入院手続きですか?
そうですか。わかりました。
それでは此方に氏名だけの記入をお願いします。
え?他に書くことはないのかって?
いいえ。何もありませんよ。
アナタは何故この病棟にいるかご存じですか?
そうですか。存じ上げないんですね。それならいいんです。
では、病室にご案内させて頂きますね。
…おっと忘れるところでした。
此方に目を通しておいて下さい。この病棟の規則です。
――では、ご案内致します。
130: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 12:55:53 ID:/3MIJ0S1EM
「結局は生きるも死ぬも患者次第なのを理解して頂きたい」
そして再び目を開けた。とても冷めた様にも見えたのは少年だけである。
「では改めて……」
少年とセンセは目を合わせるとにやりと笑って見せた。
「「ようこそ、特別病院へ」」
二人の声が重なり不気味に密室に響き渡り、それがいっそう寒気を覚えた。
「先行ってるね。センセ」
満足した様子で少年は髪を靡かせ部屋を出ていった。
それをセンセは見送ると切られたモニターとマイクの電源を落とす。しばらく部屋を眺め、同じように部屋を出ていった―――。
131: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 13:06:29 ID:V0CJLQQpnI
――あれから数年の月日が経った。
「ねえ知ってる?」
「何をー?」
二人組の少女道を歩きながら話している。夕日は少しずつ沈み暗くなり始めていた。
「ここの近くに病院があったんだって」
「へえ」
「そこで沢山の犯罪者が実験台にされてたんだって。…確か精神を安定させる実験だったかな」
「どうせ都市伝説とかでしょ?聞いたことないもん」
けらけらと可笑しそうに笑う少女にもう一人の少女は続けて話す。
「そうだよね」
そして売地と書かれた看板の横を通り過ぎる途中足元にあるボロボロの新聞が目に入った。
132: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 13:25:32 ID:V0CJLQQpnI
『光希と名乗る少年は"センセ"と呼び親しくしていた人の首を持ち警察署へ来た。死亡した日は―――』
「怖いね…」
「私そんなこと出来ないよ」
ははっと苦笑いし、拾い上げた新聞記事を捨て再び歩き出した。
風に煽られ紙は空を舞いどこかへと運ばれていく。
そして夕日も沈み、静かな夜を迎え始める。
聞こえるのは風が揺らす草木の音と虫の声だけであった――…。
END
133: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 13:28:36 ID:/3MIJ0S1EM
…こんなはずじゃなかったぁぁ!
中途半端に終わってしまうし、雑だし本当に申し訳ありませんでした(´・ω・)
次はオマケとして、センセと少年の出合いを書いていきたいと思います。
見てくださった方々、本当にありがとうだお!
134: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 18:34:04 ID:h9zi9vGP96
あぁ...終わってしまった......
でも、乙でした!!!
オマケ楽しみにしています!!
135: 名無しさん@読者の声:2011/12/24(土) 19:00:15 ID:m89zjFo/aY
お疲れさまです!
136: 名無しさん@読者の声:2011/12/25(日) 07:38:40 ID:dWAyjl2I9o
お疲れ様です!
センセ…(´;ω;`)
おまけwktk
137: 名無しさん@読者の声:2011/12/25(日) 12:33:22 ID:OgM81a6u2A
お疲れ様でした!
138: 名無しさん@読者の声:2011/12/27(火) 08:39:13 ID:bpxgVUgziY
皆様ありがとうだお!(´;ω;`)
オマケ(番外編)も気長にやっていくので、生暖かく見守ってやってください!
139: 番外編:2011/12/27(火) 08:42:05 ID:E7unVwV4mg
「傘持ってきて良かった」
ポツリポツリと雨粒がアスファルトに落ち、小降りだった雨は次第に大降りになった。
傘を開く俺の横を通り過ぎるのは、頭を手で覆い走る沢山の人達。俺はその人達を横目で見ながら歩く。
「ハズレ」
思い返せば朝のニュースでは雨は降らないと言っていたのに。
空は厚い雲で隠れて灰色になっていて、何故か寂しさを覚える。
コンビニ寄ろう
自分でも驚くくらい、いきなりな考えに戸惑いながらも足はしっかりとコンビニに向かって歩いていた。
140: 名無しさん@読者の声:2011/12/27(火) 08:56:44 ID:9hcHD347TQ
「いらっしゃいませ」
店員のいつもの挨拶、俺はいつものように本を立ち読み。別に買うわけでも無いが。
客はあまりおらず静かな店内で、俺の読む本のページを捲る音だけが微かながらも聞こえる。
しばらくしてから俺は本を戻し、飲み物を求め違う棚に移動。
そしていつものようにオレンジジュースを手に取り会計。
「ありがとうございました」
戸を明けて一歩外に踏み出せば、雨はまた小降りになり始めていた。
141: 名無しさん@読者の声:2011/12/27(火) 09:06:30 ID:9hcHD347TQ
袋から買った商品を取り出して、蓋を開けて一口飲む。目の前にある公園が目に入ったので、そこで休むことを決めた。
外は雨のせいなのか暗く、ひんやりとした空気。
「………ふう」
ベンチに座り一息つく。
それとドンッと同時に鈍い音が俺の耳を刺激した。
何事かと辺りを見渡して見るけれど、さっきの音の原因が見当たらない。
「何だったんだ・・・」
気のせいかと思い再びオレンジジュースを飲む。
そしてまた、ドンッと鈍い音がした。
142: 名無しさん@読者の声:2011/12/28(水) 13:22:53 ID:7RJL/fdGxQ
目を向けた先には影があった。少し目を細めて明確にしようとじっくりと眺める。
……少女?
