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続・淡々と魚の話するわ
Part3


68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:28:54 ID:zAK2VpEU
男母「あ、おはよー」
友「おはようございます」
男「おはよー。なんか食うもんある?」
男母「ごはんですよ!」
男「あとは?」
男母(ニッコリ)

69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:30:04 ID:zAK2VpEU
男「・・・ちょっと冷蔵庫漁るよ」ゴソゴソ
男母「あ、何も入ってないよー」
男「おぉ、マジか・・・」
男母「うん。ここ最近はコンビニのお弁当食べてたから」
男「またササミチーズカツ弁当かよ・・・その歳になって身体に悪いっつの。どれ、冷凍庫は・・・」
男「・・・あれ?」

70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:30:47 ID:zAK2VpEU
男「なぁ母さん・・・こないだ帰ってきたときに、冷凍庫に小さいエビみたいの入れといたと思うんだけど」
男母「あぁあれ?佃煮にして食べちゃった」ウフフ
男「」
友「おぉ、もう・・・」

71 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:31:25 ID:zAK2VpEU
男「・・・結局インスタントの味噌汁とごはんですよだけか・・・なんか朝からすまんな」モソモソ
友「い、いや全然・・・俺ごはんですよ好きだし・・・」モグモグ
男「だから言ったろ?島に入ったらロクな食い物ないって・・・」
友「い、いや・・・今朝は偶々だろ・・・?」
男「・・・あ、ビールあるけど」
友「いや朝からそれはさすがに・・・」

72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:32:05 ID:zAK2VpEU
・・・
男「・・・はい、というワケでね。早速海へ来たわけですけども」
友「お前芋ジャーにサンダルって完全に地元民じゃねーか」
男「よーし、じゃあまず餌採るぞー」
友「は、はぁ・・・」

73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:32:36 ID:zAK2VpEU
男「・・・うん、あったあった」
友「これは・・・古タイヤ?」
男「船が着岸するときの防舷材だよ。こいつを引き上げて・・・っと」
友「ぐ・・・・中に水が溜まってて重いな」
男「よしいいぞ、放せ」バシャーッ

74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:33:17 ID:zAK2VpEU
友「ここに餌が?」
男「・・・あぁー、いたいた。ほれ、捕まえろ」
友「うぉ、なんだこれ、エビじゃん!」ピチピチ
男「イソスジエビだよ。まぁ向こうの釣具屋に売ってるモエビみたいなもんだ」
友「桃原さんとこにもこんなんいたなぁ・・・」

75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:34:15 ID:zAK2VpEU
男「・・・よし、全部で18匹か。これだけ採れりゃ上出来だろ」
友「結構採れるのな」
男「昔はこれをその辺のたき火で焼いて食ってたけど」
友「なるほど、昔から野生児だったんだな、お前」
男「いやエビせんみたいで(うまい)」

76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:34:49 ID:zAK2VpEU
友「よし、じゃあ早速いってみっか」
男「うん。あ、尻尾から掛けろよ。生エビは鉤持ちがよくないから」
友「はいよー。あ、タナは?」
男「ウキ下1mで十分」
友「ほい」

77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:35:27 ID:zAK2VpEU
・・・
友「・・・あー、こうやって朝からのんびり釣りすんのもいいなぁ。海近いと羨ましいわ」
男「逆に言うとこれくらいしかやる事ないんだけどな」
友「まぁそういう名って・・・んん、食ったか?」
男「あー待て慌てるな。ウミタナゴは餌を吸ったり吐いたりして食うから、気持ち遅めにあわせろ」
友「あいよ・・・よし、乗った」

78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:37:23 ID:zAK2VpEU
>>77
そういう名って→そういうなって
友「お、おぉ!?結構引くな・・・って、あ、なんかシマシマ・・・」
男「あぁー、シマダイですねぇ。イシダイの稚魚だよ」
友「マジかよ!磯釣りの王者じゃん!!」

79 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:38:13 ID:zAK2VpEU
男「そんくらいの大きさなら結構簡単に釣れるよ」
友「あ、そうなの・・・」
男「そいつ泳いでると乳首攻めてきて超痛い」
友「やめろよ」

80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:39:04 ID:zAK2VpEU
友「・・・」
男「・・・」
友「・・・釣れないなぁー」
男「潮が止まったな・・・昨日の朝刊の潮目表みてくりゃよかった」
友「昨日の?」
男「ここ島だから朝刊昼にならないと届かないんだよ」
友「あぁ・・・」

