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白兎「アリス! 私達のアリス!」
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1: 名無しさん:2011/6/9(木) 19:08:39 ID:Sk5yLArqZw
少女は走る 走る

その白い足は止まる事を知らない

その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない

その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる

腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする

辿り着いたのは、とある井戸

その向こうは、彼女の世界


294: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:12:52 ID:ayxDgaoNKQ
男「じゃ、最後にお願いだ」

熊「…聞いてやるよ」

男「もしこれから白兎とか山鼠とか見かけても
手を出さないで欲しいな」

熊「…どうだかな
俺、熊だし
腹も減るしよ」

男「そうか。腹減ってたらしょうがないか」
295: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:15:24 ID:tI7SKCVOJE
熊「終わりかい?命乞いはねぇのか?」

男「そういうのは初めからするつもりないし」

熊「怖くはねぇのか」

男「怖いよ。今すぐ逃げたいもん
だから一思いにやっておくれ」

熊「まぁ、それ位なら叶えてやるよ
あばよ人間」ノソ


ヂュンッ!!



296: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:19:09 ID:DEPQDGNmG.


少年に走った衝撃
熊の牙でも爪でもありません

鉛が。弾丸が少年の頬を掠めました

緊張の糸を撃ち抜かれたように、少年の足からは力が抜け、尻餅をつきます

男「…ぁ…は…?」

熊「…誰だ…」

?「……外した」ザッ
297: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:24:55 ID:IY41cBvn0o
熊「……!」

?「……次は、外さない」スッ

男「…っ…ひッ…ィいい…!」ヨロッ

少年の、死への覚悟は全て消えて無くなりました

その代わりに頭に流れ込むのは死への恐怖

男「(逃げなきゃ…逃げろ…!!)」

ジュッ

次の弾丸は確実に少年の右足を撃ち抜きました
298: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:28:46 ID:LYdCTbqa1c
!!
続きが楽しみでしかたがない!!!
しえん!!!
299: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:40:08 ID:PmyquluLE6
男「…ぁ…あああ!」ドサッ

悲痛な声をあげ、山道を転がり落ちる少年

?「……面倒な」

熊「待てよ」

?「……」

熊「俺の事覚えてるか、狩人さんよ」

狩人「……?」
300: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:44:36 ID:H5eUe.tjLc
狩人「……忘れた」

熊「こっちは一瞬たりとも忘れたことは無いんだぜ」

熊「喰い殺してやる」

狩人「……」スッ

熊「オ゙オ゙オ゙オオォォォ!!!」

山が揺れる程の咆哮

その巨体からは想像のつかない速さで狩人に飛びかかり

ドンッ!!
301: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:48:57 ID:IY41cBvn0o
熊「……オ゙ヴァ゙?」

狩人「……熊の急所の鼻っ面を撃った」

熊「ォ゙ア゙ァ゙!!」ブンッ

狩人「……っ!」

熊「……そうやって俺の嫁さんの鼻を蜂の巣にしやがったなぁ!」ノソ

狩人「……」スッ

熊「死んで詫びろ゙ぉ゙ぉぉ!」

狩人「……!」

ズドンッ
302: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:50:50 ID:IY41cBvn0o
熊は息絶えました
その頭に捻込まれた鉛の塊は四つ

この瞬間をもって、アリスへの『理性』の献上はお終いとなります

狩人「……まぁ、いいさ。正当防衛だ」

狩人「……アリスが帰ってきた時に、お前のような屑がいても困る」

狩人「……あの少年を追わなければ」タッ

303: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:56:26 ID:96TVUWlwC6


男「……」

男「……やっと」

「残念だけど、死んでないんだな」

男「!?」ビクッ

「やぁ、お目覚めかい?気分はどう?
足の怪我はほぼ治ってるみたいだけど」

男「……!」バッ

男「お前が治してくれたの?」

「さぁ、どうだろうねぇ?
死にたがりの君からしたら、良い迷惑かもしんないけど」

男「……いや、生きてるなら、痛くないほうがいい」

「……そうかい」
304: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:59:17 ID:C/EsOqUYxw
男「で、ここはどこ。お前は何処にいるの」

