Part2
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:44:20.66 ID:
EyCLAvJfO
叔母「とりあえず私のところのラブホテルで決着させました」
『相変わらずスゲーな! とんでもねえことになってやがる!』
叔母「義姉さん」
『ん、なによ?』
叔母「あの子は本当に貴女の子なんですか?」
『ん、ああ? うん、正真正銘にワタシの子だよ。びっくりするぐらい似てないけどな』
『喧嘩すりゃ女子にも負け、口喧嘩には噛んでボロ負け、絡まれりゃすぐ金払う』
叔母「全部真逆ですね、義姉さんと」
『ワタシがSなら息子はNだな。昔からワタシに対してだけは反抗的だった』
『とんでもねえぞ。幼稚園通ってる時に自分で名前入りワッペン縫ってたわ、ワタシのやり方じゃ嫌だっつってな』
叔母「やりますね」
『やるんだよ。その通り、そこが唯一ワタシに似た部分かもしれん。偉そうな奴に反抗的な?』
叔母「…義姉さん」
『あいよ』
叔母「ラブホテル、良いですか」
『よくねえよ。もう決まったのなら引っ張りだしてこい、そこに住まわせるぐらいなら無理やり『こっち』に持っていくわ』
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:45:27.37 ID:
EyCLAvJfO
叔母「……」
『アイツはまだガキだ。そもそも妹ちゃん、アンタの所に行くのも反対してるんだよ、ワタシはな』
叔母「義姉さん」
『文句か?』
叔母「彼は、私の胸を気にしてるようです」
『……ん?』
叔母「多感な時期に私のような身体は少し、厳しいと思うのです」
『うん。じゃあラブホテルもやめようぜ!』
叔母「大丈夫ですよ。室内テレビが全チャンネル、エロいぐらいで…」
『超ワタシの息子かわいそう! 友達との会話ネタ厳しそうじゃん!』
叔母「彼は我慢強いので…きっと頑張って友達作ると…」
『それは同意するが、なに、逆に自分の身体は我慢できないだろうってか』
叔母「はい」キッパリ
『その意味不明な自信はすごく好きだぜ…』
『まあ、なんだ、少しだけ気になるんだが。どうして息子の肩を持つ?』
『いや、全然息子のために行動してないけどさ。むしろ追い詰めてるけどさ、選択をさ』
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:46:16.28 ID:
EyCLAvJfO
『言っちゃえば妹ちゃん。アンタ、ワタシの所に息子を戻そうって思ってないだろ?』
叔母「ええ、まあ…概ねその通りです」
『なんで?』
叔母「……」
『理由次第では認めてやらんでもない。納得できなきゃ、そうだな、うん…』
『取り敢えず今、持ってる権力振りかざしてホテルぶっ潰すぐらいする』
叔母「……」
叔母「そうですね、正直にいいますけど」
〜〜〜〜
『…………………………………………そう、なんだ』
叔母「ええ。だから彼には一人の時間が必要だと思います」
叔母「この三年間。彼は彼なりの時間を過ごすべきだと、私は思いました」
『…………………』
『はっ、こりゃまいったね。まったくもって、本当に』
叔母「ご理解ほどよろしくお願いします」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:46:57.90 ID:
EyCLAvJfO
『ご理解も何も、ったく。いいよ、良いって、好きにしていい』
『ワタシのほうも大変なんだ。息子一人を思い馳せる時間なんてもったいないわ』
叔母(電話してきたのに…)
『くれぐれも問題は起こすな。問題はワタシだけが起こす、厄介事は全部ワタシだけだ』
叔母「キャパは既にギリギリと」
『さっき弁護士殴ったしな。また新しいの雇わんと』
『……じゃあ後、頼む』ピッ
叔母「はい、義姉さん。ふぅー…」
叔母(色々と言っちゃった。でも、いっか)
〜〜〜
叔母(男くん来ないな…ピザ冷めちゃう…)そわそわ
prrrrr
叔母「もしもし? 受付またサボって…」
『オーナー! ちょ、来てくださいよ! 早く!』
叔母「なに? どうした?」
『なんていうか、そのっ、説明しづらいって言うかっ』
叔母「彼に何か?」
『え、ええ、そうッスね! そうとしか言いようが無い!』
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:47:47.91 ID:
EyCLAvJfO
〜〜〜
叔母「はぁ…はぁ…どうなってる、彼は…?」ウィーン
受付「あ、オーナー!」モグモグ
叔母(もぐもぐ?)
