幼女「お医者さんごっこするれす」 メイド「嫌です」
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Part2
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/13(金) 01:15:35.65 ID:
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幼女「雪は嫌いじゃないれすけど、家が埋まってしまうくらい積もるのは勘弁してほしいのれす」
幼女「折角お母様がコートを買ってくれたのに、外に出れないなら意味がないれす」
メイド「土地柄仕方ありませんね、南の帝国辺りまで行けばもっとマシらしいですが……」
カランカラン
「ただいまー」
幼女「……!」
メイド「あ……」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 15:51:07.08 ID:
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幼女「お母様お母様お母様ー!」ダキッ
女医「おー、可愛いわが子よ〜♪」ダキッ
キャッキャッ
メイド「ご主人様、おかえりなさいませ」ペコリ
女医「うん、メイドちゃんただいま、何か変わった事あった?」
メイド「いえ、特には……」
幼女「お母様!私、ちゃんとお肉食べれたのれす、好き嫌いはこれでそつぎょうれす?」
女医「おー、偉いねえ、流石は私の子供〜」ナデナデ
幼女「わあい♪」
女医「それで、帰って早々なんだけど……メイドちゃん」
メイド「はい」
女医「離れにある手術室って使えるようにしてる?」
メイド「はい、消毒は毎朝しておりましたが……」
女医「良かった、実は渓谷の橋で事故があったらしくて」
女医「もうじき、患者が何人か運び込まれてくると思うから」
メイド「判りました、カートを準備しておきますね」
女医「うん」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 15:57:17.33 ID:
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女医「という訳で、私はちょっと手術室に籠る事になっちゃうの」
女医「ごめんね、あんまり相手してあげられなくて」ナデナデ
幼女「お母様のお仕事は大切なのれす、だから私は全然平気なのれす」
女医「ん、良い子ね」チュッ
幼女「お母様も頑張ってなのれす」チュッ
女医「よし、エネルギーも注入で来た事だし、いっちょ頑張りますか!」
メイド「ご主人様、患者さん達が手術室へ運び込まれました」
女医「ん、ありがとね、あの子の事、お願い」
メイド「はい、ご主人様も、あまり無理をなさらず」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:07:39.28 ID:
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メイド「さて、お嬢様、歓迎式は明日にして、今日はもうお休みしますか?」
幼女「……」
メイド「お嬢様?」
幼女「……見たいのれす」
メイド「え?」
幼女「お母様のお仕事、見たいのれす」
メイド「……どうしてです?」
幼女「早くお医者様になりたいかられす」
幼女「ご本にも書いてあったれす、読むよりも見た方が得られるものがたくさんあると」
幼女「だからメイドの身体も見た、お母様の身体も、私の身体も」
幼女「だから、次はお母様のお仕事を見たいのれす」
メイド「……それは難しいでしょう、我々が手術室に入っても邪魔なだけです」
幼女「覗くだけでもしたいのれす」
メイド「手術中は扉開かないですよ、窓は高い所にあるので、お嬢様が覗くのは物理的に不可能かと」
幼女「……」チラッ
メイド「……」
幼女「……」チラッチラッ
メイド「何故こちらをチラチラ見るのですか」
幼女「……メイドは割と、背が高いのれす」
メイド「確かに私の背は高いですが……それでも手術室の窓を覗くなんて無理ですよ?」
幼女「なら、私とメイドを足せばどうれす?」
メイド「……まさか」
幼女「ふっひっひー」ニヤリ
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:14:03.94 ID:
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〜庭〜
メイド「……はぁ、私は何をしてるのでしょうか」
幼女「メイド、揺らしちゃだめなのれす、怖いのれす」
メイド「仕方ないでしょう、雪で足場が悪い中で肩車しているのですから」
幼女「そこは根性で何とかしてほしいのれす……つべたい!」
メイド「どうしましたか?」
幼女「うう、ツララが顔にあたったのれす……」
メイド「刺さってませんよね?」
幼女「刺さってたら喋れないれす」
メイド「それはそうですが……」
幼女「よし、窓に、窓にもうすぐ手が届くのれす」
幼女「よい、しょ……」
メイド「お嬢様、立っては危ないです」
幼女「平気れす、ほら、中が……見え……」
メイド「見えましたか?」
幼女「……」
メイド「お嬢様?」
幼女「……うわあ」
メイド「え?」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:19:01.62 ID:
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幼女「血が、血がいっぱい出てるのれす」
幼女「お母様も、血まみれなのれす」
幼女「ああ、あんなに、あんなに」
幼女「メスが……」
幼女「……身体を」
幼女「……」
幼女「……」
幼女「……」
幼女「……ひとのからだって」
幼女「あんなふうに……」
幼女「しっては、いたのれす」
幼女「ご本で、よんでは、いたのれす」
幼女「メイドのきずだって、みたのれす」
幼女「けど、けど、本当のからだのなかは」
幼女「……」
幼女「あんなに、あかくて」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:23:01.27 ID:
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メイド「お嬢様?」
幼女「……」フラッ
メイド「あ……」
グラッ
メイド「お嬢様、危ない!」
ガシッ
メイド「な、何とか受け止められました……良かった……」
幼女「……」
メイド「お嬢様?だ、大丈夫ですか!?」
幼女「……だい、じょうぶなのれす」
メイド「お嬢様……」ホッ
幼女「……すごい、ものをみたのれす」
メイド「え?」
幼女「すごかったのれす……」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:26:20.39 ID:
