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叔母「今日からココに住んで」男「ラブホテルで?」
Part16


274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:32:18.70 ID:+UB8et70O
男「ーーえ、手紙?」
『とっくの前に届いてるハズなんだが? 読んでねーの?』
男「んー…いやまったく…」
『確かに送ったんだがなあ…あのクソからの手紙だし、忘れるわけないし』
男(なるほど。パ、ンンッ! 親父からの手紙か)
男「あ。もしかして叔母さんのところ送った?」
『たりめーだろ。ラブホの住所に生々しい手紙届けに行く郵便屋がかわいそーだわ』
男「全くその通りだ…」
『そっちあんのか? なら確かめに行ってこいよ。アホからの電話超うるせえから、読んだら折返しあっち電話しろ』
男「はいはい、了解。…んで、近状は?」
『はあ? 阿呆か、大人がやることに探り入れんじゃねーよ。ガキは勝手に青春謳歌しとけっつーの』
男「…………」
『聞こえてんのかー?』
男「…聞こえてるって」
『なら返事しろ。ーーまったく、いちいち似てきやがったな、アイツと』
男「アイツ?」
『テメーの父親だよ、さっきの無言っぷりが腹立つぐらい似てたわ』

275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:32:57.06 ID:+UB8et70O
男「……。それは、」
男「それは叔母さんとも、似てるってこと?」
『……………』
男「………? もしもし? ちゃんと聞こえてんの?」
『あれ? あれあれあれ? あっれ〜〜〜〜〜??』
『なに? なんなの? それどういう意味での質問?』
男「えっ!? べ、別に、とくに深い意味は…」
『お前もしかして親父の妹と、寝た?』
男「……………は?」
『ウッソ〜〜〜!! お前って奴はほんっと私の息子だって今更! 確信! した、スゲーなオイ!』
男「ちょ、待て待て待て待て…ッッ…アンタなに言ってんだマジでよ…っ!?」
『愛しい我が子を褒めてる』
男「褒めてねーよ! つか、やめろよォ…! 例え冗談でも、親とそういった話これっぽっちもしたくねェ! 実の子供に下ネタNGだろ!」
『なんだ違うのか。…ま! んな度胸ねえよな! 知ってた!』
男「なら息子に下ネタ振るなと知っててくれ…」
『不思議なこと言い出すもんだから疑いもするわ。…お前らしくもない』
男「…俺らしくない?」
『良いか? 親らしいこと殆どやってない私もテメーの母親だ。一応、言っとくぞ』
『ーーあんま馴染みすぎると、後が辛いぞ。ほどほどにしとけ』

276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:33:31.85 ID:+UB8et70O
男「なん、だよ……それどういう意味、」
『仕事が残ってる、もう切るぞ。手紙の件忘れるなよ』
男「あッ!? オイって!」
ピッ ツーツー…
男「どいうことだよ、まったく」ピッ
男(俺らしくない? アンタが俺の何を知ってるってんだ、ふん!)ポイッ
男(それに、あとが辛いとか……意味分かんねーよ)
次の日 44号室
男「…はぁ」トントントン…
受付「あ。ため息だ」
清掃「ケルケル数えてたけど十回以上で諦めたよ?」
叔母「今のは29回目」
清掃「数えてた! ほわぁ〜…ownerすごかですなぁ〜…!キラキラキラ
受付「え…きっちり数えてたんスか…ちょっとキモいっすね、オーナー」
叔母「ご飯できるまで暇だったから」ぐー
受付「なら手伝えば良いのにネ☆ っていう私も手伝う気ゼロッスけど!」ニパー
男「別に良いですって、むしろそこで大人しくしてて欲しいぐらいですから」コトコト
清掃「前にケルケルたちお手伝いしたら凄かったネ! 戦場だった!」
男「惨状って言いたい感じ? …いや、戦場でも間違ってなかったなあ…」

