Part3
34 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/18(土) 20:37:01.98 ID:3Rgr7MqQ0
.
('A`)「……ウツダシノっふ!?」
_
(*゚∀゚)「ヒューーーっ!!!ドク、お前見直したぜ!HQに啖呵切っておまけに退却と増援の許可まで貰うとはな!」
通信を終えてぐったりと機銃座に突っ伏そうとした俺の頭を、ジョルジュの太い腕ががっちり拘束する。
ああああ男の大胸筋の感覚がぁああああ!!!やめろぉおおおおお!!!!
('A`)「……」
_
( ゚∀゚)「………ドク、大手柄なのに浮かない顔つきだな」
('A`)「俺さ、これでお役御免ってことにして戦線離脱しちゃダメ?」
_
( ゚∀゚)「俺の感動を返せよお前」
男から感謝されたって、1マルクの得にもならない。
35 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/18(土) 21:54:51.45 ID:3Rgr7MqQ0
( ><)「─────上空敵編隊、攻撃態勢!!」
深海棲艦の奴等に動きがあったのは、本部との通信を終えてからきっかり20分後。第1波の増援として、ゲパルトとレオパルド2各一個小隊が随伴歩兵とセットで此方と合流した直後だった。
これ以上の戦力増強を許しては、本格的にリスボン制圧が難しくなるという判断だろうか。HelmとBallが、文字通り空から“降って”きた。
《Feuer!! Feuer!!》
《一つ一つを狙おうと思うな!大きな塊の中に火線を突っ込ませるイメージで撃て!!》
4両のゲパルト───ゲパルト自走式対空砲が唸りを上げる。火線が空で交錯し、貫かれた何機かのHelmが錐揉みしながら四方八方へ墜落する。
(#゚д゚ )「よく狙え、撃て!!」
_
(#゚∀゚)「いいか、撃墜までする必要は無い、とにかく車両への攻撃を絶対にさせるな!!」
ゲパルトの火線をかいくぐって迫ってきた個体には、随伴歩兵の弾幕射撃がお出迎えだ。それにしても軽機関銃を基幹として装備を揃えてくるとは、HQもなかなか話がわかる。
( <●><●>)「敵艦載機隊、後退。当方損害、至近弾数発のみで損傷・撃破車両共に0」
(*><)「此方の戦果、撃墜18、撃破7、損傷10!大戦果なんです!凄いんです!!」
\おぉー!/
ビロードが子供のように飛び跳ねて歓喜を露わにし、それに一部の兵が追従して歓声が上がる。言葉が通じないフランス兵の生き残りも、手応えで自分たちが深海棲艦機を圧倒していたのは解るのだろう。どこか誇らしげに互いを賞賛しあっている。
だが、俺やミルナ中尉は逐一脳の回転を止めている暇が無い。
36 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/18(土) 22:02:37.25 ID:3Rgr7MqQ0
(;'A`)「全車両散開、随伴歩兵も伏せろ!!」
ξ;゚听)ξ「※※※!!」
俺が天井を叩くとツンが何ごとか操縦士にフランス語で叫び、車両が急加速で前進、レオパルド2、ゲパルトも八方に散開する。
直後、戦車隊の展開位置に直撃する砲弾。炸裂音と共に砂煙が舞い上がる。
(#゚д゚ )「上空11時方向、射角60°から70°をなぞる形で射撃!!」
《Jawohl!!》
弾着観測射撃を行ったとみられる、少し離れた位置に浮遊していた敵機を目ざとくミルナ中尉が発見する。ゲパルトの内1両が砲火を迸らせ、貫かれたBallが一機タホ川へ火球に姿を変えながら落ちていった。
_
( ゚∀゚)「砲撃の発生位置は!?」
( ><)「1時方向、ジャウ通り方面からです!!」
ジャウ通り……戦艦の主砲にとっては決して遠くない。
('A`)「アルカンタラマールよりHQ、ジャウ一番通り地点に敵が潜んでいる可能性がある、あぶり出しを行いたい。攻撃を求む」
《こちらHQ、了解した。MLRSによる砲撃を敢行する。衝撃に備えろ》
('A`)「了解。HQより伝達、MLRS使用!衝撃に備えろとのことです!」
( ゚д゚ )「了解。総員衝撃に備えろ!!」
1分と立たずに、八発のロケット弾が頭上を通過。轟音と共に指定地点に着弾する。
37 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/18(土) 22:20:22.17 ID:3Rgr7MqQ0
ξ゚听)ξ<……何か動いたわね>
('A`)<……あぁ>
ロケット弾による砲撃が行われた地点、明らかに10Mを超える何か大きなものがうごめいた気配があった。
カシュカイシュから上陸したelite級の何かが侵出してきているのか、或いは新種の深海棲艦か。どちらにせよ油断できない相手なのに変わりは無い。