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〜自室〜
メイド「待っていてください、今温かい飲み物を持ってきますので」
幼女「……」
メイド「お嬢様?」
幼女「メイド」
メイド「はい」
幼女「……お医者さんごっこしたいのれす」
メイド「またですか?」
幼女「……」
メイド「今日は休んでください、また明日にでもお付き合いしますから」
幼女「いま、したいのれす」
メイド「……」
幼女「だめ、れすか」
メイド「……仕方ありませんね、少しだけですよ?」ハァ
幼女「……」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:28:09.74 ID:
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幼女「では、横になってほしいのれす」
メイド「問診は無しですか?」
幼女「横になってほしいのれす」
メイド「はいはい……」
幼女「お洋服を脱がすのれす」
メイド「どうぞどうぞ」
幼女「……」
メイド「……」
幼女「……」
メイド「お嬢様?」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:33:14.70 ID:
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幼女「……」ペタペタ
メイド「くすぐったいです」
幼女「……メイド、暖かいのれす」
メイド「当たり前ですね」
幼女「どうしてれすか」
メイド「だって生きてますから」
幼女「生きているって何れすか」
メイド「何って……突然そんな難しい事を聞かれても……」
幼女「……」
メイド「ええと、心臓が動いている事でしょうか」
幼女「……そうなのれす、心臓が動いて血液を身体じゅうにまわしてるのれす」
幼女「脳や肺や胃や腸や腎臓や肝臓は、その血液によっていきているのれす」
幼女「知っていたのれす、そんな事は、知っていたのれす」
幼女「だから、血液が無くなれば人はしんでしまう」
幼女「心臓が動かないと人はしんでしまう」
幼女「心臓を維持する機関が動かないと人はしんでしまう」
幼女「わかっていたのれす、そんなことは」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:37:19.98 ID:
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幼女「メイド、手を出してほしいのれす」
メイド「は、はい」
幼女「……」ギュ
メイド「……」
幼女「……トクトク、感触がするのれす」
メイド「はい」
幼女「メイドの身体には、ちゃんと血がまわってるのれす」
幼女「メイドは生きてるのれす」
メイド「……はい」
幼女「さっき見た手術室では、いっぱい血が出ていたのれす」
幼女「ひとの身体には、あんなにも、沢山の血が流れてたのです」
幼女「知ってはいても、理解はしてなかったのれす」
幼女「人が生きるには、あんなにも沢山の血がひつようだなんて」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:41:07.73 ID:
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メイド「お嬢様……」
幼女「メイド」
メイド「は、はい」
幼女「抱っこしてほしいのれす」
メイド「……良いですよ」
ギュ
幼女「……ここは、もっとトクトクいってるのれす」
メイド「……はい」
幼女「メイドの心臓は、ちゃんとうごいてるのれす」
メイド「……はい」
幼女「何だか、凄く安心するのれす」
メイド「……そうですか」
幼女「……」
メイド「……」
幼女「……」
メイド「……」
幼女「……」zzz
メイド「……おやすみなさい、お嬢様」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 16:46:32.02 ID:
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〜翌朝〜
〜食堂〜
幼女「むにゃむにゃ、おはようなのれす、お母様……」ギュー
女医「おはよー、我が子よー……」ギュー
メイド「……昨日は結局、徹夜なさったのですか」
女医「うん、ちょっと難しい手術でねぇ、けど何とか峠は越えたよ」
女医「出血がひどかったから、近親者から輸血出来る人を探さないといけないけどね」
幼女「それは良かったのれす、流石はお母様なのれす?」
女医「ふっふっふー、まあね〜」
メイド「では朝食をお持ちしますね」
女医「やったあ、もうお腹ぺこぺこ〜♪」
幼女「私もぺこぺこれす〜」
メイド「はいはい……」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 17:06:01.97 ID:
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幼女「そういえばお母様、隣町はどうだったれすか」
女医「ああ、あっちねえ……昨日の手術よりあっちのほうが厄介かも」
幼女「む、お母様がそこまで言うのであれば、余程難解な症例なのれすね?」
女医「難解というか……原因が判んないんだ」
幼女「……お母様でも?」
女医「うん」
女医「昨日まで元気だった人が、突然昏睡状態になっちゃうの」
女医「何日も目が覚めず、食事もできず徐々に弱ってきちゃってる」
女医「今は口から管で水や流動食を流し込んで対応してるんだけど、放置してると確実に死んじゃう」
女医「しかも、同じ症状になる人達が徐々に増えてきてる」
幼女「ふむふむ」
女医「空気感染する疫病の可能性もあるから、隣町に残ってしばらく色々調査したんだ」
女医「ほら、私が帰宅した時に貴方やメイドちゃんに感染が広がっちゃうってのは絶対避けたかったからさ」
女医「けど、どうも違うみたいなんだよねえ」
女医「って事は何か、何かを媒介に被害が広がってるんだと思うんだけど……」
女医「そうこうしてる内に軍の医療師団が到着してね」
女医「とりあえずバトンタッチして帰ってきたの」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/01/16(月) 17:09:13.45 ID:
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メイド「はい、お仕事の話はそこまでにしておいてください、朝食ですよ」カタッ
女医「わあい♪」
幼女「わーい♪」
女医「メイドちゃんのご飯、恋しかったんだよね〜」
幼女「げ、ハムがあるのれす、野菜を持ってこいと……」
女医「あー、また好き嫌いしてるの?駄目よ?」
幼女「ううう、た、食べるれす、ちゃんと食べるれす」モグモグ
女医「よし、えらいえらい」チュッ
幼女「ふふふ、私はえらいのれす」フンフン
メイド「……」クスッ