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姫「私が姫になった理由は勇者のことが好きだからだ!文句あるのか!?」
Part10


176 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/04(水) 23:16:15.29 ID:DOoMBH4Go
墓地
シスター「え!? 兄さんに恋人!?」
勇者「そうなんだ。すげえだろ?」
シスター「よかったね。兄さん、ずっと欲しいって言ってたのに出来なかったから」
勇者「ホントにな。これでようやく俺も一人前の男になれるってもんだぜ」
シスター「あの……。結婚しても私には会いにきてくれるよね?」
勇者「当然だろ? 何いってんだ」
シスター「嬉しい。兄さんと会えなくなるのは嫌だから」
勇者「俺の嫁もお前には紹介してやるって。きっと気に入ってくれるはずだ」
シスター「うん。楽しみにしてる。あ、そうだ、姫様のことなんだけど」
勇者「なんだよ。どーでもいいよ」
シスター「とっても楽しそうにしてるよ。兄さんの考えは大成功だと思う」
勇者「そうか。どうでもいいけど、これからも頼むな」
シスター「うんっ!」
勇者「じゃ、また来る」

177 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/04(水) 23:29:14.47 ID:DOoMBH4Go
広場
勇者(さぁーて。今からホテルの予約でもしておくか……。クヒヒヒ)
勇者「オホホホホ。そうだ。色々と買い揃えていたほうがいいものもあるよなぁ。妊娠したあとに結婚なんて妹も良しとしないだろうし」
「聞いたか? あの噂」
「ああ、姫様のことだろ?」
勇者(かなり広まってきてるなぁ。そろそろ隠すのも限界か。ま、その辺は先輩が考えてくれてるだろうし、俺はゆっくり今後の人生設計を……)
「魔女の娘なんだって?」
「噂だけどなぁ。でもありえるよなぁ。魔女と一時とはいえ一緒にいたんだしさ」
勇者「……ちょっといいですか?」
「あ、勇者様。これはどうも」
勇者「その噂はどこで?」
「え?」
勇者「姫様がいるだとか、魔女の娘だとか。どこで聞いたんですか?」
「さ、酒場で……。もしかして本当のことですか?」
勇者「なわけないでしょう。全く」

178 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/04(水) 23:36:41.44 ID:DOoMBH4Go
城内 謁見の間
兵士「隊長。書状にはなんと書かれていたのですか?
兵士長「王子様まで来るってよ。まぁ、当然といえば当然だな」
兵士「当然、ですか? 身柄を引き渡すだけのことに王族が動くとは……」
兵士長「色々あるんだって。とりあえず入国はさせてやれ」
兵士「はっ。では、その旨を国境の兵に伝達します」
兵士長「できるだけ急いでくれよ。まだまだ各地で暴れている悪者もいるんだからよ」
兵士「わかっています。それでは」
兵士長「おーぅ」
兵士長(王子まで来るのかよ。招待の準備をする身にもなってほしいもんだな)
戦士「ーーちょっとぉ」
兵士長「先生になんかあったか?」
戦士「それどころじゃないわよ」
兵士長「あん?」
戦士「魔女の娘が姫様だって噂が流れ始めてるって。今、勇者様があたしに伝えてくれたんだけどぉ」

179 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/04(水) 23:41:23.04 ID:DOoMBH4Go
姫の自室
教師「本日の授業はオシマイデス。しっかりと復習をしておいてクダサイね」
姫「わかった」
教師「ヨロシイ。では、また明日デスね」
姫「早く出て行け」
教師「ウフフフフ。ホントに嫌われていますネ。ワタシ」
姫「……」
教師「以前のことなら謝罪したはずデスよ。貴方は前国王と側室の間に生まれたーー」
姫「出て行けって言ってるだろ!!」
教師「……ハイハイ。バーイ」
姫「ふぅ……」
姫「やっぱり、あいつのことは好きになれない」
姫(どことなく、お母さんに似てる……)
姫(大嫌いなお母さんに)
姫「……復習するか」

