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姫「殴っていいですか」
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1: ◆xXC7.dNnEA:2011/10/28(金) 22:21:53 ID:SCGnwLC0bk
姫「いいですよねお父様」

王「姫ちゃん怖いよ」

姫「殴りたくもなりますよ。



  ――何ですかこの財政は!」


666: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:38:35 ID:2Jn3tSEu0A
魔王「これで多分元通りよ」

魔王「小麦だったかしら?来年にはたわわに実るはずね」

皇子「では、併合の件は……」

皇帝「…………」

皇帝「……いや、まだだ」
667: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:01 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「仮に今ので冷害が解決したとしても、すぐに我が国の経済が復活する訳ではない」

皇子「ですが、約束は」

皇帝「冷害が解決したら支払いを帳消しにする等と言った覚えはない」

皇帝「彼等が勝手に勘違いをしただけだ」

皇子「詭弁です!」
668: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:26 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「お前は事の深刻さを分かっていない!」

皇帝「これほどの帝国と言えど政情は不安定、少しの経済不安で民衆の不満は爆発する」

皇帝「金のない弱小国であれ、少しでも搾取して国を立て直さなければ」

皇子「これ以上小国を痛め付けて何の国利になると言うのです!」

皇帝「お前に口出しする権利はない!」
669: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:49 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「そんなことを言って私に逆らうつもりか……?」ピクリ

皇帝「反逆者とあらば私は、息子であろうと処刑するぞ」

皇子「そんなつもりで言ったのではありません……」

皇子「違います、自分は、」

皇子「俺はただ、父上のお力になりたくて……!」
670: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:13 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「…………」

皇帝「そんなことは、何とでも言える」

皇子「父上!」

皇帝「向こうの王と仲良くしていたそうじゃないか。情でも湧いて庇ったか」

皇帝「……誰が父親だと思っている」

皇子「え……?」
671: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:37 ID:2Jn3tSEu0A
姫(……つまり、)

姫(嫉妬、していたのかしら、お父様に)

姫(こんな立派な皇帝さんが)

皇帝「……お前とは、一度よく話し合う必要がありそうだ」

皇子「ええ。そう、思います」

皇帝「君たち」
672: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:23 ID:Ton..bW6Ps
皇帝「遠路はるばる来たところ申し訳ないが、今回は保留にしてくれ」

皇帝「今後のことは後日、君たちの父上と直接話し合って決める」

王子「了解しました」

皇帝「皇子、お送りしろ」

皇子「はい」
673: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:44 ID:Ton..bW6Ps
宰相「……構わなかったのですか」

皇子「ええ」ニコリ

皇子「父上との意見の衝突は、前々からのことでした」

皇子「むしろ感謝しているくらいです」

宰相「大変、ですね」
674: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:07 ID:Ton..bW6Ps
王子「国は、どうなるんだろうな」

皇子「大丈夫です、意地でも説得しますから」

皇子「代わりの政策は考えています。先程は言いそびれましたが」

王子「代わりですか」

皇子「勉強した甲斐がありました」ニコリ
675: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:31 ID:Ton..bW6Ps
姫「本当に、何とお礼を言ったらいいのか……」

皇子「いいんです。あなた方の父上にはお世話になりました」

皇子「どうかよろしくお伝えください」

姫「ええ、必ず」
676: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:53 ID:Ton..bW6Ps
勇者「……ねえ俺たちのこと忘れてない?」

姫「あっ」

魔王「酷いわあ。せっかく皆のピンチを救ってあげたのに〜」

従者「すみませんありがとうございました」

魔王「という訳でアタシと一緒に帰りましょ〜」

従者「結構です」

魔王「あなた結構不敵よね」
677: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:45:14 ID:Ton..bW6Ps
魔王「ま、いいわ。せいぜい元気でやりなさいよ」

魔王「じゃあね〜」フッ

勇者「あ!って、普通に消えるし……」

姫「まだお礼言ってないのに」

王子「ついて行かなくてよかったのか?」

従者「誰がですか」
678: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:45:39 ID:Ton..bW6Ps
宰相「ふふ、まあ良いじゃないですか」

宰相「今できることは終わりました」

宰相「後は待つだけですよ」

姫「ええ」

姫「……帰りましょう、国へ」
679: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:33:59 ID:c7b/jBefIw
王「あー……」ウロウロ

王「ううーん……」ウロウロ

王妃「もう、何をやってるの、あなた」

王「だって、姫ちゃん達がもうすぐ帰ってくるって伝令が来たから!」

王妃「だからって、歩き回っていても時間は過ぎませんよ」
680: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:34:21 ID:c7b/jBefIw
王「父さんだって分かってるよ、でも……」

王妃「いてもたってもいられない、って言いたいんでしょう?」ニコリ

王「母さんだってそうじゃないのかい?」

王妃「あなたほどではないわ、それにしても……」

姫「ただ今戻りましたー!」ガチャ

王「あ、来た!」
681: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:34:40 ID:c7b/jBefIw
王「王子くん姫ちゃんお帰りー!」バタバタ

王子「父上!無事に帰還しました」

姫「お父様、お母様もお久しぶりです」

王妃「長旅お疲れ様。ふたりも付き添いをありがとう」

従者「いえ、それが仕事ですから」

宰相「おふたり共ご立派でしたよ」
682: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:35:01 ID:c7b/jBefIw
勇者「王様俺も俺も!」

王「うお勇者くんじゃないか!」

王「旅は終わったのかい?」

勇者「もち。魔王と話つけてついでに帝国とも話つけてきました!」

王「帝国と……」
683: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:35:24 ID:c7b/jBefIw
王「王子くん。早速聞いちゃうけど、帝国との話はどうだった?」

王子「保留、だそうです」

王子「帝国の方でよく話し合ってから、父上と直接相談したいと」

王子「併合の危機は免れました」

王「……っ」
684: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:35:48 ID:c7b/jBefIw
王「よかった――っ!!」ブワッ

姫「わ、お父様ったら、ってかやだちょっ、汚い」

王「真顔で言わないで感動の場面だから!」

王「だって、本当に国っ、なくなっちゃうと思って……!」グスッ

王妃「あなた……」
685: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:36:10 ID:c7b/jBefIw
王子「でも父上、きっと国はなくなりませんよ」

王「うん、そうだね」ズビッ

王「王子くん、姫ちゃん、みんな」

王「本当にお疲れ様。あと、ありがとう……!」

姫「お父様……」ニコリ






姫「殴っていいですか」

王「えっ」
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