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続・淡々と魚の話するわ
Part2


34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:46:24 ID:zAK2VpEU
友「んーナマズかぁ・・・普通にシーバスロッドにルアーつけてけばいい?」ヨイショ
男「あー、一応仕掛けはもう現地に置いてきた」
友「・・・んん?」
男「うし、じゃあ行こう。今日は車じゃないからな。暖かくしてこいよ」

35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:47:00 ID:zAK2VpEU
・・・
男「・・・あった、あそこだ」
友「なんだこりゃあ・・・杭に糸が結ばれて・・・っておい!なんか動いてる!!」
男「よっしゃ!かかってるぞ!!引け引けーッ!」ヨイショーッ
友「んんん!!結構引くななんだこれ!!」コラショーッ
桃「ナマズ!!」ウキウキ

36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:47:48 ID:zAK2VpEU
<ピチピチ
友「うぉ、本当にナマズやん!!」(驚愕)
桃「あれ、これって・・・」
男「あぁ、桃原さんになら分かるかもな・・・これはチャネルキャットフィッシュ。通称アメリカナマズだ」
友「アメリカナマズ?」
男「北米あたり原産のナマズでな。ナマズと名がついてはいるが、日本のナマズとは科の一つ上にある上科からして既に違う種類だ」
友「上科?」

37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:51:28 ID:zAK2VpEU
男「日本のナマズはナマズ上科・・・一方コイツはアメリカナマズ上科だ。霊長類でいったら、ヒトとオランウータンぐらい違う」
友「マジかよ」
男「よく見ろ、日本のナマズに比べて頭がでかくて体高もあるし、ヒレが大きくてスタイリッシュだろ」
男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/af/Silurus.jpg」(ナマズ)
男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5f/Channel_Catfish.jpg/800px-Channel_Catfish.jpg」(アメリカナマズ)
友「うーん・・・あぁ、言われてみればそうかも」
桃「すごい!でっかいプレコみたいでかわいい!!」キラキラ
友「えっ」

38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:52:06 ID:zAK2VpEU
男「おっと、何気にコイツも棘があるから素手で触らない方がいい」
友「出た、手袋してないとダメージうけるタイプのやつ」
男「こいつはな、環境省の指定で飼育・栽培・保管・運搬をすることが原則禁止されている」 ※外来生物法による
友「・・・ってことは、リリースするしかないってこと?」
男「さらにこの辺りの自治体じゃブラックバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュを採捕した河川及びその連続する水域にこれを再び放してはならないと告示による指示が出ている」
友「もう(手の打ちようが)ないじゃん」

39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:53:06 ID:zAK2VpEU
男「だから・・・こうして釣り上げた場合はそのままそこに埋めるか、ここで〆て食っちまうしかないのさ」スッ
友「うっ・・・おまえそのビクトリノックスはまさか」
男「俺のフィッシャーマンが火を噴くぜ・・・アイツの仇じゃ、命(タマ)ぁとったる」チャキッ
<ゴキッブチブチザクッポタポタ・・・
友「おぉ、もう・・・」
桃「へー、結構食べるとこ多そうだねー」ホホー
友「君もおかしい」

40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:54:14 ID:zAK2VpEU
男「・・・本当ならこういう底魚は清水で数日養生させたいんだが・・・それをやると運搬・保管に当たっちまうからな」
友「まぁ、なぁ・・・にしても、わざわざここで捌かなくても」
男「血抜きしとけば少しぐらい気休めになるかと思ったんだが・・・ダメそうだな。捌いてる段階から既にドブ臭いもんコレ」
友「あ、でも持って帰るんだ・・・」
男「そりゃ、コイツの身体の数%は俺が食うはずだったテナガエビでできているわけだし」
友「いやまぁ確かにそれはそうだけどもさ」

41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:55:10 ID:zAK2VpEU
男「第一竿も折られてるしな・・・メリケンにここまでシマぁ荒らされとっただじゃぁおかん」ビキビキ
友「でもそれ、どうやって食べるの・・・」
男「シンガポール国民の知恵を借りる」
桃「フィッシュカレーですね!分かります」
男「Exactly(その通りでございます)」

42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:56:05 ID:zAK2VpEU
友「あー、まぁカレーなら多少の臭みはごまかせそうだよな」
男「いやそれが、既にこいつでフィッシュヘッドカレーを作った人のサイトを見たがそうでもないらしい」
友「先人がいるのかよ」(愕然)
男「タイ米の香りのおかげで何とか食えるようになったらしいが、最後の方は結構きつかったみたいだな」
友「それでも食おうってんだから、男は貪欲だなぁ」

43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 21:56:39 ID:zAK2VpEU
桃「ねーねー、私も食べてみたい」
友「ブルータス、お前もか」
男「よーし、それじゃあ今夜はカレーパーティにしよう」
桃「おー!」
友「未だかつてこんなに心が浮き立たないカレーパーティがあっただろうか。いや、ない」ゲンナリ
男「よし、じゃあ帰りにタイ米買っていこう」
-アメリカナマズ編 おわり-

