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叔母「今日からココに住んで」男「ラブホテルで?」
Part6


94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:06:28.95 ID:U/6nxyQRO
男「あ、ああ、思わず驚いて面白い反応してしまった…魂取られたりしないよね…?」
清掃「ボクのお婆ちゃんみたいなリアクション取るね、オトコは」
清掃「へいきへいき、これはゲームが3Dで見れるの! マジファンタジー!」
男「すりぃーでぃー? なに、飛び出して見えるワケ? 嘘だろこんな小さいのに…」
清掃「……」スッ
男「すげぇええええええええ!!? なにこれェー!!??」
清掃「デショー!!?」
ガチャッ… スッ…
受付(気を揉んでたが無事に仲良くなってる様子)コソコッソーッ
受付「国境を超えたフレンドタイム…スバラなことやで…」ナムナム
受付(撮って友達に送ろ。ラブホで同性十代わいわいなう、っと)
シュボッ
受付「ヒッ!」ビックゥウウン
〜〜〜
叔母「──ケルケル君、君まだシフト中だろう」

95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:07:08.99 ID:U/6nxyQRO
清掃「大丈夫! フォクシィと違って終わらせてココ来たから!」
叔母「いや、その時間にも給料は発生してるんだけどね…」
叔母「あの馬鹿よりはマシか。しかし男君も明日は早いんだ、もういい加減に寝た方がいいよ」
男「あ。そうだった、明日学校だった…」
清掃「ワァオ! ガンバってオトコ! レッツエンジョイ!」ぐっ
男「うん。ありがと、がんばる」
がちゃ きぃ パタム
叔母「いい子だろ」
男「はい。勝手に距離をおいてた自分が馬鹿みたいでした」
叔母「これからも良くしてやって。あの子は一人で日本に来たんだ」
叔母「そら数年もこっちに住めば知り合いなんて出来る。けれど、歳が近いヤツはそういないだろうし」
男「そうなんですか?」
叔母「良い子なんだけど癖が強くてね。日本人の友達を作りづらいみたい」
男「そうなんですか…ま、まあ俺でいいのなら構わないですけど…」
叔母「君だから良い」ニコ
男(…むぐぐ、この人は本当に面と向かっていうよなあ…っ)
叔母「それじゃあオヤスミ。初日で遅刻なんてしないように、いいね」ガチャ

96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:08:28.72 ID:U/6nxyQRO
男「勿論です。おやすみなさい、叔母さん」
叔母「ん」フリフリ
パタン
男(叔母さんの言う通り早く寝ないと、始まる前に色々考えても意味ないしな)
男(学校、入学式、友達、ゲーム、かあ。俺、本当に明日から───普通に…学校に…)
スヤスヤ
男「むにゃむにゃ」
叔母「男くん!!」ガチャアッ!!
男「むァいッ!? な、なんですかッ!?」がばぁっ
叔母「い、いい忘れてたことがあったんだ…はぁはぁ…これは大事なことだよ…っ」
男「え、な、なんですか?」 
叔母「歯磨きちゃんとやった?」
男「すげえどうでもいい!」
受付「うぇぇ…おーなぁ〜〜…あの部屋の掃除は業者に任せましょおお〜…」ベトー
男「うっ! な、なんて匂いをさせて俺の部屋に…!?」

97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:09:24.50 ID:U/6nxyQRO
叔母「ちゃんとやれ。あと近寄るな、クサイ」
受付「ヒドイ!」ガーン
男「あ、あの、本当にそろそろ寝たいんですけど…」
清掃「アァ!? そういやオトコ、ここ電気消して寝てる?」ヒョコ
男「ケルケル君まで!? どうしたの急に…え、消してるけど何時も…」
清掃「そ、そなんだ…ウン、なんともなかったらいいよです…」スッ
男「なにそれ恐い!? 気まずそうな顔して何なの一体!?」
受付「あり? 説明受けてないの? ココ、おふざけで44号室作ったら出───」
叔母「おやすみ男くん」キィ
男「誤魔化せると思ってんのかッ! 出るんでしょココ! どうして黙ってたんですか!?」
叔母「……私は見たこと無いし」フィ
男「見たことある人いる時点でアウトですよねッ!」
叔母「客の戯言だよ。従業員みんな見たこと無いし、平気だよ」
受付「誰も居ないのに物音はたまにしてたッスよね、ココ」
清掃「この部屋むかしから掃除しなきゃいけなくて大変だったよ!」ニコ
男「ワンチャンあったら見えてましたよねそれ!? あとケルケル君のは何の掃除!?」

