少女は走る 走る
その白い足は止まる事を知らない
その赤い目は風にぶつかり開け続けていられない
その長い耳は、たった一人の少女の声を捉えようとせわしく揺れる
腰にぶら下げた目覚まし時計の音は、その邪魔をする
辿り着いたのは、とある井戸
その向こうは、彼女の世界
164: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:25:27 ID:PmyquluLE6
白兎「あ、あの…男さん?」
男「では、約束通り
白兎を返して貰いますよ、御夫人」
夫人「……あなたは私の話しを何一つ聞いて無かったのかしらぁ?」
男「しっかり聞かせて貰いましたよ」
男「その上で、俺の身勝手で白兎は連れ戻します」
白兎「…へ?」
夫人「…あらぁ?逃げるつもりなのかしらぁ?」
男「とりあえず俺は、白兎について行くって決めたからな」
男「こんな所で止まってられない」
165: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:30:01 ID:jea4yQfMpw
夫人「アリスが戻る事で、不幸に戻る人もいるのよぉ?」
男「その不幸もそいつの一部分だよ
甘えちゃ駄目です」
執事「……」
夫人「…言うじゃないの」
男「それに、こっちにはどうも…」
バンッ
山鼠「シロ! 男!」
男「アリスが帰って来ないと、困る奴がいるようなんで」
166: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:33:37 ID:AkYREPUZEc
白兎「山鼠ちゃん!」
山鼠「ハッ…お…おっせぇから迎えに来てやったぞ…!」ゼェゼェ
白兎「うん…ごめん…ごめんね心配させちゃって…」
山鼠「糞怠い体に鞭打って走って来てやったんだ、感謝しろよ!」
男「せっかく来たとこ悪いけど、すぐに出てくよ?」
山鼠「畜生が!!」
167: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:39:31 ID:uo2scn7/PE
夫人「ふふ…身分を弁えなさぁい?
逃げられると本気で思っているの?」
夫人「城下町は私の家来達で溢れていると言うのに」
男「さぁ、その時はその時じゃないですか?
行くぞ白兎、山鼠」グイッ
白兎「あ、は…はい!」タッ
山鼠「ちょ…ちょっと、ちょっと待って…もう走れねぇ……」ヨタヨタ
夫人「…捕まえたら、三人とも一生奴隷としてこき使ってあげるわぁ」
男「ごきげんよう、公爵夫人!」
バタンッ!
168: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:43:54 ID:ayxDgaoNKQ
夫人「……」
執事「……御夫人」
夫人「……えぇ。勿論はったりよ?
城下町に家来だとか、逃げられないだとかは」
執事「…でしょうな」
夫人「すぐに町を出られるでしょうね
何なら、ショッピングをする余裕だってあるわ」
執事「…よろしかったのですか?」
169: 名無しさん:2011/6/16(木) 23:50:43 ID:H5eUe.tjLc
夫人「よろしかったも何も、反抗された時点で私の負けよぉ?」
夫人「私にはあの子達を『束縛』する術は無いのだから」
執事「左様ですか」
夫人「……思ったよりも、必要な物だったのかしらねぇ」
夫人「今更後悔しても遅いのだけれど」
執事「……では、お仕事ですよ。準備なさって下さい」
夫人「……仕事という束縛から、私は解き放たれたの」
執事「問答無用です」
170: ◆AlicexxO96:2011/6/17(金) 00:14:09 ID:96TVUWlwC6
よし、今日はここまでと致します
>>155>>157
ふむふむなるほど
いやー恥ずかしいミスしましたふへへww
>>155さん可愛いらしい絵をありがとうございました!
>>157さんの絵も心底期待しております!
携帯の前で正座して待機してますねww
>>162
わーお!Cがいっぱい!
ありがとうございまするm(_ _)m
いひー…1日間が空いた分、結構多めの更新量になりました…
疲れた…w
それではまた明日お会いしましょう
グッナイです!
171: 名無しさん:2011/6/17(金) 19:19:49 ID:G8lHzL2u4M
C あげ
172: ◆AlicexxO96:2011/6/17(金) 22:48:53 ID:PmyquluLE6
>>171
支援ありがたし…
少ないですが更新します
173: 名無しさん:2011/6/17(金) 23:06:45 ID:PmyquluLE6
男「白兎!」
白兎「は、はいっ!」
男「無事だな?」
白兎「はいっ!」
男「よし、ならいい」
山鼠「…俺が…無事じゃないんだが…」ゼェハァ
白兎「大丈夫山鼠ちゃん?