「ここは僕の空間だ
今は声しか存在してないけどね」

男「……」

「放っておいたら狩人にやられちゃうかも知れなかったからね」

「助けてあげたんだ
とりあえず礼が欲しいね」

男「ありがと…」

「そう、素直な奴は好きだよ?扱い勝手が良いからね」
305: 名無しさん:2011/6/30(木) 00:01:28 ID:jea4yQfMpw
男「色々と聞きたいことがあるんだけど…」

「今はそんな余裕はないね
この空間の遠隔操作は疲れるんだ」

「また会ったら聞いてあげるよ」

男「…またって」

「さぁ、白兎ちゃんと山鼠ちゃんの所へ送ってあげる」

「そこの扉を出な。繋げておいてやるから」

男「……」ガチャ
306: 名無しさん:2011/6/30(木) 00:07:18 ID:ayxDgaoNKQ
男「…それじゃ」

「今度は助けてやれないかもだから、死ぬような真似はやめてくれよ?」

男「……まぁ考えておきます」スッ

「ふふ、宜しい」



「……まぁ死んでみろよ
ある意味お前が一番アリスに必要なんだぜ?」
307: ◆AlicexxO96:2011/6/30(木) 00:20:32 ID:C/EsOqUYxw
今晩はここまででございます

熊編はこれにて終了
結果としては少しシビアかも知れませんが、これにて終了なのです

>>290
ありがとうございます
この書き込みを見てから、>>292を書くのが正直辛かったです

>>293
心臓に鳥肌……
こういうシーンなだけに、最高の褒め言葉と受け取らせて頂きますね
ありがとうございます!

>>298
そういうお言葉が本当に励みになります!

実は一回寝落ちしかけましたが、何とか持ち直しましたwww

気づけば300越えましたね。明日も頑張るぞー
308: 名無しさん:2011/6/30(木) 00:32:06 ID:xrmXO4luAE
おもしろい!
これ展開が読めないな〜

ああ熊が…(;_;)
309: 290:2011/6/30(木) 20:11:43 ID:MHq8.v1lnY
>>307

すみませんorz

何かもう…熊さんのこと思うと切なくなっちゃって…

大人しくしときます

支援!
310:
◆AlicexxO96:2011/7/1(金) 00:49:13 ID:JZ308n9LZ6
>>308
完結まで良い意味で読者の皆さんを裏切れるように頑張ります!

>>309
あわわ…違います違います!
感情移入して戴き、熊さんの事を思って下さってるのに
それを否定する内容になったので、有り難いだけに書き辛かったというか…

本当に支援感謝しておりますm(_ _)m


今夜は更新出来そうに無いです…
多分すぐ寝落ちしてしまうので明日の朝頑張りまる!
311: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:36:10 ID:1b/AplOPAI
白兎「……山鼠ちゃん、起きてください」

山鼠「……寝てねぇよ」

白兎「男さんも…」

男「あーい」モソモソ

山鼠「…やめろよシロ…もう居ない奴の話なんかすんな」

白兎「……ごめん」

男「いい加減腹減ったや」
312: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:39:18 ID:IvjfUba.8M
山鼠「…シロ」

白兎「…なぁに?」

山鼠「あいつ探しに行くわ」

白兎「…言うと思いました。行こ?」スッ

山鼠「いや、お前はアリス優先しろ」

白兎「……駄目だよ、山鼠ちゃん一人だなんて
山を登るだけでも…」

山鼠「それでもだ」

白兎「…そっか」

男「…朝飯とか無いの?」キョロキョロ

白兎「にんじん食べといてください」

男「うーい」
313: 名無しさん:2011/7/1(金) 06:40:56 ID:t57GnFDOYg
山鼠「……じゃ、行くから」

白兎「……またね」

男「にんじんうめぇ」ポリポリ



山鼠「……」

白兎「……」

男「……あ?」
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