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チェシャ「リメンバー・アリス」
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1: ◆AlicexxO96:2011/9/11(日) 00:07:28 ID:EXtZ5v8wjc
白兎「アリス! 私達のアリス!」の番外編的なものでございまする

本編に入れたかったけどサイズオーバーにより断念したチェシャ猫の過去編等

本編の時ほどの更新率は無理ですが、放置するようなら直ぐ削除希望を出しますので、御了承ください

完全に蛇足と自負しておりますので
ひっそりと穏便にsage進行で行きたいと思いますので、どうかよろしくですm(_ _)m


62: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:36:08 ID:3dwiETMrNI
チェシャ「ボクは…ボクはね…!」

ボクはこの他人からの拒絶を、嫌悪を、無関心を。その全てを捨てたいと

そんな猫の訴えを、裁判長の声が遮りました

裁判長「…不許可」

猫「…へ?」

裁判長「チェシャ猫さん、ね
君の献上する物は既に決まっている」

裁判長「君の望むものにはならんだろうが
アリスの意思だ、従って貰う」

チェシャ「……???」
63: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:46:38 ID:2RxliD3ePc
意味が分からない

献上する物は自分の必要でないもので構わないと、女王はそう言ったじゃないか

チェシャ「…なに…?…言ってんの…?」

裁判長「…君が献上するのは『存在』だ
君のお陰でアリスはそこに居る事ができる」

裁判長「そしてそれは、とても誇るべきことだと思ってくれ」

何だよ存在って

チェシャ「…何だよ…存在って」

猫は声を絞り出します
64: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 00:58:34 ID:hZatukS3eA
チェシャ「…何だよ…何だよ存在って!」

それを捨てたら今よりもボクは

チェシャ「今よりボクは独りになるじゃないか!!」ガンッ

勝手だ! 残酷だ! あんまりだ!

チェシャ「認めない…! 存在なんかくれてやらない…!!」

誰でもいいんだ 誰でもいいから、ボクを見て

チェシャ「独りに…しないでくれ…」

裁判長「…分かるまで何度も言う。 これはアリスの意思だ」

嗚呼、駄目だ

ちっぽけな自分には、これに刃向かう術は無いんだ

そう気づいて、猫はその場にへたり込んでしまいました

いつの間にか、裁判所はまた静かになっていました
65: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 01:07:15 ID:SreLzOfR6w
「…何時までそこでいる気だ」

「後がつかえているというのに」

罵声

「我らが女王様は体を失うというのに」

「それも直ぐに受け入れたのに、あの猫ときたら」

空っぽの脳味噌に直接ねじ込まれるような

チェシャ「…あ…ぁ…」ガクガク

「そんなに一人が嫌なら戦争へ出向けばいいさ」

「お前の仲間がわんさかいるぞ、種の為働いてくればどうだ」
66: 名無しさん@不思議の国:2011/9/15(木) 01:11:27 ID:2RxliD3ePc
それからの事は、猫はよく覚えて居ません

どこかに連れて行かれ、『存在』を献上し

半ば放り出されるように、裁判所の外へ

チェシャ「……ッ」ベシャ

チェシャ「……流石に」

チェシャ「…流石に酷いんじゃないかな…」ジワァ

チェシャ「う…くぅ…」

チェシャ「ううううううううっ!!!」ポロポロ
67: 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 19:39:54 ID:c8SUwpix1c
チェシャちゃん…(;ω;)
俺がついてるよ!
つC
68: 名無しさん@読者の声:2011/9/15(木) 23:34:46 ID:a0WZwT0NP.
俺だってついてるよ!
つC
69: 名無しさん@読者の声:2011/9/16(金) 01:24:49 ID:1DXJMNtkDc
じゃあ俺は抱き締める
つC
70: 名無しさん@読者の声:2011/9/16(金) 01:28:20 ID:qIrVN1pmJs
じゃあ俺は恋人になってあげる
つC
71: ◆AlicexxO96:2011/9/17(土) 00:00:23 ID:yQM7sYVCM6
じゃあ自分は嫁ごう

