Part3
69 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 00:04:50 ID:
cLsUM0Bk
男「で・・・『門』ってのがもうちょい細かい括りで、たとえば動物なら脊椎動物か無脊椎動物か、植物なら被子植物か裸子植物か、ってあたりだな」
友「俄然理科(2分野)めいてきたなぁ」
男「その下にある『網』ってのはあれだな、哺乳類か爬虫類かってあたりの括りだ」
友「この辺まではOK」
男「で・・・ここからが俺達の会話にもよく出てくる『目』だが・・・」
70 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 00:05:35 ID:
cLsUM0Bk
男「これは、ざっくりいえば動物の種類だな。たとえばサルとか、ネズミ、ネコってあたりだ」
友「あーなるほど」
男「で、ここからいよいよ『科』にはいる・・・場合によってはこの目と科の間に『上科』という分類を挟むこともある」
友「あぁ、たしかナマズカレーのときに聞いたな」 ※アメリカナマズ編参照
男「まぁそれはおいといて・・・ここではたとえばネコ目(食肉目)を例にとると、その下にはネコ科やイヌ科、アザラシ科といった分類がある」
友「イヌやアザラシはネコの仲間なんか・・・」(驚愕)
71 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 00:06:08 ID:
cLsUM0Bk
男「まぁあくまでも分類上はな・・・あまり見た目の分類にこだわりすぎると次の話で余計混乱するからやめとけ」
友「もう若干メダパニ状態なんですがそれは」
男「で、科の下にある『属』は、ヒト科でいえばゴリラとチンパンジー、そして俺達(ヒト)くらいの違いだな」
友「これもうわかんねえな」
男「で、最後の『種』っていうのは、同じグループの中で最も細分化された分類だな。たとえばイヌ科キツネ属の下にはアカギツネやホッキョクギツネ、フェネックなんかといった種が含まれる。まぁ、ここが一般的な『動物の名前』にあたるわけだ」
72 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 00:06:42 ID:
cLsUM0Bk
男「で・・・今までの話を総括すると、見た目が同じような魚(種)でも」
男「『科』が違えばネコとイヌぐらいの違い」
男「『目』が違えばサルとネズミぐらいの違いになるわけだ」
友「うーん、ピンとこねぇなぁ・・・ていうか俺らゴリラさんに近しいすぎるだろ」
男「ヒトも含めて全ての生物を分類するためにつくられた体系だからな。客観的に見ないと、混乱するのは仕方ないね」
73 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 00:08:06 ID:
cLsUM0Bk
友「うーん、こりゃ俺もダーウィン馬鹿にしてた連中笑えねぇな」ウーム
男「まぁ、分類学の父はカール・フォン・リンネだけどな。実際、コイの学名もキュプリヌス・カルピオのあとにリンネって彼の名前を冠する場合もあるし」
友「輪廻か・・・さっきの早九字といい、やはり分類学には仏教と何らかの関連性が」
男「ねぇよ」
-番外編 生物の分類について おわり-
74 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 00:09:04 ID:
cLsUM0Bk
今日はここまでです
75 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 00:15:41 ID:XT6cGyBM
続編きたー!!
76 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 07:00:57 ID:ukkVjXr2
おかえり!
77 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 20:52:36 ID:2zvDXcKY
完結したら別のシリーズ物が始まるんですよね
無脊椎とか藻類とか海流とか
78 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 20:56:52 ID:
FD3dQp9M
>>77
個人的には兵器とかやりたいかな(白目)
79 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 20:57:32 ID:
FD3dQp9M
-キス編-
友「・・・好きだ」
男「えっ?」
友「俺・・・キスが好きだ」
男「え、ちょ」
80 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 20:58:08 ID:
FD3dQp9M
友「あのふっくらした感じといい・・・口の中一杯に広がる芳醇な」
男「おい一旦止めろ、周りの家族連れが騒然となってる」
<ネェママーアノオニーチャンタチgthmナノー?
<ミチャイケマセン…コレハウスイホンガハカドルワネ!!
