姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
318: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/19(月) 23:16:39 ID:4SVeeV6rxk
芸術家「……最高の誉め言葉を、ありがとうございます」
勇者「お、芸術家さん照れてる?」
芸術家「いや、そんなことは!」
姫「あらそんなに嬉しかった?もっと言おうかしら」
芸術家「ひ、姫様ぁ」タジッ
319: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/19(月) 23:19:24 ID:7l16fIcLfY
芸術家「あ、そうだそうだ。これを見て頂けませんか」
勇者「何これ、この木の葉っぱ?」
姫「何か書いてあるわよ」
芸術家「これはね、紙を加工してできてるんですよ。少しずつ色や形を変えて、針金を仕込んで」
勇者「へえ、本物みたいに作るなあ」
芸術家「あはは、これでも僕、芸術家ですから」
320: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/19(月) 23:20:08 ID:7l16fIcLfY
芸術家「で、紙ですから、文字が書けますよね」
姫「まあ、書けるわね」
芸術家「ということで、実はね、見に来てくださった皆さんに、願い事を書いて貰ってるんですよ」
勇者「……願い事?」
321: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/19(月) 23:20:41 ID:7l16fIcLfY
芸術家「東洋にはね、七夕という風習があるらしいんですよ」
芸術家「一年に一度、笹の枝に、紙で作った飾りと、願い事を書いた紙を吊るすと、願いが叶うんです」
姫「面白いわね、それが今日?」
芸術家「いえ」キパッ
姫「えっ」
芸術家「いや、素敵な風習なんでパクってきちゃいました。あはは」
322: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/19(月) 23:21:11 ID:7l16fIcLfY
姫「そんな適当でいいのね……」
勇者「まあまあ、楽しそうだしいいじゃん」
芸術家「あはは、まあそういう訳で、おふたりもいかがですか」
勇者「やる!」
姫「まあ、折角だし」
芸術家「はい、ではどうぞ」
323: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/20(火) 23:04:41 ID:XaSSnJluPk
勇者「魔王討伐に行きたい……っと」カキカキ
姫「あんた根にもつわねえ」
勇者「だって行きたいし。行かせてくれないの、割と残念だし」
勇者「あーあ、早く節約生活終わんないかなあ」
姫「……ふぅん。」
324: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/20(火) 23:05:09 ID:XaSSnJluPk
勇者「姫は?」
姫「無事に財政を立て直せますように」
勇者「うわ、普通」
姫「今はこれ以外にないわよ、切実に」
姫「念を込めたら叶いやすくなるかしら……」ズモモモモ
勇者「姫ー、顔怖いよ顔」
325: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/20(火) 23:05:36 ID:XaSSnJluPk
芸術家「では、僕が木のほうにお掛けしておきますね」
勇者「よろしくー」
姫「ああ、もしかしてあの梯子はそのために……」
芸術家「いや、梯子って難しいですね。僕もう何度落ちたか分かりませんよ」
勇者「それ多分芸術家さんだけだよ」
姫「言わないであげましょうよ」
326: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/20(火) 23:06:03 ID:XaSSnJluPk
従者「姫様!」
姫「あれ従者、あんたもこっち来たの?」
従者「来たの?じゃありませんよこのどアホ!どんだけ休憩する気ですか!」スパーンッ
姫「痛ったあ、何すんの……ってちょ、やめ……」ズルズル
従者「挨拶回りはまだ残ってますよ」ズルズル
勇者「……いってらー。」ヒラヒラ
327: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/21(水) 22:56:59 ID:IZAkWz/mtQ
仕立屋「あっ姫様、ドレスの具合はいかがでしょうか」
姫「仕立屋さん。お陰様で丁度よ、気に入ったわ」
仕立屋「ふふ、それは仕立て直した甲斐があるというものです」
従者「本当に別物ですね……」
仕立屋「私の手にかかればこんなものです」ドヤッ