98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:11:00.87 ID:U/6nxyQRO
叔母「ほら、解散解散。男くんは早く寝るんだし、みんな邪魔しちゃ駄目だよ」ぱんぱん
男「寝れるかコラーッ!! 俺もそっち側に連れてけー!」
〜〜〜
男(──なんてことだ、結局、一睡も出来なかった)うつらうつら
男(あの部屋で寝るの怖すぎてスタッフルームにお邪魔したけど、逆効果だった)チラ
受付「ぐかー」
清掃「ふんふーん♪」ピコピコ
男(受付さんの晩酌に付き合わされるし、ケル君のゲーム話題で頭がぐらぐらする)
清掃「CLEAR! フィー! あれ? オトコ、大丈夫なの?」
男「大丈夫じゃないよ…このままじゃ電車を寝過ごしそうで恐いよ…」フラフラ
清掃「ああ、エット、そうじゃなくって、んーっと」チラ
清掃「──あの壁カケ時計、一時間遅いから!」ニコ
男「……………………」ボー
男「ッッッ!!?」ババッ
【六時四十五分】+一時間

99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:12:15.28 ID:U/6nxyQRO
男「遅刻してるゥーーーーーーッッ!!」
受付「わぁいッッ!?」ビクゥン
清掃「エェッ!? やっぱりダメ感じッ?」あたふた
男「あと十五分で入学式始まるッ! 電車で移動考えたら当然のごとく間に合わない!」ダダッ
清掃「アワワワ」
受付「ん〜…どったの…?」ゴシゴシ
清掃「フォクシィ! オトコが遅刻だってあぶないよ!」
受付「ちぃこくぅ〜? んなのお姉さんだっていっぱいしてるよぉふぅうわぁあぁあぁあ〜…」
男「アンタと一緒にするなーッ!」ババッ
受付「まあヒドイ」
男「ごめんなさいテンパってるもんで! あぁもうッ! どうしてココの時計こんなに狂ったまま何ですか…っ!」バタバタ
清掃「フォクシィが働く時間ごまかすためだよ!」
男「やっぱアンタ最低だよッ!」
受付「あ。あの壁時計見てたの? そりゃごめんね、だったらお姉さんの原付きかすからそれで行きなって」
男「どうあがいたって遅刻は免れないですよ…!?」

100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:13:28.86 ID:U/6nxyQRO
受付「となり町の高校でしょ? 電車だと遠回りで十五分、歩き含めりゃ五分で合計二十分」フワァ
受付「八時に入学式なら電車乗って行くより原付き乗って突き進んだ方が速いよ、全然」
男「そ、そうなんですか? でも俺免許も持ってないし…」
受付「そっか。ならケルケル君に任せたらいいんじゃない」
清掃「ボク? オッケー!」
男「超柔軟! しかし二人乗りって、というか何故にケル君に任せるんですか…!?」
受付「お姉さん飲んで八時間立ってないもの。ケルケル君は免許持ってるし、平気平気」
清掃「ボクの国もみーんな二人のり! へたすりゃ五人乗り!」
男「曲芸師かよ! い、いやいや! ケル君に迷惑をかけるのはっ!」
清掃「オトコ!」がしっ
男「ハイッ!」
清掃「よくきいてっ! ボクはオトコの為にやりたい、がんばりたい! それダメなこと?」
男「だ、ダメじゃないけど、なにより危険で最初から俺のせいだから…っ」
清掃「…それは違うよ、オトコ。危険だからがんばる、オトコの為にがんばりたいからがんばる!」
清掃「──それがトモダチってことだから! ケルケルはそう思う!」ビッ