180 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/04(水) 23:49:11.82 ID:DOoMBH4Go
通路
教師「アラ? なにか御用でも?」
戦士「貴方が流行の発信源なの?」
教師「なんのこーー」
戦士「惚けるの? いいけど、命を捨てなさいよ」
教師「……」
兵士長「待て待て。まだ先生が流したと決まったわけじゃねえだろ」
戦士「でも、この女以外に魔女と姫様を結び付けられるやつなんていないでしょう?」
兵士長「そりゃあ……」
教師「ウフフフ……。アハハハハハ!!」
戦士「何がおかしいの?」
教師「姫様の存在自体はずっと以前から噂されていたことですよ? そこ、わかっていますか?」
戦士「それがなに?」
教師「少し穿てばそれぐらいの見方はできます。姫様がいる。誰の子どもなの。王と魔女の間に子どもがいたんじゃないか?とね」
戦士「あんた……。あまりあたしを怒らせないほうがいいわよ? 化粧しても誤魔化せないぐらいに顔を変えるなんて簡単なんだから」

181 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/04(水) 23:56:13.31 ID:DOoMBH4Go
兵士長「やめとけ。冗談に聞こえねえよ」
戦士「冗談じゃないもの」
教師「ともかく、私を疑うのは結構ですよ。それだけのことをしてきたわけですもの」
兵士長「先生のことは監視を続けてきたはずだ。どうなんだ?」
戦士「……あたしが監視を始める前に流していた可能性もあるわ」
兵士長「監視中は特に変なことはしてなかったんだな?」
戦士「城内の男を誑かそうとしていたけどね」
教師「女が男を誘惑してはいけないんデスかー?」
兵士長「職務中の男を誘惑するのはいい女の条件からは外れるな」
教師「そうデスか。勉強になります」
戦士「引き渡すまでどこかに入れておいたほうがいいんじゃない?」
兵士長「それだと姫の教育係がいなくなっちまうだろ?」
戦士「そんなのどうでもいいじゃないの」
兵士長「お前さんが四六時中監視してるんだ。こんな女に何かできるわけねえだろ?」
戦士「ふんっ。どうなっても知らないから! ぷんぷん!!」

182 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/05(木) 00:02:03.32 ID:lAaANFdRo
教師「……プリンセスの黒い噂がついに流れ始めましたか」
兵士長「まぁ、いつかはこうなるとは思っていたがな」
教師「いいんですよ。私を恨んでくれても」
兵士長「先生は姫様のことを調べてはいるが、こんな陰口を叩くようなタイプにはみえねえからな」
教師「あら。オジサマ、ワタシに惚れちゃいましたか?」
兵士長「それはねえよ。具体的な噂が流れていねえから、そう判断しただけだ」
教師「具体的……」
兵士長「とりあえず、目立ったことはしてくれるな。こっちはいつでも先生を斬る準備してんだからよ」
教師「ハーイ、キヲツケマース」
兵士長「それから……」
教師「プリンセスにはシークレットですね」
兵士長「気休めだがな。勘の良い姫のことだ。遅かれ早かれ気が付くはずだ」
教師「大変デスね」
兵士長「他人事みたいにいいやがって」
教師「他人事ですもの」

183 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/05(木) 00:08:31.83 ID:lAaANFdRo
姫の自室
姫「よしっ! 復習終わり!」
姫「……やることないな」
姫「中庭にでも行くか」
勇者『ひめさまぁー』
姫「あいてるぞー」
勇者「よう。元気してるか?」
姫「あいっ。お前は?」
勇者「良い休暇が出来てる」
姫「そうか。良かったな。これから中庭にいくんだけど、一緒にどうだ?」
勇者「暇だし、いいぞ」
姫「おぉ! よし、いくぞ」グイッ
勇者「引っ張るなよ」
姫「うるさい。姫様の命令だぞ」
勇者「我侭なやつだな……」