328: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/21(水) 22:57:22 ID:IZAkWz/mtQ
仕立屋「姫様はサイズが変わってらっしゃらないので、私も仕立てやすかったんですよ」
従者「ああ、胸のサイズも」
姫「あんたそれセクハラよ?」
姫「ともかく、それじゃ、お兄様なんて大変だったでしょう。すごく背も伸びてらして」
仕立屋「まあ、頑張りましたわ。特に王子様には見返りがありましたし……」キラーン
従者「なんか怖い」
329: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/21(水) 22:57:42 ID:IZAkWz/mtQ
姫「あら、何かしら」
仕立屋「私の口からは申し上げられませんねえ」
姫「もう……」
従者「姫様、そろそろ次の方に」
仕立屋「あらすみません、つい話が長くなってしまって」
姫「良いのよ、仕立て直せだなんてお願い、聞いてくれてありがとうね」
仕立屋「いいえ、これからも何なりと」
330: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/22(木) 23:03:47 ID:/UGBUXLJ6g
王「姫ちゃん姫ちゃん、ちょっとこっち来てー」
姫「お父様?あら、そちらの方は……」
青年「初めまして、貴女のお父様の知人ですよ」
王「えっ」
姫「あら、それは失礼しました。初めまして、娘の姫です」
331: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/22(木) 23:05:30 ID:XXnWtGX0ys
青年「一曲いかがでしょう、お相手願えますか?」
姫「え、いやその、お父様が何て言うか……」チラッ
王「……姫ちゃん、行っておいで」
姫「嘘っ!?」
青年「面白いお嬢さんですね」クスクス
332: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/22(木) 23:07:26 ID:zfaQV.HN9M
従者「うーわー、姫様踊ってますよ、見知らぬイケメンと」
王子「え?まさか姫がそんな……って、本当だ。まずいんじゃないか」
宰相「いえ、でも姫様も必死で練習なさっていたそうですし」
従者「ていうか、何で俺らが一緒にいるんですか」
宰相「作者の趣味らしいですよ」
従者「いきなりメタ的な発言」
王子「迷惑極まりない」
333: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/22(木) 23:08:05 ID:zfaQV.HN9M
宰相「でも足元を見なければ姫様も中々頑張ってらして……」
従者「足元を見れば酷いものですがね」
王子「あ、また踏んだ」
従者「踊りながら平謝りですよ、姫様も」
宰相「ああっ姫様謝ってないで足元に集中なさらないと!」
334: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/22(木) 23:08:38 ID:zfaQV.HN9M
従者「上達しませんでしたねえ」
王子「本当に練習させたのか?」
従者「させてあれですよ、失礼な」
王子「父上が仰ったとはいえお前が仕組んだことだ、信用ならん」
従者「これはまた素晴らしく独断と偏見に満ち溢れたご意見をありがとうございます」
宰相「結局喧嘩するんですね……」
宰相(それにしても、あの男性、どこかで……)
335: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/23(金) 23:28:55 ID:YW2VpLC90c
姫「ああああのっ、本っ当にごめんなさいっ」ガクブル
青年「いえいえ、お気になさらず」ニコニコ
姫「すみません本当、もっとゆっくりした曲ならまだましなのだけれど……」
青年「試しましょうか?」
姫「申し訳ないです!」
336: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/23(金) 23:29:25 ID:YW2VpLC90c
青年「可愛らしい反応をなさいますね」
姫「おかしなことを言わないで、って、わ」コケッ
青年「いいえ、思ったことを申し上げたまでですよ」グイッ
姫「……お口が上手で」カアァ
青年「よく言われます」
337: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/23(金) 23:29:53 ID:YW2VpLC90c
姫「貴方は今日、どちらから?」
青年「良いんですか、足元を気になさらないで」
姫「失礼なことを言いますね、少しくらい大丈」ズルッ
青年「……大丈夫ではなさそうですが」
姫「ごめんなさい……」
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