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完結・淡々と魚の話するわ
Part9


301 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:22:56 ID:mGCFTZFU
最終話です。
-ニシン編-
友「カンパーイ!!」
桃「かりー!!」(沖縄語)
男「スラヌット ミマム!!」(インドネシア語)
友「日本語でおk」

302 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:23:48 ID:mGCFTZFU
桃「いやー、それにしても年内に内定が出てよかったねー」
友「あぁ、これで心置きなく年を越せるよ」
男「あとは卒研だけだね」(ニッコリ)
友「うっ・・・そ、そうだな」ゲンナリ
桃「大学生は大変だねぇ」

303 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:24:30 ID:mGCFTZFU
男「はい、そんなわけで今日はふぐちり鍋をご用意いたしましたよ」
友「えっ」
桃「えっ」
友「・・・お前、調理師免許持ってないやろ・・・・」ガクガク
男「はい!死ぬときは一緒ですからね!!」(マジキチスマイル)
友「」

304 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:25:00 ID:mGCFTZFU
男「・・・冗談だよ。ちり鍋はちり鍋でも今日は鯛ちりだ」
桃「めで鯛!!」フンス
友「スゲー、奮発したな」
男「桃原さんに感謝しろよー、彼女が半分持ってくれたんだからな」
友「いい彼女をもって俺は幸せです」
男「あと真冬の海で鯛を釣りあげてきた俺にもな」
友「お前何やってんのお前」

305 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:26:06 ID:mGCFTZFU
男「よし、じゃあ友の内定を祝ってもう一度!!」
桃「かりー!!」
男「ボンゲジ!!」(スワヒリ語)
友「カンパーイ・・・ってだから何語だよそれ」

306 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:26:51 ID:mGCFTZFU
・・・
友「・・・アカン、気分上々である」
男「mihimaruGTかな?」
友「なつかC」
桃「ねーこれ磯アミ空でお金0円のときにハリ無くなったらどうすんのー?」 ←ぬし釣り中
男「詰むよ」(ニッコリ)
桃「」

307 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:28:41 ID:mGCFTZFU
桃「あぎじゃびよー・・・」プルプル
友「男さん、そろそろシメが欲しいでやんす」
男「俺はお前のかーちゃんじゃねえぞ。ニシンそばでいいかしら?」
友「ありがとうかーちゃん」
桃「・・・」ガチャ ←失意のリセット

308 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:29:26 ID:mGCFTZFU
男「はいよー」
友「おーサンキュ。桃原さんもこっちきて食べようよ」
桃「待って・・・いまお地蔵様にお供え物してるから」カチャカチャ
男「あ、それ海ぬしじゃあんまり意味ないよ」 ※川ぬしはたまに富くじがあたります
桃「」
友「おぉ、もう・・・」

309 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:30:27 ID:mGCFTZFU
友「うーん、うまい。ところで、誰がソバにニシンなんて乗せようと思ったんだろな?」ズルズル
男「現在みたいに冷凍・流通技術が発達していなかった昔は、山間部では身欠きニシンは貴重な海産物だったんだよ」
友「まぁ、そうだろうな」
男「で、なんか京都とかそのあたりのあの辺で『ソバの上にニシン乗せたら超贅沢じゃねぇ!?これで勝つるwww』って感じで産まれたとかなんかそんな感じのエピソード的記憶」
友「適当杉内」

310 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:31:24 ID:mGCFTZFU
男「ちなみに明治から大正にかけての最盛期には年間100万tもの水揚げを誇ったニシンだが、昭和30年頃には100tにまで漁獲量が落ち込んだ。これは戦艦大和15隻分が90式戦車2両分になったのとほぼ同じくらいの減少量といえる」
友「アカン絶滅してまう」
男「激減した理由は潮流や海水温の変化などが考えられるが、未だによくわかってないらしい」
友「獲りすぎたんじゃない?」(白目)
男「実際その頃はニシンを畑の肥料にしたり、カズノコなんかも引出の奥で干からびてるような扱いだったらしいしな」
友「今じゃ考えられへん」