101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:14:25.37 ID:U/6nxyQRO
男「ケル君…お、俺…」
男「──わかった、俺、ケル君に助けて欲しい。どうかお願いしたい」ペコーッ
清掃「じゃあ行くよオトコ! はやく駐車場へレッツ!」ダダッ
受付「ヘルメはボックスにスペアあるからねー」
男「は、はい! 受付さんもありがとうございました! 帰ったら好きなの作りますから!」
パタン
受付「まあ…」ポリポリ
受付(あの時計、遅いんじゃなくて速いんだけどね。だから今は五時四十五分過ぎ)
受付「じゃないと就業時間誤魔化せないし…ふわぁ…まあ親交深められた、良いお姉さんってことで」モゾリ
シュボッ
受付「…………………何時からそこに?」
〜〜〜
清掃「早くのってオトコ! 出発するよ! 今するよ!」ブィイン ブィイイイン
男「う、うん! 本当にありがとうケル君!」ドスン
清掃「お礼は無事についてからってね! へへっ、今のかっこいい?」
男「タイミング考えてケル君! でもカッコイイよッ!」

102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:15:54.93 ID:U/6nxyQRO
ブィイイイイイイイン
男(うぐっ、凄い風と揺れだ…! 二人乗りが危険だと言われる理由がとてもよくわかる…!)ぎゅっ
男「け、ケル君! 有り難いけど、あまりスピードの出しすぎには気をつけて…!」グラングラン
清掃「ぐー…」スヤー
男「ケル君!? ちょっとケル君!?」
清掃「はっ!? じゅるる、もう着いちゃった!?」
男「違うよ寝てたよ完全に熟睡してたよ今っ!?」
清掃「あ! だから学校に着いた夢みてたのかー!」てへ
男「その照れ隠しが出来てよかったね! あと一歩で夢のままで終わってたよ!」
清掃「うぐぐ、朝までゲームしたから限界なのかも…」うつら…うつら…
男「えぇっ!?」
清掃「大丈夫! こんなときに効くおまじないの言葉ある! それで元気なる!」
男(そ、それって故郷に伝わる系の、お婆ちゃんが教えてくれる感じのヤツかな…!?)
清掃「ぞたういびほぜもむのねひぎなひにこおてぐじりばほさりくつした!」
男「ねっからゲーム脳だなあ! ケル君はぁッ!」

103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:17:00.25 ID:U/6nxyQRO
清掃「うっ…じゅもんちがいます、間違えたよオトコ…もうねひほ…」スピー
男「ダメダメダメ! 寝たらその後は復活の呪文でも効かないからねッ!」
清掃「うん、じゃあ眠らないようオトコも手伝って、一緒に言って」
男「いや、だから、俺はあんまり詳しくないんだって…っ」
清掃「……。そっか、ならボクがんばる」
男「あ…」
男(違う、違うそうじゃなく、そんな悲しそうな顔をさせたかったワケじゃない)
男(興味がなかったことをいきなり、…押し付けられても困るだろ。俺だって仲良くなりたい、けれど)
男(自分に無かったものを、相手と仲良くなりたいってだけで増やしていくのは変じゃないか)
男(何時かは無理出る。限界が訪れる。その終わりを抱えたまま友達に、なんて、そんなの)
男「………」
清掃「ぞたう、いびほ、ぜもむの、ねひぎ…」ボソボソ
男「ケル君、あのさ」
清掃「ハーイ? なに?」ニッ
男「…。俺実は、夜遅くまでケル君が話してくれたゲームのやつ、殆ど意味がわからなかったんだ」
清掃「じゃ帰ったらまた話すね!」
男「そゆことじゃないよケル君! そうじゃなく興味が持てないんだ、君が言ってることに…」

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:18:18.38 ID:U/6nxyQRO
清掃「そうなの?」
男「君が楽しそうに話してること、俺にはちんぷんかんぶんで良くわからない」
男「…だから、それを聴き続けてるのはとても辛い、んだと思う、多分」
男「だから! だから…俺は…」
清掃「………」
清掃「すごいね、オトコ」
男「ええっ? な、なんで! 俺は君に酷いことを言ってる、のに」
清掃「ううん、そうでもない。だってボクが言ってること、あんまり楽しくないの知ってる」
清掃「それをハッキリとノーって言ってくれる。そんな人、オトコが初めてよ?」
男「俺が初めて…」ズーン
清掃「違う違う褒めてる、褒めてるよオトコ! ボクはそんなハッキリと言えるオトコが凄いって言いたい!」
清掃「いやならいやでいい、ダメならダメでいい、一番しちゃだめなのは───」
清掃「───ひとり抱えて黙ってるコト」
男「…っ…」
清掃「ボクはそう思う。だって、ムリなんてトモダチにしてほしくない。いやならいやって言って欲しいから」ニコ