('A`)「……HQ、空軍の出撃は可能か?或いは投入可能なグラーフ・ツェッペリンはあるか?」
《こちらHQ、現在“欧州”の主要な空軍は外洋における海上打撃群の援護に回されている、これ以上戦力を割くと不測の事態に対応しきれない可能性が高まる。
またグラ子……ゴホンッ、グラーフ・ツェッペリンに関しても稼働可能な六隻中五隻が前線に投入されている。遺る1名に関してもドイツ本国の防衛から放すわけにはいかない》
('A`)「……今なんか不穏な発言が」
《気のせいだ》
('A`)「ソッスカ」
(;><)「11時方向に水しぶき!タホ川を此方に向かって突貫してくる【艦影】を確認しました!」
('A`)「っと。ゲパルト1、2は直上の敵航空隊に牽制射撃。レオパルド2全車、ルクレールに続いて11時方向タホ川を照準!!」
《《《Jawohl!!》》》
38 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/18(土) 22:51:07.38 ID:3Rgr7MqQ0
双眼鏡を覗いていたビロードの報告に併せて戦車隊に指示を出す。ほどなくして件の水しぶきが、三つ並んでタホ川をさかのぼってくるのが見えた。
(#'A`)「────Feuer!!」
号令を下せば、五つの戦車主砲が一斉に火を噴く。五発の砲撃が、やや先行していた中央の水しぶきに直撃した。
『────ァアアアアアアァア!!!??』
例の耳障りな断末魔と共に砲撃を食らったイ級が一隻川の中程でのけぞって身もだえする。1.5kmという広い川幅にもかかわらず、深海棲艦達は密集して突撃してきていた。結果として、遺る二隻も止まる羽目になる。
( ><)「艦種確認!タホ川の敵艦、全てイ級!全て通常種です!」
('A`)「今更んなもん怖くもなんともねえっての。全車続けて撃て!!20秒で沈め切れ!」
( ゚д゚ )「迫撃砲、撃て!!当てなくていい、水柱を上げるだけでも奴等の砲撃の妨害になる!!」
『『『ァアアアァアアアアア!!!?』』』
いっそ哀れになるほど、新手のイ級達はただの的でしか無かった。戦車砲と迫撃砲の釣瓶打ちを食らい、瞬く間に損傷箇所が増えていく。
HelmやBallが援護しようにも、ゲパルトの分厚い弾幕が遮って爆撃路を開けない。
_
(#゚∀゚)「Los Los Los!!」
すかさず、ジョルジュの率いる分隊が川の畔まで突っ走る。分隊員達が背に担ぐのは、後方から補充された新たなパンツァーファウスト3。
_
(#゚∀゚)「ぶちかませ!!撃て、撃てぇ!!」
『『『ァアァアアアアアア……!アァァァア……』』』
五門の戦車砲、八門の迫撃砲、そして12門の対戦車携行砲。
我がドイツ連邦陸軍が誇る火砲集中戦術の前に、三隻の駆逐艦はむなしく川底に身を横たえる。
('A`)(……さぁて、これで解ったかい敵将さんよ)
俺は機銃座に深く腰をかけ直しつつ、今頃海のど真ん中で歯がみをして居るであろう敵旗艦───装甲空母姫のいそうな方角を眺める。
('A`)(あんたらの事情が割れた以上、こっちにだって戦い方は幾らでもある。このまま艦娘たちが帰ってくるまでおつきあいして貰うぞ)
39 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/18(土) 23:35:07.23 ID:3Rgr7MqQ0
────少しかっこつけて、深く椅子に腰をかけたのが幸いだった。
(゚A゚)「ヒエッ」
数センチ、本当に数センチ頭上を一発の砲弾が駆け抜ける。頭頂に熱を感じる間もなく、右手で轟音が鳴り響き爆風が吹き付けてきた。
アルカンタラマール駅の公舎は跡形も無くなり、着弾地点はほとんどクレーターのようになっている。はっきり言って、誰一人として吹き飛ばされずに済んだのはほとんど奇跡のようなものだ。
(;><)「九時方向、九時方向!敵艦砲射撃飛来!!」
ビロードの叫びに併せて、タホ川にもう一度目を向ける。そこに、そいつはいた。
『……………』
『惜シカッタナ』とでも言うように口角を上げて。『次ハ当テルゾ』と伝えるように此方を見て。『ホラ逃ゲナイノカ?』と挑発するように左手の砲を向けて。
身の丈せいぜい1.6mといったところか。もしも両腕についた砲が無ければ、もしも“水面に立って”いなければ、俺は奴を「戦場に迷い込んだビキニの女」と勘違いしたかも知れない。
それほどに、人間味溢れた様子で重巡リ級eliteは俺たちを────俺を見つめていた。
40 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/19(日) 00:17:37.39 ID:BCaf49CP0
《こちらHQ、アルマダ市防衛線から急報。交戦中だった重巡リ級eliteが確認できない、其方に向かった可能性がある。注意せよ》
(;'A`)「たった今感動の初対面を遂げたところだよ!!
