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【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係
Part19


982 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:45:28 ID:kUi
1945年10月30日
(・英・)「”停戦協定”は無事、調印されました」
( ・`ω・´)「ありがとうございます」
(・英・)「それでは、私はこれで失礼させて頂きます」

983 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:46:39 ID:kUi
(・英・)「………」
(・英・)「……ふぅ、全く」
(・英・)「まさか我々が、オランダの尻拭いをさせられるなんてなぁ」
(・英・)「本当に大変なところに来てしまったよ」
(・英・)「でも、これで暫くは安心だ」
(・英・)「よかったよかった……
(ドンッ)
( 英 )「」
停戦協定の調印から、僅か5時間後。
旅団長マラビー准将は、白昼、乗用車を爆破され、死亡しました。

984 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:47:46 ID:kUi
(U・×・U)「マラビー准将が、暗殺された…!?」
(U・×・U)「絶対に許さんぞ、原住民どもめ!!」
(U・×・U)「我々はインドネシアに武器と犯人の引き渡しを要求する!」
(U・×・U)「要求に従わなければ、報復としてシンガポールから軍を派遣する!」

985 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:48:56 ID:kUi
暗殺事件の真犯人は不明。
”イギリス軍を巻き込むためのオランダによる謀略”という説もあります。
インドネシアへの進駐軍の中には、蘭印軍、陸軍司令官ファン・オイエン少将の”蘭印陸軍七個中隊”が含まれていました。
この部隊は破壊工作を主目的とし、インドネシア人の殺害・誘拐・放火など、数多くの事件を起こしています。
オランダの破壊工作。
それによって、インドネシアと連合国側の交渉環境は、著しく悪化したのでした。

986 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:50:12 ID:kUi
(●゚◇゚●)「暗殺?そんなのは知らないね」
(●゚◇゚●)「それに武器をよこせだって?」
(●゚◇゚●)「そんな要求は断固拒否する!」
(●゚◇゚●)「やっぱりお前らは敵だったんだ!」
(U・×・U)「なんだと!?」
(●゚◇゚●)「死か、独立か!」
(●゚◇゚●)「我々スラバヤ市民は、絶対に屈しないぞ!」
スラバヤには、独立宣言を発したジャカルタへの強い対抗意識もありました。
インドネシア政府の制御も及ばず、スラバヤ市民は戦いに身を投じていきました。

987 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:51:23 ID:kUi
1945年11月10日。
インドネシアとイギリスの両軍は、市街地で全面衝突。
イギリス側は将軍2名が死亡、死傷者1000名。
インドネシア側は艦砲射撃と空襲を受け、一般市民を含む5000人〜20000人の犠牲者が出ました。
”100日戦争”、又の名を”スラバヤ血の海戦争”。
独立宣言から100日目に発生した戦争。

988 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:52:34 ID:kUi
「インドネシア独立は、全インドネシア人の願望である」
それを世界に知らしめた、”インドネシア独立戦争”の始まりです。


【歴史】原住民と学ぶインドネシア独立と大日本帝国の関係【完結編】
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1430743980/

2 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:54:13 ID:kUi
( ・◇・)「いよいよ”独立戦争”が始まったね」
( ・◇・)「知ってる?スラバヤもそうだけど、バンドンの街も火に包まれたんだって」
( ・◇・)「なんでも、インドネシア軍自らが市街地に火を放ったんだってさ」
( ・◇・)「イギリス軍はバンドンを”オランダ軍”に引き渡すため、バンドンの街を占領する寸前だった」
( ・◇・)「インドネシア軍はそれを絶対に阻止したかったんだってさ…」

3 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:55:32 ID:kUi
( ・◇・)「それと、首都ジャカルタの治安が悪化してきたんだってさ」
( ・◇・)「共和国派とオランダ派の武装対立が表面化してきたんだ」
( ・◇・)「それに伴って、首都はジャカルタから”ジョグジャカルタ”に移ったそうだよ」
( ・◇・)「ジャカルタはジャワ島西部、それに対してジョグジャカルタはジャワ島中部」
( ・◇・)「名前は似てるけど、場所は全然違うから間違えないでね」
( ・◇・)「ちなみにジョグジャカルタはね、昔”マタラム王国”が栄えた土地なんだ」

