少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
290: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:27:50 ID:D7b7GprCD.
熊、理性、あるよ
嫁がお前の理性になってくれてるんだよ
そんな、悲しいこと言わないで
291: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:29:57 ID:jea4yQfMpw
男「ふぅん。ならどうぞ
やればいいんじゃね」
熊「……おめぇは、本当に変な野郎だな
アリスに脳味噌でもくれてやったんじゃねぇか」
男「……あ、待って。俺喰われるの?」
熊「喰いやしねぇよ
人間なんて脂肪だらけで糞不味い
餌にもならねえ糞共だ」
熊「俺が飽きるまでいたぶるだけ」
男「気持ち良くサックリやってくれよ」
熊「ガハ、やだね」
292: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:42:25 ID:C/EsOqUYxw
男「あんたは理性、失ってなんかないと思うよ」
熊「慰めのつもりかは知らねえが、一番吐き気がする言葉だ」
熊「嫁さんが俺の為にしてくれた事、否定してやがる」
男「……」
熊「俺には理性は無い
そう思わなきゃやってられねぇ」
男「…ごめん」
熊「いんだよ、今から死ぬ癖に謝んな」
293: 名無しさん:2011/6/29(水) 21:46:17 ID:tC2Fo0C.cE
心臓に鳥肌立ってるなう
ガハ、がぐっとくる
294: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:12:52 ID:ayxDgaoNKQ
男「じゃ、最後にお願いだ」
熊「…聞いてやるよ」
男「もしこれから白兎とか山鼠とか見かけても
手を出さないで欲しいな」
熊「…どうだかな
俺、熊だし
腹も減るしよ」
男「そうか。腹減ってたらしょうがないか」
295: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:15:24 ID:tI7SKCVOJE
熊「終わりかい?命乞いはねぇのか?」
男「そういうのは初めからするつもりないし」
熊「怖くはねぇのか」
男「怖いよ。今すぐ逃げたいもん
だから一思いにやっておくれ」
熊「まぁ、それ位なら叶えてやるよ
あばよ人間」ノソ
ヂュンッ!!
296: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:19:09 ID:DEPQDGNmG.
少年に走った衝撃
熊の牙でも爪でもありません
鉛が。弾丸が少年の頬を掠めました
緊張の糸を撃ち抜かれたように、少年の足からは力が抜け、尻餅をつきます
男「…ぁ…は…?」
熊「…誰だ…」
?「……外した」ザッ
297: 名無しさん:2011/6/29(水) 22:24:55 ID:IY41cBvn0o
熊「……!」
?「……次は、外さない」スッ
男「…っ…ひッ…ィいい…!」ヨロッ
少年の、死への覚悟は全て消えて無くなりました
その代わりに頭に流れ込むのは死への恐怖
男「(逃げなきゃ…逃げろ…!!)」
ジュッ
次の弾丸は確実に少年の右足を撃ち抜きました
298: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:28:46 ID:LYdCTbqa1c
!!
続きが楽しみでしかたがない!!!
しえん!!!
299: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:40:08 ID:PmyquluLE6
男「…ぁ…あああ!」ドサッ
悲痛な声をあげ、山道を転がり落ちる少年
?「……面倒な」
熊「待てよ」
?「……」
熊「俺の事覚えてるか、狩人さんよ」
狩人「……?」
300: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:44:36 ID:H5eUe.tjLc
狩人「……忘れた」
熊「こっちは一瞬たりとも忘れたことは無いんだぜ」
熊「喰い殺してやる」
狩人「……」スッ
熊「オ゙オ゙オ゙オオォォォ!!!」
山が揺れる程の咆哮
その巨体からは想像のつかない速さで狩人に飛びかかり
ドンッ!!
301: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:48:57 ID:IY41cBvn0o
熊「……オ゙ヴァ゙?」
狩人「……熊の急所の鼻っ面を撃った」
熊「ォ゙ア゙ァ゙!!」ブンッ
狩人「……っ!」
熊「……そうやって俺の嫁さんの鼻を蜂の巣にしやがったなぁ!」ノソ
狩人「……」スッ
熊「死んで詫びろ゙ぉ゙ぉぉ!」
狩人「……!」
ズドンッ
302: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:50:50 ID:IY41cBvn0o
熊は息絶えました
その頭に捻込まれた鉛の塊は四つ
この瞬間をもって、アリスへの『理性』の献上はお終いとなります
狩人「……まぁ、いいさ。正当防衛だ」
狩人「……アリスが帰ってきた時に、お前のような屑がいても困る」
狩人「……あの少年を追わなければ」タッ
303: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:56:26 ID:96TVUWlwC6
男「……」
男「……やっと」
「残念だけど、死んでないんだな」
男「!?」ビクッ
「やぁ、お目覚めかい?気分はどう?
足の怪我はほぼ治ってるみたいだけど」
男「……!」バッ
男「お前が治してくれたの?」
「さぁ、どうだろうねぇ?
死にたがりの君からしたら、良い迷惑かもしんないけど」
男「……いや、生きてるなら、痛くないほうがいい」
「……そうかい」
304: 名無しさん:2011/6/29(水) 23:59:17 ID:C/EsOqUYxw
男「で、ここはどこ。お前は何処にいるの」
「ここは僕の空間だ
今は声しか存在してないけどね」
男「……」
「放っておいたら狩人にやられちゃうかも知れなかったからね」
「助けてあげたんだ
とりあえず礼が欲しいね」
男「ありがと…」
「そう、素直な奴は好きだよ?扱い勝手が良いからね」
305: 名無しさん:2011/6/30(木) 00:01:28 ID:jea4yQfMpw
男「色々と聞きたいことがあるんだけど…」
「今はそんな余裕はないね
この空間の遠隔操作は疲れるんだ」
「また会ったら聞いてあげるよ」
男「…またって」
「さぁ、白兎ちゃんと山鼠ちゃんの所へ送ってあげる」
「そこの扉を出な。繋げておいてやるから」
男「……」ガチャ
306: 名無しさん:2011/6/30(木) 00:07:18 ID:ayxDgaoNKQ
男「…それじゃ」
「今度は助けてやれないかもだから、死ぬような真似はやめてくれよ?」
男「……まぁ考えておきます」スッ
「ふふ、宜しい」
「……まぁ死んでみろよ
ある意味お前が一番アリスに必要なんだぜ?」
307: ◆AlicexxO96:2011/6/30(木) 00:20:32 ID:C/EsOqUYxw
今晩はここまででございます
熊編はこれにて終了
結果としては少しシビアかも知れませんが、これにて終了なのです
>>290
ありがとうございます
この書き込みを見てから、>>292を書くのが正直辛かったです
>>293
心臓に鳥肌……
こういうシーンなだけに、最高の褒め言葉と受け取らせて頂きますね
ありがとうございます!
>>298
そういうお言葉が本当に励みになります!
実は一回寝落ちしかけましたが、何とか持ち直しましたwww
気づけば300越えましたね。明日も頑張るぞー
308: 名無しさん:2011/6/30(木) 00:32:06 ID:xrmXO4luAE
おもしろい!
これ展開が読めないな〜
ああ熊が…(;_;)
309: 290:2011/6/30(木) 20:11:43 ID:MHq8.v1lnY
>>307
すみませんorz
何かもう…熊さんのこと思うと切なくなっちゃって…
大人しくしときます
支援!
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