わ、靴が汚れていらっしゃる!すぐに靴磨きの準備しますね!
あわわ…床が汚い…掃除しなきゃ…」イソイソ
男「それ床やない、地べたや」
山鼠「城での雑用がもう体に染み込んでるぞ」
男「これもう手遅れじゃね?」
174: 名無しさん:2011/6/18(土) 00:37:19 ID:nyGYlXK0JM
更新待ってました!
っC
175: 名無しさん:2011/6/18(土) 10:46:14 ID:H5eUe.tjLc
白兎「えへへ…ご迷惑お掛けしました…」
男「見事な出落ちっぷりだったな」
白兎「いやー…何故か公爵夫人の命令には逆らえなくてですね…」
男「あの人にとって束縛と自由は紙一重なんだよ
ああいうのは気の持ちようだ」
白兎「確かに無理矢理逃げられましたもんね」
山鼠「おかげで俺の頑張りは無駄になったがな……」ガックシ
男「街にももう戻れないしな」ガックシ
白兎「買い物に来ただけだったんですがねぇ……」ガックシ
176: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:00:47 ID:AkYREPUZEc
山鼠「口は災いの元だなホント」
白兎「ですね……」
男「で、これからどうすんの」
白兎「……そうですね、少々遠回りになりますが」
白兎「ここの城から北西に向かうと、川沿いの街があります」
男「川?」
白兎「はい。川です」
白兎「どちらにせよ、女王様の城に行くにはその川を渡らなければなりません」
男「ふうん」
白兎「少々歩く距離は、長くなりますがね」
177: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:03:41 ID:DEPQDGNmG.
男「因みに、女王様の城はどこにあるの」
白兎「そですね、向こうに大きな山があるの見えます?」
白兎「その手前に川があってですね…」
白兎「あの山を越えたさらに向こうに…」
男「まず山が見えない」
白兎「え!あれ山じゃないんです!?」
山鼠「山はこっちだぞ」グイッ
白兎「へ?あ、あれですね
あの山の向こうです」
男「結構白兎の目も重症だな」
178: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:07:02 ID:ayxDgaoNKQ
男「とりあえずその川沿いの街を目指す、でいいの?」
白兎「最悪野宿になるかもですが」
男「俺は昼間寝てたから構わんが」
白兎「でしたら早速向かいましょう
頑張れば、夜のうちに着くかも知れません」
山鼠「……なぁ」グイ
179: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:12:10 ID:ayxDgaoNKQ
白兎「どうかしましたか山鼠ちゃん?」
山鼠「…その…疲れた……」フラフラ
白兎「大丈夫?」
山鼠「…その…負ぶってくれたら嬉しいなぁ…なんて」
白兎「えー…私も結構疲れてますからね…」
山鼠「だよな、うん…頑張る…」
男「山鼠」ワキワキ
山鼠「ほざけ」
男「まだ何も言って無いのに」
180: 名無しさん:2011/6/18(土) 11:34:37 ID:LoO8oquvnE
山鼠ちゃんいいわァ…
C
181: 名無しさん:2011/6/18(土) 21:22:14 ID:xmOAAvkvQo
山鼠ちゃん、かわいい。Cあげ!
182: 名無しさん:2011/6/18(土) 21:55:53 ID:C/EsOqUYxw
男「…それにしても」スタスタ
白兎「なんですか?」
男「気ん持ち悪い色だよな、この空」
男「夕方なのに紫色してるぜ」
白兎「まぁ、夜に黄色とかにならないだけマシですよ!」
男「明るくて寝れねえわな
な、山鼠」
山鼠「俺には関係ねぇ話しだろ」
183: 名無しさん:2011/6/18(土) 22:11:20 ID:C/EsOqUYxw
男「『色』を献上してるんだっけ?」
白兎「そうです
これが無いとアリスが見る世界が真っ暗になるらしいですよ」
山鼠「へぇ…」
男「確か、“例外”なんだよな
女王と同じ、だったか」
白兎「……はい」
男「…さっき女王の話しをしてた時、すげぇ夫人に食いついてたけど」
男「…何か、あったの?」
白兎「……」
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