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落ち武者に剣道を教わった話。

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剣道有段者のイケメンBに負け続ける不良の俺。どうしても勝ちたかった俺は、ある廃墟に出ると噂される落武者の霊にビビりながらも剣術の指南を申し出る。果たしてイケメンBには勝てるのか?
Part1
1 :名無しさん@おーぷん:2014/10/24(金)02:32:44 ID:Wg9uhnwKv
書き駄目ないけどゆっくり語って行くよ

2 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)02:37:51 ID:Wg9uhnwKv
今から8年前。丁度10月。俺がまだ厨房だった頃の話。
当時の俺は俗に言うDQNで学校なんかロクに行かない様なガキだった。
この時期になるとどの学校も体育の時間は剣道か柔道か選択して授業を受けると思う。
そこで腕っぷしの立つ頭格の奴らが『体育受けに行くぞ!』ってなったんだ。
不良言っても運動神経良い奴とか、マジで滅茶苦茶に強い奴とか、そんな奴らばかりだし体育教師とは友達状態だから
割とどの学校でもよくあると思うけど。

3 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)02:42:42 ID:Wg9uhnwKv
すまんなんか日本語メチャクチャだったわ。気を付ける。
で、俺らは「竹刀とかカッケェwww」と言う理由で剣道の授業を受けに行った。
……と思ったら、俺ともう一人(A)以外は柔道に行ってた。俗に言うハメられたのである。
Aと俺は柔道の方に行かせろと教師に言ったが聞く耳は持ってもらえず、仕方なくその日は剣道を受けることになった。
そして俺はであった。奴と。
二学期の初めに身長160ぐらいの転入生が着ていたのは知っていた。
そいつが剣道の授業を選択していたんだ。噂通りのイケメンだった。

4 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)02:49:12 ID:Wg9uhnwKv
身長160ぐらいでイケメンって言うのは変だけど、見るからに頭がキレそうな奴だった。(名称B)
そいつは、なんか左右に竹刀を振る稽古の時に一緒になったのだが、その時俺の顔を見るなり露骨に嫌な顔をした。
俺「なんだよテメェ?」
B「なんでもないけど、早くしろよ」
俺「ああ゛?」
B「はぁ……、これだから馬鹿は……」
そこでは教師が慌てて来て何もなかったのだが、無性に腹が立ったのを覚えている。
そしていよいよ。
剣道の最期に試合があり、何だかんだで俺はワクワクしていた。
剣道を選択した奴らを偶数奇数で2つの班に分けて試合をするのだが、俺の対戦相手はBだった。
心の中で小さくガッツポーズをした。

5 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)02:50:57 ID:NfwRhf0qU
なんかスレタイでワロタ


6 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)02:52:30 ID:Wg9uhnwKv
ドガドガと大股で入る俺に、ススッと静かに入るB。
ただの自意識過剰だと思うけど、妙に周りが注目していたと思う。
試合ルールは一分間、2本取るか、時間切れで判定(どっちが強かったか皆で拍手して決める、はずいヤツ)。
俺は絶対にコイツを叩き飛ばしてやるとヤル気十二分で挑んだ。

7 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)02:55:17 ID:Wg9uhnwKv
一本目が始まる。
教「始め!」
その声と同時に俺の頭にとんでもないぐらいの衝撃を感じた。
俺の横にはBが居た。
飛び込んできたのである。余裕で一本取られた。
俺「はぁ!?今の有なのかよ!」
教「うん」
俺「クッソ!じゃあ俺もやるわ!!!」
二本目が始まる。
教「始め!」
その声と同時に大振りで飛び込む俺。
胴にとてつもない衝撃が走り、Bが横に居た。
多分、剣道経験者の人だと分かるけど、踏み込みが早い奴はそんな感じで速攻だわ。

8 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)02:58:10 ID:Wg9uhnwKv
その時、柔道サイドに居た仲間たちが超ゲラゲラと笑ってた。
ちなみに柔道再度は喧嘩殺法で余裕で勝っていたらしい。
Aは「ドンマイドンマイ!かっこよかったよ!」と腹抱えて笑ってた。
売った喧嘩は負けなしだっただけに、とんでもなくショックを受けていた。
「よりにもよってあんな野郎に!?はぁ!?」って感じ。とにかく悔しかった。