4 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:56:44 ID:kUi
( ・◇・)「新首都ジョグジャカルタに大統領と副大統領が避難して、」
( ・◇・)「旧首都ジャカルタにはシャフリル首相が残って、イギリスオランダとの交渉を継続するんだって」
( ・◇・)「…戦争が始まった以上、ぼくたちはもう引き返せない」
( ・◇・)「一体この先、ぼくたちはどうなってしまうんだろうね…」

5 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:57:54 ID:kUi
・豆知識『独立戦争に参加したインドネシア人』
実は、インドネシア人の中にも”親オランダ派”はいるのです。
インドネシア各島によって傾向が違い、”親オランダ派”の多い島もあったそうです。
そのような島では”親オランダ派”のインドネシア人がオランダ人に協力し、
”蘭印作戦”の時には、オランダと共に戦ったそうです。
この”インドネシア独立戦争”でも、それは例外ではなく、
オランダ軍の上陸を歓迎し、オランダ軍に参加するインドネシア人兵士もいました。
更に”ジャワ郷土防衛義勇軍・ペタ”出身者の中にも、親オランダ派は存在したそうです。
あまり目立たない彼らは、どちらかというと少数派だったのかもしれません。
ですが、やはりインドネシアも一枚岩ではなかったものと思われます。

6 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)21:59:17 ID:kUi
(・印・)「ぼくはインドから派遣されて来た”インド人兵士”だよ」
(・印・)「インドネシアにやって来てるイギリス軍の、そのほとんどは”インド人兵士”なんだ」
(・印・)「インドはイギリスの植民地だからね」
(・印・)「だから、ぼくたち”インド人兵士”は、イギリス軍としてインドネシア人と戦わなきゃいけないんだ」

7 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:00:41 ID:kUi
(・印・)「だけど…」
(・印・)「正直、ぼくたちも”独立”したいんだ」
(・印・)「インドネシア人たちの独立願望は、とてもよく理解できる」
(・印・)「日本軍政時代は一緒に戦った仲間同士だしね」
(・印・)「だから……」
(・印・)「ぼくはこれから、インドネシア軍に味方するよ」
インドから派遣されたイギリス軍インド人兵士。
彼らは、インドネシア独立運動の理解者でした。
彼らの中には兵舎を抜けだし、インドネシア軍に参加する者もいたそうです。

8 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:01:52 ID:kUi
(●▲●)「は?」
(●▲●)「おい、お前んとこの兵士がインドネシア軍に加わっとるぞ!?」
(●▲●)「一体どうなっとんのや!?」
(U・×・U)「そんなこと言われても…」

9 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:03:03 ID:kUi
(・露・)「今まで黙って見とったんやけど…」
(・露・)「最近のイギリスはんは、インドネシアを支配しとるそうやないか?」
(・露・)「これな〜、どう見ても”植民地化”狙っとるんちゃう?」
(・露・)「アカンな〜、アカンやろな〜、”植民地帝国”の復活やろな〜」
(・露・)「人道的に、こんなのは許されんやろな〜」
(・露・)「せやろ?」
(U・×・U)「ぐぬぬ…」

10 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:04:20 ID:kUi
1946年11月
(U・×・U)「なんでぼくたちばかり、こんなに責められないといけないんだ…」
(U・×・U)「ぼくたちはあくまで、オランダの代わりに来ているだけなのに…」
(U・×・U)「………」
(U・×・U)「……ああ、またインドのネール首相から非難の声明が来た」
(U・×・U)「”インド人をインドネシアで戦わせるな”って」
(U・×・U)「………インド兵の派遣も、そろそろ限界だ」
(U・×・U)「何より、インド人兵士たちが、インドネシアの独立に同情し始めている」

