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魔王「何で女の子が一人もいないんだよ!」
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1:🎏 :2011/9/14(水) 23:03:02 ID:8OHTIHnybw
初めてSSを書かせていただきます。
ギャグ物にしようと思ってまして、そのせいで世界観を無視した発言や行動が多くなると思います。
あと、最終的にはスレタイ詐欺のような展開になるかもしれません。今のところ、そのように予定しています。
以上のような感じで書き進めていこうと思ってます。
問題ないという方は、よければ最後までお付き合いください。
よろしくおねがいします。

※長いため、携帯から読むと途中から読めなくなる可能性があります。読めなくなった場合、こちらから読んでみてください→>>887-891


683:🎏 :2011/11/7(月) 03:00:23 ID:eWaKiw9z.2
翌日、ゴーレム族へ攻撃を仕掛けていた連合軍が撤退、ならびに解散を表明した。
死霊鉱山に住むゴーレム族に平穏の日々が戻ったのだ。
そしてそれは子゙ーレムが帰ることを意味していた。

側近「いやいやいや!!龍人に力を返すとか、何考えてるんですか、あなたは!?」

魔王「いいじゃん。きっと龍人はもう力を悪用しないと思うよ」

側近「……昨日の涙ですか」

魔王「……昨日の涙ですよ」

側近「魔王様は、もうちょっと疑う心を持つべきです!」

魔王「側近は、信じる勇気が決定的に足りないよ!」

魔王「それにさー、子゙ーレム今日帰っちゃうんだよ!」

魔王「最後に本来のかっこいい龍人を見せてやりたいじゃん!」

側近「そんなことしなくたって、あの子の中では十分かっこいい存在ですよ……」
684:🎏 :2011/11/7(月) 03:00:58 ID:eWaKiw9z.2
魔王「……っていうことだ。今から力を返すよ!」ポワン

龍人「ん……戻ったな。ありがとよ」

魔王「……なんか嬉しくなさそうだねえ」

龍人「うっせーよ……」

子゙ーレム「……」

ドラゴン「魔王様ー、ゴーレムさんがきてますよー」

魔王「あーわかった。今行くねー」



ゴーレム「魔王様、我が息子をお守りいただき、ありがとうございました」

魔王「いいっていいって!俺なんか何もしてないしさー」

側近「本当に何もしてないですからね」

魔王「……俺ってそんなに何もしてない?」

側近「はい」
685:🎏 :2011/11/7(月) 03:01:49 ID:eWaKiw9z.2
魔王「……まあいいや。ほら、子゙ーレム。お父さんが迎えにきたよー」

子゙ーレム「……」

側近「……どうした?お父さんのところに行かないのか?」

子゙ーレム「僕……龍人と一緒がいい」

魔王「……」

子゙ーレム「僕、龍人と離れたく……」

龍人「わがまま言ってんじゃねえよ!」

子゙ーレム「っ!」

龍人「数日一緒にいただけの奴と別れるだけでうだうだ言いやがって!」

龍人「そんなんじゃ、てめえが憧れてるヒーローになんざなれねえよ!」

龍人「こんな別れのひとつやふたつ、自力で乗り越えてみせろ!てめえの未来はてめえで切り開け!」

龍人「……それでも」

龍人「それでも自力じゃどうしようもなくなったその時は、この城を訪ねろ。てめえのヒーローはいつまでもここにいるからよ」

側近「!」

龍人「忘れるな、お前には仲間がいる。頼りっきりは許さねえが、時には仲間を……俺を必要としていいんだ」

子゙ーレム「龍人……」
686:🎏 :2011/11/7(月) 03:02:28 ID:eWaKiw9z.2
龍人「ただ、今は自分の足で進む時だ!強くなりたいんだったら……自ら進め!」

子゙ーレム「……わかった!僕、龍人みたいな強いヒーローになりたいから……自力で頑張る!」

龍人「よく言った!てめえなら強くなれるさ、この俺が保障してやらぁ!」

子゙ーレム「僕、頑張るから!じゃあね、龍人!」

ゴーレム(……この子にとって、貴重な体験となったようだな)

ゴーレム「……魔王様、本当にありがとうございました。それでは失礼します」

子゙ーレム「またねー!!」

龍人「おう、またな!……行っちまったなぁ」

側近「……いいのか?」

龍人「ああ?何がだよ?」

側近「お前は魔王様から力を返してもらった。お前をこの城に縛る理由はないだろう?」

龍人「バーカ、俺がどこで何しようが俺の勝手だろうが」

龍人「クソガキの未来のために、バカ魔王の馬鹿げたクソ理想に俺も乗っかってやる、それだけだぁ」

側近「……本気で変わろうって思ってるんだな?」

魔王「側近、側近」チョンチョン

側近「ん……何ですか、魔王様?」

魔王「だから言ったじゃないですか〜wwww」ドンデンドンデン

側近(……うぜえ)
687:🎏 :2011/11/7(月) 03:03:01 ID:eWaKiw9z.2
側近「……いいか、魔王様は絶対に言わないだろうから、俺が代わりに言ってやる」

側近「決意を新たにするだけで、簡単に変われると思うなよ」

側近「どんな事情があったにせよ、お前は罪を犯した。そしてそれは消えない」

側近「その罪を背負い、その罪に苦しめられながら、それでもお前は変わる努力を続けられるか?」

龍人「くどいぞ。俺はあのガキのヒーローなんだぜ?ヒーローが反省の色無しの大罪人じゃかっこつかねえだろ……変わってやるさ。罪も死ぬまで背負ってやる」

魔王「そうそう、くどいよ。変わるって言ってんだから、それを信じて、俺達は支えてあげようよー」

側近「……ちっ、わかりましたよ。じゃあ龍人、さっさと城の掃除終わらせてこい」

龍人「おいぃ!?今の俺はナンバー2の強さだぞ!?スピード出世するんじゃねえのか!?」

側近「うるせえ、うちに飛び級の概念はないんだ、観念しろ」

魔王「ついでにエクレア買ってきてよ―」

龍人「それはてめえで買いに行けよ」

魔王「ああ、龍人もそういう方針でいくんだね……」
688:🎏 :2011/11/7(月) 03:04:00 ID:eWaKiw9z.2
こうして死霊鉱山の騒動は幕を閉じた。
結果として大きな戦いになる前に連合軍が解散したため、この事件の印象は魔物達にとっては弱く、語り継がれることなく忘れ去られていった。

そのため、この死霊鉱山の騒動が二人の英雄を生んだことはあまり知られていない。

死霊鉱山の騒動が生んだ英雄、まず一人はゴーレム族の男である。
ゴーレム族の長の子として生まれた彼は、幼いころより志を高く持ち、努力を重ねてゴーレム族の歴史で一番と謳われる実力を手に入れた。
彼が大人になる頃には、世界は平和を確たる物としていた。その平和を守るため、その実力で世界平和に尽力したという。

もう一人の英雄は、かつての大罪人である龍人である。
争いを続けた世界……その世界を平和に導いた魔物、それが魔王、側近、そして龍人の3人である。
最初は平和に牙を向けた龍人だったが、やがて魔王に仕えるようになり、世界平和を実現する大きな力となったという。

……魔王達がその出来事に直面するのは、少しだけ遠い未来のことである。
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