長い銀髪が輝いていて、とても美しく惹かれた。
手には何かを持っており俺は次第に理解する。
「…………バットだ」
振り下ろされる。
また鈍い音がした。
からん、と手からバットが落ちたかと思えば少女は項垂れており、気付けば俺は彼女に近づいていた。
「………………見てた?」
人通りが少なく、周りにだって人がいない。俺に言われてるのはすぐに分かった。
143: 名無しさん@読者の声:2011/12/28(水) 13:27:09 ID:7RJL/fdGxQ
視線を落として、彼女が見る先を見れば数人が悶えていた。
ああ、殴られたのか。
冷静に判断する俺に少女は続けた。
「警察に言わないの?」
「どうして?」
「悪いことしたから」
「そうだね。行きたい?」
「やだ」
「なら止めよっか」
「変なの」
口元を抑える手は震えていた。
144: 名無しさん@読者の声:2011/12/28(水) 13:36:18 ID:kwLgI0/6TA
「何でこんなことしたの?」
「………この人は泥棒なの」
また視線を落とす。
「僕の家に入ってきたの。皆殺されたの」
声が震えていた。
………え、僕?
「男?」
「うん」
「名前は?」
「無いよ」
長い銀髪は風に靡き、まるで生き物みたいに動いて見せる。
彼の言葉ひ考えて俺は口を開く。
145: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 00:39:59 ID:4cFvDuF3SA
「………家族は?」
「いないよ。僕小さい頃から施設で育ったの」
こんな重い内容をあっさりと告白する彼に俺は何故か感心した。
そしてしばらく沈黙が続く。
「来る?」
俺は沈黙を破り彼を見つめながら言った。いきなりのことに、もちろん彼はぽかんと間抜けな顔をしていて首を傾げる。
「俺の家」
この一言にも彼はぽかんとしたまま。
146: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 00:47:42 ID:DPz2SFX2Rw
「帰る場所をあげる」
「どうして」
「なんとなくさ」
「………変なの」
また彼は笑った。
「名前もあげる」
「勿体無いよ」
眉を下げ今度は悲しそうな表情を浮かべる。
「光希。…希望に光がありますように、どう?」
俺の問いにまた彼は笑った。笑ったり悲しんだり、大変だなって思いながらも俺も笑う。
そして彼は言った。
「変なの」
147: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 00:58:06 ID:4cFvDuF3SA
空は再び泣き始める。
大降りになる雨が俺と光希を打ち付ける、とても心地よかった。
輝く銀髪は濡れ、美しさが増す。俺は傘を開き彼に翳して雨にかき消されてしまうくらいの小声で呟く。
「帰ろう」
彼は泣いた。
降る雨の如く沢山の涙が頬を伝い落ちる。
何でこんなこと言ったんだろう。
自身に訪ねるが答えは出なかった。
歩き出す。
振り向けばすでに息絶えた人間が転がっていた。
148: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 01:27:23 ID:lPDOndQsx.
あの日の出来事はニュースになったものの、暴力団が原因と片付けられてしまっていた。
「もうすぐ夕方か」
まだ帰らない彼を待つ俺は新婚の妻の気分だ。
しばらくして鍵が開く音がする。
「ただいま」
ドタドタと廊下を騒がしく走る彼に俺は呆れ気味に思いながらも、笑って返した。
「おかえり」
おわり
149: 名無しさん@読者の声:2011/12/30(金) 01:29:00 ID:lPDOndQsx.
微妙過ぎたwwww
はい、これで本当に終わりますー!
読んでくださった方々、本当に本当に感謝です!
ではでは〜(^ω^)
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