総員九時方向、重巡リ級elite!!撃ち方はじめ!!」
ξ;゚听)ξ「※※※※※!!」
『………♪』
先陣をルクレールが切り、次いでレオパルド2が1両、2両、1両と僅かに間をおいて砲弾を放つ。
リ級はそれを、踊るような動きで川面を滑りつつ避けていく。
('A`)「ミルナ中尉、迫撃砲を奴の進路を塞ぐ形で撃って下さい!ジョルジュ、パンツァーファウストを至近に叩き込んで水柱で動きを止めろ!!
戦車全車両、撃ち方ぁ!!」
機動力が高いなら、その機動力を封じるまで。火砲を増やし、制限した航路に戦車の照準を集中させる。
が。
(;゚д゚ )「なっ……」
迫撃砲は、水面に着弾する前にリ級が放った機銃弾によって全て撃ち落とされた。
_
(#゚∀゚)「Verdammt!!」
撃ち込まれたパンツァーファウストの水飛沫を、リ級は体操選手のように跳躍して飛び越えた。
(;'A`)「クソッ……」
そして再び戦車砲を──わばわざ着弾点を高速で通り過ぎながら──回避したところで、再びリ級が此方に砲塔を向ける。
《リ級砲g
乗組員の叫び声が途切れ、直撃弾を受けたレオパルド2が一両天に舞い上がる。そのまま車両は数秒の対空を経て20m程向こう側に落下し、爆散した。
('A`)「………」
流石に、握る拳に力が入る。血が煮えくりかえりそうなほどに頭の芯の辺りが熱を帯び、噛みしめた歯がミシミシと音を立てる。
あの野郎、完全にこっちをおちょくっている。
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/19(日) 00:54:31.61 ID:YVShi2hA0
乙かな…?
それにしても皆かっこよすぎるw
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/03/19(日) 02:13:36.95 ID:zjbgKyV+o
乙
43 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/19(日) 06:55:12.06 ID:BCaf49CP0
ヒイッ、寝落ちしてただけです…
44 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/19(日) 07:00:41.75 ID:BCaf49CP0
昨日中に終わらせると言っておきながら申し訳ありません。
再開します
45 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/19(日) 07:03:31.71 ID:BCaf49CP0
(;'A`)「……!」
いや待て、冷静さを失うな。此方の目的は奴等に打撃を与えつつの遅滞と戦線の緩やかな後退だ。elite級の“ヒト型”撃沈が成れば確実に向こうの計算を崩せはするが、そのためにいくら犠牲を払うことになる。
('A`)「……フーッ」
既に交戦から5分と立たずに貴重な戦車が一両破壊されている。こいつにこれ以上かまけてはいけないと、気持ちを切り替えミルナ中尉に目配せする。
( ゚д゚ )「迫撃砲隊、重巡リ級周辺に砲火を引き続き集中!いいか、当てる必要は無い、とにかく此方に照準をつけにくくしろ!」
('A`)「HQ、現在リ級と交戦を開始、既にレオパルド2を一両損失。状況推移によって後退開始の許可を求む」
《HQ了解。幸運を祈る、オーバー》
('A`)「お言葉を感謝する。アウト」
最後のは軽い皮肉だ。
('A`)「各車両、リ級の攻撃は極めて強力だ。回避・散開を繰り返し的を絞らせるな。随伴歩兵はゲパルトと連携してとにかく空に気を配れ。歩兵はこの際リ級は無視でいい」
「「「Jawohl!!」」」
挑発に乗って闇雲に攻撃をかけたところで、水上の機動力がイ級やホ級のような“非ヒト型”と比べものにならない。翻弄されるのがオチだ。
向こうが一気に突破に踏み切ってこない以上、此方が遮二無二攻撃するべきじゃない。
46 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/19(日) 07:31:26.53 ID:BCaf49CP0
忌々しい気持ちを押し殺して、リ級eliteの方に視線を戻す。攻撃動作を見逃せばそれだけで命取りだ、僅かな変化にも気を配らなければ。
『………』
……あくまでも“俺の目から見て”だが、タホ川のリ級eliteはこちらの攻撃が緩んだことの意図をまるで知っているかのような素振りだった。ミルナ中尉の指揮の下撃ち込まれる迫撃砲の雨や散発的に飛来する戦車砲を相変わらず踊るような動きで回避しつつ、先ほどまでより挑発的な色合いを濃くした笑みで此方を見てくる……ような気がする。
モウ終ワリカイ?
