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姫「殴っていいですか」
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1: ◆xXC7.dNnEA:2011/10/28(金) 22:21:53 ID:SCGnwLC0bk
姫「いいですよねお父様」

王「姫ちゃん怖いよ」

姫「殴りたくもなりますよ。



  ――何ですかこの財政は!」


376: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/1(日) 23:39:41 ID:SclZQjm4pU
姫「……え?」

従者「何でも王様に挨拶に行ったとか」

姫「待って、何でいきなり?」

従者「詳しいことは俺も知りませんが」

従者「パーティーの後辺りから、思い詰めている様子だったらしいです」

姫「そんな……」
377: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/1(日) 23:40:23 ID:SclZQjm4pU
姫「もしかして、私のせい?」

従者「何でそうなるんですか」

姫「だって、私が無茶なお願いをしたから」

従者「乗り気でしたけどね」

姫「確かに、パーティーで話したときは満足そうだったけれど……でも」

従者「姫様」
378: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/1(日) 23:40:49 ID:SclZQjm4pU
従者「落ち着いてください」

従者「姫様が取り乱してどうするんですか」

従者「あくまで噂です、迂闊にお話しした俺も俺ですが」

姫「……そうね。確認を、取らなきゃ」

姫「まずは芸術家さんの部屋に行くわ、話はそれからよ」

従者「御意」
379: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:50:57 ID:c.gYySYfy6
姫「芸術家さん?いるかしら?」コンコン

芸術家「はーい、ただ今……ってへぷっ」ガンッドサバサグシャッ

姫「…………」

従者「……相変わらずですね」

姫「ちょっと安心したわ」

従者「それはそれは」
380: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:51:35 ID:c.gYySYfy6
芸術家「あははは、すみません毎度毎度」ボロッ

姫「いいえ、構わないけれど……どうしたの、この部屋」

姫「あんなに散らかっていたのに、急に荷物なんて纏めて」

従者「一部雪崩を起こしてますがね」

姫「本当に、城を出ていくの?」

芸術家「……、はい。」ニコリ
381: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:52:09 ID:c.gYySYfy6
芸術家「すみません、突然のことで、姫様にご挨拶もできずに」

姫「そんなのはいいのよ、でもどうして?私が何かしてしまった?」

芸術家「いいえ、姫様が心配なさることは何も」

従者「パーティーでの作品に、何かあったんですか?」

芸術家「確かに切っ掛けのひとつではありますけれど、僕が自分で考えて、王様にお許し頂いたことです」
382: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:52:31 ID:c.gYySYfy6
芸術家「僕ね、環境に恵まれていたでしょう」

従者「まあ、国王直々の保護を受けてましたもんね」

姫「そのことに、何か不満が?」

芸術家「いいえ、滅相もない」

芸術家「ただ少し、試してみたくなったんです」
383: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 18:26:45 ID:tbpDYj2bNQ
毎日更新だけが取り柄なのに昨日更新できなかった1ですすみません(・ω・`)
今日こそ後で必ず……必ず……
384: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:57:30 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「姫様が材料を買わないようおっしゃったとき、最初は苦労しましたよ」

芸術家「作りたいものを作りたいだけ、無心に作ることができない」

芸術家「でもね、それを工夫するのが、途中から楽しく思えてきたんです」

姫「そんなことが……」

芸術家「はい。だから試してみたくなった」
385: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:58:01 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「僕はひとりになっても、果たしてやっていけるのか」

芸術家「王様がいなくても、外で暮らしていけるのか」

芸術家「他の、普通の芸術家と同じように、小さな街の片隅で」
386: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:58:28 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「……折角、僕のことを認めて頂いて、この城に置いて頂いてるのに」

従者「それでも、行かれるんですか」

芸術家「はい」

姫「……そう、なの」
387: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:59:00 ID:RGDdi1MlWM
姫「お父様は何て?」

芸術家「王様は、応援してくださいました」

従者「良かったじゃないですか」

芸術家「あは、そうですね」

姫「…………」

芸術家「……、姫様」
388: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:59:27 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「姫様どうか、お気を落とさないでください」

芸術家「これは僕の我が儘で、姫様は何も悪くないんです」

芸術家「最後にパーティーで作品を作らせて頂けて、とても幸せでした」

芸術家「これからは外で、頑張ってみたいんです」

芸術家「ただ、それだけなんですよ」
389: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:59:56 ID:RGDdi1MlWM
姫「でも……」

芸術家「……僕にとっては喜ばしい門出なんですけど、姫様は祝ってくださらないんですか?」

姫「そんなことは、」

芸術家「姫様」

姫「……そうね」

姫「おめでとう、芸術家さん。新しい場所でも、お元気で」

芸術家「ありがとう、ございます」
390: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/5(木) 22:27:40 ID:SclZQjm4pU
従者「勇者さんに芸術家さん」

従者「続けて別れがあったからって、なーに落ち込んでるんですか」

姫「だって……」

従者「逆にうざいですよ」

姫「あんた言葉を選びなさいよ」
391: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/5(木) 22:28:10 ID:SclZQjm4pU
姫「だって、私が追い出したようなものだわ」

従者「違うって言ってたじゃないですか」

姫「そういうことじゃない」

姫「……私は、やりすぎていたのかもしれないわ」

従者「間接的リストラ、とでも?」

姫「そこまでかは分からないけれど」
392: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/5(木) 22:28:41 ID:SclZQjm4pU
姫「私は本当に、今まで通りでいいのかしら」

姫「必死になりすぎて、変えてはいけないことまで変えてはいないかしら」

従者「いつも周りが、諫めてくれるじゃないですか」

姫「だからこそ、それがないときは分からないでしょう」

従者「……つくづく、真面目ですねえ」
393: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/5(木) 22:29:08 ID:SclZQjm4pU
従者「そんな姫様にプレゼントです」スッ

姫「え、何これ手紙?」

従者「勇者さんからですよ」

姫「まじで送ってきやがったわ……」

従者「似た者同士、勇者さんも意外と真面目ですからねえ」

姫「誰が似た者同士よ」
394: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/6(金) 23:43:05 ID:2ho66zkJlw
従者「……では、俺はこれで」

姫「あんた手紙届けに来ただけ?」

従者「いえ、姫様の愚痴を聞きに」

姫「質問に答えただけよ」

従者「……ご自分の発言を振り返ってからおっしゃってください」ハァ

姫「え、何その私が理不尽みたいな」
395: 1
◆xXC7.dNnEA:2012/1/6(金) 23:43:36 ID:2ho66zkJlw
姫「全く、私だってどうしたら良いのか……」

姫「ううん、考えても仕方ないわ。気分を切り替えましょう」

姫「勇者からの手紙でも読んで……ええと」ガサゴソ

勇者『姫へ(はぁと』

姫「」イラッ
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