Part2
58 名前:
1:2007/12/22(土) 16:48:57.79 ID:
AOnCzu2J0
祖母「ねえ、さっきドスンドスンなにやってたん?」
魔王「ちょっとしたゲームですよ、ハハハ!」
命をかけた…ね。
きょとんとする祖母を後に、大広間へ戻る。
総勢三名になっていたのは、残りの二人がテレビをみていたからだと気づいた。
ぺこりと二人がコタツに入りながら会釈をしたので、許す。
祖母のもとに逃げ込むとは狡猾よなあ。
魔王「さて諸君、ジュースだ」
ジュースを振舞う。
よしお「かりんとうとかいらねーよ」
お盆チョップ。
魔王「やはり貴様にはまだ、教育が足りない…」
魔王「貴様の大事な大事なDS…今どこにあったかなァ?」
ハハハハ、とのけぞって笑う魔王を残して少年達は先ほどの仏壇の間へジュースを置いて走っていった。
60 名前:
1:2007/12/22(土) 16:51:19.83 ID:
AOnCzu2J0
よしお、血相を変えて戻ってくる。
よしお「返せよ!!!」
魔王「はて、何のことであったか」
ラモン「DSだよ!!」
ひろし「返せよ!」
意外にも友情は生まれていたのであったか。
よろしい、大変に結構だ。
魔王「DSのありかを教えてほしくば、我に勝つことだな」
少年達は沈黙する。力では勝てぬとわかったのだろう。
魔王「簡単なゲームだ」
狂乱の遊戯の始まりだ。
61 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 16:53:26.10 ID:bh/OEJ7zO
テラ死亡遊戯wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
62 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 16:53:49.05 ID:1V1BYSrW0
今度は何するんだwww
64 名前:
1:2007/12/22(土) 16:55:13.37 ID:
AOnCzu2J0
ラモン「ゲームって?」
魔王「隠れ鬼さ」
よしお「くだらね」
魔王「先攻は貴様等だ、貴様等全員を見つけられねば我の負け、次に我を見つけられねば貴様等の負けだ」
よしお「俺らのが楽じゃね?」
魔王「そうとも、人間風情にはこれしきのハンデくらいくれてやらねば」
ラモン「いいから普通にDS探そうぜ」
ひろし「うん」
魔王「勝った暁には、我のDSとPSPを進呈すると言ってもか?」
少年「!!」
66 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 16:56:06.55 ID:bh/OEJ7zO
・・・ざわ・・・・・・・ざわざわ・・・・・・・・
68 名前:
1:2007/12/22(土) 16:57:37.96 ID:
AOnCzu2J0
俄然やる気になる少年達。
ラモンとひろしが、どっちがPSPをもらうかですでにもめている。
魔王「散れィ!時間は三十秒しかないぞ!」
よしお「行くぞ!!」
ラモン「おう!」ひろし「おう!!」
少年達は広間をどたどたと駆け出していった。
もちろんよしおのDSは我がしっかりと尻ポケットに入れてある。
まさか遊戯中にDS探しに走らぬように、な。
魔王「ハハハ!逃げろ逃げろ!!」
69 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 16:59:42.38 ID:KuoaXdF9O
よしお「俺達ならやれるはずだ…勝てば獲物、ここは恐れず倍プッシュ…!」
70 名前:
1:2007/12/22(土) 16:59:49.54 ID:
AOnCzu2J0
低い地を這うような声を作りながら、
魔王「いいいいいちぃいい、にぃいいいぃいい、さぁあああああん…」
と数え上げる。
まだドタドタ走り回る足音は止まない。
田舎の家は広いのだ。
隠れるところなぞいくらでもある。
と、カラカラ…と家のドアを開けたかすかな音を聞きとがめる。
魔王「一歩でも家の外に出てみろ!貴様のDSは二つ折りだ!!!」
ピシャン!!とドアが慌てて閉まる音がした。
72 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:01:19.47 ID:PmogHPIe0
>>70
すべてお見通しww 流石は魔王、かっけえwww
73 名前:
1:2007/12/22(土) 17:02:20.96 ID:
AOnCzu2J0
魔王「サああああーティ…」
パチン、と指を鳴らす。
魔王「さあ、狩りの始まりだ、…興ぜよ!!そしておののけ愚民!!」
魔王出陣。
78 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:08:04.84 ID:uZMuGcicO
