少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
184: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:17:19 ID:Sk5yLArqZw
白兎「……女王様の献上は、彼女の生死に関わる問題です」
白兎「……あれは、呪いです」
男「よっぽどなんだな」
白兎「それでも、国の人達の事を一番に考えてらっしゃるような方なんですよ」
男「そりゃ頭も下がるな」
白兎「はい。だから女王様を馬鹿にすると言うか
そういうのは本当に許せませんでしたので…」
男「あんなに怒っていたと」
白兎「はい…」
山鼠「……」
山鼠「(その場に居なかったから、話についていけねぇ…)」
185: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:19:23 ID:DEPQDGNmG.
白兎「あとですね…?
男さんが、井戸に落ちて死ぬつもりだったって」
男「あぁ、うん」
白兎「本当は、ああいうのも許せません」
男「はぁ」
白兎「あんなに頑張って生きながら、国を支えようとしてる人がいるのに」
白兎「さっさと自分で命を断とうなんて、何かズルいじゃないですか」
男「……」
白兎「理不尽な事を言っているのは承知してますよ」
186: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:23:03 ID:DEPQDGNmG.
白兎「何が言いたいかといいますと!」
男「ん…?」
白兎「この旅で、男さんを改心させてやります!」
男「改心?」
白兎「そうです!
旅が終わる頃には
生きてて楽しいって、そう言わせてみせますよ!」
男「そうかよ、頑張れよ」
白兎「他人事じゃないんですってば!」
白兎「不思議の国は楽しい所ですから、きっと不可能じゃありませんよー?
ね、山鼠ちゃん!」
山鼠「……ん? え、あぁ、そうだな、そういう考え方も出来る」
男「お前全く話聞いて無かったろ」
187: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:28:34 ID:IY41cBvn0o
山鼠「……」ガクガク
男「お、どうした山鼠」
山鼠「…もう駄目、足にきた」ガクガク
白兎「大丈夫ですか?」
山鼠「ごめんシロ…もう歩けねぇ…」ドサッ
白兎「んー、しょうがないですね
まだまだ着きそうにありませんし」
男「どうすんの?」
白兎「ここで野宿決定です」
男「野宿とか初めてだから興奮してきた」
山鼠「気持ち悪いから興奮してきたとか言うな」
男「俺に表現の自由は無いのか」
188: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:35:12 ID:uo2scn7/PE
男「テントとかはるの!?
寝袋とかあるの!?」
白兎「テント?寝袋?」
山鼠「そんなもんねぇよ」
男「え?」
白兎「この広い原っぱに寝っ転がるだけで充分じゃないですかー」ゴロン
山鼠「そういう事だ
心配すんな、風邪ひくような気温じゃねぇから」ゴロン
男「そうか、お前ら元はうさぎとヤマネだったな」
男「ワイルドだぜ」ゴロン
189: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:40:29 ID:96TVUWlwC6
男「お、意外と……」
白兎「暖かいでしょう?
昼間太陽の光を一杯に受けてますから」
男「悪くないね。ワイルドだぜ」
山鼠「それ腹立つから止めろ」
男「不貞寝してやる」
ぷ~~~ん
白兎「……」
ぷ~~~ん
白兎「………」
ぷ~~~ん
白兎「…………」
白兎「蚊が五月蝿くて寝れないよぉ……」
190: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:44:57 ID:tI7SKCVOJE
白兎「……山鼠ちゃん、寝てないよね?」
山鼠「……寝られるもんなら寝てぇわ
……何の用だよ」
白兎「……蚊が五月蝿くて寝れない……」
山鼠「……男に言え
俺にはどうも出来ん」
白兎「男さん寝てるよぉ…」
山鼠「……知らん、たまには俺と同じ目にあえ」
白兎「あぅ…」
191: 名無しさん:2011/6/20(月) 04:50:21 ID:96TVUWlwC6
白兎「……男さん」ユサユサ
白兎「……男さーん」ユサユサ
男「……ん」
白兎「起きて下さいよぉ……」ユサユサ
男「……なんでいきなり半泣きなん?」
白兎「……蚊が五月蝿くて眠れません」
男「俺にどうしろと」
192: 名無しさん:2011/6/20(月) 05:00:02 ID:jea4yQfMpw
男「そういえば、お前人一倍耳だけはいいんだっけ」
白兎「はい、蚊の音が気になっちゃって…
すいません…」
男「まぁ別にいいけど……!」
男「そいやっ」パァン
白兎「おぉ…もう三匹目ですよ…!」
男「モスキートハンターとでも呼んでくれ」
山鼠「うるせぇ…」
193: ◆AlicexxO96:2011/6/20(月) 07:31:38 ID:ayxDgaoNKQ
今日?はここまで
変な区切りになって申し訳ない
寝てたのに蚊に起こされて、こんな時間に更新です眠い…
そうだ、SS絵スレの1さんに白兎ちゃん山鼠ちゃんを書いていただきましたよ!
