姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
369: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/30(金) 23:05:21 ID:B7K.t.o2jo
勇者「姫だって、何だかんだで寂しいんじゃん」ニヤニヤ
姫「ばっ、かじゃないの何でそーゆう結論に辿り着くのよ、ってうわ、」コケッ
勇者「あーまた転んで……本当に俺がいないとしょーもないんだから」
姫「……いなくたって、平気よ」
370: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/30(金) 23:05:47 ID:B7K.t.o2jo
勇者「随分と寂しいこと言うね」
姫「だって、帰ってくるんでしょう」
勇者「けっこう時間、かかると思うけど」
姫「でも帰ってくる」
勇者「うん、俺のこと待っててくれる?」
姫「何を今更」ドヤッ
勇者「ですよねー」
371: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/30(金) 23:06:40 ID:B7K.t.o2jo
勇者「それじゃ、待っててな」
姫「うん」
勇者「手紙送るし」
姫「女々しいわね」
勇者「いきなり暴言」
姫「でも待ってる」
姫「いってらっしゃい」
勇者「うん」
勇者「……いってきます」
372: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/31(土) 23:31:54 ID:zfaQV.HN9M
今年最後の更新になります。
皆様どうかよいお年を!(*´∀`)ノシ
373: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/31(土) 23:32:26 ID:zfaQV.HN9M
従者「あれから一週間」
従者「まーだパーティーの余韻に浸ってるんですか」
姫「そんな訳ないでしょ、休憩よ休憩」
従者「その割には元気なさそうですが」
姫「休憩中もテンション高かったら逆に怖いわよ」
374: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/31(土) 23:33:04 ID:zfaQV.HN9M
姫「パーティーが終わってから、帳簿を見てもなかなか捗らないわ」
姫「そろそろもう、削るとこないもの」
従者「勇者さんの送別式も、随分と簡素なものでしたからね」チラッ
姫「何か言いたそうね?」ジロッ
従者「いや別に、本当に落ち込んでる理由が再建策が進まないだけなのかとか気になってませんから」
姫「言ってる言ってる」
375: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/31(土) 23:33:32 ID:zfaQV.HN9M
従者「そのしょぼくれた姿、勇者さんに見せて差し上げたいです」
姫「あんたしつこいわよ」
従者「では話題を変えましょう。……ご存知ですか、芸術家さんの話」
姫「知らない、どうしたの?」
従者「この城を、出て行くそうですよ」
376: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/1(日) 23:39:41 ID:SclZQjm4pU
姫「……え?」
従者「何でも王様に挨拶に行ったとか」
姫「待って、何でいきなり?」
従者「詳しいことは俺も知りませんが」
従者「パーティーの後辺りから、思い詰めている様子だったらしいです」
姫「そんな……」
377: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/1(日) 23:40:23 ID:SclZQjm4pU
姫「もしかして、私のせい?」
従者「何でそうなるんですか」
姫「だって、私が無茶なお願いをしたから」
従者「乗り気でしたけどね」
姫「確かに、パーティーで話したときは満足そうだったけれど……でも」
従者「姫様」
378: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/1(日) 23:40:49 ID:SclZQjm4pU
従者「落ち着いてください」
従者「姫様が取り乱してどうするんですか」
従者「あくまで噂です、迂闊にお話しした俺も俺ですが」
姫「……そうね。確認を、取らなきゃ」
姫「まずは芸術家さんの部屋に行くわ、話はそれからよ」
従者「御意」
379: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:50:57 ID:c.gYySYfy6
姫「芸術家さん?いるかしら?」コンコン
芸術家「はーい、ただ今……ってへぷっ」ガンッドサバサグシャッ
姫「…………」
従者「……相変わらずですね」
姫「ちょっと安心したわ」
従者「それはそれは」
380: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:51:35 ID:c.gYySYfy6
芸術家「あははは、すみません毎度毎度」ボロッ
姫「いいえ、構わないけれど……どうしたの、この部屋」
姫「あんなに散らかっていたのに、急に荷物なんて纏めて」
従者「一部雪崩を起こしてますがね」
姫「本当に、城を出ていくの?」
芸術家「……、はい。」ニコリ
381: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:52:09 ID:c.gYySYfy6
芸術家「すみません、突然のことで、姫様にご挨拶もできずに」
姫「そんなのはいいのよ、でもどうして?私が何かしてしまった?」
芸術家「いいえ、姫様が心配なさることは何も」
従者「パーティーでの作品に、何かあったんですか?」
芸術家「確かに切っ掛けのひとつではありますけれど、僕が自分で考えて、王様にお許し頂いたことです」
382: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:52:31 ID:c.gYySYfy6
芸術家「僕ね、環境に恵まれていたでしょう」
従者「まあ、国王直々の保護を受けてましたもんね」
姫「そのことに、何か不満が?」
芸術家「いいえ、滅相もない」
芸術家「ただ少し、試してみたくなったんです」
383: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 18:26:45 ID:tbpDYj2bNQ
毎日更新だけが取り柄なのに昨日更新できなかった1ですすみません(・ω・`)
今日こそ後で必ず……必ず……
384: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:57:30 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「姫様が材料を買わないようおっしゃったとき、最初は苦労しましたよ」
芸術家「作りたいものを作りたいだけ、無心に作ることができない」
芸術家「でもね、それを工夫するのが、途中から楽しく思えてきたんです」
姫「そんなことが……」
芸術家「はい。だから試してみたくなった」
385: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:58:01 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「僕はひとりになっても、果たしてやっていけるのか」
芸術家「王様がいなくても、外で暮らしていけるのか」
芸術家「他の、普通の芸術家と同じように、小さな街の片隅で」
386: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:58:28 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「……折角、僕のことを認めて頂いて、この城に置いて頂いてるのに」
従者「それでも、行かれるんですか」
芸術家「はい」
姫「……そう、なの」
387: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:59:00 ID:RGDdi1MlWM
姫「お父様は何て?」
芸術家「王様は、応援してくださいました」
従者「良かったじゃないですか」
芸術家「あは、そうですね」
姫「…………」
芸術家「……、姫様」
388: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:59:27 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「姫様どうか、お気を落とさないでください」
芸術家「これは僕の我が儘で、姫様は何も悪くないんです」
芸術家「最後にパーティーで作品を作らせて頂けて、とても幸せでした」
芸術家「これからは外で、頑張ってみたいんです」
芸術家「ただ、それだけなんですよ」
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