Part12
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 21:10:07.10 ID:
2abiLlXbO
男「気持ちはわかりますが、さっさと終わらせたいのなら手短に済ませたほうが…」
女姉「うん…わかってる、わかってるのよ…!」ギュウウ
男「手洗い場だけじゃなく、シャワールームにだって超常現象起こるんですからね」ガチャ
女姉「ひっ!? ど、どこにいるの男君!? そばにいて頂戴…!」オロオロ
男「はいはい、ここですよ先生」ギュッ
女姉「うん…」ギュッ
男(なんだこの状況…)ポリポリ
女「手を握ってとか! そばにいて頂戴とか!」ボッ
清掃「意外とラブラブ? ケルケル勘違いしてた?」
女「そ、そんなしおらしいコトいうお姉ちゃんじゃない…! きっと脅されて、そうアイツに弱み握られてるんだわ…!」
清掃「オッケ! じゃあ開けて確認しちゃおう!」ガチャ
女「待って何、その突然の決断力!? もしお姉ちゃんが恥ずかしい格好だったらどうするつもりよ!?」
清掃「大丈夫。ボク、小さいお胸興味ないから」ケラケラー
女「お姉ちゃんがどう思うかの話してんのよコッチは!」
女(でも、このままじゃ埒が明かない…強行突破もやむなしかしら…!?)
『──俺は何処にも行きませんよ、側に居ますから』
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 21:10:50.34 ID:
2abiLlXbO
『男くん…』
女(っ! お姉ちゃん騙されちゃダメ──)
『うん、今だけは貴方に素直な気持ちで告白するわ…』
女「──…!」
〈自分も委員長に立候補します〉
〈? なにしてるの? 早く一緒に帰ろう、確か同じ方向の駅だったよね〉
女(…なによ、それ)
女(誰にだって言うんじゃない。誰でも、アンタにとっちゃ【そーなのね】)
女(ふん、どーせそういうことだろうと思ったわよ。私みたいなやけっぱちな人間なんて、)
〈──良い、クラスメイトが居たのね〉
女(…誰からの評価も、得られないんだって)クル
清掃「ボス?」
女「いいの、もう。だってわかっちゃったから、私が頑なに認めたくなかっただけ」
女「二人は何処か遠くまでとってもとっても仲良くなってたの。…私が知らないうちに」
スタスタ
女(私はただ認めてほしかっただけ。ただ憧れの人に「頑張ったね」と言ってほしかっただけ)
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 21:11:45.37 ID:
2abiLlXbO
女(なのに私はひとりぼっち)グス
女(お姉ちゃんも、貴方も。二人だけでどこか遠くにいってしまった)ゴシゴシ
女「…結局何がしたかったのかしらね、私ってば」
清掃「……」
女「もう帰る。あとお願い、駅まで送ってくれる?」ニコ
清掃「オトコは本当にサイテーだ」
女「うん? その話はもう…」
清掃「違うよ。ボスは今、オトコのせいで泣いてる。ケルケルそれがわかっちゃう」
女「えっ?」
清掃「はっきりとボクはオトコがサイテーだって思った。ケルケルはきっとそんなオトコを困らせたい!」
女「こ、困らせたい? 一体何を言ってるの?」
清掃「オトコ好きなんでしょ?」
女「ぶぅぅぅぅッ! ゲホゴホッ、急になに言い出した!?」
清掃「なら立ち向かう! 諦めちゃそこで試合終了だよーーー!」ダダァッ!
女「えっ、ちょまっ、引っ張らないでやあああああああ!!」ズルルルルルッ
ガチャッ!!
女「待って、いや! ごめんなさいッ──」ギュウウ
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 21:12:41.99 ID:
2abiLlXbO
男「ナマイダブナンマイダブ…」ブツブツ…
女姉「ドーマンセーマン、ナンミョウホウレンゲッキョウ…」シャラン…シャラン…
女「…………、なにやってんのお姉ちゃん達」ドンビキ
女姉「え? きゃあ!? な、なぜ貴女がここまで来てっ!?」
男「一体どうやって…!?」
清掃「それはケルケルだよ〜」フリフリ
男「余計に意味不明なったよケル君?!」
女「待ってお姉ちゃん、何、さっきの『ここまで来て』って…」ハッ
女「──私が追ってきてたの知ってて、ここまで来たの?」
男「え、そうだったんですか?」
女姉「かっ、勘違いされると思ったからよ! だって、二人でこんな繁華街に居たら絶対に貴女勘違いするでしょう…!?」
女「その妙な様子じゃ違う目的だったみたいだけど、じゃあどうして逃げたの…?」ブルブル
女姉(私がやらしい勘違いしてたなんて説明できるわけ無いじゃないッ!)
