姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
666: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:38:35 ID:2Jn3tSEu0A
魔王「これで多分元通りよ」
魔王「小麦だったかしら?来年にはたわわに実るはずね」
皇子「では、併合の件は……」
皇帝「…………」
皇帝「……いや、まだだ」
667: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:01 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「仮に今ので冷害が解決したとしても、すぐに我が国の経済が復活する訳ではない」
皇子「ですが、約束は」
皇帝「冷害が解決したら支払いを帳消しにする等と言った覚えはない」
皇帝「彼等が勝手に勘違いをしただけだ」
皇子「詭弁です!」
668: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:26 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「お前は事の深刻さを分かっていない!」
皇帝「これほどの帝国と言えど政情は不安定、少しの経済不安で民衆の不満は爆発する」
皇帝「金のない弱小国であれ、少しでも搾取して国を立て直さなければ」
皇子「これ以上小国を痛め付けて何の国利になると言うのです!」
皇帝「お前に口出しする権利はない!」
669: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:49 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「そんなことを言って私に逆らうつもりか……?」ピクリ
皇帝「反逆者とあらば私は、息子であろうと処刑するぞ」
皇子「そんなつもりで言ったのではありません……」
皇子「違います、自分は、」
皇子「俺はただ、父上のお力になりたくて……!」
670: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:13 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「…………」
皇帝「そんなことは、何とでも言える」
皇子「父上!」
皇帝「向こうの王と仲良くしていたそうじゃないか。情でも湧いて庇ったか」
皇帝「……誰が父親だと思っている」
皇子「え……?」
671: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:37 ID:2Jn3tSEu0A
姫(……つまり、)
姫(嫉妬、していたのかしら、お父様に)
姫(こんな立派な皇帝さんが)
皇帝「……お前とは、一度よく話し合う必要がありそうだ」
皇子「ええ。そう、思います」
皇帝「君たち」
672: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:23 ID:Ton..bW6Ps
皇帝「遠路はるばる来たところ申し訳ないが、今回は保留にしてくれ」
皇帝「今後のことは後日、君たちの父上と直接話し合って決める」
王子「了解しました」
皇帝「皇子、お送りしろ」
皇子「はい」
673: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:44 ID:Ton..bW6Ps
宰相「……構わなかったのですか」
皇子「ええ」ニコリ
皇子「父上との意見の衝突は、前々からのことでした」
皇子「むしろ感謝しているくらいです」
宰相「大変、ですね」
674: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:07 ID:Ton..bW6Ps
王子「国は、どうなるんだろうな」
皇子「大丈夫です、意地でも説得しますから」
皇子「代わりの政策は考えています。先程は言いそびれましたが」
王子「代わりですか」
皇子「勉強した甲斐がありました」ニコリ
675: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:31 ID:Ton..bW6Ps
姫「本当に、何とお礼を言ったらいいのか……」
皇子「いいんです。あなた方の父上にはお世話になりました」
皇子「どうかよろしくお伝えください」
姫「ええ、必ず」
676: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:53 ID:Ton..bW6Ps
勇者「……ねえ俺たちのこと忘れてない?」
姫「あっ」
魔王「酷いわあ。せっかく皆のピンチを救ってあげたのに〜」
従者「すみませんありがとうございました」
魔王「という訳でアタシと一緒に帰りましょ〜」
従者「結構です」
魔王「あなた結構不敵よね」
677: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:45:14 ID:Ton..bW6Ps
魔王「ま、いいわ。せいぜい元気でやりなさいよ」
魔王「じゃあね〜」フッ
勇者「あ!って、普通に消えるし……」
姫「まだお礼言ってないのに」
王子「ついて行かなくてよかったのか?」
従者「誰がですか」
678: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:45:39 ID:Ton..bW6Ps
宰相「ふふ、まあ良いじゃないですか」
宰相「今できることは終わりました」
宰相「後は待つだけですよ」
姫「ええ」
姫「……帰りましょう、国へ」
679: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:33:59 ID:c7b/jBefIw
王「あー……」ウロウロ
王「ううーん……」ウロウロ
王妃「もう、何をやってるの、あなた」
王「だって、姫ちゃん達がもうすぐ帰ってくるって伝令が来たから!」
王妃「だからって、歩き回っていても時間は過ぎませんよ」
680: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:34:21 ID:c7b/jBefIw
王「父さんだって分かってるよ、でも……」
王妃「いてもたってもいられない、って言いたいんでしょう?」ニコリ
王「母さんだってそうじゃないのかい?」
王妃「あなたほどではないわ、それにしても……」
姫「ただ今戻りましたー!」ガチャ
王「あ、来た!」
681: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:34:40 ID:c7b/jBefIw
王「王子くん姫ちゃんお帰りー!」バタバタ
王子「父上!無事に帰還しました」
姫「お父様、お母様もお久しぶりです」
王妃「長旅お疲れ様。ふたりも付き添いをありがとう」
従者「いえ、それが仕事ですから」
宰相「おふたり共ご立派でしたよ」
682: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:35:01 ID:c7b/jBefIw
勇者「王様俺も俺も!」
王「うお勇者くんじゃないか!」
王「旅は終わったのかい?」
勇者「もち。魔王と話つけてついでに帝国とも話つけてきました!」
王「帝国と……」
683: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:35:24 ID:c7b/jBefIw
王「王子くん。早速聞いちゃうけど、帝国との話はどうだった?」
王子「保留、だそうです」
王子「帝国の方でよく話し合ってから、父上と直接相談したいと」
王子「併合の危機は免れました」
王「……っ」
684: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:35:48 ID:c7b/jBefIw
王「よかった――っ!!」ブワッ
姫「わ、お父様ったら、ってかやだちょっ、汚い」
王「真顔で言わないで感動の場面だから!」
王「だって、本当に国っ、なくなっちゃうと思って……!」グスッ
王妃「あなた……」
685: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:36:10 ID:c7b/jBefIw
王子「でも父上、きっと国はなくなりませんよ」
王「うん、そうだね」ズビッ
王「王子くん、姫ちゃん、みんな」
王「本当にお疲れ様。あと、ありがとう……!」
姫「お父様……」ニコリ
姫「殴っていいですか」
王「えっ」
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