11 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:05:32 ID:kUi
(U・×・U)「………」
(U・×・U)「我々だって、インドネシアの独立願望は、理解しているつもりだ」
(U・×・U)「だけど、ぼくたちはオランダの準備が整うまでは、この地に留まらないと…」
(U・×・U)「………あー、もう…」
(U・×・U)「大体これは、オランダとインドネシアの問題なんだ」
(U・×・U)「ぼくたちイギリスは、全く、関係ないんだ」
(U・×・U)「正直、さっさとここから手を引きたいよ…」

12 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:06:43 ID:kUi
(U・×・U)「なぁ、もういい加減にしてくれないか?」
(U・×・U)「こっちはインドの独立問題で手一杯なんだよ」
(U・×・U)「これ以上、こんなところで油を売ってなんかいられない」
(U・×・U)「早くインドネシア側と協定を結んでくれよ」
(・蘭・)「仕方ないですね…」

13 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:07:54 ID:kUi
[ジャワ島・チルボン]
(U・×・U)「インドネシア共和国の領地は『ジャワ島』『スマトラ島』『マドゥラ島』である」
(U・×・U)「インドネシア共和国には『オランダ・インドネシア連合王国』の『インドネシア連邦』に加盟してもらう」
(U・×・U)「以上をもって、”リンガルジャティ協定”を締結するよ」
(*・公・*)「はい、分かりました」
(・蘭・)「異論はないです」
イギリス・キーラン郷の斡旋により、インドネシア首相・シャフリル、オランダ領東インド政府副総督、ファン・モークが交渉。
彼らによって”リンガルジャティ協定”が締結されました。

14 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:09:13 ID:kUi
・豆知識『バリ島の独立戦争』
バリ島にも”インドネシア独立戦争”を戦ったインドネシア人の英雄がいました。
貴族出身、インドネシア軍中佐、グスティ・ングラライ。
ゲリラ戦で8ヶ月間を戦い抜くも、最期の戦闘でオランダ軍の降伏勧告を拒否。
壮絶に戦い抜き、残留日本兵12名を含む同志94名と共に、玉砕したそうです。
後に彼の名は国際空港の名として残り、像や紙幣の肖像にもなります。
彼は今でもインドネシアの地で、同志らと共に眠っています。
しかし残念ながら、バリ島での独立戦争は、実質彼らだけだったそうです。
バリ島はオランダの支配下に収まり、
”リンガルジャティ協定”によって、バリ島は”インドネシア共和国”から切り離されたのでした。

15 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:10:23 ID:kUi
(U・×・U)「よし!これで協定締結だね?」
(U・×・U)「それじゃぼくらはすぐに兵を引き上げるから」
(U・×・U)「これからはインドの独立問題に取り組まないとね…」
協定が締結するや否や、イギリス軍は速やかにインドネシアから撤退したのでした。

16 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:11:34 ID:kUi
・豆知識『イギリス領インド帝国の分離独立』
第二次世界大戦終結後、イギリスは”イギリス領インド帝国”の放棄を検討し始めます。
イギリスは世界大戦での疲弊によって、経済力、軍事力が破綻。
インドの軍人・官僚からの忠誠を得るのも難しくなっていたのでした。
1947年8月15日。インドとパキスタンが分離独立。(これには後の東パキスタン・バングラデシュも含まれます)
更に1948年にはビルマ(ミャンマー)とセイロン(スリランカ)も分離独立し、
”イギリス領インド帝国”は完全に消滅したのでした。
なお、インドとパキスタン。これは二つの宗教を分離するため、国自体を分離した結果です。
これにより各地で強制移動・流入による大混乱が発生。
暴動や衝突、虐殺が発生し、死者は100万人にも達したと言われています。
インド独立運動・最大の悲劇とされ、今日においても両者の対立は続いています。

17 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:12:46 ID:kUi
さて、この協定に携わった両国の二人ですが…。
(●゚◇゚●)「は?」
(●゚◇゚●)「インドネシアがオランダに組み込まれる?」
(●゚◇゚●)「そんなの認められないよ、何勝手にやってんの?」
(*・公・*)「そ、そんな…」
(*・公・*)「ぼくは”インドネシア共和国”の存在をオランダに認めさせることが第一だと思うんだ」
(*・公・*)「多少譲歩してでも、対等であることを示すことに意義があるんだよ」