受付「あの子マジで何者なんスか!? こんな、こんな…!」
受付「──こんな美味いチャーハン食ったことねぇッスよ!」ポロポロ
叔母「どういうことだゴラ」
受付「今まで聞いたことも無い声!? こわこわ…っ」
受付「ゴクン、えっと、あはは! 気になるなら44号室に行ってみては…?」
〜〜〜
叔母「君は…」ズゥーン
男「あ。叔母さん、来てたんスか」
ジュゥウウ
男「今、買ってきたお肉焼いてるんですけど。食べます?」
叔母「……………………」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:48:34.53 ID:
EyCLAvJfO
男「えっと、アレ? ん〜…あっ! やっぱ匂い系ダメっスか!?」
叔母「え? あ、いやっ、別にホテル内でも食事できるし…販売機もあるし…」
男「よ、良かった〜…一応そこは心配してたんですよね、ほら、換気扇一個しか無いし」チラ
男「あとIH調理器持ち込んでも衛生面とか気になってて」
男「そしたら受付さんが除菌一式を貸してくれて」ニコニコ
男「あ! それとそれと! 水場が完璧じゃないから、汚水等はスタッフ室の掃除用下水に流していいですか?」
叔母「え、うん、えっと、うん、いいよ…?」
男「ありがとうございます! よし!」
叔母(この子は…なんというか…)
男「ん? 肉もいい感じかな…」
叔母「似てなくないね、むしろそっくりだ」
男「美味しく焼けた、…ッ…!? 今、絶対にお袋と似てるみたいな含めた言い方しましたよね!?」
叔母「勘の鋭さもクリソツ」
男「マジそれだけは言わないで下さい…! 俺が唯一許せないことなんです、本当に!」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:49:11.15 ID:
EyCLAvJfO
叔母「そっか。うん、わかった」ストン
男「本当っすか…?」
叔母「うん」ニコ
男「っ…なら、イイッスケド…」もごご
叔母「また胸見た?」
男「焼いてるお肉加減を見たんですぅー!」
叔母「そっか。それより美味しそう」
男「…た、食べます? 一緒に?」
叔母「うんうん」こくこく
受付「うんうんッス」コクコク
男「どぅあッ!? い、いつの間に!?」
受付「いい匂いしたッスよ〜! こんな芳醇なのは販売弁当じゃムリムリっすからね!」ニパー
叔母「働け」
男「ああ、外に流れた匂いが一階の受付に流れ着くのか…後の課題だな…」ブツブツ
受付「なんかこの子すごいッスね」
叔母「私も驚いてる。けど、今は食べよう」ぐー
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:50:09.50 ID:
EyCLAvJfO
男「三人か…じゃあ残りのお肉も焼いてしまおう、シチュー用に買ってきたんですけどね」ガサゴソ
受付「あちゃ〜シチューも捨てがたい! しかししかしながら、お肉オンリーの破壊力もまた捨てがたいぃい!」
叔母「あ。ピザ忘れてた」
男「ピザ? ああ、また頼んだんですか…」
叔母「うん。あとで食べる? 朝ごはんとか」
男「流石に重いんじゃ…」
叔母「案外イケるよ」
男「危機感機能して!」
叔母「あ。それと男くん」
男「え、あ、はい? なんですか?」
叔母「……」
叔母「ようこそ、我がラブホテル『スィートランド』へ」
男「──……」
男「…はい、こちらこそ、よろしくお願いします」ペコ
叔母「三年間。楽しもうね」
男「…うん」コク
受付「おにくぅううう! お肉こげちゃうううう!」
男「ハッ!? うぃ、えッと!? た、食べましょうね! ほらいただきまーす!」
受付「だっきまーーす!」
祖母「いただきます」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:50:47.37 ID:
EyCLAvJfO
第一話 終
きまぐれに更新
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/28(土) 23:51:43.12 ID:sr74umDM0
期待てか祖母どっからきた
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/29(日) 00:11:57.74 ID:gy8S7PGAO
ばーちゃんww
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/29(日) 00:13:09.52 ID:8tVKNfm7O
ワロタ
祖母→叔母 で
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/29(日) 06:57:45.32 ID:IAJ1XxAV0
楽しみ
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/31(火) 13:37:21.35 ID:
AXvPn1yvO
ラブホテル 44号室
叔母「いますっごく」
叔母「煙草吸いたい」
受付「…」
男「…」
ジュゥウウウ
男「あ、えーと、そうなんですか」
受付「エレベーター前に据え置きあるデショ、行ってきたらどうッスか」
叔母「ん、行ってくる」スッ ガチャ パタン
