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魔王「何で女の子が一人もいないんだよ!」
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1: :2011/9/14(水) 23:03:02 ID:8OHTIHnybw
初めてSSを書かせていただきます。
ギャグ物にしようと思ってまして、そのせいで世界観を無視した発言や行動が多くなると思います。
あと、最終的にはスレタイ詐欺のような展開になるかもしれません。今のところ、そのように予定しています。
以上のような感じで書き進めていこうと思ってます。
問題ないという方は、よければ最後までお付き合いください。
よろしくおねがいします。

※長いため、携帯から読むと途中から読めなくなる可能性があります。読めなくなった場合、こちらから読んでみてください→>>887-891


780: 名無しさん@読者の声:2011/11/21(月) 00:12:57 ID:svXBI68Hng
な…なにぃ━━━━━━━━━━(´・ω・`)ショボンヌ
781: 名無しさん@読者の声:2011/11/21(月) 03:26:49 ID:Ga85pR.zOs
まて、昨夜うちに止まった…だと…?
782: :2011/11/23(水) 02:30:42 ID:UOzzvGRKcw
>>780
過去話は思ってたより難しかったんです。まあ遅れちゃいましたけど、許してください。
何ていいますか、過去話だと、もう話が決まってるので、キャラに自由に動いてもらうわけにはいかず、自力でキャラを導かないといけないことに今回気付きまして。
そんなわけで、側近とハーピーの過去話は大変苦戦したという、そういう言い訳です。この分だと魔王側近の話も苦戦しそうで怖いですwww

>>781
側近「彼女の家に泊まったって、別に絶対行為に至らないといけないわけじゃないでしょう?これだから童貞は……」
魔王「ど、童貞馬鹿にすんなし!」
1「そうだし!馬鹿にすんなし!」
側近「交際経験がないから安直な発想しかできないんですよね」
魔王「そんなことないし!行為以外でやることとか知ってるし!」
1「たとえば……手、つないだり!あと……えっと……手、つないだり!」


前述の通り大苦戦しましたが、どうにか書けたので投下します。
……長いよ?覚悟してくださいね。
783: :2011/11/23(水) 02:31:16 ID:UOzzvGRKcw
魔王「ただいまー」

側近「あ、戻ってきましたね」

龍人「イカ明太うまいわー。マジご飯が進むぜぇ」

魔王「焼きプリンおいしかったよー」

側近「……今更ですけど、魔界の王や半人半龍の台詞だと思うと、シュールな台詞ですよね」

龍人「今更すぎるだろ。それよか話の続きだよ!」

魔王「そうだよ!ようやくハーピーちゃんが登場したんだから、張り切って頼むよ!」

側近「はいはい……じゃあ俺がハーピーの家で目覚めたとこから……」
784: :2011/11/23(水) 02:31:58 ID:UOzzvGRKcw
側近「……んんっ……」

ハーピー「あっ!起きました?」

側近「ここは……ぐっ!」

ハーピー「あ、駄目ですよ!まだ怪我酷いんですから!」

側近「そうだな、異常なまでに痛いんだが……」

ハーピー「えっと……傷口には外傷に効くとされる薬草を塗りまして!」

ハーピー「あとは体に良いとされる薬草茶も用意してあります!」

ハーピー「微力ながら、寝てる間に回復魔法もかけておきました!」

ハーピー「でも怪我は治らなくって……ごめんなさい、私がもっと上級回復魔法を使えれば……」

側近「いや、助かったよ。ありがとう」
785: :2011/11/23(水) 02:32:41 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「……機械生命体と思われる方もいましたが、その方はもう遺体となってて……」

側近「……ああ、そいつは俺が殺した」

ハーピー「……え?」

側近「俺は魔王城に勤める者だ。奴らは現在の魔王の方針を良しとせず、暴動に走り反逆の意を示した」

側近「そうなれば、魔王側は連中を黙らせなくてはならない」

側近「それが例え命を奪うことになっても……実力のある者が全て、それが魔界だ」

ハーピー「魔界は……そうやって争いを続けてきましたからね」

ハーピー「でも……私はそれ、嫌です」

ハーピー「争って誰かを拒絶する世界より、勇気を出して誰かに手を差し伸べる方が素敵だと思います」

ハーピー「だから……新しい魔王様の考えは好きです」

側近「……俺は嫌いだ」

ハーピー「でも魔王様の味方なんですね」

側近「俺は魔王の配下だからな」
786: :2011/11/23(水) 02:33:26 ID:UOzzvGRKcw
側近「……頑張って、権力を得た者が好きなようにして何が悪いというんだ」