277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:33:58.17 ID:+UB8et70O
受付「ここ火災保険下りるんスか?」
叔母「原因による。先日のアレだったなら確実に下りない。100パーセント」
受付「んじゃダメだ! 頑張れファイトだよ男くーん!」ブンブン
男「はいはい。言われなくても美味しい晩飯用意しますって」
トントントン カチャカチャ…
受付「にしても…」
受付(ーーなんか雰囲気おかしいよね、彼。どーおもうケルケルくん)ヒソヒソ
清掃(ため息は幸せ逃げちゃうよ! デイオフよ!)
受付(幸福にも休暇が存在していた…!? すなわち、お姉さんが幸せになるため有給残数を増やすべきッスねオーナー!)
叔母(永久に休みたいなら飛ばすが、その首)
受付(ひぇぇッ)
清掃(でもでもどうしたんだろ? オトコ、確かにゲンキないよ?)
叔母(そうだね。手際の良い彼なのに、ここまで時間がかかるのは初めて見るよ)
受付(むむむ〜…)ジィー
男「…はぁ…」
受付(む! わかった! こりゃ恋のお悩みッショ!)ピコーン
叔母&清掃(コイ?)キョトン

278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:34:37.45 ID:+UB8et70O
受付(恋ッス! 恋愛絡みの悩み事! くんずほぐれず酒池肉林、魔の密林真っくろくろの人間関係図が高校生ではお約束!)
清掃(な、なんだか凄いの…そんなところオトコ毎日通ってるの…っ?)ガクガク
叔母(彼に彼女が? …ならなぜ私が知らないんだ)ムス
受付(何気に構いたがりッスよねオーナー、知ってたけど)ムホホ
叔母(か、彼の監督役としては知っておくべきだろっ?)
受付(まあそれに、彼女が居るって決まったわけじゃないデショ? 片思いやら度胸が無い、はたまたーーー)
受付(ーー世間から認められない相手って可能性のあり得るし)
清掃「…認められない…」
叔母「相手……?」
受付(ん? んー? なんだか二人とも真に受けてちゃってる感じッスけど、単なるウチの勘っすよー?)
清掃(オトコがもしかしたら…そんなっ…でもでも…)モジモジ
叔母(叔母として、彼にはきちんとした高校生活を送らせると誓ったからには…っ)
受付(ちょっとー?)チョンチョン
清掃&叔母「ーーこうしちゃ居られないッッ!!」ガタタンッッ!!
男「どぅあッ!?」ビク

279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:35:24.94 ID:+UB8et70O
受付「お、おお…!? ふ、二人ともまずは落ち着い、」
清掃「イロイロ準備するよ! ケルケル行ってくるー!」ダダァッ
男「ケル君どこいくの!?」
叔母「……覚悟を、責任者として覚悟が足りなかったんだ……」ユラァ スタ…スタ…
男「お、叔母さんもっ?」
キィ パタン…
男「一体どうしたんですかアレは…」
受付(そんなのウチが知りたいんだけど…)
受付「…あのさ。男くん」
男「は、はい?」
受付「もしかして恋しちゃったりしてる? それに悩んでたり?」
男「は? 恋? …そんな余裕あるわけないでしょ」
受付「わぁ〜まったくもって高校生っぽくない発言だぁ〜」
男「……高校生は恋愛で悩まなくちゃダメなんですか……?」
受付「いいや、君らしくて良いとお姉さん的には高評価かも?」
男「そ、そうですか?」
受付「うん。でもそーいうの考えないとあとで人生苦労するよ、恋愛下手になるから」

280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:35:55.17 ID:+UB8et70O
男「肝に銘じます…」ションボリ
受付(うむ。この子は自分から恋愛しないタイプだ。なら勘違いか)
受付(はてさて、まったく。あの二人はどー動くのやら…厄介なことにならないとイイケド…)ウーン…
男「できましたよ、二人の分もったいないから俺らで食べちゃいましょうか」
受付「わー! やったー!」ケロッ
〜〜〜
男(何か…)ガサゴソガサ
清掃「……」サッサッ
叔母「……」キュキュッ
男(何か凄く、見られてるというか。あの二人から視線をもらってるというか…)
男(なんだろう。何かしてしまったか? 俺、二人に変なところ見せてしまった?)
清掃「オーナー、窓拭き終わり?」
叔母「大体は」キュッキュッ
男「あ、こっちのゴミの分別も終わりました。ケル君、資源ゴミって何曜日だっけ?」
清掃「………」じぃー
叔母「………」じぃー
男「……あ、あの…二人とも……?」ダラダラ