英語自重ww
77 名前:
1:2007/12/22(土) 17:07:24.34 ID:
AOnCzu2J0
魔王はわざわざ足音を荒げ、
「どこに逃げたか隠れたか…姿は隠せどもにおいは消せぬようであるな」
などと隠れた人間の恐怖心を煽るようにしながら進軍していく。
魔王は伊達にここで何十回もこの遊戯に興じてはいない。
ましてや子供の浅知恵、どこに隠れるかなどだいたいの予想はつこうかというもの。
こういう場合、まず小心者の卑怯者は安全地帯に逃げ込むのが定石である。
魔王はまよわず、祖母がいる部屋に入りこんだ。少年二人はいまだに一緒にくっついてテレビを見ている。
よきことである。
祖母「おやどうしたの?」
自分「うん、ちょっとみんなでかくれんぼしてるんだ」
少年二人が顔を見合わせた。
いる。
80 名前:
1:2007/12/22(土) 17:10:53.40 ID:
AOnCzu2J0
祖母はしわくちゃの顔をくしゃりとして笑った。
「おやまあ、寒いから風邪ひかないようにね。みんなにも言ってちょうだいな」
「もちろん。安心してくれて大丈夫だからね」
言うなり、祖母の入っているコタツの布団をめくり上げた。
魔王「見ぃいいいいつけたぁああああああっはあははははは」
小さくそう言ってやると、顔を真っ赤にしていたひろしは力なくぐったりとうなずいた。
他愛も無い。
83 名前:
1:2007/12/22(土) 17:14:44.81 ID:
AOnCzu2J0
自分「みーつけた★」
祖母「あらあら、バレちまったねぇ」
自分「えへへ、じゃ、行こうか」
ひろしを肩に担ぎ上げると、祖母の部屋を後にした。
魔王「安全地帯に逃げ込めたと思うたか…?この家に貴様等人間達にとって安息の場なぞない」
ひろしを仏壇の部屋へ放り込んだ。
ご丁寧に電球をはずす。これで電源スイッチを入れようが電気はつかぬ。
自分「ここから一歩でも出ればDSが何故かポケットを叩けばDSが二つだ」
暗闇におののけ、と言い捨てて魔王は次なる獲物を探しにいく。
85 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:16:53.42 ID:w1hNua4/0
ポケットをwww叩いたらwwwwDSがwwwwwふたつwwwwww
84 名前:
1:2007/12/22(土) 17:16:44.10 ID:
AOnCzu2J0
魔王は裏声で、魔笛のアリアを謳う。
進む。
進む。
魔王「ほおう…におうな…」
魔王はずらりと並んだ洋服ダンスの前で立ち止まる。
かさり、と何者かが動いた音がした。
唇の端を吊り上げて、にんまりと笑った。
88 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:20:21.63 ID:TMyre+7xO
裏声wwwww
90 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:22:26.12 ID:KuoaXdF9O
お父さwwwんwwwお父さんwwwww魔王wwwがwww今ww
89 名前:
1:2007/12/22(土) 17:20:37.82 ID:
AOnCzu2J0
魔王「ふむ…勘違いであったか、我ももうろくしおったわ」
と言い置いて部屋を出た。
ぴしゃんと部屋のふすまを閉める。
「……と言うとでも思ったかあああああ!!!甘いわッ!!!!!」
ピシャーン!と勢いよく再びふすまをひらき、洋服ダンスを開く。
観音開きのブレザータンスの中で、恐怖に顔を引きつらせたラモンが小さくなっていた。
魔王「我を欺けるとでも…思うたかよ…」
ラモンを仏壇の部屋まで引きずっていき、同じく幽閉。
魔王「さて、残るはよしおただ一人か…」
91 名前:
1:2007/12/22(土) 17:23:06.51 ID:
AOnCzu2J0
まおう
さむい
牛乳
あたためる
ちょっと
まってネ★
94 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:25:37.90 ID:dHfXSDNmO
魔王、風邪ひくなよ
96 名前:
1:2007/12/22(土) 17:30:17.34 ID:
AOnCzu2J0
窓の外では丸雪がすでに白に埋め尽くされた地面へ目掛けて空から揺すり落とされている。
部屋の中の気温との差で窓は白く曇り、凍てつく結晶が浮かんでいる。
積もるな、と魔王はその地のように赤い唇に呟き、クックと喉を鳴らして笑った。
震えているだろうか、よしお。
あの卑怯者め、我の禁をきっと破ったに違いあるまいて。
しかもどうしようもない屁理屈をこねるだろう。
よしおよ、貴様の唇は真っ青になっているか?