男「……」
受付「おにっくーおにっくー♪」
男「あの。あの人って、何時もあんな感じなんですか?」
受付「オーナー? ヘビーもヘビーで笑えるぐらい煙草に金かけてる人って感じよ、うん」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/31(火) 13:38:28.00 ID:
AXvPn1yvO
男「へぇ…」カチャカチャ
受付「ナニソレ?」
男「お肉のタレです。でも叔母さん、煙草吸う人の割には匂いさせてないですよね」
受付「ま! 匂いフェチ?」
男「話の流れおかしくないですか?」
受付「あははー! まあ匂いがしないのはお姉さんも同意ヨ」
受付「見た目と雰囲気と違って、あと汚部屋と違って匂いだけはしっかりしてるんだよなぁ」
男(なんかポリシーでもあるのかな…)ジュワワワワ
受付「んふふ」
男「な、なんですか? 急にコッチ見て笑って…」
受付「やっぱり気になる? おっぱい大きいオトナのお姉さん気になっちゃうっ?」ムフフノフ
男「むっ、胸は関係ないでしょう!」
受付「ごめんねぇ〜受付のお姉さんはおっぱいちっちゃくてぇ〜つまんないよねぇ〜」くいっくいっ
男(…つまんないとか以前に、会話しづらいテンションが苦手、とは言わないでおこう…)
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/31(火) 13:39:31.21 ID:
AXvPn1yvO
男「…受付さんも煙草吸うんですか」
受付「吸わないよ? 金無駄じゃんか、あんなの金に火ぃ点けて吸ってる様なモンだし」
男「意外としっかりしてますね」
受付「意外とは何かね? お姉さんびっくりしちゃうワ!」
男「はい、出来ましたよ」スッ
受付「ありがとー!」もしゃもしゃもしゃ
男(叔母さんそろそろ戻ってくるかな…)
受付「うめぇ」
がちゃ
叔母「ただいま」パタン
男「もうお肉が出来てますよ、白飯つけます?」
叔母「食べる」コクコク
男「じゃあチンしちゃいますね、受付さんは?」
受付「ビールビール! ビールがのみたいです!」
叔母「部屋の飲み物使うなよ、使うなら金払え」
受付「あんなの飲まないッスよ! まっずい馬の骨すらわからん銘柄…」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/31(火) 13:40:34.92 ID:
AXvPn1yvO
叔母「減給な」
受付「墓穴掘っちった☆」
チーン
男「じゃ、コレどうぞ」
叔母「どうも。それにしても物がしっかりしてきたね、ココも」チラリ
受付「さらっと電子レンジあるし。電気無断使用ってやつ?」
男「い、一緒に運んでくれたじゃないッスか受付さん…」
受付「スタッフルーム用だと思ったのよ、さらっとココに運ばれたのはビビったね」
叔母(いつの間にか仲良くなってるな、この二人)モグモグ
男「あの、叔母さん、駄目でした…?」チラ
叔母「ごくん。別にかまわないよ、好きに使っていいから」
男「ほ、本当っすか!?」
受付「え〜携帯の充電したら起こるクセに〜」
叔母「金払え」
男「良かった。じゃあ候補に入れてたスロークッカーとか、炊飯器とかも」ニヤニヤ
叔母「好きにしたらいいよ」モグモグ
受付(甥っ子に甘ェなこのおばさん…)モグモグ
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/31(火) 13:41:23.26 ID:
AXvPn1yvO
叔母「そんなコトよりも男くん。学校の方の準備は?」
男「あ。そろそろ入学式なんで、一応はしてます」
叔母「一応?」
男「実は配達予定の制服がまだ…」
叔母「……あ」
受付「ハイ! 分かっちゃったッスよー!」
受付「等の既に受け取ってたけど汚部屋過ぎて何処しまっちゃったか分か熱づづづづーィッッ!?」
男「えっ?」
受付「ひぃー!? 急に肉を頬に当てないでくださいッスよぉ〜…!?」ヒリヒリ
叔母「………」
男「えっと、ホントに、そんな感じだったり…?」
叔母「探してくる」ダッ
男「ちょっとッ!? 逃げるように去らないでくださいよーッ!」
叔母「…っ…ごめん、すっかり忘れてた」
男「いや、まあ、来てるなら別に構わないんですけど」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/05/31(火) 13:42:32.01 ID:
AXvPn1yvO
男「一応は聞いておきます。それ、今日中に見つかります?」
叔母「……………………絶対できるよ」
男「よくそんな表情と間のとり方で断言出来ましたね!?」
叔母「ごめん、段取り良くやっても三日三晩はかかりそう」
男「貴女の部屋は魔窟か何かですか…?」
受付「でも今日から探し始めないと入学式間に合わないッスよ」
受付「──なんで今からみんなで探しに行きましょうか! ネ!」
〜〜〜
男「おじゃまします」
叔母「おかえり」
男「……た、ただいま…」テレ
受付「うげぇ〜本当にいつも通り変わらぬ汚さッスね」
叔母「…? なんでお前が居るんだ?」
受付「今日が休みだからッス! あと楽しそうだったから!」
男(休みなら、なんで俺の部屋に居たのだろう…?)
受付「で? 検討ぐらいはついてるんスか?」