81 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:40:42 ID:zAK2VpEU
友「・・・にしても、暇だなぁ。携帯も圏外だし」
男「よし、じゃあしりとりでもするか」
友「ぶふっ、お前、しりとりって・・・まぁいいけどさ」

男「じゃ、ジャンルで絞ってやるぞ。お題:少女漫画雑誌のタイトル。はい、しりとりの『り』でお前からな」
友「ふざけてんのかお前レベル1デスじゃねぇかそのお題」

82 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:41:31 ID:zAK2VpEU
・・・
男「・・・シール」
友「ル・・・ループ」
男「・・・プール」
友「・・・ルール」
男「ルノアール」

83 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:42:18 ID:zAK2VpEU
友「ル・・・ル、ルミノール!」
男「ルーブル」
友「よろしい、ならば戦争だ」ビキビキ
男「引いてるぞー」
友「んもう!!」

84 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:42:26 ID:aCmxOpHM
W

85 :いい:2013/11/30(土) 22:43:06 ID:aCmxOpHM
w

86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:43:19 ID:zAK2VpEU
クサフグ「」プクー
友「・・・」
男「・・・」プークスクス
友「」パーン
男「おこなの?」
友「ムカ着火インフェルノォォォォォォウ!!」ビキビキ

87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:44:19 ID:zAK2VpEU
友「いやしかし参ったなぁ、餌取りが出てきたか・・・」
男「よし、潮も止まったことだし第2ラウンドといくか。ほら、これに付け替えろ」
友「んん?なんだこれ」
男「ブラクリだよ。根魚釣る用の仕掛けだ」
友「あぁ、あの無限にウィンドウが開いたりする・・・」

88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:45:08 ID:zAK2VpEU
男「あ、ハリスはそのままでいいぞー、細めのほうがよく釣れるから」
友(スルーされた・・・)ガーン
男「これより目標をウミタナゴからアイナメにスイッチする」
友「アイナメ?」
男「あぁ、カサゴやメバルなんかと同じカサゴ目の魚だ・・・近縁で言うと、ホッケなんかがいるな」

89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:46:02 ID:zAK2VpEU
友「なるほど」
男「ちょうど今が旬だからな。釣りたてを刺身にすると抜群に美味いぞ」
友「へぇー、そりゃ楽しみだ」
男「それに、帰ったらビールもあるしな」
友「やべぇ俄然テンション上がってきた」

90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:46:51 ID:zAK2VpEU
友「それにしてもこのブラクリ?真っ赤な錘に直接鉤がついて和製ジグヘッドって趣きだけど、こんなんで魚逃げないのか?」
男「いや、その形のおかげで独特な動きで落ちていくから、それで魚の気を引くんだよ」
友「なるほどねぇ、ある意味これ単独で疑似餌の一種でもあるわけかー」
男「ほら、下に敷石があるだろ?あぁ、あそこ見ろ。丁度でかいのがいるわ」
友「うぉ、マジだ・・・こうやって見釣りできるくらい水が透明なのもいいなぁ」

91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:48:04 ID:zAK2VpEU
男「あいつの鼻先に落とせ・・・あぁブラクリがついてりゃクサフグは無視していい・・・」
友「なんだこれ超楽しい・・・おっ、気付いたな・・・」
男「まだだ・・・エビが見えなくなるまで待て・・・」
友「あぁーコツコツ来てますよ男さん!」
男「あ・・・食ったんじゃないか?ちょっとあげてみ?」
友「お、おぉぉかかってるかかってる!かかってるぞー!!」

92 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:49:45 ID:zAK2VpEU
男「よーし、やったな。25cmってとこか!」
友「なにこれ今までにない釣りだった!超楽しい!!」
男「むしろ俺はこうやって見釣りから始めたからさ。最初は逆にウキ釣りみたいな仕掛けが見えない釣りのほうが新鮮だったな」
友「いやー、でもこれここでしかできない釣りだと思うぜ。見ずが透明なだけじゃなくて、魚自体もスレてたらかかんないもんな」
男「楽しんでくれたようで何よりだ」