9 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)02:59:59 ID:Wg9uhnwKv
その日、イライラして授業を受ける気にもならず早々に学校を抜け出す。
他の奴らは俺が負けた件でおちょくってくるので相手したくなかった。
夜中にAからメールが来て「ボロ負けしたオレさんチーッスwwwww」って来た。
ちなみに2ちゃんねらーなのはその頃からである。

10 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:03:40 ID:Wg9uhnwKv
A曰く、Bは元々別の学校で剣道部で主将クラスだったらしい。
中学生にして初段だか2段だか持っているレベルだったそうだ。
勝ち目がないのは目に見えていたような物である。
そもそも教師は俺ら不良が試合をするときは、直に止められる距離とかに来るのに来ない時点でおかしかったのを理解するべきだった。
ただ、それで気持ちが納得することはなかった。
なんか無性に腹がだって、適当に金属バット持って家の前で振り回してた。剣道のつもりで。

12 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:07:27 ID:Wg9uhnwKv
翌日、必死にイメージトレーニングして無駄な自信を持った俺。
Aは俺と一緒に学校を訪れ、そのままBのクラスに突入。
B「なに?負け犬」
俺「ああ゛!?ふざけ(ry」
今考えると行き成りドア開けて入って来て、なにがフザケルナだよ。
俺「とにかく、今日の体育絶対でろよ!!」
B「はぁ?お前らと違って普通に授業うけているから出るに決まってるだろぉ?」
A「俺さん煽られてるwwwwwww」
こんな感じで宣戦布告した。
結果は惨敗であった。

13 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:09:42 ID:Wg9uhnwKv
ちなみにAとは幼馴染。幼稚園からクラスまで変わらないと言う妙な中だ。
どんな馬鹿なことにも付き合ってくれて今でも良い友である。
A「ドンマイドンマイwwwwwwwww恥ずかしいwwwwwwwwwwwwwwww」
超煽るA。
俺「ああああああああああああ!」
よく分からない奇声をあげている俺。
こんな感じで忍び込んだ屋上で騒いでた。

14 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:12:22 ID:Wg9uhnwKv
A「ウッヘwwwウッウッwwww」
俺「アアアアア……」
笑いすぎて過呼吸になるAと、恥ずかしすぎて苦しい俺。
なぜ挑んだのだろうと、多分喧嘩して人生で初めて後悔した瞬間だと思う。
いや喧嘩じゃないよな。
とにかくそんな状態じゃ、不良グループに戻る事もできないし、寧ろ戻ったら絶対に馬鹿にされる。
それは何とも言えないほど嫌だった。
A「でwwどうするッスwww」
俺「喧嘩なら勝てる」
A「いやwww見切られてバシューンよwww」
俺「ありえる」
A「wwwwwwwwwwwwwwwwww」
今でも思い出すと恥ずかしい。

15 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:13:29 ID:xboAIbR1x
>>1だせえwwwww

16 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:16:25 ID:Wg9uhnwKv
そこでAが俺に話した。
A「そう言えばさwwwwTマンションに落ち武者出るらしいぜwwww」
それが俺のBとの因縁を大きく突き動かした。
そのマンションと言うのがバブルの時に建造したけど、通行の不便さとか、そもそも何でこんな田舎に。
って感じの意味不明マンションで、自殺者が相次いだとか、自殺志願者が集まるとかで、ありがちな心霊スポット。
荒れ放題で夜中に何度か肝試しで訪れたことあるけど、ラクガキとエロ本だけしかない場所だ。
俺「Tマンションってあの?」
A「そうそうww○○ちゃん(ビッチギャル)が見たんだってww」

17 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:18:19 ID:Wg9uhnwKv
当時の俺はどうしてそれを選んだのか分からないが。
とにかくBに勝ちたいと言う気持ちが強く。
俺「その落ち武者に修行してもらってくるわ」
そう全力ドヤ顔で言った。
やべぇ、これもなんか恥ずかしい
>>15
他校まで知れ渡ってしまった不名誉である。
ただ殴り合いなら負けなかった。何故か。それは本当。

