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姫「殴っていいですか」
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1: ◆xXC7.dNnEA:2011/10/28(金) 22:21:53 ID:SCGnwLC0bk
姫「いいですよねお父様」

王「姫ちゃん怖いよ」

姫「殴りたくもなりますよ。



  ――何ですかこの財政は!」


101: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 11:52:34 ID:RXwsYJSRA.
王子「…………」パラパラ

宰相「…………」ジーッ

王子「……うっわあ」ペラッ

宰相「お分かりになりましたか」

王子「これは酷い」
102: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 12:17:03 ID:RXwsYJSRA.
宰相「城内の帳簿は姫様がお持ちのようですが」

王子「いや、これで構わないよ。宮廷費が酷いことだけ分かれば十分だ」

宰相「そこを締めるのは姫様のお仕事ですからね」

王子「そっちは任せるとしようか」
103: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 12:28:47 ID:QZJczNwe4M
宰相「宮廷費に圧迫された、ギリギリの国政費」

宰相「一度負債を抱えてしまえば、抜け出すのは難しいでしょう」

王子「借金漬けの王国が、行き着く先は破産ってことか」

宰相「国の崩壊が、少し遅くなるだけの話です」
104: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 12:32:43 ID:VwxIAK9LCQ
王子「……そうなると。歳入を増やすか歳出を減らすか」

宰相「増税を、お考えですか」

王子「……宰相はどう思うんだい?」

宰相「僕は……」
105: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 12:36:51 ID:YEY72tQYGM
宰相「正直に申し上げると、このままでは免れないと思います」

宰相「歳出は既に切り詰めています」

宰相「これ以上は、削ってはいけないものまでなくしてしまう」

王子「なあ宰相、」

宰相「はい」

王子「俺はね……」
106: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 23:15:02 ID:YEY72tQYGM
王「……なんか朝食すごいことになってない?」

姫「何ででしょうねえ」シレッ
107: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 23:18:00 ID:TKQezqcdlg
王「オムレツが小さくなってソースが芸術的にかかってる!」

王「スープの表面にもなんか模様が描いてある!」

王「ああっサラダのトマトが花の形に!?」

料理長「美しさこそ至高です」ドヤッ

王「よく分かんないけど全部ちっちゃい!」ガーン
108: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 23:19:33 ID:TKQezqcdlg
王妃「ふふ、とても綺麗。ねえあなた」

王「あ、ああそうだね、でも母さん」

王子「このくらいの量の方が、食べやすくて良いですね」

王「そ、そうかな?」

王妃「あなたも昔はもっと少食だったのに……」チラッ
109: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 23:23:05 ID:VwxIAK9LCQ
王妃「…………」ジーッ

姫「…………」ジーッ

王子「…………」ジーッ

王「」ポヨン

王「…………、分かったよう……」
110: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/6(日) 23:26:28 ID:VwxIAK9LCQ
姫「美味しさは変わらないわね」

王「そこだけが救いだよ」

料理長「心なしかカロリー控え目にしてみました」

王「嫌なところまで気が利くね……」
111: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/7(月) 08:02:02 ID:YEY72tQYGM
王「そうだ、父さんみんなに話したいことがあったんだよね」

姫「何ですか?」

王「ふっふっふ……」

王「王子くんも帰ってきたことだし、お帰り記念お祝いパーティーを開きたいと思います!」バーンッ
112: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/7(月) 08:03:11 ID:YEY72tQYGM
王子「俺の、ですか?」

王「うん、無事に帰ってきてくれたんだからね、みんなにも元気な姿を見せてあげなきゃ」

姫「待ってください、どこにそんなお金があるって言うんですか!」

王妃「まあ姫ちゃん、落ち着きましょう」

姫「お母様」

王妃「簡単に無駄遣いとは、言い切れないことなのよ」
113: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/7(月) 22:09:43 ID:CDn3vnH7O.
王子「と言いますと……?」

王「えっとね、まず、何だかんだで父さんはこの国の王様です」

王「一応国民のみんなを治める立場です」

王「上に立ってる人が、よく知らないし取っ付きにくい嫌な人だったら、多分嫌だと思うんだよね」

王妃「私たちはね、親しみやすい君主でいたいのよ」
114: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/7(月) 22:13:09 ID:CDn3vnH7O.
王子「ではもしかして、今までの舞踏会も……?」

王「うん、父さんたちも楽しいし、街の人たちも楽しんでくれてたみたいだしね」

王妃「王子くんが辺境に行ってから、舞踏会はずっと開いていなかったし」

王妃「国民の皆さんには、少し寂しい思いをさせてしまったかもしれないわ」

姫「そうだったんですか……」
115: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/7(月) 22:20:34 ID:YEY72tQYGM
姫「うううそれでも支出は痛い」

王子「良いじゃないか、節約すれば」

姫「お兄様まで」

王子「正直俺も出費は痛いと思うけど、そういうことなら必要だろうし」

王子「自分のために会を開いて貰えるのは、とても光栄なことです」
116: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/7(月) 22:27:06 ID:VwxIAK9LCQ
姫「……仕方ないです」

王妃「それじゃあ決まりね」

王「まあまあ、やるからには姫ちゃんも楽しもうよ!」

姫「でも経費削減はさせてくださいね!」

王「分かってるってばー」

姫「不安だわ……」
117: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/8(火) 12:39:37 ID:RXwsYJSRA.
姫「とは言ったものの」

従者「まさかまた無策ですか」

姫「うっさいわね」

従者「わあ図星」

姫「お金のことだけ考えれば、パーティーなんて開かないのが一番なのよ」
118: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/8(火) 12:46:10 ID:BD5gqboGtA
姫「そりゃあ私だって、お兄様が帰ってきてくださったのはすごく嬉しいのよ?」

従者「はあ」

姫「でもね、だからと言ってそんなに豪勢にお金を使うのは……」

従者「そうですね」

姫「ああっ、でもこれが王族としての運命?やっぱり威厳が必要なの?」

従者「知りませんよ」
119: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/8(火) 12:53:50 ID:cdu7xIBYa.
従者「ともかく、その催しは舞踏会と同じような形式になるんでしょう」

従者「また過去の帳簿でもご覧になったらいかがですか?」

姫「確かにそうね、資料室に行きましょうか」

従者「道分かるんですか」

姫「あんたが案内しなさいよ」

従者「はいはい」
120: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/8(火) 22:25:32 ID:cdu7xIBYa.
姫「迷ったわ」

従者「案の定ですね」プークスクス

姫「だって案内してくれないんだもの!」

従者「俺に期待するだけ無駄ですよ?」
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