姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
614: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:54:02 ID:lcHbkP.jag
姫「納得がいかない」
従者「仕方ないじゃないですか、間に合わなかったんだから」
姫「そうじゃなくて……帝国行きのことよ」
従者「はあ」
615: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:54:24 ID:lcHbkP.jag
姫「薄々感付いてたわ、小手先の節約だけじゃいけないことは」
姫「感付いていたのに、増税もリストラもしないと決めたのは、私」
従者「……王子も同じ決断をしました」
姫「でも、私もそう決めた」
616: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:54:48 ID:lcHbkP.jag
従者「あまり責めるものじゃありませんよ」
姫「責めてないわ」
姫「この結果は私の責任なのよ」
姫「その責任を報告するのに、私が行かないなんておかしい」
617: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:55:10 ID:lcHbkP.jag
従者「……なるほど、帝国行きにご同行なさるつもりですか」
姫「お父様が許してくれたらね」
従者「王位継承者がふたり揃って出払うとか、まずくないですか」
姫「じゃあ聞くけど、継承する王位はこの先あるのかしら?」
従者「それを言っちゃおしまいですよ……」
618: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:55:32 ID:lcHbkP.jag
姫「ちゃんと言えば許してくれるわ」
従者「ご立派です……」ハァ
姫「あんたも行くのよ?」
従者「ええ、勿論」
従者「俺は姫様付きの従者ですから」
619: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:55:52 ID:lcHbkP.jag
姫「という訳で私も行かせてください」
王「やっぱりか……」ハァ
王妃「あら、私の勝ちのようね」ニコリ
姫「と、言うと?」
王妃「姫ちゃんが行くって言い出すか、父さんと賭けてたのよ」
従者「王族が何やってんですか」
620: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:56:13 ID:lcHbkP.jag
姫「じゃあ……」
王妃「ええ。いいわよ、行って」
姫「ありがとうお母様!」
王妃「出発は明後日よ。姫ちゃんをよろしくね、従者くん」
従者「御意」
姫「そうと決まれば準備よ従者!」スタスタ
従者「はいはい御意御意」スタスタ
621: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:57:40 ID:Ton..bW6Ps
王「うん、それにしても」
王「父さんは反対したんだけどな……」
王妃「もう、あなたってば、心配性なんだから」
王「だって姫ちゃんまだ若いし女の子だし」
王妃「でもあなたより頼りになるわ」
王「」
622: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:58:02 ID:Ton..bW6Ps
王妃「まあ、それはともかく大丈夫よ、きっと」
王妃「王子くんや従者くんもいるわ」
王妃「私たちの娘でしょう?」
王「……うん」
王「とにかく、無事を祈ろう」
623: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:58:24 ID:Ton..bW6Ps
姫「そんなこんなで帝国に入りました」
王子「はしょったな」
従者「はしょりましたね」
宰相「いえ今のは必要な省略です」
姫「そうその通り!」キリッ
624: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:58:46 ID:Ton..bW6Ps
王子「宮殿はまだ先なのか?」
宰相「もうすぐです。そろそろ迎えが見える頃かと」
姫「振動でお尻痛い」
従者「馬車ですからねえ」
宰相「もうあと少しの辛抱ですよ」
625: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:59:06 ID:Ton..bW6Ps
姫「そういえば、宰相さんも一緒に来てたのね」
宰相「ええ、細かい事情を把握していたのは僕ですから」
王子「質問に答えられなかったら困るから、俺の付き人も兼ねてくれてる」
宰相「僭越ながら」ペコリ
626: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:59:31 ID:Ton..bW6Ps
姫「宰相さんはきちんとした人だものね」チラッ
従者「そんな目で見ても姫様の付き人は変わりませんよ」
姫「本当にあのお父様の下で頑張ってくれて……!」ウルッ
従者「振っといてスルーですか」
627: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 21:59:55 ID:Ton..bW6Ps
宰相「いえ、そんなことはありません」
宰相「そもそも、不作くらいで揺らぐような運営を続けてはいけなかったんです」
宰相「僕がもっと強く王様に申し上げていればこんなことには……」
王子「いや、無理だろう」
宰相「うう」
628: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 22:01:03 ID:PKjewJBY12
姫「ほっほら宰相さん迎えが!」
従者「あ、見えましたね。あれでしょうか」
王子「どれどれ、意外と丁重じゃないか」
従者「借金踏み倒してるのにですか」
王子「邪険にされるよりはいいだろ」
宰相「あれ、あのお方は……」
629: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 22:01:24 ID:PKjewJBY12
青年「お久しぶりです、姫様」
姫「あなた……もしかしてパーティーのときに」
青年「はい、お相手頂きました者です」ニコリ
宰相「あ!思い出しました」
王子「どうした?」
630: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 22:01:48 ID:PKjewJBY12
宰相「どこかでお顔を拝見したと思っていましたが」
宰相「咄嗟に出なかったのがお恥ずかしい」
宰相「この大帝国の、皇太子殿だったんですね……」
皇子「…………」ニコリ
631: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 22:02:07 ID:PKjewJBY12
皇子「皆様、我が帝国へようこそ」
皇子「帝国皇太子として、心より歓迎申し上げます」
姫「皇太子……!」
王子「……お会いできて光栄です」
皇子「ええ、こちらこそ」
632: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/16(土) 22:02:51 ID:PKjewJBY12
皇子「自分が父の元にご案内します」
宰相「ありがとうございます」
従者(随分と豪華な迎えですね……って、姫様?)
姫(私は……帝国の皇太子の足を踏みつけていたのね……)ガクブル
従者(ああなるほど)
633: 名無しさん@読者の声:2012/6/17(日) 17:17:45 ID:PNDZ3DGh8o
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