側近「弱くて全てを奪われる者は、大した努力もせず弱いままだから悪いんだ」

側近「弱肉強食は自然の姿だ。弱い者が権利だけせしめようっていうのはどうかと思うぞ」

側近「それが嫌なら勝ち取れ。それもできぬなら耐えろってことだ」

ハーピー「……強くても、弱くても、お互いに優しくして、仲良くできる世界の方が素晴らしいですよ」

側近「そんな世界はありえないだろ。理想論に過ぎない」

ハーピー「できますよ!きっとそれができる強くて優しい方が現れますよ!」

側近「大言壮語の割には人任せなんだな」

ハーピー「あ……その点は、言い返せませんね」

側近「自分に実現できない理想を他人に任せるってのは関心しないな」

ハーピー「……確かに私は弱いです。私には、魔界を変える力なんてありません」

ハーピー「でも、弱いなりにお手伝いならできると思います!平和な魔界を目指す今の魔王様には全面協力しますよ!」

側近「弱者にできることなんてねえよ」

ハーピー「むぅ……なかなかに酷いこと言いますね」
787: :2011/11/23(水) 02:34:08 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「……日も暮れてきましたね。そろそろ食事にしましょうか」

側近「お、ご馳走になっていいのか?」

ハーピー「何言ってるんですか。その怪我が治るまではゆっくり休んでもらいますよ!」

側近「ずいぶん甘い奴なんだな、お前は」

ハーピー「いちいち言い方が酷いですよ。素直に喜んでくれたっていいじゃないですか……」

側近「……ありがとな」

ハーピー「っ!……ど、どういたしてまして///」

ハーピー「ふ、普通にお礼言えるじゃないですか!もう!///」

側近「ふっ、からかいがいのある女だな」

ハーピー「もう、酷いです!……とにかく食事にしましょう!今運びますから……」
788: :2011/11/23(水) 02:34:58 ID:UOzzvGRKcw
側近「俺が運ぶよ。世話になってんだ、家事の手伝いくらいさせてくれ」

ハーピー「え?いや、でもその酷い怪我でそんな……」

側近「いいんだよ、大丈夫だから。男なんてこういう時ぐらいでしか家庭で役立てねえんだから、こき使えばいいんだよ」

ハーピー「……」

側近「……なんだよ?」

ハーピー「優しい方なんですね」

側近「はあ?」

ハーピー「魔界の在り方などを話してる時は冷たい方なのかと思いましたが」

ハーピー「優しさと思いやりに満ちてる、素敵な方なんですね」

側近「……まあ俺にだって感情はある。非情になるのは勤務中や戦いの時だけでいいさ」

側近「……関係ないけど、むやみに男性に素敵とか言わない方がいいんじゃないか?」

側近「そんな綺麗な顔で勘違いとかさせたら、勘違いした男は軽く死ねるぞ?」

ハーピー「きっ!?//////」

ハーピー「あ、ああああなたこそ、そんなかっこいいのに、むやみに綺麗とか言わないでください!!///」

側近「かっこいいって……これぐらいの男はいくらでもいるだろ?」

ハーピー「いませんよ!!///」
789: :2011/11/23(水) 02:35:39 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「……とにかく食事ですよ、食事!」

側近「よし、じゃあさっさと運ぼうか」



ハーピー「いただきまーす!」

側近「いただきます。……」モグモグ

ハーピー「ど、どうですか?」ドキドキ

側近「……うん、普通にうまいわ」

ハーピー「本当ですか!?よかったです!」

側近「……なんかさ」

ハーピー「はい?なんでしょうか?」

側近「……いや、なんでもない」

ハーピー「……?」

側近(なんか……こういう平凡な幸せってのも悪くはねえなあ)モグモグ

側近(弱者とか強者とか関係なく、手を取り合える世界か……)モグモグ

側近(まあ、出来っこねえよな)モグモグ

側近(だったら……俺は奪う側になるまでだ)モグモグ

側近「……ご馳走様」

ハーピー「……え!?もう食べたんですか!?速いですね!?」

側近「お前が遅いんだろ……」
790: :2011/11/23(水) 02:36:52 ID:UOzzvGRKcw
それから数日、側近はハーピーと共に過ごした。
ある程度回復したら城へと戻るつもりだったが、
「怪我人を放ってはいれません!」
という、ハーピーの優しさに押し負けて、結局完治までお世話になることになった。