184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/05(木) 01:33:57.19 ID:lAaANFdRo
中庭
姫「わーい」テテテッ
狼「ガウッ!!」
勇者「あまりはしゃぐなよ。服が汚れるぞ」
姫「お前もこいよー!!」
勇者「誰が行くかよ。馬鹿馬鹿しい」
姫「ガァァァウ!!」ガブッ
勇者「見ててやるから遊んどけ」
姫「お前と一緒に遊ぶんだ」
勇者「嫌だっていってんだろ。何が悲しくてガキと遊ばなきゃいけないんだ」
姫「なら、話をするか?」
勇者「どんな?」
姫「そうだな……。結婚式のこととか!!」
勇者「誰と誰のだよ」
姫「そ、そんなの決まっているだろ。言わせるな」

185 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/05(木) 01:40:23.22 ID:lAaANFdRo
勇者「そうか。俺と団長さんの結婚のことか」
姫「……もういい」
勇者「そうだ。お前に話しておきたいことがあるんだけどよ」
姫「なんだ、なんだ?」
勇者「今度の遊戯会は行くな」
姫「なんでだ? 今、サイコーに盛り上がっているところなんだが」
勇者「俺の言うことが聞けないんですか、姫様?」グニーッ
姫「ふぁふぁっふぁ! ふぃふぁふぁい!」
勇者「それでいい」
姫「その代わり、お前が遊んでくれるんだろ?」
勇者「はぁー?」
姫「いいだろ、それぐらいは!」
勇者「しかたねえなぁ……」
姫「にひぃ! なにする!? なぁーなぁー?」
勇者「姫様がどうぞ決めてくださいよ」

186 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/05(木) 01:51:05.76 ID:lAaANFdRo
兵士長「お?」
姫「たかーい!! おぉぉ!! いいぞー!!」
勇者「……」
姫「右にいけ! 右に!」ペシペシ
勇者「頭を叩くな!! 振り落とすぞ!!」
兵士長「一国の姫君を肩車とは、いいご身分だなぁ」
勇者「先輩、助けてくださいよぉ。こいつ、頭が高すぎますってぇ」
姫「お疲れ様でございますわ!!」
兵士長「はいよぉ。姫様、ちょっとそいつ借りていいですか?」
姫「いいですわよ! 私は向こうで遊んでいますわ!!」
兵士長「すぐに返しますから」
姫「あいっ」
勇者「……返さなくていいですけど」
兵士長「返さないとダメだろ。勇者様は姫様のものなんだからな。……で、伝えたか?」
勇者「一応。本人も納得してくれましたし、問題ないっす」

187 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 19:08:19.29 ID:TJYJ0/QlO
勇者と一緒にいる時の姫様はかわいいなぁ

188 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 19:29:37.94 ID:kmiQV9Sao
兵士長「ま、城の連中に緘口令を敷いていてもどこからか情報は漏れる。それに度重なる任務で精神的にも疲弊しているし、悪い風は流れちまう」
勇者「俺もストレスたまりまくりっすよぉ」
兵士長「全然、そうは見えないけどな」
勇者「ひっでぇ。また今度野盗狩りしなきゃいけないみたいですし。俺の全身を全身でマッサージしてくれる嫁が欲しいっすぅぅ……。もうすぐできるけど」
兵士長「……こんなときだからこそ、お前には姫様の傍に居てほしいんだがな」
勇者「ヘッ。こっちはいたくもないっすね」
兵士長「ハハッ。まぁ、そういうことにしておいてやる」
姫「おわったかー?」
兵士長「終わりましたよー」
姫「わぁぁぁー」
勇者「俺の真似すんのいい加減やめろ」
姫「やだっ」ギュッ
勇者「お前、俺のことバカにしてるだろ!?」
姫「だって、お前バカだし」
勇者「この……!!! 姫様だからって言っていいことと悪いことがあるんだよぉ!!!」