<ウホッ…イイオトコ…
友「」
81 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 20:58:47 ID:
FD3dQp9M
友「す、すまん・・・俺はただシロギスの旨味について語りたかっただけで」
男「やっぱりやまとの艦長は海江田じゃなくて深町にすればよかったんや」ペラペラ
友「無視しないでええええええええええ!!」
男「あぁ、貴方もシロギス狙いなんですか?いやー今日は沖風が強くてサッパリですねぇ」ハハハ
友「ぐう畜」
82 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 20:59:25 ID:
FD3dQp9M
友「・・・にしても、確かに全然釣れないな」
男「沖風のときは海底がかきまぜられて食いが渋くなるんだよ」
友「へぇ」
男「おまけにラインが風でブレてアタリが取りづらいしな」
友「いやホントさっきから風なのかアタリなのかサッパリ分かんねぇ」
83 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 20:59:59 ID:
FD3dQp9M
男「あー、風でページがめくれて読みにくい・・・やべぇ一気にシーウルフ沈むとこまでワープしたわ」
友「・・・どうする?今日はもう納竿するか?」
男「いや、もうちょい粘ろう。今日冷蔵庫の中酒しか入ってないし」
友「自給自足前提かよ」
男「そらそうよ」
84 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:00:29 ID:
FD3dQp9M
友「・・・そういやさ、よく海のぬし釣りやってると30cmのシロギスとか釣れるけど」
男「あぁ」
友「普通せいぜい20cmくらいだよな」
男「まぁ場所にもよると思うが」
友「一番大きいキスってどれくらいになるんだ?」
85 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:01:10 ID:
FD3dQp9M
男「あぁ・・・オーストラリア南岸部に生息するダイオウギスは全長70cm以上、体重5kgに達するらしいな」
男「http://www.seabreeze.com.au/Img/Photos/Fishing/3883381.jpg」
友「シーバスかな?」(錯乱)
男「英名キングジョージ・ホワイティング・・・こんなデカくても、味はいいらしいぞ」
友「でかすぎィ!!」
86 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:01:49 ID:
FD3dQp9M
友「こんなん・・・天ぷらにしたら何人前できるんや・・・」ガクガク
男「現地じゃフライやムニエルにして食べるみたいだが」
友「ふーん・・・ていうか欧米でフライやムニエル以外で魚食う方法が思いつかん」
男「いやブイヤベースとかカルパッチョとか・・・燻製なんかもあるやろ」
友「あぁ言われてみれば確かに・・・」
87 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:02:38 ID:
FD3dQp9M
友「いやでも俺本当にキスの天ぷら好きなんだよ。天丼だってエビよりむしろキス最後に残すもん」
男「まぁ確かにキスはエビ・イカ・アナゴに並ぶ天ぷら四天王感あるよな」
友「わかる」
男「エビ『フフ、イカ天がやられたか。奴はわが四天王の中でも最安・・・』」
友「キス『天ぷら四天王の面汚しめ・・・』」
男「アナゴ『ちくしょおおおおおお完全体になりさえすればああああ!!』(激似)」
友「やwwwめwwwwwwwろwwww」
88 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:03:27 ID:
FD3dQp9M
友「・・・とりあえずエサついてるかチェックしとくか・・・あれ?なんかかかって・・・・・・キ、キスだー!!」(歓喜)
男「おー、やったじゃん」
友「しかも2匹ついとる!!」(狂喜)
男「よし、〆ちまうからよこせ」
友「あ、はい」
89 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:04:02 ID:
FD3dQp9M
男「シロギスを簡単に〆るには、頸椎を折ってしまうのが手っ取り早い」
友「えっ」
キス「えっ」
男「頸のあたりをしっかりもって、ボキッという感触があるまで押さえつける」ボキッ
キス「」
男「ね、簡単でしょ?」
友「お、おう・・・」
90 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:04:48 ID:
FD3dQp9M
男「あとは、頭要らないのなら背中の方からハサミで首を背骨のあたりまで切って、そのまま下向きに折りながら一気に引き抜けば内臓も一緒にとれるのでおすすめ」
友「スプラッタだなぁ・・・」
男「内臓を早めにとっておくのは鮮度保持の観点からも重要だぞ。実際寄生虫なんかは鮮度が落ちるにつれて内臓から身に移ってくるからな」
友「お前魚食べるときは事前に寄生虫の話をしないと気がすまんのか」
男「寄生虫も喰らう、魚肉も喰らう・・・両方を共に美味いと感じ血肉に変える度量こそが食には肝要だ・・・」
友「地上最強の食育ッッッ!!」
91 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:05:29 ID:
FD3dQp9M
男「・・・ところで、さっきのダイオウギスだけど。大型で味がいいってんで、養殖も試みられてるんだけどさ」
友「ほうほう」
男「なんか、養殖下でだけ謎の寄生虫がついてしまうらしい・・・」
友「なにそれこわい」
男「養殖モノだからって、安心だと思うなよ」ククク・・・
友「なんでそういうこというの・・・」ゲンナリ
92 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:06:02 ID:
FD3dQp9M
男「・・・おっ、俺もきたー」ピチピチ
友「おぉー、やったじゃん・・・あれ?そいつ他のと若干色が違くね?」
男「・・・!?これはまさか・・・いやそんなバカな」
友「知っているのか、雷電!」
男「いや・・・気のせいだとは思うが。もしかしたら、こいつ『アオギス』なんじゃないかと思ってな」
93 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:06:43 ID:
FD3dQp9M
友「アオギス?」
男「あぁ・・・東京湾じゃすでに絶滅したんじゃね?といわれてる幻の魚だ」
友「すごE!!」(興奮)
男「アオギスは干潟を生息域にしててな・・・成長すると汽水域にまで進入してくる。昔はそのアオギスを狙った脚立釣りが東京湾の初夏の風物詩だったんだが、埋め立てで干潟が無くなって以来東京湾のアオギスは絶滅したといわれてる」
友「なるほど・・・」
94 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:07:18 ID:
FD3dQp9M
男「まぁ・・・こんなところで釣れるはずはないと思うんだが」
友「いやでも分かんないじゃん、ここ相模湾だし!もしかしたらアオギスかもよ!?」
男「もし本当にアオギスだった場合は、リリースが推奨されてるが・・・」
友「・・・」
男「・・・」ボキッ
友「あっ」
95 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:08:00 ID:
FD3dQp9M
友「こ、こいつ・・・〆やがった・・・」ガクガク
男「・・・いかん、無意識のうちに」
友「末期か」
男「正直、幻と言われているアオギスの食味を試してみたいという気持ちはあった」
友「・・・などと供述しており、警察では余罪もあるとみて厳しく取り調べを続けていく方針です」
男「だってお前・・・釣り上げたことによるダメージ与えつつ1匹だけ魚を逃がすのと、俺達の天ぷらが1個増えるのとどっちがいいよ」
友「提訴を断念せざるを得ない」手のひらクルー
96 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:08:34 ID:
FD3dQp9M
男「・・・でも実際さ、前に話したクニマスも、西湖で再発見される前は結構普通に釣り人が釣って食ってたんだよな」
友「マジか」
男「ああ、もともと同じ場所に棲んでるヒメマスの亜種だし、ヒメマスが産卵前に黒変化した個体だと思って食った人がいたみたいだ」 ※別種の可能性が高いとの説もあり byさかなクン
友「でも、その人たちはそれがまだクニマスだって知らなかったんだろ?お前の場合は・・・」
男「これが知恵の実を手にしてしまった人間の原罪・・・か」フッ
友「いやそこまでの話ではねぇよ」
97 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:09:04 ID:
FD3dQp9M
男「さ、たくさん釣れたしぼちぼち帰ろう。半分は天ぷらで、半分は一夜干しだ」
友「あー、一夜干しいいねー。ちょっと炙って一杯とかもうたまらん」
男「でもお前明日1限から実験だろ?一夜干し作っても、食ってる暇ないんじゃないのか」
友「いや・・・でも夜になったら食べに行けるし・・・」(震え声)
男「いつまでも あると思うな 鱚と金」(ゲス顔)
友「ちくしょおおおおおおおおおおおおおお!!」