女「説明してくれれば良かったじゃない…やっぱり期待、とか嘘だったんだ…」ポロポロ
女姉「な、泣かないでっ?」
女「だから誤解よ、ここに来たのは初めてだもの。だからそんなワケない、私はちゃんと貴女のことを思って…」
女「本当に…? 嘘ついてない…? ぐすっ」
201 :
ていせい :2016/10/30(日) 21:13:38.95 ID:
2abiLlXbO
女姉「そのとおりよ、私は変わったの。他意無く素直に向かうって心に誓ったのよ…」
女「お姉ちゃん…」
男(いい話だけど全然ラブホテルでやる内容じゃない…)
受付「ねえねえ聞いてー! 霊の人を外で見つけたんだけどー!」ガチャア
受付「──さっき男君に路上チュー迫ってるの見ちゃったけどアレなに、…ん?」キョロ
受付「あれ? 居るじゃん、霊の人!」ビシッ
女姉「え? 私?」
女「例の人って、どういうことお姉ちゃん…? そう呼ばれるぐらい、ここに通ってたの…?」
女姉「えっ!? 私っ!?」
女「しかも路上チューって…それっ…もう、もうっ…!」
女姉「知らない全く知らない! 例の人って呼ばれるの今日が初めてだけど!?」
清掃「ワオ! よく見ると本当に霊の人だァー!」ガー!
女「ほら従業員の人まで呼んじゃった! うそつき! お姉ちゃんのうそつき! 生徒に手を出しまくる変態教師ぃー!」
女姉「誤解よ全くの誤解よ!」ブンブンブンブン
202 :
ていせい :2016/10/30(日) 21:14:10.98 ID:
2abiLlXbO
女姉「違うったら違うの! き、君からも説明して頂戴…!」
男「……俺がどう、貴女が勘違いしてここまできたか説明しろと……?」
女姉「あ、うん…それはちょっと肩の荷が重すぎる、かな…」ズーン
女「なによ二人して分かりあった雰囲気出しちゃって! もう、もういいわ! おめでとう! 結婚式にはちゃんと呼んでよね!」ダダッ
女姉「ま、待ちなさい妹! 貴女はとんでもない勘違いをしてるのー!」
ガシッ
女「…っ…!」バッ
男「待ってくれ! 先生の誤解はともかく、俺からはちゃんとした説明はできるっ」
女「な、なによ…アンタだって私をダシにしてお姉ちゃんに近づいただけでしょ…っ」キッ
男「とんでもねえ誤解されてるね! 違うっ、それは違うんだよ女さん…!」
男(みんな騒いでて気づいてないが、俺達の後ろでは凄いことが起こってる……!)
ぼごぉん ボゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッ
男(お風呂場から凄まじい水漏れ音、やはり女姉先生の戸惑いがリンクしてるんだ…!)
男「これを見てくれ。見てくれれば一発で分る、今の不思議な状況がね」スッ
女「どういうことよ…っ?」
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 21:14:43.35 ID:
2abiLlXbO
男「あ、開けるよっ? どんな状態なのか俺に教えてくれればいい、それだけだ」ガチャ
女「……?」チラ
男「行くよ──」ガッパァアア
女「……!」
ほかほか ほかほか ほわわん
男「………」
女「……お言葉に甘えて、言わせてもらうけど……」
女「──超準備万端じゃないッ!!!」カッッ
叔母「もう用事済んだ?」ヒョコ
男(タイミング考えて叔母さァーーーーーんッッ!)