アタシハ傷一ツツイテナイヨ?
モウ少シ踊ラセテヨ。
遊ビ足リナイヨ。
オ前ノカーチャンデーベーソ!
明確に奴が言葉を発したわけじゃない。が、時にこっちに向かって手をひらひらと振り、時にこっちを向いたまま後ろ向きで川面を疾走してみてといった数々の動きは、奴にとってこれが「戦闘」ではなく「遊び」であることを物語る。
_
(#゚∀゚)「……ドク、一生の頼みだ。あいつを殺させろ」
(;'A`)「繰り返すがこっちから下手に必要以上の攻撃をかけるな。しかしなんなんだあいつは……」
深海棲艦と会話が成立したという話は日本ですら聞かないが、深海棲艦の上級種────リ級以上の所謂“ヒト型”が感情を持っているのではとは前々から言われている。
それにしてもこいつは豊かすぎだろ、仕草といい表情といい人間や艦娘とほとんど変わらない。
10分ほど、申し訳程度の砲撃による牽制とそれを回避し続けるリ級という、なんとも不毛な光景が続く。
《HQよりアルカンタラマール、アルマダ防衛線もなんとか歯止めがかかり遅滞戦に移行した。戦況は順調に推移している》
('A`)「そりゃ何よりだ」
《が、カシュカイシュ方面にて大挙揚陸が確認されていた艦隊が再び動きを見せている。リ級の牽制は継続しつつそろそろ後退を開始してくれ。
此方からも合流用の増援を随時派遣する》
('A`)「了解。これより遅滞戦に本格移行する、アウト」
( ゚д゚ ))
_
( ゚∀゚))
本部にそう返しつつハンドサイン。中尉とジョルジュがうなずき、リ級や艦載機への牽制は続けつつ緩やかに歩兵隊を後退させ始める。
47 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/19(日) 07:42:11.95 ID:BCaf49CP0
『………?』
リ級は、もともと弱まっていた攻撃が更に勢いを失い、俺たちが少しずつ下がり始めた様子を見て不思議そうな様子で足を止めた。
何発かの迫撃砲弾が奴に───正確には奴の回りに張り巡らされている“戦艦の装甲並みに高い耐久力の”不可視のシールドに直撃するが、特に気にする素振りを見せない。やはり奴にとって迫撃砲程度は本来避ける必要のないものらしい。
モウイッチャウノカイ?