魔王はまっすぐに、祖母の寝室へと向かった。
窓には障子がかかっている。
障子を開く。
カーテンがある。
こうして何重にもすることで、暖房効果を上げているのだ。
カーテンを剥いだ。
曇り窓には黒々と、不自然な人影があった。
98 名前:
1:2007/12/22(土) 17:32:20.84 ID:
AOnCzu2J0
窓を開けた。
よしおが窓枠に指とつま先をひっかけて、窓にしがみついていたのである。
魔王は静かに問うた。
「それで家の中から出ぬという禁忌を破っていないとでも言う気か、ええ?」
よしおは震えながら、魔王に捕獲された。
魔王「さて…後が無くなったわけだ」
仏壇の部屋に幽閉した三人の少年を睥睨し、魔王はゆったりと微笑んだ。
101 名前:
1:2007/12/22(土) 17:36:59.17 ID:
AOnCzu2J0
「さて、次は我の番よの」
よしお「三十!二十九!!」
魔王はよしおの頭を叩いた。
「英語で数えよ、まさか、わからぬとは言うまいな。…グローバルなんだろう貴様等は」
部屋を出る。背中には数え声。
律儀にサーティから数え下ろす彼らの声を聞きながら、魔王はふっつりとまぎれるようにして消えた。
104 名前:
1:2007/12/22(土) 17:41:34.25 ID:
AOnCzu2J0
魔王は闇の中にあった。
心地よい闇の中である。
魔王「さて、きちんと三十まで数えられるか…」
三十秒だといったのに、
二十秒程度で仏壇の間のドアが開く音がした。
魔王はやはりな、とさびた声で彼らを罵った。
「よくよくDSがいらぬと見える…」
ポケットを叩くたびDSが増える♪
ふっふ、と含み笑いをしてどやどやとあふれる気配を聞いた。
106 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:43:17.84 ID:sCvra5Gc0
この魔王になら天下統一されてもいい。
108 名前:
1:2007/12/22(土) 17:46:00.72 ID:
AOnCzu2J0
先ほどよしおが潜んだ、祖母の寝室の畳をよっく見るがいい。
真ん中の畳だけ、すこしばかり新しいように見えはすまいか。
真ん中の畳と他との間に、少しばかり隙間があるだろう。
ちょうど指を差し込める程度の隙間である。
隙間に指を突っ込んで、畳を持ち上げるとそれは驚くほど軽い。
その畳だけ、軽いのだ。
起こす。
と、
そこにはぽっかりと、人が一人入ってうずくまれる程度の穴が開いている。
掘りごたつの穴だ。
魔王は幼少の頃これを見つけ、内側から閉められるようにと取っ手を苦心して畳の裏側につけた。
暗き穴、魔王は笑いながら呼ぶ声を聞き流している。
113 名前:
1:2007/12/22(土) 17:52:40.74 ID:
AOnCzu2J0
最初にさだめてあった時間は10分。
魔王はその倍を待った。
少年達が探し回っている気配、どうやら祖母の部屋に居た二人も総動員している。
協力して何かを成し遂げようとするその姿勢、悪くは無い…
よしお「いねえ…」
ひろし「風呂場とかは?」
よしお「そうかも、お前頼むわ」
ひろし「おう」
ラモン「タンス全部いなかった」
よしお「押入れの上の奴(天袋)も見ようか」
ラモン「イス持ってくる」
彼らの声が、心なしか弾んでいる。
これは遊戯だもの、楽しくなくてなんの遊戯か。
102 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:38:41.81 ID:Cmf6DxrpO
魔王が織田信長(CV:若本)で脳内再生される件
112 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:51:22.09 ID:O1Y01tKI0
>>102のせいでBASARA信長が掘りごたつの穴に隠れてるのを想像してしまったwwwwwwwwwww
116 名前:
1:2007/12/22(土) 17:57:15.87 ID:
AOnCzu2J0
と、弟が帰ってきた。弟は暇をもてあまして散歩に出ていたらしい。
弟「何やってんの?」
よしお「魔王を探してんだよ!!お前知ってんだろ!教えろよ!!」
弟、空気の読める奴。
弟「知らないね、知っていても、そんな口の利き方じゃあ教えないね」
よしお「オレのDSがかかってんだよ!!」
弟「知ったことじゃあない」
よしよし、我が弟よ成長したではないか。
118 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 17:57:59.11 ID:9lkgLYZE0
魔族がぞくぞくと増えるwwwwwwwww
119 名前:
1:2007/12/22(土) 18:02:01.14 ID:
AOnCzu2J0
よしお「オレのDS壊すって言ってる!!」
弟「魔王のことだから、いきなりそんなことしたわけじゃないだろう」
よしお「………」
弟「もう全部探したの?」
よしお「うん」
ラモン「もう十分経った」
弟「そう」
弟はついておいでと言って、祖母の寝室へと誘った。
少年達の足音がする。
弟「まずは、真剣にごめんなさいを言えるか?」
よしお「なんで」
弟「…言えるか?」
よしお「うん」
弟は畳を持ち上げた。現れる魔王。
弟「…だってよ、姉さん」
私は笑って、「許してやらぬこともない」
といって、DSを返してやった。
123 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 18:03:34.12 ID:YFbJpB3x0
ねぇさん!?