93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:51:06 ID:zAK2VpEU
>>92
見ず → 水
友「で・・・この人、美味いの?」
男「あぁ、この辺じゃアブラメっつって、名前の通り脂のなった白身で美味いぞ」
友「あぁー楽しみだわー」
男「ちなみにコイツは、オスが卵を護るんだ」
友「あぁ、今はやりのイクメンってやつだな」

94 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:52:05 ID:zAK2VpEU
男「で、その時巣に近寄ったほかの魚に噛みつく様が『合い舐め』→『アイナメ』になったんだと」
友「ほほう・・・え、じゃあアブラメは・・・?」
男「オス同士が噛みつきあうわけだからな・・・『アブノーマルらめぇぇぇ!!』の略じゃね?」
友「あぁ^〜」
男「ごめんいま適当に考えた」

95 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:52:53 ID:zAK2VpEU
男「ま、多分単純に脂がのってるからアブラメなんだろうな」
友「ですよね」
男「さ、残りのスジエビ全部使っちまおう。二人で食ううならあと2〜3匹釣りたい」
友「あ、じゃあ俺向こうの端から海の底みてくるわ!!」タッタッタ
男「俄然元気になったなぁ、アイツ」
-アイナメ編 おわり-

96 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:55:57 ID:zAK2VpEU
ちなみにアブラメは刺身でおいしいけどリリアトレマっていう黒ゴマみたいな寄生虫がついてるときがあるぞ!
鮮度も落ちやすいから捌くなら早めにね!!

97 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:56:40 ID:zAK2VpEU
-ブリ編-
男「・・・あっ、そうだ」
友「ん?」
男「せっかくうちの地元に来たんだから、あそこ行っとくか」
友「あそこ?どこだよ・・・」
男「ヤスん家」
友「!!」 ※ヤリイカ編参照

98 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:57:23 ID:zAK2VpEU
・・・
男「ここだ」
友「」デケェ
男「ヤス帰ってきてるかなーごめんくださーい」ガラガラ
友「お、おぉそんないきなり・・・」

99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:58:14 ID:zAK2VpEU
ヤス母「はーいーっておぉ、男くんか!?やー久しぶりー」
男「あ、どーもー。ご無沙汰してますぅ」
ヤス母「あれ?そっちんもんは?」
男「あぁ、大学の釣り友達っす。あの、ヤスって帰ってきてます?」
ヤス母「あぁーごめんなー、ヤス昨日麻雀やって寝とるわ」
男「んー、なら仕方ねぇか。じゃ、また来ます」

100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:59:18 ID:zAK2VpEU
ヤス「あぁちょっと待っとって!!」タタタ
男「・・・ヤス麻雀やって寝てるって」ヒソヒソ
友「いや聞こえてたしヤスの現況語られても俺困っちゃう」
ヤス母「・・・これ、持ってってー」
男「えぇ鰤じゃないすか!?いやー、すんません!いつもありがとうございます!!」

101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 23:00:42 ID:zAK2VpEU
ヤス母「いやーウチじゃ食いきれんし、勿体ねーから」
男「有難くいただきますねー、ほら、お前もお礼しろって」
友「へっ?あっ、あぁ・・・ありがとうございます」ペコ
ヤス母「うんうん、ゆっくりしていってなー」バイバーイ

102 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 23:01:26 ID:zAK2VpEU
友「・・・なんかいろいろと壮絶だった」
男「いやー、なんかヤスん家行く度に魚とか貰っちゃって悪いなぁー」ホクホク
友「なんつーかアットホームという枠を超えた地域の連帯感を垣間見たわ」
男「情けは人の為ならず、ってね」

103 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 23:02:08 ID:zAK2VpEU
友「それにしても立派なブリだなぁ」ソワソワ
男「うん、ブリっていうにはちょっと小さいかな・・・ワラサくらいか。冬はイカじゃなくてカニとかブリをやってんだよ」
友「うーん、向こうじゃ切り身しか手にしない・・・ていうか切り身ですら結構いい値段するからなぁ」ウズウズ
男「どうした、なんか落ち着きないな」
友「・・・すまん、男。俺、一回でいいからやってみたいことがあったんだ。ちょっとそのブリ持たせてくれないか?」

104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 23:02:53 ID:zAK2VpEU
男「ん?あぁ、いいぞ。ほれ」
友「ありがと・・・よし、やるぞ・・・」
男「・・・?」
友「ヌオオオオオオオオオ!!きよまろ〜!!」ダダダダダ
男「なっ・・・バカやめろ!!」(迫真)