44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:06:45 ID:zAK2VpEU
-ウミタナゴ編-
友「ん?お前の実家?」
男「あぁ。卒業する前に一回くらい遊びに来ないか?」
友「・・・・うん、悪くないな」
男「よーし、じゃ決まりだな」

45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:07:35 ID:zAK2VpEU
友「あ、ちなみにどうやって行くんだ?新幹線?」
男「レンタカー乗り捨てで借りて高速かな」
友「どんくらいかかるの?」
男「えー、大体高速で4時間・・・それから船で2時間半・・・さらに港から実家まで車で1時間」
友「秘境か」

46 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:08:25 ID:zAK2VpEU
男「まぁほら、新幹線使うと高いし荷物もあるからな。船だって片道2000円以上するしな」
友「ま、まぁ俺は運転できないからお前がいいんならそれで・・・」
男「じゃ、明日出発ね」
友「はやい!はやいよ!スレッガーさんだってそこまではやくねぇよ!!」

47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:09:20 ID:zAK2VpEU
一週間後・・・
友「ふぅー・・・ここから船かぁ」
男「ながもうどんうめぇ」ズルズル
友「何それうまそう」
男「おぉお前も食っとけ。島に入ったらロクな食い物ねぇぞ」ズルルルル
友「マジか」

48 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:10:03 ID:zAK2VpEU
-船上-
友「へー、思ったよりデカイ船だな。これなら揺れなそうだ」
男「・・・」
友「ど、どうしたんだ。そんなに殺気立って」
男「・・・二等船室はポジションどりを誤ると死ぬぞ」(迫真)
友「そ、そうなのか・・・」ゴクリ

49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:10:53 ID:zAK2VpEU
男「ふー、なんとか角が取れたか・・・よし、毛布借りてくるから荷物みててくれ」
友「え?毛布?」
男「あぁ、横になった時にあったほうがいいだろ?」
友「んー、いやまぁ2時間半くらいならなぁ・・・船の中もいろいろ見て回りたいし」
男「そうか、それならいいが」

50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:11:40 ID:zAK2VpEU
30分後。
友「」
男「ん?どうした。そんな切り干し大根みたいな顔して」
友「酔った・・・」
男「ほれみろ。だから横になっておれと言ったのだ」
友「ま、まさかこんなに揺れるなんて・・・」

51 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:12:19 ID:zAK2VpEU
男「でかい船は波が高いときよりうねりがある時の方が酔いやすいんだよ・・・ほら、俺の毛布つかえ」
友「あ、ありがと・・・」
男「ただでさえ車で長距離移動してるわけだしな。思ったより体力使ってんだから無理すんな」
友「あぁ・・・正直船ナメてたわ・・・ん、どこいくんだ?」
男「ちょっとラーメンとカツ丼食ってくるわ。うどんだけじゃ足りねぇ」
友(アカン)ウップ

52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:13:07 ID:zAK2VpEU
2時間後。
男「うぃー、ついたぁー」
友「あれ・・・船降りたのになんでまだ揺れてるの・・・?えっ・・・?」フラフラ ←疲れてると本当にこうなります
男「うん、後はここから車で1時間だね」(ニッコリ)
友「殺して・・・いっそ殺して・・・」ゲッソリ

53 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:14:21 ID:zAK2VpEU
男「えーっと、多分この先にお袋が車回してるはずなんだけど・・・」
男母「あ、おーい!男ー!!」コッチコッチ
男「あ、いた」
友「」
友「えっ」
友(なっ・・・マジか、超若ぇ・・・)

54 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:16:04 ID:zAK2VpEU
男母「お疲れー、船揺れた?」
男「いや、あんまり。あ、コイツが友だよ」
男母「おー友くん!初めましてっ」
友「あっ・・・は、初めまして」
男「よーし、荷物乗せろー」

55 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:16:53 ID:zAK2VpEU
友「・・・おい、お前の母さん何、もしかして義母なの?」ヒソヒソ
男「は?んなわけねぇだろ」
友「いやだってアリャ若すぎるだろ!!」ヒソヒソ
男「世辞で時間を潰す必要はありません。事態は急を要しております」
友「荒巻課長・・・じゃなくて!!どうみても30代じゃねぇか!アホか!!あんなん、ウチのオカンヒバゴンやぞ!!」
男「お前自分の母親をヒバゴンってお前・・・」

56 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:17:52 ID:zAK2VpEU
男母「運転する?」
男「うん。あ、友酔ってるっぽいから隣乗せるわ」
男母「うん、あ、友くん椅子後ろに下げていいからねー」
友「は、はぁ・・・」
男「よーし、じゃあ出すぞー!!」プップー