はい、そんな事言ってる場合じゃないですね

すみません凄い忙しい…言い訳乙過ぎますね

忙しいのにスレ立てんじゃねぇ!と言いたい方もいるかもです。最もです
明日、頑張って更新致します

申し訳ない……
72: 名無しさん@読者の声:2011/9/17(土) 00:01:59 ID:j/7oWVUdTU
まったりいこうぜ
つC
73: 名無しさん@読者の声:2011/9/17(土) 03:30:15 ID:/W08sWJM1I
ゆっくり、自分のペースで行こう。
無理はよくないからね。
74: 名無しさん@不思議の国:2011/9/17(土) 22:51:21 ID:.P9Ds9FMzQ
チェシャ「ボクが…」

チェシャ「ボクが何をしたってんだよぉ…!」ブンッ

猫はその振り上げた小さな拳を

そこにはえているだけの、何の罪もない木に叩きつけました

叩きつけようとしました

チェシャ「…う…?」

木の幹に当たったはずのその手に、痛みはありませんでした
75: 名無しさん@不思議の国:2011/9/17(土) 22:55:42 ID:.P9Ds9FMzQ
猫にははじめ、今の出来事を理解する事が出来ませんでした

チェシャ「は…?」

事実は至極単純で

猫の手は、木をすり抜け空を斬ったというだけの事

見たら猫の右手はうっすらと透けていました

チェシャ「…は……は…はっ…」

頭がどうかなりそうで

呼吸の仕方すら分からなくなってきました
76: 名無しさん@不思議の国:2011/9/17(土) 23:00:16 ID:2RxliD3ePc
チェシャ「ひひ…」

チェシャ「ひひひっ」ガクガク

チェシャ「そうかいこういう事かよ存在が無くなるって!」

チェシャ「そこまでボクに消えて欲しいのかよこの世界は!」ブンッ

振り下ろした左手も、やはりその木に当たる事はありませんでした

ゆっくり、でも確実に

チェシャ「消えたくない…消えたくないよぉ…」

猫の体は消えていきます
77: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 01:22:12 ID:3dwiETMrNI

チェシャ「……」

猫は抗う事を止めました

自分の体は、目を凝らせば見える程度

意識は朦朧として

ぼんやりとそこに座っていました

チェシャ「……」

猫は考えていました

自分が居なくなったら、何かこの世界は変わるのだろうか


変わればいいな

出来れば、ボクが消えた事によって


チェシャ「…変われば…いいな」
78: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 01:31:43 ID:2RxliD3ePc
猫の体をふんわりと、優しい何かが包むような

消えていく体を包み込む、不思議な感覚が

女王「…間に合ったかしら」

チェシャ「……ぁ」

それは、我らがハートの女王様

不思議の国の人々が愛し愛されるべき御方

勿論、アリスを除いて

女王「さっきの裁判所の事が気になって、探してたのよ?ねぇ子猫さん」

女王は優しく優しく撫でるように、猫に語りかけます
79: 名無しさん@不思議の国:2011/9/18(日) 01:47:16 ID:3aE7tu1jnQ
チェシャ「あ…あぁ…」ギュウ

女王「怖かったのでしょう?もう、大丈夫だから」

そう言って猫の体を抱きしめるように


月並みな言葉だけれど、本当に心が洗われるような感じが

そして体を包む女王の暖かさが

誰かと触れたのはあんまりにも久しぶりだったので

チェシャ「…う…ぁぁ…」ポロポロ

枯れたと思っていた涙が、また零れだしてしまいました


気付けば猫の体は、ちゃんとそこにありました
80: 名無しさん@読者の声:2011/9/18(日) 12:42:42 ID:sGskfbDDd6
女王様の優しさに泣いた
つC
81: 名無しさん@読者の声:2011/9/18(日) 16:57:03 ID:uBwTrONEwQ
本編にちゃんといるあたり消えてはないんだろうけどやっぱり感動
下がってるのが許せないC
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