189 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 19:37:37.31 ID:kmiQV9Sao
牢獄
戦士「ーーいい? 面会は10分だけ。会話の内容もぜーんぶ聞かせてもらうからね」
教師「わかっています。しつこいです」
戦士「あんたにはしつこいぐらいが丁度いいのよ」
教師「ふっ……」
兵士「おい。お前に面会だ」
魔女「ーーどちらさま?」
教師「はぁい。貴方がこの国を支配しようとした魔女ですか?」
魔女「なにかよう……?」
教師「貴方のお話を是非とも聞きたくて」
魔女「話……?」
戦士(こいつ何を訊く気かしら……?)
教師「まずは前国王との馴れ初めから話してくれますか? ああ、時間は限られているのでできるだけ手短にお願いします」
魔女「……」
教師「ウフフフフ。どうせ死ぬんですから、いいじゃないですか、見知らぬ他人に身の上話をするぐらいね」

190 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 20:14:20.23 ID:kmiQV9Sao
城内 謁見の間
兵士長「で、魔女対魔女の会談はどうたったんだ?」
戦士「なんてことない世間話だったわ。ちょっと拍子抜けしちゃった」
兵士長「会話記録を見る限り、なんつーか人物調査してるだけみたいだな」
戦士「魔女と意気投合して何かやるーって感じにも見えなかったしぃ。あの女はホント、何考えているんだか」
兵士長「すっ……ぱぁー……。引き渡すまでの辛抱だ。あとは隣国がケツを拭いてくれる」
戦士「あたしもお尻拭いてほしいわ」
兵士長「意味が違うだろ」
兵士「隊長!!」
兵士長「来たか」
兵士「はい!! こちらに向かってくる一団を確認しました!!」
兵士長「ついに来たか。出迎えの準備は出来てるな? いくぞ」
戦士「化粧してきていいかしら? 王子様がくるんでしょう?」
兵士長「してこい。できるだけ厚化粧にしておいてもいいぜ?」
戦士「りょーかぁーい」

191 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 20:14:59.70 ID:kmiQV9Sao
>>190
兵士長「ついに来たか。出迎えの準備は出来てるな? いくぞ」

兵士長「出迎えの準備は出来てるな? いくぞ」

192 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 20:26:14.06 ID:kmiQV9Sao
中庭
姫「ふーん……!!」ググッ
勇者「姫様ぁ、本気出してます? これでは腕相撲にならないんですが?」
姫「お前! わざと負けるということを覚えろ!!」
勇者「わざと負けたらどーせ怒るだろ?」
姫「うおぉぉ!!」
勇者「えいっ」パタッ
姫「わぁぁ……。なんでだ……勝てない……!! お遊戯会では無敗だったのに……!!」
勇者「そんなこともしてたのか。随分、楽しんでたんだな」
教師「勇者サマっ」ギュッ
姫「な!? なんだお前、いきなりぃ!!!」
勇者「先生。やめてください。あなたもう過去の女性。俺はもう新しい愛を見つけたんです」
教師「アラ、なかなか会いに来てくれないと思ったら……。寂しいデスね……」スリスリ
勇者「すみません。でも、惚れた貴方が悪いんだ」
教師(何いってるのかしら、童貞のくせに。……もうこいつの利用価値はないし、どうでもいいけど)

193 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/06/06(金) 20:31:41.59 ID:kmiQV9Sao
姫「はなれろー!!!」ドガッ!!
教師「アンッ。痛いデス、プリンセス」
姫「ガルルルル……!!!」
教師「まぁ、怖いデスー」
勇者「なにより貴方を信用することがもうできなくなったんで」
教師「へぇ、そうですか」
勇者「そうですよ」
姫「あぅ?」
兵士長「こんなところで油売ってたか。早くこいよ」
勇者「どうしたっすか?」
兵士長「ついに来たぜ。隣国の騎士団ご一行がな」
勇者「キター!!!! やっとキター!!!! 今、いくっすぅぅぅぅ!!!!」ダダダダッ
姫「あー!! 置いてくなぁー!!!」
兵士長「こらこら姫様はダメだ。先生は一緒に来てもらうけどな」
教師「ハイハイ。ワカッテまぁーす」