311 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:32:39 ID:mGCFTZFU
男「世界的にもニシンは重要な水産資源だ。得にイギリスや北欧などの寒い地域じゃほぼ日常食として扱われてる」
友「イギリス・・・フィッシュアンドチップスかな?」
男「いや、キッパーという干物を燻製にしたようなものに加工して朝食などに食べるらしい」
男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a4/Kippers_at_Burton_Bradstock.jpg」
友「へー、英国紳士も朝飯に干物食うのか。なんか親近感沸くわー」

312 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:34:20 ID:mGCFTZFU
男「・・・さ、そんなお前に内定祝いがあるんだ」
友「え?飲み会までやってもらってまだなんかあるのか?」
男「あぁ、ちょっと持ってくるから待っててくれ」
桃「・・・ニシンそばおいしい」ズルズル
友「まだ食べてたの」

313 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:35:09 ID:mGCFTZFU
・・・
男「ほい、お待たせ」
友「おー、サンキュ!開けていいか?」
男「ダメだ」
友「えっ」
男「ダメだ」(迫真)

314 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:36:07 ID:mGCFTZFU
友「わ、わかったよ・・・じゃあ家に帰ってから開けるよ・・・」
男(ニッコリ)
桃「なになにー?ここじゃ開けられないようなものなの?」ニヤニヤ
男「うん。ここで開けると、多分隣の部屋からも苦情がくる」
桃「えっ」
友「えっ」

315 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:36:49 ID:mGCFTZFU
友「ア、アカン・・・一体俺はどんな恐ろしいもんを手にしてしまったんや・・・」ガクガク
男「あー、大丈夫だとは思うが、暑いところに放置したり、気圧が低いところ持ってったりするなよ。爆発するから」
友「」
桃「ば、爆弾なの?」
男「まぁ、ある意味では」

316 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:37:22 ID:mGCFTZFU
友「い、いらねーよ!そんなの!!」
男「・・・そうか。お前の為に、はるばるスウェーデンから取り寄せたんだが」ションボリ
友「ス、スウェーデン!?舶来ものかよ!?」
男「あぁ、結構いい値段したんだぞ」
友「ますます謎めいてきたな・・・」ウーム

317 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:37:57 ID:mGCFTZFU
桃「まぁ、せっかくだし貰っておいたら?せっかく男くんが友君の喜ぶ顔が見たくて用意してくれたんだし・・・」
友「せやろか?」
男「せやせや」
友「信じてええんか?」
男「ええんやで」(その目は優しかった)

318 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:38:35 ID:mGCFTZFU
友「じゃ・・・じゃあ、有難く貰っていくよ」
男「おう、もってけもってけ」
桃「男くんも今日はありがとね」
男「ああ、桃原さんもお疲れ様」
友「次会うのは、年明けかな?」
男「あぁ、そうだな。年末にはまた地元帰るから、地酒買ってきておくよ」

319 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:38:49 ID:/GKdrBJA
シュールストレ・・・

320 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:39:10 ID:mGCFTZFU
桃「本当?わーいじゃあ私金鶴!!」
友「あ、俺は北雪!」
男「へいへい。・・・ほら、電車が無くなる前に帰れよー」
友「うむ。じゃあ桃原さん、そろそろお暇しようか」
桃「そうだねー」

321 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:39:51 ID:mGCFTZFU
3人が玄関のドアを開けると、ちらちらと空から白いものが降り始めていた。
男「おぉ・・・寒いと思ったら通りで・・・」
桃「雪だー!!」ピョンピョン ←沖縄出身
友「本当だ、珍しいな・・・」
桃「雪だるま作らなきゃ」(使命感)
友「はは、そんなに積もったら明日は大変だな」

322 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:40:34 ID:mGCFTZFU
<ソウイエバソノハコノナカミナンダロネ?
<アア、カエッテアケテミ・・・ウワッ!?
<ドテッ、グシャッ…
<…?…!!
<ナニコノニオイ!!??アッ、コレダメエエエエエエエエエ!!
<ミギャアアアアアアアアアア!!??
男「いかん!!」バタンッ ガチャ ←施錠

