姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
642: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:19:47 ID:yHuRSWudJ.
皇帝「無礼者!客人の前だぞ」ガタッ
兵士「しかし陛下、何かがこちらにやって来ます!」
皇帝「何だと?」
兵士「何かが……謎の飛行物体がこちらに向かって!」
姫「え?」
?「うわああああぁぁぁぁぁぁ」パリーン
643: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:20:08 ID:yHuRSWudJ.
従者「姫様!」ガバッ
姫「きゃっ」
王子「ガラスを突き破って……!」
皇帝「ええい、何が起こった」
宰相「あれはもしや……」
皇子「……人?」
644: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:20:33 ID:DSgCxQqiRY
?「ばか何すんだよっ!ガラス割っちゃったじゃん!」
?「いいじゃないの〜、アタシのお陰で怪我ひとつしなかったでしょ?」
?「そういう問題じゃない!また姫に弁償させられ……」
姫「……勇者?」ポカン
勇者「あ、姫。久しぶり」ニカッ
645: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:21:05 ID:DSgCxQqiRY
姫「勇者?本当に勇者なの!?」
従者「姫様、迂闊に動くとガラスが」
勇者「あっそうだよガラス!お前のせいだよ、何とかしろよなっ」
?「ん〜しょうがないわね……」ポウッ
?「これでいい?」
王子「窓が直った……」
646: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:21:31 ID:DSgCxQqiRY
姫「今のは一体……」
勇者「あ、紹介するね。こちら俺が討伐に行った魔王さん」
姫「はあ!?」
勇者「魔王さん、これが姫」
魔王「あらあら可愛い」
647: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:21:57 ID:DSgCxQqiRY
魔王「魔王です〜よろしくぅ」
魔王「女同士仲良くしてね☆」
姫「いやでも見た目男性」
魔王「や〜んもう、お姉さんと思ってくれていいのよ?」
従者「オネエさんですか」
魔王「あら」
648: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:22:19 ID:DSgCxQqiRY
魔王「あなた可愛い顔してるじゃない」
従者「え、俺ですか」ギクリ
魔王「ん〜、その不憫そうな感じ、とってもタイプ。うちで働かない?」ジリッ
従者「結構です」ジリッ
魔王「サービスするわよ?」ジリッ
従者「間に合ってます」ジリッ
649: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:23:54 ID:B5M6CddzKk
姫「勇者、何でこの人と一緒に……」
勇者「ああ、なんかね、行き違いがあったみたいで」
勇者「魔王さん自身は人間に友好的なんだけど、底辺の方まで伝わらなくて」
勇者「それで今まで被害が出てたんだって」
魔王「そうなのよぅ」
650: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:24:15 ID:B5M6CddzKk
魔王「アタシは人間好きだし、カレシも人間なんだけど」
従者「恋人いるなら離してください」ゲッソリ
魔王「や〜よ。だから部下達のお詫びに、ちょっと言うこと聞いてあげたの」
勇者「で、城に帰りたいって頼んだんだけど……」キョロキョロ
勇者「……ここどこ?」
651: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:24:52 ID:B5M6CddzKk
魔王「あらアタシは間違ってないわよ」
勇者「え?でもここ、いつもの城じゃねーよ?」
魔王「アタシは『姫のいる場所へ』ってリクエストを聞いたもの」
姫「えっ」
勇者「やっべ」
652: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:25:17 ID:B5M6CddzKk
勇者「ところで姫、ここどこ?」
姫「ここは帝国の宮殿よ、お金の報告に……って」ハッ
皇帝「……随分と楽しそうに会話してたじゃないか」イラッ
姫(うわあ)
653: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:25:39 ID:B5M6CddzKk
皇帝「訳の分からない奴らが侵入してきたと思えば……」
皇帝「やたら無礼な知り合いだな?」ギロッ
姫「……あ、の」
皇子「父上、」
皇帝「黙っていろと言ったはずだ」
654: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:26:05 ID:B5M6CddzKk
勇者(なあこれどういう状況?)ヒソヒソ
魔王(知らないわよ〜アタシに聞かないでほしいわ)ヒソヒソ
宰相(お金が用意できませんでした。併合の危機です)
勇者(宰相さん)
魔王(あら何か不穏ねえ〜)
655: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:26:27 ID:B5M6CddzKk
皇帝「……まあいい。どうせ消滅する国だ」
皇帝「侵略しないだけ有り難く思え」
姫「っ……」
王子「……はい」
皇帝「残念だったな。北の冷害が解決し、君の友人がもっと常識を弁えていさえしたら……」
魔王「あっごめんそれ犯人アタシ」
従者「えっ」
656: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:27:25 ID:2Jn3tSEu0A
従者「ちょ、今何て言いました」
魔王「カレシと喧嘩したときに、怒って北の森まるごと凍らせちゃってねえ〜」
王子「北の穀倉地帯で、異常気象による冷害……まさか」
姫「真夏のダイヤモンドダストはそれか……!」
657: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:27:47 ID:2Jn3tSEu0A
皇子「冷害が解決しない限り、君たちの国に恩を売る余裕はない」
皇子「これは父上が、先ほどおっしゃった言葉です」
皇帝「……ああ。言ったな」
皇子「では、もし冷害が解決したら?」
姫「…………!」ハッ
658: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:33:45 ID:B5M6CddzKk
姫「魔王さん!そんなこと、できる?」
魔王「え、ええ。できるわよう」
魔王「そもそもあれも、戻すのが面倒でそのままにしていただけだもの」
王子「国の存亡がそんな適当な理由にかかっていたなんて……」フラッ
宰相「王子、お気を確かに」
659: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:34:37 ID:B5M6CddzKk
従者「では、小麦の冷害を解決してくださるんですね?」
魔王「ん〜ど〜しよっかな」
魔王「ねえあなた本当にうち来ない?」
従者「ですから結構です」キパッ
魔王「やん、つれな〜い」キャアッ
660: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:01 ID:B5M6CddzKk
魔王「まあいいわ。アタシのせいだし戻してあげる」
皇帝「待て、何をするつもりだ!」
魔王「何って……森を元に戻してあげるわよ?」
皇子「父上、ご不満ですか?」
皇帝「そういう問題ではない!」
661: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:26 ID:B5M6CddzKk
皇帝「いきなり出てきて魔王だ何だ信用できるか!」
皇帝「それに冷害を治めるなど……怪しいことこの上ないだろう!」
皇帝「君たちの知り合いのようだからと思っていたが、こうも詐欺紛いのことを始めるとあれば話は別だ」
皇帝「衛兵!この者たちを捕らえろ」
魔王「――できると思ってんの?」
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