじゃうよね、脆いから」
蔑む様に掌を見つめ、やれやれと言った感じに首を振った。
バサバサと籠で暴れる鳥に目を向ける。
「うるさいよ」
掬い取り、目の前に突き出せば何も知らない鳥は餌と思い食べ尽くす。
「…………もういいかな」
鳥は苦しそうに鳴き、落ちる。
グエグエと醜い声で悶え苦しむのを、まるでおもちゃで遊ぶ子供の様に見ていた。
50: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 19:54:06 ID:q2dqERqijw
109号室患者結果
名前:新井 直
入院から1ヶ月経過。
現在も生存中
薬の効果
鬱病気味と判断
会話に異常無し。
51: 名無しさん@読者の声:2011/11/20(日) 19:57:08 ID:3MT/HFyZ1E
はい、今日の投下は終わりまーす(´・ω・)
1日に患者1人と結果書けるといいな
52: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 19:59:02 ID:PWh0ZmXisc
>>1に何かあったのかね…?
つC
53: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 20:42:34 ID:9IAOdG2/VE
〜110号室患者〜
「あ……ぅ……ぅう…」
咽を抑え苦しそうに唸り、必死に言葉を出そうとしていた。
「うぅ…うー…あーあーあー!!」
叫んでも、泣いても、怒っても、ただ辛いだけなのを少女は知っている。
「あーあー!!!」
涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、必死に訴えるが誰も分かりはしない。
「あー…あ゛ぁ゛あぁああ!!!」
声を枯らすほどに叫んだ。そしたら誰か助けてくれるのではないのかと、辛くても苦しくても叫ぶ。
壁を強く殴り、肌を切っても、ただ訴えた。白い壁はみるみる赤い雫で染められていく。
「――あぁあぁああぁ゛ぁあ゛ぁあぁぁ゛!!」
殴る手は止まらず、壁を殴り続けた。
少女の叫びは病室に悲しく響くだけだった。
54: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 20:49:17 ID:9IAOdG2/VE
110号室患者結果
名前:神谷 夏実
入院から2年と3日経過。
現在も生存中
薬の効果
発狂・自傷行為・精神崩壊
会話不可。
55: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 20:55:47 ID:svXBI68Hng
――――
「センセ。今回はどうだった?」
「少し厄介かも知れないな。ところで記事は持ってきたか?」
「うん!はい、これ!」
ふわりと柔らかく笑みを浮かべ、記事を渡すとモニターに視線を移す。
「…………確かに厄介だね」
さっきまでの笑みは消え無表情で呟き、呆れた様子でモニターから目を逸らした。
「110号室の患者の記事は非常に恐ろしいよ。流石に自分でも無理だ」
「センセってチキンなの?」
「俺は鳥じゃないが」
「そっちのチキンじゃないんだけど」
「そうか」
56: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 20:58:29 ID:9IAOdG2/VE
>>52
何も無いですよ、ただ患者と結果にネタが無いだけです(´・ω・`)
1日は無理でしたが一週間に1回のペースで出来たらな!って思ってます
支援感謝\(^^)/
57: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 21:11:31 ID:svXBI68Hng
「110号室患者記事だが"家族撲殺したあとに死体をバラバラに"
少女には弟(当時4才)妹(当時2才)母と父の5人家族であった。周りから見ていた人々か口を揃え「憧れ」や「仲良し夫婦」とコメント。
しかし、そのコメントとは裏腹に夫婦では喧嘩が絶えなかったらしい。
家族を殺害した少女は「うるさかった」との理由で殺害に及んだ」
「結婚って大変だね。僕気を付ける」
「話の腰を折るなよ」
「はーい」
「えっと……。
再び少女から話を聞こうとしたところ、言葉が出なくなってしまい今までの記憶を失っていた」
「ショックがあったのかな?」
「難しいところだ」
58: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 21:17:10 ID:9IAOdG2/VE
「心に闇を抱えてるんだろうね、ここの患者さんは」
どこか懐かしそうにセンセに話し掛け、同意を求める様に少年は首を傾げて見せた。
「お前もあったんだろ?」
「そうだね。センセが助けてくれなかったら、きっと僕も別の形で会ってたのかな」
「殺人だけは止めろよ。絶対に…何があっても」
「優しいね」
「患者を見てればわかる」
「そうかな」
今度は同時にモニターを見つめた。
「患者は道を間違えた。そして"殺人"を、ね…」
59: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 21:25:44 ID:9IAOdG2/VE
「助けられるのはセンセだけだよ」
「プレッシャーに潰されそうだ」
「やっぱチキンだ」
「だから鳥じゃないって」
「もう良いよ、そのボケ」
「すまん」
記事をペラペラと捲り、センセは「ほう」と声を漏らすほど興味をそそるものを発見した。
そして大きく
「無差別殺人!"死ぬのは怖いか?"と質問」の文字。
「……これ知ってる」
「109号室の患者だな」
「聞いてる?」
「聞いてるが、流れていったよ。右から左へ」
「どっちか鼓膜破ろうか?」
「勘弁してくれ」
「わかってるよ。センセ」
ふふっと楽しそうに少年は笑って、センセの頬に手を添えた。
60: 名無しさん@読者の声:2011/11/24(木) 21:26:53 ID:9IAOdG2/VE
今日の更新終わりにします!