323 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:41:19 ID:mGCFTZFU
>>319
(ニッコリ)
友「男ッ!こら開けろ!!男っ!!」ドンドン
男「無理だスマン帰ってくれわたしもうあなたのそばにいたくないの」
友「なんだよあの箱!?潰れた瞬間すげぇニオイが漂い始めたぞ!!」
男「ありゃシュールストレミングっていうニシンの缶詰だ・・・」
友「あんな生物兵器よこしやがって!!」
桃「たすけてー!たすけてー!!」ドンドン

324 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:41:54 ID:mGCFTZFU
男(oh...仄かにこっちまで臭いが・・・)オエ
友「開けろッ!!開けないと新聞口にあの箱ブチ込むぞっ!!」ドンドン
桃「あきさみよー!!」ドンドン
男「すまぬ・・・すまぬ・・・」
大学生活最後の年の冬は、賑やかに更けていく。

325 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:42:29 ID:mGCFTZFU
・・・
男「ふえぇ・・・臭いよう・・・」
友「ふえぇ・・・臭いよう・・・」
桃「ふえぇ・・・臭いよう・・・」
3人は、雪のちらつく中シュールストレミングの缶を回収した。

326 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:43:12 ID:mGCFTZFU
友「お前これどうすんのお前」
男「いや食べ物を粗末にするわけには・・・そうだ、しりとりで負けた人が食べることにしよう」(提案)
友「いかんでしょ」
桃「じゃ、お題決めてやろー!」
友「ちょ・・・待てよ!!」(迫真)

327 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:43:45 ID:mGCFTZFU

男「じゃお題:魚介類の名前でしりとり!はい、しりとりの『り』!」
友「え、ちょ、ま」
桃「リビュルス・マグダレナエ!!」
男「エボシダイ!!」
友「えっ!?・・・ちょっ・・・え、イー・・・イワナ!!」

328 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 22:44:15 ID:mGCFTZFU
桃「ナイトゴビー!!」
男「ビワマス!!」
友「す!?ス・・・スズキ!!」
桃「キロダス!!」
男「スベスベマンジュウガニ!!」
友「ニシン!!」(迫真)
-ニシン編 おわり-

336 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 23:34:38 ID:mGCFTZFU
-エピローグ 金魚編-
十年後。
娘「わー!お船だー!!」タタタ
桃「こらこら、走っちゃダメー」
友「いやー、何も変わってないなぁ」
娘「これ乗ったらお魚のおじさんのとこ行くの?」
友「うん、そうだよ」

337 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 23:35:28 ID:mGCFTZFU
桃「いやー、私もむったんに会うのは久しぶり・・・どうしたの、そんな血相変えて」
友「・・・2等船室はポジションどりを誤ると死ぬぞ」(迫真)
桃「そんな大げさなー」
娘「ねー、まだぁー?」
友「よーし、あそこの改札が開いたらお父さんとダッシュで行こーなー」
娘「うんっ!」

338 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 23:36:13 ID:mGCFTZFU
・・・
桃「へー、意外に大きいんだね」
娘「お父さん!カモメカモメ!!」
友「うん、カモメだね。・・・あ、ちょっとお父さん、毛布借りてくるから」
娘「カモメおいしそうだねっ!」キラキラ
友「えっ」

339 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 23:36:46 ID:mGCFTZFU
娘「Zzz…」
桃「ありゃ、寝ちゃったか」
友「お前も少し寝といたほうがいいぞー」
桃「いやまぁ、別に2時間半くらいなら・・・」
友「アカン・・・船をナメたらアカン・・・」(迫真)
桃「は、はぁ・・・」

340 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/21(土) 23:37:22 ID:mGCFTZFU
2時間半後。
娘「ついたー!!」ピョンピョン
桃「思ったより揺れなかったねー」
友「な、なんでや・・・なんで俺だけ・・・」フラフラ
桃「・・・あ、あれ?男くんじゃない?」
友「あ、ホントだ・・・」