女姉「」ちーん
受付「あ。ピンと来た、幽霊的なの今抜けてったな」
清掃「わーい!」
【誤解はすぐに解けました。】
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 21:15:13.26 ID:
2abiLlXbO
【オマケ:ケル君と男で女を駅まで見送り中】
女「とんでもない日だったわ…お姉ちゃんのこと、あと宜しくね…」スタスタ
男「叔母さんと受付さんが責任持って朝まで飲み付き合うってさ…」スタスタ
清掃「にしてもボス、今日は頑張りましたデスネ!」
女「ふ、ふふん。そうよ? これも貴方が誤解を招くようなことをするからよ…!」
男「そうであっても、よくここまでこれたもんだ。怖くなかった?」
清掃「トモダチだからだよ、心配だからきっと追いかけてきたと思う」
男「トモダチ…?」トクン
女「ばっ!? 違う違う違う、ライバルよライバル! 友達はちょっと…私達的に見合わないじゃない…?」チラチラ
男「ま、まあ、そうだね。だから友達どころか親しい人間かも怪しいよ、ケル君」
女「…そう?」ズキン
女(なによ、そうまで言い切らなくても良いじゃない…これでも私だって少しは貴方のこと…)
男「だってキスしなきゃいけないんだよ? 友達同士で」
清掃「エッ…!」
女「一瞬たりとも認めたことないわ! 変態ッ!」
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 21:15:44.42 ID:
2abiLlXbO
ちょっと過ぎてすんませんした
気まぐれに更新ノシ
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/30(日) 21:37:55.08 ID:2JgjZbf0o
おつおつ
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/31(月) 01:09:13.85 ID:pOVqluLAO
受付「いいじゃんいいじゃんちゅーくらいしちゃいなよー」ケラケラケラ
と受付さんなら言いそう
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/31(月) 05:58:28.80 ID:IyBpxZ36o
よく考えたらまともな部屋に戻ったら客室に使えるから従業員が使う訳にはいかないな
男が使う部屋無くなっちゃったから叔母さんと住むしかないな
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/10/31(月) 20:33:58.35 ID:wnofLWokO
>>209
まともな部屋になったところで男用に改造されてるからどちらにしろ客室には使えないぞ
それにもうホテルで生活させると兄に電話しちゃったし
今更一緒にとかなったら兄が引き取ることになる
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/02(水) 18:01:01.12 ID:ifdLcY3m0
住民票とかどうなってんだろ
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/12(土) 18:06:13.49 ID:tebPm15QO
マダー?
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/13(日) 16:36:13.49 ID:
WpcBWA3KO
男(あ。シャンプー切れてる)シャコ シャコ
男「まあ一日ぐらい洗わなくても気にしないけど…」ギトギト
男「………、うん! 無理だな!」
〜〜
男(そういや今日、女さんの校外掃除手伝ったせいで汗かいたんだった)スタスタ
受付「おんやー? こんな時間からお出かけかね青少年?」ヒョコ
男「ええ、実はシャンプーが切れたのに気づいてしまって」
受付「ありゃりゃ、ならホテルの据え置き使いなよ。沢山あるから使ってもバレやしないし」
受付「それにボディソープから石けんまで完備してるよー? げへへ、ご輿望あればヌゥルンヌルンのローションもあるけど?」
男「………」ボーゼン
受付「なにかねその顔は?」
男「まさか受付さん…金がもったいないからと、ここのホテルのシャンプー使用してないですよね…?」
受付「普通にやるけど」
男「いやぁーーーーーーーーーーー!!!」ギャー
受付「わ! 出た出た、君がたまに見せる乙女系反応だ」
男「信っっっじられないです! 不可解です! どうして使うんですか、意味不明過ぎてもうもうっ」
受付「突如どうしたのさ、急に」
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/13(日) 16:41:16.92 ID:
WpcBWA3KO
男「あのですね!? 安価なシャンプーは逆に汚れるどころか髪を傷めるんですよ…!?」
受付「ふーん」
男「ふーん!?!?! なんだその興味ない反応、本当に女性ですか貴女…!?」
受付「気にし過ぎだってば。別に髪傷んでないしいい匂いするよ、ほれほれ」コショコショ
男「へっぷし! やめてください! 匂いが移る!」ぺしっ
受付「匂いが移る!?」
男「まったく、じゃあ安くて良いシャンプー選んであげますから、今度一緒に買いに行きましょうよ…」
受付「あれれ? お姉さんもしやデート誘われちゃったカナ?」ニママ
男「一分そこらの周辺店舗で売ってますけど? 舐めるな市販品を」
受付「なーんだツマンナイのっ! ふーんだ、どーせお姉さんはお酒臭いラブホ従業員ですよーだ」
男「色々きにしてるなら気を使ったら良いじゃないですか…」
受付「自分が気にしたって、気にしてくれる人が居なきゃ意味ねーでしょうが」ブーブー
男「身だしなみ人のせいにする人初めて見た…」
受付「あ、そうだった忘れる所だった」ポン
受付「男くん。これから大人の女性的なエチケットタイムなので、そろそろ出かけたらどうデショ?」
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/13(日) 16:41:43.43 ID:
WpcBWA3KO
受付「まあ見たいのなら見ていっても良いのよ、うふ」
男「た、頼まれたって見ませんよっ」
男(俺も悠長に話してる暇なんて無いんだ。店が閉まる前に買い物済ませないと)
シュッシュッ
男(ん…? 何だこの音、それに匂いは…)チラ
受付「〜♪」シュッシュッ
男(ファ!? ファブリーズ!? 己の身体にファブリーズ!?!)ズガァーン
受付「ふんふーん♪」ゴシゴシ
男(お、おおおしおしおしっおしぼりででででっ身体をふいッ…拭いてっ!?)ガクガクガクガク
受付「よしっと。あ…ヤダッ! 何見てるの男君ってば! えっち!」キャー
男「………」
男「黙れ馬鹿野郎」
受付「考えた上での返答が罵倒だなんて!」
男「アンタ本当に…っ…なんでそうなっちゃったんですか…ッ! 俺なんか悲しくなってきましたよ…っ!」
受付「まあまあ落ち着いて。事情があって仕方なくよ、普段はちゃんと一式用意してるから」
男「本当にですか…?」チラ
男(……なぜスタッフルームに寝袋や食い散らかったカップラーメンの空容器があるのだろう……?)
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/13(日) 16:43:31.75 ID:
WpcBWA3KO
男「どういう状況なんですか、コレ」ドンビキ
受付「そろそろ帰らないと駄目だよね。オーナーにバレたらどやされちゃう」キャピ
男「何か帰れない理由でも…?」
受付「え、面倒だから?」
男「さっさと帰れ!」
〜〜〜
男(まさかここまでとは思ってもなかった。だらしない人だとは分かってたつもりだったけど)
カチャカチャ じゅわわ〜
男「…むしろ普段、なにしてるんだろあの人」
叔母「私はゲームだよ」もぐもぐ
清掃「ボクもゲームだよっ!」もぐもぐ
男「うん。だいたい知ってます、貴方達のことは」
叔母「まあ全てケルケルくんのおすすめばかりだけど」
清掃「ownerのみこみ早くて助かるですよ? ゲー友としてバッチリ!」ニコニコ
叔母「折角やるなら一番目指さないと」
清掃「ほわあ〜…かっこよすですなあ〜…」キラキラ
男(この人達もブレないな…私生活が目に見える…)
男「ケル君おかわりいる?」
清掃「たべるよー! さっきのヒトリゴト、フォクシーのこと言ってた?」コテン
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2016/11/13(日) 16:44:10.85 ID:
WpcBWA3KO
男「了解。そうそう、受付さんって普段なにしてるんだろーって思ってさ」
叔母「…」
清掃「…」
男「な、なんですか二人変な顔して…」
叔母「変なこと気にするんだね、君」
清掃「と、トモダチになるつもりなの…っ? フォクシィ狙ってるのっ?」ドキドキ
男「いやっ、だって、知ってるようで全然知らないのが不思議だなあって…!」
叔母「ふーん。とりあえず部屋がきたなそう」モグモグ
男「俺もそう思いますけど、貴女が言える立場じゃないのわかってます?」
男「じゃあケルくんは何かしらない?」
清掃「……、ボク知らない」プイ
男「え? そ、そうなの?」
清掃「……」じぃー
男「? っ??」
清掃「せっかちでせっそうないオトコきらいだもん」
男「本当に待って、何を言ってるのケル君?」
清掃「ウソついたってボクにはわかるよーッ!」プンスカプン
叔母「ケルケル君。彼はね、胸の小さい女性に興味がないんだ」
清掃「そうなの?」
男「ちょっと黙っててもらえます!?」