124 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 18:03:34.44 ID:uZMuGcicO
ねっねぇさん!!!!!!???????
125 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 18:03:41.57 ID:Gp7VKPuE0
予想はしていたがやはり魔王様が女性と言うのは萌えるのう!
132 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 18:04:42.96 ID:QbaVRk4SO
姉かよwwww
つーか隠れてるのによしお達の会話がわかるとは、やはり魔王か・・・
135 名前:
1:2007/12/22(土) 18:05:50.18 ID:
AOnCzu2J0
>>132
畳って薄い。声くらいなら簡単に聞こえる。
どうも、魔王です。
143 名前:
1:2007/12/22(土) 18:08:54.53 ID:
AOnCzu2J0
魔王です。
ゲーム大好きです。
この後、古き良きスーファミとファミコンを引っ張り出してきて、
弟を交えると桃鉄やらドクマリやら、それからボンバーマンなどをやって面白く楽しみました。
マザー2のカセットを見つけた時にはうれしくなりました。
聖剣3は箱まで残っていて、少しばかり切なくなりました。
点けてみて、なんということかデータは残っていた。
週明けにでも、マザー2をプレゼントした上司にこの話をしようと思いました。
153 名前:
1:2007/12/22(土) 18:11:43.30 ID:
AOnCzu2J0
よしおが少しでも大人をバカにする言動をしたり、また行動を取った時には弟と二人がかりで仕置きです。
もっとも効果があるのは、人間縄跳びです。
手と足をそれぞれに持ち、振り回します。
すっかりおとなしくなったと、よしおの両親から大変感謝されました。
父にはやりすぎじゃあないかと言われ、
母には「いいんじゃあないかッ」と元ヤンらしく言われました。
151 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 18:11:11.49 ID:RXCh1O9N0
1ってSPプレゼントした人?
155 名前:
1:2007/12/22(土) 18:13:12.44 ID:
AOnCzu2J0
>>151
そうだよ。
157 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 18:13:56.09 ID:Gp7VKPuE0
>>1には敵わんな…
163 名前:
1:2007/12/22(土) 18:16:46.60 ID:
AOnCzu2J0
55歳美人秘書は現在まきょうで、マジックトリフ探しているよ。
168 名前:
1:2007/12/22(土) 18:21:05.47 ID:
AOnCzu2J0
23にもなって、クリスマス母親の実家に行くような女だ。
…後は、言わせないでくれ。察してくれ。
華やかな雰囲気と恋愛ノリが苦手な23歳です。
そろそろ夕飯でも作る。
173 名前:
1:2007/12/22(土) 18:25:41.76 ID:
AOnCzu2J0
夕飯は鶏のスープがあったので、ニラと大根とひき肉のおじやにする。
といた卵がくらくら煮えてちりめん状になったら、青いネギを散らす。
それじゃ。
177 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 18:35:19.31 ID:w8zr40OM0
よしお「俺、この戦いが終わったら魔王と結婚するんだ、、、、」
179 :
以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/22(土) 18:43:21.63 ID:EZmp749/0
>>1はよしおの憧れのお姉ちゃんになること間違いなし