奴は腕を組み、眉をひそめ、小首をかしげて此方を眺めてくる。……なんというか、こいつはやはり人間くさすぎる。
残念ダナア。
君ハドウモ頭ガイイミタイダシ。
久シブリニ艦娘以外トモオモシロイ戦イガデキソウダッタノニ。
ヤレヤレ、拍子抜ケダヨ。
奴は川面でがっくりとうなだれ、恨めしげな表情でじとーっと此方を見つめ、まるで映画俳優のように大げさに肩を竦めてため息をつき──────
ジャア、今カラ殺スヨ
とても冷たい、笑みを浮かべた。
48 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/19(日) 08:05:45.15 ID:BCaf49CP0
(;'A`)<────全速後退!!!>
ξ;゚听)ξ「!?」
コンマ一秒すら惜しく、俺はツンを介さず命ずるために英語で車内に向かって叫ぶ。操縦士も何の戸惑いも無くその指示に従ったのは、彼女もまた“何か”を第六感で感じ取ったからなのか。
激しくエンジンを吹かし、ルクレールが下がる。その眼前に砲弾が突き刺さり炸裂。爆風で一瞬車体が浮き上がる。
「リk
何ごとかを叫ぼうとした、隊列の最外殻に展開していた歩兵の頭がはじけ飛ぶ。それを皮切りとして、重苦しい銃声が重なってバタバタと10人以上の歩兵がなぎ倒された。
「り、リ級elite、攻勢に移行!!」
_
(;゚∀゚)「パンツァーファウスト!!!」
4門のパンツァーファウスト3が火を噴き、リ級eliteの進路上に着弾。
川面に上がる水柱が、その進路を塞ぐ。
『!!』
リ級はその水柱を“殴り砕き”、その動きの延長で左手の主砲を川縁のジョルジュ達に向ける。
_
(;゚∀゚)「走れ────おがっ!?」
逃げるジョルジュ達の背後で砲弾が炸裂。最後尾の一人が爆風でばらばらになってそこかしこにパーツが飛び散り、ジョルジュ達も前のめりに吹き飛ばされた。
(;゚д゚ )「負傷者を回収、運搬しろ!」
(;'A`)「戦車隊、しんがり行くぞ!砲撃開始!
ゲパルトも牽制は二両でいい、残る二両はリ級への攻撃に参加してくれ!!」
《《《Jawohl!!》》》
機関砲と戦車砲が同時にがなり立て、水面にいくつもの水柱を立てる。
『〜♪』
が、当たらない。派手さはないが最小限の効率的な動きで、リ級は弾幕の隙間をすり抜けていく。
《リ級に発砲炎!!!》
「「「ぐぁあああああっ!!!?」」」
砲弾は先行して離脱を開始していた歩兵隊へ。火柱と断末魔が路上に満ちる。
(;'A`)「ミルナ中尉、無事ですか!?」
(;メ゚д゚)「俺は無事だが今の砲撃で20人近くやられた!
くそ、負傷者収容は最優先しろ!!衛生兵に見せている暇はない、応急処置は移動しながらだ!!」
49 :
◆vVnRDWXUNzh3 :2017/03/19(日) 08:33:46.76 ID:BCaf49CP0
(;'A`)「っ、ジョルジュ!動けるか!?パンツァーファウストで援護を頼む!!」
_
(;メ゚∀゚)「どこぞのお寝坊さんと一緒にすんなっつの!!
Feuer!!」
『……』
リ級は水中で直立して無造作に機銃を放つ。撃ち抜かれた三発の対戦車ミサイルが全弾リ級に届く前に空中で炸裂する。
入れ替わりに砲弾。左手で轟音。そして震動。
《ゲパルトが一両やられた!!随伴兵も損害大!!》
(;'A`)「……!ジョルジュ、お前の隊の生存者と負傷者抱えて下がれ!!」
_
(メ;゚∀゚)「クソッ…了解した!!にしても野郎どんな眼してやがるんだ!!ロケット弾撃ち抜きやがったぞ、それも三発だ!!」
(;'A`)「とにかく今は後退と隊列の維持に集中しろ!!」
これが『elite』の力かと痛感する。甘く見ていたつもりは全くなかったのだが、どうやら俺の認識でもまだなお“過小評価”だったようだ。
('A`;)(……いや待て、これ程力の差があってなお、装甲空母姫が“リ級単体による殲滅”を万一のロストに配慮して考えていなかったとしたら?)
もしもリ級の攻勢が、“整然とした退却を妨害するためのもの”だとしたら?
ここまで思考を巡らせたところで、リ級とは全くの別方角から一発砲弾が飛来。ルクレールの真後ろ数メートルに着弾した。
『───ォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!』
《ドク、前だ!!二時方向、十二時方向に新手の深海棲艦を確認!!距離はそれぞれ2km程度!!》
《艦種照会!……軽巡ト級elite、並びに駆逐ロ級eliteと認む!!なおもこちらに接近中!!》
( <●><●>)「……まんまとしてやられたのは解ってます」
(;'A`)「…マンドクセ」
あぁくそっ。本当に悪いときには悪いことが重なる。