その間に側近は自分の名を伝え、性格を伝え、何が好きで何が嫌いかを伝えた。
代わりに側近はハーピーの名前を知り、性格を知り、好き嫌いなども知った。

日が進むにつれ、お互いの理解度は目に見えて上がっていったのだった。


側近「じゃあここはハーピーの自宅ってわけだな」

ハーピー「そうなんです!若くして家を持ってるんですよ!立派でしょう?」

側近「クソ狭い家だけどな」

ハーピー「そ、そりゃ魔王城と比べたら狭いですけど……庶民の目線で語ってくださいよ!」

側近「知るかよ。俺はエリートなんだよ」
791: :2011/11/23(水) 02:37:45 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「もう……側近さんのいじわるに慣れてきた自分が怖いですよ」

側近「ハーピーはからかいがいがあるからな。……なあ」

ハーピー「はい?」

側近「最近ちょっと思ってたんだけどよ」

ハーピー「はい」

側近「ハーピー族ってさ、けっこう他種族との交流を嫌う種族じゃん」

ハーピー「……そうですね」

側近「ハーピーもハーピー族と共に生きてんだろ?俺なんか看病して家に置いてて大丈夫なのかよ?」

ハーピー「……皆、そんなに非情じゃないですよ。誰かが困ってる時は助ける、それくらいは許容されますよ」

側近「そんなもんなのか……」

ハーピー「そうですよ。側近さんは気にしすぎです」

ハーピー「……じゃあ私、野菜を貰いに行きますね」

側近「たまには野菜や魚じゃなくて肉が食いてえなあ」

ハーピー「ハーピー族は魔界で狩りができるほど強い種族じゃありません!」

側近「じゃあよそで買えばいいじゃん」

ハーピー「基本は他文化交流禁止の種族です!……じゃあ行ってきます」
792: :2011/11/23(水) 02:39:16 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「〜〜♪」テクテク

「あの子、例の子じゃない?」
「声、大きいよ。聞こえちゃうよ」

ハーピー「っ!」ピタッ

「死にかけてた人型の魔物捕まえて看病してるって」
「人型って、強さにばらつきがある種族よね」
「強い奴で、何かの策略だったらどうするのって話よねー」
「私達ハーピー族は強い種族じゃないからこそ、他種族を拒絶して生きてるのに」
「なんかかっこいい雄みたいだからさ、いやらしいことでも考えたんじゃないの?」
「最悪だね……自分の欲求で皆を危険に晒すなって言ってやりたい」
「これが聞こえてたらいいのにねー」クスクス
「ねー」クスクス

ハーピー「……」
793: :2011/11/23(水) 02:39:57 ID:UOzzvGRKcw
その頃、薬草の森では

ハー子「よいしょ……よいしょ……」

ハー美「ふう……薬草いっぱい採れたね」

ハー子「じゃあそろそろ帰って……きゃあ!」ドンッ

獣人「いってえ!女ぁ、どこ見て歩いてやがる!」

ハー子「す、すみません!」

獣人「……んん?」ギロッ

ハー子「……」オドオド

ハー美「……」ビクビク

獣人「……へぇ」ニヤニヤ

獣人「ぶつかりはするし、俺達の縄張りは荒すし……これはただで許すわけにはいかねえなあ」

ハー子「そ、そんな!この森は誰の物でもないはず……」

獣人「うるせえ!いいのか?俺達獣人族がその気になれば、ハーピー族なんか一捻りだぜ?」

ハー子「っ!」

獣人「それでいいなら、俺は別に構わんがなあ」
794: :2011/11/23(水) 02:40:47 ID:UOzzvGRKcw
ハー美「ど、どうすれば許してもらえますか?」