18 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:26:43 ID:Wg9uhnwKv
そうして夜中、Aと一緒にTマンションに訪れた。
俺の装備は、まんじゅうと線香、あと仏壇にあった位牌を何故かもち。
Aの装備は、インスタントカメラと、実家のお札。
とにかく訳の分からない装備でTマンションに訪れた。当時は大真面目だった。
A「女ときてぇー」
俺「俺だってきてーよ……」
そんな感じで会話しながら落ち武者を探した。
何故か外れているドアと、動物の足音と、テントや寝袋が散乱している部屋。
七輪……ではなく焼き肉プレートがあったり、コンドームとか、キ○ィ人形とか、古いラジカセとか。
思い返せば拍子抜けする廃墟だと覚えてる。
俺「どこで落ち武者出たんだよww」
A「知るかよwwwおっかねーぞここww」
でも当時はビビってた。割と真面目におっかなく、コウモリが出た時は二人でガチ悲鳴あげた。
そんなこんないあって、最上階辺りまで来た。
時刻は深夜二時。大体二時間ぐらい探索していたと思う。

19 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:29:01 ID:Wg9uhnwKv
ガチャガチャ……
背後で薄い金具が何枚もぶつかっているような音がした。
最初は缶だろうとか思っていた。
A「なあ、缶の音聞こえるよな?」
俺「うん」
A「近づいて来てね?」
俺「思ってたわ……」
どうやらその音は俺らが歩いた場所を見て周っている様だった。
カチャチャン、カチャチャンっとよく音が響いていた。

20 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:31:56 ID:Wg9uhnwKv
段々と瞼が重くなるような。肌が痛くなるような。
寒くて耳が痛くなるような感覚がし始め、鳥肌たち、背中がゾクゾクとする。
何故か頭の中では俺らの背後に、髑髏で剣道の防具を来た幽霊が立っているようなイメージが浮かび。
A「わっり、俺マジで逃げるわっ!」
そう言うとAはもの凄い早さで階段まで走って行く。
俺「ちょちょちょ! まて!」
ビビリながらその背後を追う俺。逃げ出した。

21 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:37:25 ID:Wg9uhnwKv
三階まで駆け下りたところで、俺はガチコケした。
それはかなり全力なコケかたで、階段で2回ぐらい前転しながら落ちた。
Aの微かに笑っている声が聞こえたけど、Aは逃げているのかドンドン声が聞こえなくなって言った。
俺は真面目に痛くてその場に座り込んでいた。
カチャチャン。音がする。
間違いなくガチャガチャとも階段を下りている鉄の塊が居るのを感じた。
俺(まじでまじで!?)
情けない事に腰が抜けて動かない。もしかしたら金縛りかもしれないけど。
そうこうしているうちに、俺が見ていた階段に奴が現れた。
見るからに武者。綺麗でカッコイイと思える、子供の日に見る様な甲冑を来た美男。
眉毛はシャッとしていて、顔もスッとしていて、目は細いながらも力強い。
最初はコスプレしている人かと思ったけど、その姿が微かに透明なのを見て「落ち武者だ!」って分かった。


22 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:40:40 ID:Wg9uhnwKv
透明なのに気が付いた瞬間、だんだんと怖くなり持ってきていた位牌を取りだし見せつけた。
武者の男は「( ゜д゜ )!?」って表情になったのち、優しい顔をしてクスッと笑った。
恐らく今だから分かるけど、俺も位牌を見せられたらびっくりする。
俺「ここ、これ饅頭です。線香です」
武者(それを目で見て、またクスッと笑う)
俺「ご、ごめんなさい!すみません!」
武者(ゆっくりと階段を降りはじめる)

23 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:41:40 ID:Wg9uhnwKv
ちなみに。(適当なサイトからコピペ)
お位牌は、御霊のとどまる場所、つまり霊位を表わす牌のことです。
亡くなられた方の姓名、死亡年月日を記して礼拝します。
お位牌についての歴史は、中国の儒教におけるご先祖様やご両親の存命中の位官や姓名を板に記して書いたものが禅宗と一緒に日本に伝わってきたのが始まりと言われています。
なんか実に間抜けだわ。てか、ご先祖様迷惑なんじゃね。

24 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:41:41 ID:xboAIbR1x
ガチ幽霊かよ・・・