105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:19:10.21 ID:U/6nxyQRO
男「それで、君は良いの?」
清掃「どうしてそんなこと訊くの? ボクはねオトコ、こんな話を出来たことが嬉しいんだよ!」
清掃「だってすごい、やっと日本で友達できた感じ。正直にいってくれる、そんなトモダチが!」
男「ケル君…」
清掃「好き。そういうの言えるオトコは好きよ、だからカッコイイ」
清掃「だから自信を持ってチャレンジ。オトコならきっとたくさんいっぱいトモダチできるから!」
男「───……」
男「……………」ぎゅっ
男「ぞ、ぞ…ぞたういびほぜもむのねひぎなひにこおてぐじりばほさりくつしたッッ!!」
清掃「オトコ?」
男「む、昔から物覚えだけは良いと両親に褒められてたんだ。だから、もう一度だけ教えてくれ」
男「あと! さっきまでのこしゃくれたしゃべり方はもう辞める! だ、だって…」
清掃「………」
男「…トモダチ、だから」テレ
清掃「うんっ! ボクらトモダチ! じゃあいっくよー! オトコ!」

106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:19:56.39 ID:U/6nxyQRO
男「おうよッ! ドンと来やがれってんだッッ!」
清掃「一文字でも間違ったらじゅもんがちがいますだよ!」
男「まかせろォ!」
「「せーのっ」」
清掃&男「──ぞたういびほぜもむのねひぎなひにこおてぐじりばほさりぐつじもッッ!」
ブィイイイイイイイイイイイイイイイイイインッッ!!!
〜〜〜〜〜〜
「うう…」
「緊張しすぎて早く登校しちゃった…こんな時間じゃ生徒どころかお姉ちゃんだって…」
(入学式、ああもぉうイヤだイヤだ、心機一転なんて狙うんじゃなかった)
『私の妹であるなら、きちんと品行方正で真面目に無事に卒業すること! わかった?』
「…そんなコト言われても、あたしにどうしろっていうのよ」
「あぁーもうッ! 漠然とじゃなく教師ならタメになるアドバイス教えなさいよね全く!」ズンズン

107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:21:30.45 ID:U/6nxyQRO
(はっ!? ま、また怒りっぽくなった。もうもうもう、この性格をバレないうちに本当にどうにかしなきゃ)
「……」
「ちゃんと友達、できるかなぁ」
──イイイイイイイイイイ──
「ん? 何の音?」
──ブィイイイイイイイイイイイイイイイ──
「え、後ろから」チラ
ヴイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッッッ!!!!!!
「ひっ」
清掃「ぞたういびほぜもむのねひぎだびにこおてぐじりばほさりぐつじもォオオオオオオオオオオ!!」
男「ぞたういびほぜもむのねひぎなひにこおてぐじりばほさりぐつじもォオオオオオオオオオオオ!!」
ゴバアアアアアアッッ!!

108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/06/07(火) 22:22:30.77 ID:U/6nxyQRO
ドンッ!! キキィ! どっがらがっしゃーーーーーん!!
(う、後ろに乗ってた人飛んでったー!? ひ、人殺し、事故!? いやそれよりも…!)ダダッ
男「うう…」
「あ、意識がある…きゅ、救急車を呼ばなきゃ…」ブルブルブル
男「…ぁぁ…」
(どうしようどうしよう、こんなのどうればいいってのよ! 血は出てないみたいだけど、ってか同級生!?)
男「…じゅ…」
「え、なにっ?」
男「復活の呪文を…」
「ヤバイ! 頭打ってる系だわコレッ!」
『もしもし、救急ですか、消防ですか』
「あ、繋がってた──もしもし、それがそのっ……!? ひいいいいい!?」
清掃「───ぞたういびほぜもむのねひぎなひにこおてぐじりばほさりぐつじもォオオオオオ!!」ダダダダダダ
(外国人がこっち向かって母国語っぽいの言いながらで走ってきてるぅー!!)