獣人「へっへっへ……お前ら一族で一番美しい娘を寄越せ。そうすれば許してやるよ」

ハー子「そ、そんなの無理です!」

獣人「てめえらの都合なんか知るかよ!……明日の今頃に、この森に来させろ。たっぷり可愛がってやるからよ」

ハー美「そんな……」

獣人「そういうことだ。楽しみにしてるぜ」

ハー子「ど、どうしよう……どうしよう……!」

ハー美「と、とりあえず戻って長老に相談しよう!」

ハー子「う、うん!」
795: :2011/11/23(水) 02:41:37 ID:UOzzvGRKcw
ハー子「……というわけなんです」

長老「ふむ……我らが獣人族と争ったところで勝ち目はない。言うとおりにした方が良いじゃろう」

ハー美「では、誰を獣人族に差し出すというのですか?」

長老「……ハーピーがいいじゃろう」

ハー子「!」

長老「あれは一族でも一番の座を争うほどの美貌を持っておる」

長老「くわえて、ろくに戦闘もできぬハーピー族でありながら、他種族との交流を望む危険分子じゃ」

長老「この機会に処分するのが一族のためじゃろう。あれに犠牲となってもらおう」

ハー子「わ……わかりました」

長老「待ち合わせは薬草の森じゃったな。では薬草採取の手伝いとでも言って、明日森に行かせればいいの」

ハー美「……は、はい……」
796: :2011/11/23(水) 02:42:37 ID:UOzzvGRKcw
ハーピー「……だから私は言ってやったんです!ニラレバでしょ!って」

側近「いや、そこはレバニラじゃないのか?」

ハー子「あ、あのう……」

ハーピー「あれ?ハー子さんにハー美さん。いらっしゃい」

ハー美「遅くにお邪魔してごめん。……今の、何の話?」

ハーピー「あ……き、気にしないでください///」

側近「……どうも」

ハー子「あ……はい。どうも」

ハーピー「急に来て……何かあったんですか?」

ハー子「あ……えっと、やく……薬草の数が不足してて」

ハー美「明日も薬草の採取が必要になって……よ、よかったら手伝ってくれないかなって」

ハーピー「そういうことでしたか。わかりました、お手伝いしましょう。いつ頃の予定ですか?」

ハー子「ご……午後の……5時頃に……」

ハーピー「ずいぶん遅くから始めるんですね?」

ハー美「あ……わた、私達、ちょっと用事があるから……」

ハーピー「そうですか。私だけでも早めに行って採取しておきましょうか?」

ハー子「い、いや……それは悪いから、5時から一緒にしよう」

ハーピー「わかりました。明日の午後5時に薬草の森に向かえばいいんですね」
797: :2011/11/23(水) 02:43:34 ID:UOzzvGRKcw
ハー子「そ、そういうことだから……お願いね」

ハー美「それじゃ……お邪魔しました」

ハーピー「いえいえ、また明日会いましょう」

ハーピー「……そういうことですので、明日はお留守番頼みますね」

側近「……ああ」

で、深夜

側近(ハーピーは……)

ハーピー「すー……すー……側近さん……」

側近(……寝てるな。よし)



ハー子「どうしよう……どうしよう……」

ハー美「し、仕方ないじゃない!こうでもしないと大変なことになるんだから!」

側近「……何がどう大変なのか、よかったら説明してくれねえか?」

ハー子「ひっ!?」

側近「薬草採取に誘うだけにしちゃあ……心拍音、瞳孔の開き……著しい緊張が感じられたからな」

側近「さあ、どういうことか言ってもらおうか!」
798: :2011/11/23(水) 02:44:39 ID:UOzzvGRKcw
側近「……なるほどな。いわゆる生贄ってやつか」

側近「仲間を騙して犠牲にして、なかなか素敵な種族だな。ハーピー族ってのは」

ハー子「……何よ、いやみったらしい言い方して」

ハー子「は、ハーピー族は強くないのよ!魔界の力におびえて、うまく立ち回って生きるしかないの!」

ハー子「一族が滅びるより一人が犠牲になった方がいいでしょ!」

ハー子「弱い者は強い者に奪われて、それでも生きていかなきゃならないのよ!」

側近「……それは俺だって知ってるさ」

ハー子「だったら口出ししないでよ!よそ者のくせに!」

ハー子「犠牲だって仕方ないじゃない!それが魔界なんだから!仕方ないじゃない!!」

側近「……そうだな、仕方ない」
799: :2011/11/23(水) 02:45:29 ID:UOzzvGRKcw
側近「ただいまーっと」

ハーピー「すー……すー……」

側近「……」

側近(魔界は弱肉強食。弱い者は奪われ、強い者は全てを手に入れる)

側近(そしてハーピー族は弱いんだ。強い者に何を強要されたって、それは仕方ないことなんだ)

側近(だからハーピーが明日犯され、最悪死に至っても、それは仕方のないこと……)

側近(仕方ない、で片づけていいのか?)

側近(もし明日ハーピーが死んだら、今日までの生活は終わりだ……)

側近(それは……)

側近(なんていうか、嫌だな……)
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sage:


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