281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:36:22.91 ID:+UB8et70O
清掃「水曜日よ! んじゃケルケルあっち掃除してくるね!」
叔母「引き続き分別頼むよ。それじゃ私はあっち行ってくる」
スタスタ スタスタ
男「あっ、はい…」
ぽつーん
男(やっぱり何か変だ。どう見たって二人して俺に余所余所しい)
男(急にどうしたって言うんだ。原因なんて思い当たらない…)
男(早く叔母さんに手紙のこと、聞かなくちゃいけないのに。タイミングが図りづらい…図りづらい…?)
『ーーあんま馴染みすぎると、後が辛いぞ。ほどほどにしとけ』
男「………」
受付「オーナー居なくなった?」ヒョッコリ
男「……あなた本当に自由な人っすね、マジで」
受付「あっははー、だって月一度の大掃除なんてやってらんないじゃーん」
男「いつか本当にクビになりますよ…?」
受付「またまた冗談いわないでよ〜! …冗談だよね?」
男「知りません。でも、クビになってもご飯ぐらい作ってあげなくもないです」スタスタ
受付「ほんとぉ〜! やったー!」ワーイ
男(…そうだ、悩んでたって仕方ない。行動だ、自分から動いてみるべきだ)

282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:36:53.61 ID:+UB8et70O
〜〜〜
男「って、叔母さん何処まで行ったんだ? この階じゃ無いなら、上か?」
男(階段で上がろう。ん、縛った雑誌が踊り場に置きっ放しだ。回収忘れかな)ヒョイ
『男の娘特集! 〜見つけられる? ボクのスカートの中の織田財宝〜』
男「う、う〜んッ? なんだろう、このっ、……うーん…ッ?」
清掃「ずいぶんマニアックね!」
男「だァいッッ!? け、ケル君がなぜここに!?」ビッックーンッッ!
清掃「掃除中よ?」キョトン
男「し、知ってるよ! だからって急に背後に居ないで、心臓に悪いから…!」
清掃「ソーリ! ごめんね! でもでもぉ、オトコってばぁ〜」キラリン
清掃「ーーゴミの中からソッチ系雑誌かくして持って行くなんてえっちね!」
男「待って、その勘違い待って、凄すぎてまったく言葉出てこない!」
清掃「チガウノ?」コテン
男「違うよ!? これだけ踊り場に放置してあったから回収しようとしただけ!」
清掃「ふーん、そうなんだ。ケルケルわかるよ、大丈夫! バッチシね!」グッ
男「いらぬ優しさ発揮しないッ!」
清掃「頑なねオトコ…そういうのキライ? あっ、フゼンってやつなの…?」サー…
男「ち、違うってば…! こういった本はっ、別にキライじゃ無いし…高校生として普通に興味あるし…」モゴモゴ

283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:37:35.57 ID:+UB8et70O
清掃「ウンウン」キラキラ
男「……。ちょっと待って、雑誌系の回収ってケル君が担当だったよね?」
清掃「エッ!」
男「既にこの階は終わった、と俺は認識してたんだけど。…これは?」スッ
清掃「……ンン〜♪」ダラダラダラ
男「俺以上にうそヘタクソだねケル君…」
清掃「ゴメンナサイ…そうですボク、忘れてたみたい…」
男「いや、良いよ。後で俺が持って行くから、ケル君は上の階の掃除に向かって」
清掃「………」じぃー
男「うん。ちゃんとゴミ捨て場に! 持って行くから、そんな目で見ない!」
清掃「そ、そう? エート、その、オトコ…」
男「な、なに? まだなにか用?」
清掃「んん。オトコはそーいうの興味ナシ? 全然気にならない?」
男「…こういう雑誌には興味あるが、この特集にはいまいちピンと来ないな…」
清掃「どうして?」じぃー
男「ええっ? だってこれはいわゆる…特殊な性癖というか、一般的に公言できないような方向性であって…」
清掃「ウンウン」
男「あっ、でもーー別にそういった人たちを軽視してるわけじゃ無いよ? ただ、自分の趣向に向かないって話で…」