18 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:13:56 ID:kUi
(●゚◇゚●)「だとしても譲歩しすぎだよ」
(●゚◇゚●)「ふざけてんの?」
(●゚◇゚●)「大体シャフリル首相って、以前から気にくわなかったんだよね」
( ・`ω・´)「まあまあ」
( ・`ω・´)「ぼく、スカルノはこの協定を支持するよ」
( ・`ω・´)「だからこの話はもうおしまい、ね?」
(●゚◇゚●)「まぁ、スカルノさんが言うなら…」
インドネシア側は、スカルノが支持することで、この問題に決着を付けました。

19 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:15:14 ID:kUi
一方のオランダ側では…。
(●▲●)「”インドネシア共和国”を認める?」
(●▲●)「そんなん無理に決まっとるやろ」
(●▲●)「あれは、悪漢日本が馬鹿な原住民をそそのかして出来たもんや」
(●▲●)「真夏の夜の夢みたいなもんやで」
(・蘭・)「で、ですが!」
(・蘭・)「我が国の権益を守るためにも、共和国には妥協すべきかと!」
(●▲●)「は?妥協?」
(●▲●)「何言っとんのや、お前」
(●▲●)「大体どう見ても、今回のそれは、お前の権限を越えとるやろ!」

20 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:16:33 ID:kUi
(●▲●)「既にお前を支持した政権は交代した」
(●▲●)「もうお前が好き勝手出来る時代は終わったんや」
(●▲●)「それにお前は、ジャワ島生まれだそうじゃないか?」
(●▲●)「原住民に情でも湧いたんか?」
(●▲●)「そんな奴に任せたのがアカンかったんや」
(●▲●)「ここから先は、ワイらの指示に従ってもらうで」
(・蘭・)「はい…」

21 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:17:45 ID:kUi
1947年1月24日
(●▲●)「治安維持活動の時間やで〜」
(●▲●)「ジャワ島東部のクリアンとシドアルジョを攻撃や!」
(●▲●)「占領したら、次は内陸のモジョクルトも攻めるで〜」
( ・`ω・´)「ファッ!?」
( ・`ω・´)「まだ協定の最終手続きも済んでないんだぞ!?」
( ・`ω・´)「オランダは一体何を考えているんだ!!」

22 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:18:56 ID:kUi
( ・`ω・´)「どうする?徹底抗戦するべきか?譲歩するべきか?」
( ・`ω・´)「一体どうしてこうなった…」
(●゚◇゚●)「それもこれも、全部シャフリルのせいだ!」
(●゚◇゚●)「お前が無責任な協定を締結するから、こんなことに!」
(●゚◇゚●)「もうお前は辞めてしまえ!」
(*・公・*)「うぅ…」
党争に破れたシャフリルは、首相を辞任することになりました。
しかし、オランダとの交渉をシャフリル首相が主導していたのも事実。
スカルノはシャフリルを顧問に命じ、オランダとの外交交渉を継続させました。

23 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:20:08 ID:kUi
1947年6月28日
(●▲●)「スラバヤ、ジョグジャカルタ周辺への空爆も開始するで〜」
(●▲●)「………」
(●▲●)「……よし、そろそろええかな」

24 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:21:50 ID:kUi
1947年7月17日
(●▲●)「あー、東インドの諸君、よく聞くんやで」
(●▲●)「我々は東インド治安維持のため、オランダを含めた”共同警察”の設置を要求する」
(●▲●)「これは我々からの”最後通牒”である」
(●▲●)「この最後通牒が無視された場合、」
(●▲●)「我々は、東インドの治安維持のため、」
(●▲●)「東インド全域への”警察行動”を開始する!」

25 :名無しさん@おーぷん :2015/05/04(月)22:23:03 ID:kUi
( ・`ω・´)「そんな理不尽な要求をされても困るよ!」
( ・`ω・´)「我々はインドネシア治安へのオランダ介入を、断固拒否する!」