-キス編 おわり-
98 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:09:41 ID:
FD3dQp9M
ちなみに東京湾以外ならまだちらほら釣れるところがあります(四国・九州沿岸など)
食味についても、シロギスに劣るため基本養殖はされることはないそうです。
次はドジョウいくわよ
99 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:14:10 ID:oMyIX8yE
希少種〆たwwwwww
101 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:23:29 ID:
FD3dQp9M
-ドジョウ編-
友「へー、ドジョウかぁ」
男「あぁ、近くの魚屋いったら安くてな」
友「はは、お前が釣り以外で魚を得るなんて珍しいな」
男「昔はよく用水路にいたドジョウを手で掬って遊んでたけどなぁ」
友「なんかたまに思うんだけど、お前生まれてきた時代俺と違くね?」
102 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:24:55 ID:
FD3dQp9M
男「でも、どこにでもいて簡単に捕まえられるし、昔から子供の恰好の遊び相手だったのは間違いない」
友「いや俺にとってはそんな身近に見るもんでもないんだけど」
男「ちなみにこのドジョウ、低酸素下に置くと、なんと腸で呼吸をする」
友「腸で!!」
男「あぁ、口から取り入れた空気をそのまま腸の内壁の上皮細胞層を通じたガス交換に用いている」
103 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:25:28 ID:
FD3dQp9M
友「へぇー、すげぇな」
男「で、余った空気は肛門から排出する」
友「へぇこきましたねあなた」
男「なつかC」ウマナミナノネ
104 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:27:01 ID:
FD3dQp9M
友「・・・で、愚問だとは思うけどそのドジョウどうすんの?」
男「え?食うよ」
友「知ってた」
男「そろそろ暑くなってくるしな・・・昔から『ウナギ一匹、ドジョウ一匹』と言われるほど栄養価の高い魚だし」
友「アカン絶倫になってまう」
105 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:27:54 ID:
FD3dQp9M
友「・・・にしても、ドジョウの食い方なんて柳川鍋くらいしか知らんなぁ」
男「ほかにも唐揚とか、石川のあたりじゃ土用の丑の日にウナギじゃなくてドジョウの蒲焼きを食ってるらしいぞ」
友「・・・あ、あとアレ!豆腐にドジョウ突っ込むやつ!!」
男「あぁ・・・ドジョウ豆腐か」
友「そうそう・・・あの、水から豆腐とドジョウを煮てくと、熱さから逃げようとしたドジョウが豆腐の中にはいって煮あがっちゃうってやつ!」
106 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:28:29 ID:
FD3dQp9M
男「まぁ、実際は頭突っ込む前に煮あがっちゃうぞ」
友「えっ」
男「うん。ただのドジョウ入り湯豆腐が出来上がるだけだ」
友「マジかよ・・・じゃあ『俺は精進料理(豆腐)食ってるんだぜ!まぁ本当はドジョウが入ってるんだけどな!ハッハッハァー!!』って言ってた坊さんのエピソードは作り話だったのか・・・」
男「そんなファンキーな坊さんいねぇよ。つうか自分でバラしてんじゃねーか」
107 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:29:15 ID:
FD3dQp9M
男「・・・というわけで、今日はどぜう鍋にいたしませう」
友「結局柳川なのか・・・」
男「いや泥鰌鍋と柳川は別物だぞ。卵で綴じないと柳川にはならん」
友「あ・・・そうなの?」
男「小鍋立てにしてさ、割り下で煮込みながらたっぷりネギをのせて、ドジョウが煮えるまでそのネギで一杯やるのが粋とされてる」
友「へー・・・」
108 :
以下、名無しが深夜にお送りします:2013/12/20(金) 21:30:09 ID:
FD3dQp9M
・・・
男「・・・うん、美味い。お前もちょっとどうだ?」グツグツ
友「うん・・・いや実は、昔幼稚園でドジョウ飼ってたことがあるんだけどさ。ある日俺が登園したら、なんか白くなって浮かんでたんだよね・・・どうもそれ思い出しちまって」
男「そうか・・・じゃ、まぁとりあえず葱だけでもどうだ?」
友「ん・・・」モグモグ
男「どうだ、美味いだろ」