284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:38:03.81 ID:+UB8et70O
清掃「そか。オトコは認められないのね、そっち系は」
男「まあ簡潔に言えば…」
清掃「でもね、オトコ」ずいっ
男「はいッ?」
清掃「世の中いっぱい愛の種類ある。たとえ認められなくっても、愛があればイチコロ。ケルケルの友達にだっていっぱいたよ!」
男「け、ケル君…?」
清掃「こーだからこーだと頑なダメ! オトコそーいう所あるとケルケル思う!」
男「は、はい! ごめんなさい…っ?」
清掃「わかってくれた? ケルケルの思い、知ってくれた?」
男「う、うん…なんとなくだけど、ケル君が言いたいことは理解できたと思う…」
清掃「ならイイヨ! ケルケル満足!」ニコニコ
男「…でも急にこんなこと聞いてどうしたっていうのさ、ケル君」
清掃「ウン? ケルケル心配だったから、オトコ最近悩んでる感じだったし!」
男「えっ?」
清掃「もしかしたらオトコがオトコ好きになった可能性考えてた」
男「予想以上にブッ飛んだこと考えてたねッ!」
清掃「そお? ガンコなオトコなら悩むと思ってた」

285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:38:50.33 ID:+UB8et70O
清掃「だからケルケル、ちゃんと友達としてオトコの恋応援したい。悩んでるなら、相談して欲しい。ケルケルできることやってあげたい」
清掃「ーーオトコが好きになった相手なら、絶対良い子のハズだし! 是非あってみたいし!」
男「ケル君…も、もしやこの雑誌もケル君がわざと放置して…?」
清掃「イエス! アキバでこの前かってきました!」ビシッ
清掃「とにかくそう言いたかった。理解してもらえてよかったよ、一息付けた」ふぃー
男「と、とりあえず納得してもらえたようで。それに、別に誰を好きになったとか、そういう悩みじゃ無いんだけどね…」
清掃「エッ! そうだったのー!?」
男「うん。でもありがとう、ケル君が一生懸命考えてくれたことは素直に嬉しい」
清掃「で、でも…ならケルケルやったことオトコに迷惑だったよね…ごめん…」
男「そうでもないよ? いっぱしに恋愛してない俺が言うのもアレだけど、うん、愛に境目なんて無いって、俺なりに理解できたつもり」
清掃「う、うん」シュン
男「そうだなぁ、もし仮に将来そういった関係ができるならーーー」
男「ーーーケル君みたいな話しやすい人が良いな、俺的に」(悪意0)

286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/02/05(日) 05:39:22.23 ID:+UB8et70O
清掃「………………………」
男「なーんて、あっ! 気に障ったらゴメン! へ、変なこと言った…?」
清掃「ううん。そーでもないよ、オトコがそーーだってケルケル知ってるし」
男「えっ、あ、うん?」
清掃「オトコ約束して」
男「約束?」
清掃「今後ゼッタイそーいうの言わない、ケルケル以外に言っちゃダメ。わかった?」
男「…ちょっとケル君怒ってる?」
清掃「ヤクソク!」
男「はい! 約束ねッ!」ビクン
清掃「ウム。じゃあケルケル掃除始めるから、オトコもフォクシィみたいにサボらないように」
男「い、いえっさー…」
清掃「…………」じぃー
清掃「ケルケル。違うこと心配なってきたよ、放っておけないねオトコは」ハフゥ
男「ど、どういうこと?」
清掃「ヒミツ」ベー
たたっ
男「…何故に彼はああいった行為が似合うのだろう、不思議だ…」ボンヤリ
男(って、ぼーっとしてる暇ない! 叔母さん探さないと!)