57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:18:55 ID:zAK2VpEU
男母「・・・あ、夕飯どうする?」
男「船で食ってきた。友も船酔いしてるし、今日は真っ直ぐ帰ろう」
男母「あ、じゃあ母さんおにぎり買うからコンビニ寄ってー」
男「あ、じゃあお茶も一緒に買っとくか。あと酒」
男母「あ、ビールでよければウチにあるよ?」
男「あ、マジ?友、ビールでもいい?」
友「ごめん今酒の話されると口からバブルスライム出そうだからやめて」ウップ

58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:19:29 ID:zAK2VpEU
男母「・・・はい、狭い家だけどあがってー」
友「お邪魔しまーす」
男「ただいまー・・・あ、とりあえず荷物そこ置いとけ。あとで上にあげとくから」
友「あぁ・・・悪いな」
男「布団敷いてやるから、横になっとれ」
男母「あ、男ー、ちゃんとお父さんとこ顔出しなさいよー」
男「うん、わかってるよ。ほら、友あがって」
友「あ・・・・おう」

59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:20:15 ID:zAK2VpEU
・・・
友「・・・すげぇな、海目の前じゃねえか」ザザーン
男「落ち着いたか?」
友「あぁ、大分な・・・それにしても本当に海近いな。ここの窓から釣りができそうだ」
男「津波が来たら一発だね」(ニッコリ)
友「その発想はこわE」

60 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:20:49 ID:zAK2VpEU
男「おまけに裏はすぐ崖だし。大地震来たら逃げ場はないから覚悟しろよ」
友「いやまぁ・・・でもそうなるよな。それにしても星が綺麗だなー。波音も聞こえるし」
男「観光で来る分にはロケーション最高だと思うぜ」
友「確かに」

61 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:22:39 ID:zAK2VpEU
男「ま、今日のところはゆっくり休んで、明日は早速釣行といきますか」
友「あぁ、そうだな・・・ってアレ、あの写真・・・」
男「ん、あれか?」
友「もしかして小さい頃のお前か?」
男「ああ」

62 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:24:52 ID:zAK2VpEU
友「男にもこんなショタな時期があったんだな・・・って、この頃から釣り竿握ってたんだな」
男「あぁ、それは俺が初めて魚を釣った時の写真だよ」
http://zukan.com/media/leaf/original/001656.jpg?width=1024&height=1024&type=resize
友「ふーん・・・なにこれ、タイの子ども?」
男「いや、ウミタナゴだ」
友「ウミタナゴ・・・」

63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:25:27 ID:zAK2VpEU
男「まぁ、かくいう俺もこれを釣った当時は鯛が釣れた!!ってテンション上がってな」
友「はは、お前にもそんな時期があったのか」
男「で、親父もテンション上がってこの写真を撮ってくれたんだが、直後に近くにいたおっさんに『それタナゴだねーか』って言われて二人ともテンションダダ落ちだったな」
友「おっさんぐう畜」

64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:26:11 ID:zAK2VpEU
男「ちなみにこのウミタナゴ、硬骨魚類では珍しく卵胎生で胎内で卵を孵してから仔魚を出産する」
友「へー」
男「なんで、安産のお守りみたいに扱ってるところもあるみたいだな」
友「なるほどね」
男「まぁ生まれるときは尻尾のほうから出てくるから、この辺じゃ逆子を連想させるっつって不吉な魚扱いされてるが」
友「うーん、地域によって変わるんだなぁ」

65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:26:52 ID:zAK2VpEU
友「・・・それにしてもこの写真、随分よく撮れてんな」
男「あぁ・・・親父は仕事の傍ら写真家もやっててな。若い頃は個展とか開いてたみたいだぞ」
友「へぇ、そうだったのか。通りで」
男「ま、たまにはこうして線香あげに帰ってきてやらないとな」
友「・・・そうだな」

66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:27:31 ID:zAK2VpEU
男「よし、じゃあ明日はウミタナゴ釣りに行くか」
友「お、じゃあそうするか・・・ってエサは?」
男「あー、こないだ帰ってきたときに買ったアミがまだ冷凍庫にあると思う」
友「大丈夫かそれ・・・」
男「なに、凍らせてしまえば問題ない。まぁ別に現地で捕まえてもいいんだけどさ。フナムシ速ぇし」
友「あぁ、スレッガーさんくらい速いからな。ありゃムリだよ」
-ウミタナゴ編 おわり-

67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2013/11/30(土) 22:28:05 ID:zAK2VpEU
-アイナメ編-
男「・・・おはよ、よく眠れたか」
友「おぉ、おはよ・・・なんかずっと波音が聞こえてるせいか溺れてる夢みたわ」
男「はは、そりゃ災難だったな。あ、船酔いはどうだ?」
友「んー、もう大丈夫」
男「よし、じゃあ顔洗ってメシ食うべ」