姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
662: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:48 ID:B5M6CddzKk
衛兵1「っ、体が……」
衛兵2「動かない……陛下!」
魔王「あ〜やだやだテンション下がっちゃうわ。せっかく可愛い子見つけたのに」
従者「……、冷害の件は」
魔王「やるわよ。こいつら抑えながらで充分だわ」
663: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:36:15 ID:B5M6CddzKk
皇帝「くっ……待てと言っている!」
魔王「なんかアタシあなた嫌い。いくわよ」
魔王「え〜い」
皇帝「やめ……やめろおおおぉぉぉ」
664: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:36:40 ID:B5M6CddzKk
魔王「…………」
宰相「………………」
皇子「……………………」
姫「……何も起こらないわね」
魔王「あなた何期待したの?」
665: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:38:08 ID:2Jn3tSEu0A
魔王「だってアタシが戻したのは北の森よ〜」
魔王「こんな離れた場所で何かが起こる訳ないじゃない」
従者「それにしたってこう、眩い閃光ですとか」
魔王「お望みならいくらでも出すわよ〜」キャピキャピ
兵士「陛下!北の森から大量の水蒸気が……!」バーン
王子「本当だったのか……」
666: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:38:35 ID:2Jn3tSEu0A
魔王「これで多分元通りよ」
魔王「小麦だったかしら?来年にはたわわに実るはずね」
皇子「では、併合の件は……」
皇帝「…………」
皇帝「……いや、まだだ」
667: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:01 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「仮に今ので冷害が解決したとしても、すぐに我が国の経済が復活する訳ではない」
皇子「ですが、約束は」
皇帝「冷害が解決したら支払いを帳消しにする等と言った覚えはない」
皇帝「彼等が勝手に勘違いをしただけだ」
皇子「詭弁です!」
668: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:26 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「お前は事の深刻さを分かっていない!」
皇帝「これほどの帝国と言えど政情は不安定、少しの経済不安で民衆の不満は爆発する」
皇帝「金のない弱小国であれ、少しでも搾取して国を立て直さなければ」
皇子「これ以上小国を痛め付けて何の国利になると言うのです!」
皇帝「お前に口出しする権利はない!」
669: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:49 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「そんなことを言って私に逆らうつもりか……?」ピクリ
皇帝「反逆者とあらば私は、息子であろうと処刑するぞ」
皇子「そんなつもりで言ったのではありません……」
皇子「違います、自分は、」
皇子「俺はただ、父上のお力になりたくて……!」
670: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:13 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「…………」
皇帝「そんなことは、何とでも言える」
皇子「父上!」
皇帝「向こうの王と仲良くしていたそうじゃないか。情でも湧いて庇ったか」
皇帝「……誰が父親だと思っている」
皇子「え……?」
671: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:37 ID:2Jn3tSEu0A
姫(……つまり、)
姫(嫉妬、していたのかしら、お父様に)
姫(こんな立派な皇帝さんが)
皇帝「……お前とは、一度よく話し合う必要がありそうだ」
皇子「ええ。そう、思います」
皇帝「君たち」
672: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:23 ID:Ton..bW6Ps
皇帝「遠路はるばる来たところ申し訳ないが、今回は保留にしてくれ」
皇帝「今後のことは後日、君たちの父上と直接話し合って決める」
王子「了解しました」
皇帝「皇子、お送りしろ」
皇子「はい」
673: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:44 ID:Ton..bW6Ps
宰相「……構わなかったのですか」
皇子「ええ」ニコリ
皇子「父上との意見の衝突は、前々からのことでした」
皇子「むしろ感謝しているくらいです」
宰相「大変、ですね」
674: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:07 ID:Ton..bW6Ps
王子「国は、どうなるんだろうな」
皇子「大丈夫です、意地でも説得しますから」
皇子「代わりの政策は考えています。先程は言いそびれましたが」
王子「代わりですか」
皇子「勉強した甲斐がありました」ニコリ
675: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:31 ID:Ton..bW6Ps
姫「本当に、何とお礼を言ったらいいのか……」
皇子「いいんです。あなた方の父上にはお世話になりました」
皇子「どうかよろしくお伝えください」
姫「ええ、必ず」
676: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:53 ID:Ton..bW6Ps
勇者「……ねえ俺たちのこと忘れてない?」
姫「あっ」
魔王「酷いわあ。せっかく皆のピンチを救ってあげたのに〜」
従者「すみませんありがとうございました」
魔王「という訳でアタシと一緒に帰りましょ〜」
従者「結構です」
魔王「あなた結構不敵よね」
677: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:45:14 ID:Ton..bW6Ps
魔王「ま、いいわ。せいぜい元気でやりなさいよ」
魔王「じゃあね〜」フッ
勇者「あ!って、普通に消えるし……」
姫「まだお礼言ってないのに」
王子「ついて行かなくてよかったのか?」
従者「誰がですか」
678: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:45:39 ID:Ton..bW6Ps
宰相「ふふ、まあ良いじゃないですか」
宰相「今できることは終わりました」
宰相「後は待つだけですよ」
姫「ええ」
姫「……帰りましょう、国へ」
679: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:33:59 ID:c7b/jBefIw
王「あー……」ウロウロ
王「ううーん……」ウロウロ
王妃「もう、何をやってるの、あなた」
王「だって、姫ちゃん達がもうすぐ帰ってくるって伝令が来たから!」
王妃「だからって、歩き回っていても時間は過ぎませんよ」
680: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:34:21 ID:c7b/jBefIw
王「父さんだって分かってるよ、でも……」
王妃「いてもたってもいられない、って言いたいんでしょう?」ニコリ
王「母さんだってそうじゃないのかい?」
王妃「あなたほどではないわ、それにしても……」
姫「ただ今戻りましたー!」ガチャ
王「あ、来た!」
681: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/19(火) 21:34:40 ID:c7b/jBefIw
王「王子くん姫ちゃんお帰りー!」バタバタ
王子「父上!無事に帰還しました」
姫「お父様、お母様もお久しぶりです」
王妃「長旅お疲れ様。ふたりも付き添いをありがとう」
従者「いえ、それが仕事ですから」
宰相「おふたり共ご立派でしたよ」
216.14 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】