姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
285: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/12(月) 22:44:37 ID:4SVeeV6rxk
姫「あーもう何でいきなり……」
勇者「それはこっちの台詞だよ!」
舞踏家「ええ、確かに姫様はずっと練習を逃げてらしたのに」
姫「逃げられなかったのよ……」
勇者「年貢の納め時って?」ニヤニヤ
姫「知らないわよ」
286: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/12(月) 22:46:25 ID:zfaQV.HN9M
従者「お疲れ様です、姫様」
姫「従者。遅いわよ来るのが」
従者「すみません、あまりに休憩所のソファの寝心地がよかったものですから」
姫「本当にいい身分だこと」
従者「それほどでも」
287: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/12(月) 22:47:54 ID:zfaQV.HN9M
姫「まあいいわ、従者、勇者を送ってあげて」
従者「御意」
勇者「え?いいって別にそんな」
姫「むしろ屋敷まで持ち帰ってやって」
勇者「やだよ俺そんな趣味ないもん」
従者「俺にもありませんよ」
288: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/12(月) 22:50:31 ID:agmpcxXNZc
姫「私は舞踏家さんと先に戻ってるから!」
舞踏家「ええっ、私ですか?」
従者「はあ、道順的な」
勇者「ああ、的な」
姫「ちちち違うわよ別に!もういいわ、行きましょ舞踏家さん」クルッ
舞踏家「では、ご一緒させて頂きます」ペコリ
289: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/13(火) 16:39:25 ID:7l16fIcLfY
勇者「本当に姫はどんくさいからなあ」
従者「上達しませんか」
勇者「まあね。俺の避けるスキルが上がるくらい」
従者「全く、姫様はほんとにもー……」
勇者「従者さんお母さんみたい」
従者「どこがですか」
290: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/13(火) 16:39:51 ID:7l16fIcLfY
勇者「姫は、頑張ってる?」
従者「今日ご覧になった通りですが」
勇者「またまたぼかしちゃってー。色々やってるって聞いたよ?」
従者「やってると言えばやってますよね。先日も城中を駆け回って」
勇者「主に迷子で?」クスリ
従者「分かってらっしゃるじゃないですか」
291: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/13(火) 16:40:13 ID:7l16fIcLfY
従者「まあ、結果が出るのは1年後の話ですから」
勇者「長いな」
従者「いいえ、短いですよ。残酷なほどに」
勇者「……そっか。そうだよなあ、うん」
勇者「従者さん、姫によろしくね」
従者「了解しました」
292: 名無しさん@読者の声:2011/12/14(水) 00:01:28 ID:ZE4udjmZ36
支援ー
293:
削除されますた
294: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/14(水) 17:57:52 ID:7cMpp1kMaE
>>292
支援ありがとうございますー(´ω`*)
295: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/14(水) 17:59:08 ID:zfaQV.HN9M
姫「疲れたわ……」
従者「聞き飽きました」
姫「だって疲れたんだもの」
従者「知ってますよ」
296: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/14(水) 17:59:45 ID:zfaQV.HN9M
姫「もう今日は一歩も動かないわ」
従者「では姫様、一歩も動かずにできることをしましょうか」ドサドサ
姫「え?ちょっ、何これ帳簿?一体何冊あるのよ」ガバッ
従者「過去の舞踏会の詳細をとりあえずこれだけ」
姫「とりあえずじゃないわよ!」
297: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/14(水) 18:00:26 ID:zfaQV.HN9M
姫「で、これを読めと」
従者「1年分だけ目を通したところで何にもなりません」
姫「成る程ね、色んな年のを比較して無駄を探すの」
従者「分からなかったことも見えてくるでしょうね」
姫「……あんたやけに協力的ね?なんか怪しい」
従者「俺を何だと思ってるんですか」
298: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/14(水) 18:01:10 ID:zfaQV.HN9M
従者「ああ、それと姫様。パーティーと直接の関係はありませんが」
姫「うん?何この書類」
従者「先例がありましたので」
姫「先例?何かしら」
姫「あ……これ…………」
299: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/15(木) 22:04:25 ID:zfaQV.HN9M
王子「これで今日は終わりだな。明日はどこの家だっけ」
宰相「お疲れですね」
王子「まあ、否定はしないよ」ニコリ
宰相「王子、やはりこのようなことは、おやめになった方が……」
王子「……良いんだよ。付き合わせてごめんな、俺が手伝うって言ったのに」
宰相「いえ」
300: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/15(木) 22:04:53 ID:zfaQV.HN9M
王子「俺のこと、馬鹿だと思う?」
宰相「率直に言わせて頂きますと――ええ。愚直なまでに」
王子「ははっ、それは誉め言葉だよ」
王子「ずっとそうではいられなくても、今はまだ」
宰相「……貴方はきっと、良い王になりますよ」
王子「その時に国がまだあれば、だけどな」
301: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/15(木) 22:05:22 ID:zfaQV.HN9M
料理長「これでよし……と」
姫「こんにちは料理長さん、調子はどうかしら」ヒョコッ
料理長「これは姫様!こちらは順調ですよ」
姫「あら、これがお客様に振る舞う料理?すごく綺麗だわ……」
料理長「皆さんに、目でも楽しんで頂けるようにしましたからね」ドヤッ
302: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/15(木) 22:05:48 ID:zfaQV.HN9M
姫「お疲れ様、私たちの料理も楽しみにしているからね」
料理長「ええ、お任せください」
姫「じゃあまた今度、頑張ってね!」
料理長「姫様もご健闘を!」
303: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/15(木) 22:06:13 ID:zfaQV.HN9M
従者「……これであらかた見回りましたね」
姫「ええ。後は私たちも準備して、始まりの時間を待つだけよ」
従者「自信の程は?」
姫「できることはやったわ」
304: 1 ◆xXC7.dNnEA:2011/12/15(木) 22:06:44 ID:zfaQV.HN9M
姫「城内での開催には費用が掛かりすぎる」
姫「庭園を開放して、開始時間を繰り上げて、照明を減らした」
姫「カーテンやクロスの新調は見送って、装飾も庭園の花で足らす」
姫「見世物は減らすけれど、代わりに私たちが皆さんと話せばいい」
姫「他にも色々、躍りの練習の合間を縫っては無駄を探したわ」
姫「どれだけ費用を削れたか、結果が出るのは今日が終わってから」
姫「――さあ、パーティーの始まりよ」
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