25 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:46:45 ID:Wg9uhnwKv
ゆっくりと降りてきた武者は俺の前に立つと、ゆっくりと屈み俺の顔を見た。
ビビって声が出なかったけど、武者が「別に鬼でもない。安心しろ」と言っているような気がした。
テレパシーって奴なのかな。とにかく頭の中で声が聞こえる感じ。
武者(饅頭へ手を伸ばす。親指と人差し指でつかむ)
その瞬間ズズッと腕の皮が引っ張られるような感覚がして、まんじゅうから白い粒が抜けた。
その光の粒を武者は食べると、ニコッと笑った。
>>24
ガチ幽霊なんだけど、凄く顔がイケメンで、相棒とか半沢直樹の及川光彦みたいな感じ。
とにかく人間みたいで、落ち着いたら怖くは無くなっていた。

26 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:47:34 ID:Wg9uhnwKv
そう言えば、耳が無かったと思う。甲冑で隠れていただけかもしれないけど

27 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:52:00 ID:Wg9uhnwKv
武者さんを見ていたら気持ちがだんだんと落ち着いてきて、俺の本題を思い出した。
俺「そ、そうだ!剣術を教えてもらいたいのです!」
慌てて正座し、土下座する俺。
武者(もの凄く動揺、大きく後ろに下がる)
俺「剣道で負けて悔しくて!本物武士なら強くなれると思いました!」
武者(手を出して、一生懸命顔をあげろのジェスチャー)
俺「いいですか!?」←馬鹿である。
馬鹿だけど、何故か了承してもらえた気がしてテンションが上がった。
武者(両腕を組み、まっすぐに俺を見る)
俺(ガン付ける様に見る)
そんな感じで本気で1分以上続けて。
俺「あ、酒ですね!明日持ってきます、だから教えて下さ!」
そう言う結論に至って再びの土下座。
武者(また顔をあげろのジェスチャー)
(これの繰り返しなので省略する。

28 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:53:54 ID:Wg9uhnwKv
その日は妙に気分ウキウキで家まで帰った。
Aからメールが何通も来ていて来ていて10通目あたりで「死んだ?」で、20通目辺りで「ごめん」って来てた。
俺『武者に許可貰った!!!』
A『は?』
俺『明日から修行する!じゃ!』
A「は?」

29 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:56:49 ID:Wg9uhnwKv
次の日、学校の忍び込んで竹刀を2本かっぱらった。
そこから一端家まで戻り、親父の日本酒(一升瓶)を手に持ってマンションへ。
そこからジーッと武者が来るのを待った。
途中怠けて他にも持ってきていた漫画本やPSPをして時間を潰した。

30 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)03:59:54 ID:Bt5U01eRF
面白いな
>>1の馬鹿っぷりが

31 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)04:00:18 ID:Wg9uhnwKv
すまん、俺の待機場所は屋上。武士と言ったらここに来るだろうと妙な自信を持ってた。
夜中5時頃。町内の帰りの歌が流れだした頃。
ガチャン、カチャカチャ。あの音が聞こえてきた。
俺は直にゲームとかPSPをしまい、持ってきておいたコップに酒を注いで正座した。
武者が階段から出てくる。すごく驚いた顔をした。
多分内心(うわぁ、本当に来たよ……)だったと思う。
俺「師匠!宜しくお願いします!」
叫ぶように言った。
武者さんは困った顔をしながらも俺の前に立った。
>>30
当時はかなり大真面目だからなwwww馬鹿だけどwww

32 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)04:06:11 ID:Wg9uhnwKv
それから武者さんと秘密の修行が始まった。
最初は持ってきておいた竹刀を武者さんに渡すと、首を振られ断られた。
と言うのも、竹刀を持つ事ができなくて通り抜けちゃうのだと、実演して見せられた。
なので武者さんは脇に差していた刀を一息で抜刀。
俺は「うぉおおおお!!カッケぇ!!」とか言ったら、照れ臭そうに笑ってた。
主な教え方は武者さんが刀の持ち方や構えからを実演して見せて、顎で「さあやれ」と言われて真似するだけだった。
それで始めの一週間はとにかく竹刀の持ち方と腰の入れ方をしえられた。

