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姫「殴っていいですか」
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1: ◆xXC7.dNnEA:2011/10/28(金) 22:21:53 ID:SCGnwLC0bk
姫「いいですよねお父様」

王「姫ちゃん怖いよ」

姫「殴りたくもなりますよ。



  ――何ですかこの財政は!」


646: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:21:31 ID:DSgCxQqiRY
姫「今のは一体……」

勇者「あ、紹介するね。こちら俺が討伐に行った魔王さん」

姫「はあ!?」

勇者「魔王さん、これが姫」

魔王「あらあら可愛い」
647: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:21:57 ID:DSgCxQqiRY
魔王「魔王です〜よろしくぅ」

魔王「女同士仲良くしてね☆」

姫「いやでも見た目男性」

魔王「や〜んもう、お姉さんと思ってくれていいのよ?」

従者「オネエさんですか」

魔王「あら」
648: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:22:19 ID:DSgCxQqiRY
魔王「あなた可愛い顔してるじゃない」

従者「え、俺ですか」ギクリ

魔王「ん〜、その不憫そうな感じ、とってもタイプ。うちで働かない?」ジリッ

従者「結構です」ジリッ

魔王「サービスするわよ?」ジリッ

従者「間に合ってます」ジリッ
649: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:23:54 ID:B5M6CddzKk
姫「勇者、何でこの人と一緒に……」

勇者「ああ、なんかね、行き違いがあったみたいで」

勇者「魔王さん自身は人間に友好的なんだけど、底辺の方まで伝わらなくて」

勇者「それで今まで被害が出てたんだって」

魔王「そうなのよぅ」
650: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:24:15 ID:B5M6CddzKk
魔王「アタシは人間好きだし、カレシも人間なんだけど」

従者「恋人いるなら離してください」ゲッソリ

魔王「や〜よ。だから部下達のお詫びに、ちょっと言うこと聞いてあげたの」

勇者「で、城に帰りたいって頼んだんだけど……」キョロキョロ

勇者「……ここどこ?」
651: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:24:52 ID:B5M6CddzKk
魔王「あらアタシは間違ってないわよ」

勇者「え?でもここ、いつもの城じゃねーよ?」

魔王「アタシは『姫のいる場所へ』ってリクエストを聞いたもの」

姫「えっ」

勇者「やっべ」
652: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:25:17 ID:B5M6CddzKk
勇者「ところで姫、ここどこ?」

姫「ここは帝国の宮殿よ、お金の報告に……って」ハッ

皇帝「……随分と楽しそうに会話してたじゃないか」イラッ

姫(うわあ)
653: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:25:39 ID:B5M6CddzKk
皇帝「訳の分からない奴らが侵入してきたと思えば……」

皇帝「やたら無礼な知り合いだな?」ギロッ

姫「……あ、の」

皇子「父上、」

皇帝「黙っていろと言ったはずだ」
654: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:26:05 ID:B5M6CddzKk
勇者(なあこれどういう状況?)ヒソヒソ

魔王(知らないわよ〜アタシに聞かないでほしいわ)ヒソヒソ

宰相(お金が用意できませんでした。併合の危機です)

勇者(宰相さん)

魔王(あら何か不穏ねえ〜)
655: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:26:27 ID:B5M6CddzKk
皇帝「……まあいい。どうせ消滅する国だ」

皇帝「侵略しないだけ有り難く思え」

姫「っ……」

王子「……はい」

皇帝「残念だったな。北の冷害が解決し、君の友人がもっと常識を弁えていさえしたら……」

魔王「あっごめんそれ犯人アタシ」

従者「えっ」
656: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:27:25 ID:2Jn3tSEu0A
従者「ちょ、今何て言いました」

魔王「カレシと喧嘩したときに、怒って北の森まるごと凍らせちゃってねえ〜」

王子「北の穀倉地帯で、異常気象による冷害……まさか」

姫「真夏のダイヤモンドダストはそれか……!」
657: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:27:47 ID:2Jn3tSEu0A
皇子「冷害が解決しない限り、君たちの国に恩を売る余裕はない」

皇子「これは父上が、先ほどおっしゃった言葉です」

皇帝「……ああ。言ったな」

皇子「では、もし冷害が解決したら?」

姫「…………!」ハッ
658: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:33:45 ID:B5M6CddzKk
姫「魔王さん!そんなこと、できる?」

魔王「え、ええ。できるわよう」

魔王「そもそもあれも、戻すのが面倒でそのままにしていただけだもの」

王子「国の存亡がそんな適当な理由にかかっていたなんて……」フラッ

宰相「王子、お気を確かに」
659: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:34:37 ID:B5M6CddzKk
従者「では、小麦の冷害を解決してくださるんですね?」

魔王「ん〜ど〜しよっかな」

魔王「ねえあなた本当にうち来ない?」

従者「ですから結構です」キパッ

魔王「やん、つれな〜い」キャアッ
660: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:01 ID:B5M6CddzKk
魔王「まあいいわ。アタシのせいだし戻してあげる」

皇帝「待て、何をするつもりだ!」

魔王「何って……森を元に戻してあげるわよ?」

皇子「父上、ご不満ですか?」

皇帝「そういう問題ではない!」
661: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:26 ID:B5M6CddzKk
皇帝「いきなり出てきて魔王だ何だ信用できるか!」

皇帝「それに冷害を治めるなど……怪しいことこの上ないだろう!」

皇帝「君たちの知り合いのようだからと思っていたが、こうも詐欺紛いのことを始めるとあれば話は別だ」

皇帝「衛兵!この者たちを捕らえろ」

魔王「――できると思ってんの?」
662: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:48 ID:B5M6CddzKk
衛兵1「っ、体が……」

衛兵2「動かない……陛下!」

魔王「あ〜やだやだテンション下がっちゃうわ。せっかく可愛い子見つけたのに」

従者「……、冷害の件は」

魔王「やるわよ。こいつら抑えながらで充分だわ」
663: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:36:15 ID:B5M6CddzKk
皇帝「くっ……待てと言っている!」

魔王「なんかアタシあなた嫌い。いくわよ」

魔王「え〜い」

皇帝「やめ……やめろおおおぉぉぉ」
664: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:36:40 ID:B5M6CddzKk
魔王「…………」

宰相「………………」

皇子「……………………」

姫「……何も起こらないわね」

魔王「あなた何期待したの?」
665: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:38:08 ID:2Jn3tSEu0A
魔王「だってアタシが戻したのは北の森よ〜」

魔王「こんな離れた場所で何かが起こる訳ないじゃない」

従者「それにしたってこう、眩い閃光ですとか」

魔王「お望みならいくらでも出すわよ〜」キャピキャピ

兵士「陛下!北の森から大量の水蒸気が……!」バーン

王子「本当だったのか……」
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