次はもっと見やすく書けるようにしますね
61: 名無しさん@読者の声:2011/11/26(土) 23:02:35 ID:fVVLBZ49.o
「代わりにビンタして良い?」
頬に添えられたままの手は次第にビンタの構えに変わっていく。
「気にくわなかったのか、ごめんね。取り合えず記事を読ませてくれ」
「うん」
にっこりと天使の微笑みを向けたあと、手は素直に下げセンセの言葉に耳を傾けた。
「通行人を次々と切りつけるという無差別殺人が起きた。被害者に状況を尋ねると決まって"死ぬのは怖いか?"と質問されたと証言。遺体には切り傷だけでなく、多くの刺し傷もあった」
「朗読上手いね。センセはそっちの職業の方が向いてるよ」
「俺の話聞いてた?」
ポリポリと頬を掻き、記事を折り畳むと投げるようにして机に置く。
62: 名無しさん@読者の声:2011/11/26(土) 23:24:21 ID:9T.4e7jXrM
「聞いてたよ。うるさいな」
「え、反抗期?反抗期なの?」
「次の患者さんでも見ようよ。センセとの会話飽きた」
「いきなり反抗期ってどうなの。聞いてる?」
センセの問い掛けには見向きもせずに少年はホワイトボードに近付き、患者の写真を貼り付ける。
印を書き込むと、眉を下げ悲しげにこう言った。
「………何人残れるのかな」
モニターに目を移し、今までの患者を見ていく。
センセは咳払いをして真面目な顔で答えた。
「努力次第だ」と。
63: 名無しさん@読者の声:2011/11/26(土) 23:32:30 ID:8oB7ij1vu.
と、まぁ投下終了するつもりです!
次から患者さんのターン(`・ω・´)
番外編か途中にセンセと少年の出会いでも書こうと思いますが、全ておわってからか途中かどっちがいいですかね(´ーωー`)
64: 名無しさん@読者の声:2011/11/27(日) 23:15:34 ID:KQAgxdxGac
〜111号室〜
電気も点いていない真っ暗な空間に彼女は退屈そうに、汚れの無い真っ白なベッドに寝転び足をバタつかせ仰いでいた。
2つに結ばれた長く美しい髪は暗闇でも目立つほどである。肌も白く、まるで雪のようだ。
片方の目には包帯がグルグル巻きにされていた。
血が滲んでおり、まだ新しいものだと判断できる。
「こっちの目も取っちゃおうかな」
「そしたらもう汚い世界を見なくてすむよね」
そう言う彼女は不気味なほどに嬉しそうだった。
「でも痛いの嫌だな」
うーんと悩みに悩んだ彼女の答えは簡単なモノであった。
「死のう」
その言葉に似合わない満面の笑み。バタつかせてた足はいつしか止まり、彼女は立ち上がった。
「どんなのが良いかな〜」
楽しそうに行動する姿は、デートに向かう可愛らしい様子。思い付いたように彼女はある物を手に取る。
―――"ナイフ"だ
規則違反。
しかし、彼女は気にしてない様子で胸に翳すと一気に奥深くまで貫く。
ひゅーひゅーと苦しそうな彼女は暫くシーツを握り痛みに耐えていた。
…そしてゆっくり身体は崩れ床に倒れ、そのまま覚める事のない眠りについた。
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