33 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)04:10:34 ID:Wg9uhnwKv
最初尻が出ていたのだけど、その時に武者さんが寄って来て腰の辺りをパンッて叩いた。
実際には叩かれた衝撃はないのだけど、胃の中に急に冷たい物が現れる様な、
そんな妙な感覚がしてヒッと腰を前に出す感じ。
あと、何度も握り方を見せられた。要は絞る様に握り、腕は微かに曲げろとの事。
脚に関してはそんなに言われなかったけど、飛び込みの時はもっと体を屈めろと何度も見せられた。
基本的には同じ動作の繰り返しで、俺がそれをしている間は、コップに注がれた酒を武者さんは黙って飲んでいた。
その間も眉一つ動かさず、ジッと俺を睨む様に見ていたのを覚えている。
ちなみに休憩は無かった。だから2週間ぐらいは筋肉痛と疲労で、Aとも遊ぶ気にならなかった。

34 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)04:17:44 ID:Wg9uhnwKv
そう言えば不思議なことにお酒を注いである筈のコップが毎回、終る頃には空になってた。
武者さんが飲んでいたのだと思うけど。
そんなこんなで夕方5時から、夜の10時ぐらいまで。今考えるとよくぶっ通しで出来たなーって思う。
一度だけ怖かったのが。
二週間目あたりで俺が「実践を教えろ!」と駄々をこねた時だ。
武者さんは大きく息を吐くと、立ち上がり、そこに立てと刀で指した。
俺はワクワクしながらそこに立つと、向かい側に武者さんが立つ。
瞬間、いまでも経験したことがないけど、とてつもないオーラを感じた。
不良同士の喧嘩で、頭格が発しているような、とにかく近寄っちゃけない感じ。
で、ババッと走ってきたかと思ったら俺の首元寸前で刀が止まっていた。
何て言うか飛び込んだわけでもないのだけど、本当に瞬時に接近してきた。
俺はビビリながら泣くと、すまんすまんと武者は慌てた様子でオドオドしてた。
ただ只者ではないと確信を得た俺は、真面目に武者さんの修行を聞くことにした。

35 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)04:27:44 ID:Wg9uhnwKv
11月。雪が降り始めても、必ず武者さんは屋上で待っていてくれた。
その頃になると武者さんが何度か、ビシッ!ビシッ!と刀を前後に振っていた。
とにかくキレッキレッだった。しかも、それをした後、一息つく。
と思った瞬間、居合切りの様な速さで刀を抜刀。瞬時に前後を切り、刀をしまう。これを5秒ぐらいでやってた。
刀は見えなかったけど、明らかに抜いていたと思う。
俺は相変わらず竹刀を振って、時々武者さんが目の前に立ち、指さした箇所を叩く練習をしていた。
例えば、武者さんが肩を指さしたら肩を狙って竹刀を振る。
ズンッと俺は振っていたのを見た武者さんが見る
俺の横に立って刀をストンッと落とす様に真っ直ぐ切るのを見せる。
こうやれと武者さんは言っている。それを何度も繰り返す感じ。
ちなみに構え稽古(オレ命名)で、武者さんがゆっくりと刀を振るのだけど、それをどう避けるの修行が辛かった。
そう避けると腕出ちゃうよ。そう避けると肩でちゃうよ。そう避けると顔危ないよ。ほら腰出てる。尻どうにかしろ。
どう避けても何かしらミスる。
俺「師匠の様にできないですよ!」
武者(楽しそうに笑っている)
11月からは比較的楽しくなってきた。

36 :名無しさん@おーぷん :2014/10/24(金)04:32:00 ID:Wg9uhnwKv
12月。始め。
A『お前一か月も引き籠ってるけど平気?』
俺『修行している』
A『ああ、マジでやってるのか……(笑)』
俺『Bに勝ちたい』
Aには修行していることを内緒にしておいてくれと10月の時点で言っていたけど、
どうやらA自身も忘れていたらしい。
それと俺がBに惨敗したから顔が出せなくなったともっぱらの噂。ますます悔しくなる。
A『でも、体育での剣道も終わってるし、もう直ぐ終業式だぞ?』
俺「あ……」
そうなんです、馬鹿なのです。俺は。

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