いあー、あまりの絵の上手さに嫉妬してしまう…
それでは、今夜また
194: 名無しさん:2011/6/20(月) 13:20:11 ID:ADWg1TI/Fs
スレタイ見てルイズのコピペ思い出した
195: 名無しさん:2011/6/20(月) 14:37:40 ID:LYdCTbqa1c
私怨あげ
196: 名無しさん:2011/6/20(月) 19:45:47 ID:eyiXSnv7S6
俺は白兎派支援
197: ◆AlicexxO96:2011/6/20(月) 21:58:49 ID:PmyquluLE6
>>174
ありがたしm(_ _)m
更新時間がまちまちで申し訳ない
>>180
>>181
山鼠ちゃん人気過ぎて辛い。主に白兎ちゃんが
>>194
ルイズちゃんは現実じゃない!?の奴ですかい?
というか、それしか知りませんけどw
>>195
ありがたやありがたや……
>>196
ファンの方がいるよ!
やったね白兎ちゃん!
さてさて、本日もゆっくりと初めて行きますねん
198: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:02:07 ID:H5eUe.tjLc
男「野宿してる以上、蚊なんて気にしてたら駄目だと思うんだ」
白兎「だって耳周りで飛び回って本当にうるさかったんですもん」
男「耳が良いのも考えものだな」
白兎「結局一睡も出来ませんでした……」
男「俺もだぞ……」
山鼠「何この寝不足三人組」
199: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:05:42 ID:tI7SKCVOJE
男「元はと言えばお前がこんな所で音をあげたからだろうが」グシグシ
山鼠「やめろよ グシグシすんな」
白兎「どちらにせよ、昨日のペースでは着いてませんでしたから……」
白兎「さぁ、行きましょう!
朝のうちに着くはずです!」タッタッ
山鼠「はいはい」
男「へいへい」
200: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:35:30 ID:DEPQDGNmG.
男「お、別れ道」
白兎「ここで森に入って、抜けた先が目的の街です」
男「もう一個の道は?」
白兎「そのまま川に繋がってます」
男「じゃ、森に入るのが正解か」
山鼠「森の奥にあるとか、大丈夫なのか色々と」
白兎「あれ?山鼠ちゃん行ったこと無いんですか?」
山鼠「ねぇよ?」
白兎「結構綺麗な所ですよー」スタスタ
201: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:40:47 ID:96TVUWlwC6
男「…腹減ってきた」グゥ
白兎「…そういえば」
男「?」
白兎「ここは、鳥の街なんですよ」
男「鶏肉?」
山鼠「食う気満々だなお前」
男「女の子がまんまんとか言っちゃ駄目だぞ」
山鼠「5万回位死んでこい」
202: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:45:52 ID:H5eUe.tjLc
白兎「この街の住民は、ほぼ鳥類なんですよ」
男「へぇ」
山鼠「なんで?」
白兎「川が傍にありますから、元々水鳥達の住処だったんです」
男「そのうちに、鳥仲間が集まってきたと」
白兎「そんな感じだったと思います」
男「俺、鳥の手羽の部分が好きなんだ」
山鼠「聞いてねぇし
鬼畜だなお前」
203: 名無しさん:2011/6/20(月) 22:48:12 ID:Sk5yLArqZw
白兎「あ!見えましたよ!」タッタッ
山鼠「あ、待てよシロ!」
男「……ん?」
『ねぇ知ってるかい?』
『何? 何?』
『これは昨日の 話だけどね』
男「…小鳥のさえずり?」
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